『ブラックボックス』

うどん

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〜第1章〜

③『汚職刑事との酒』

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みつれはリンとの集合場所の駅へと向かう。

リン「お!来たね!おーい!!」
リンが遠くから手を振る。
その隣にはしおんが居た。

リン「意外と早かったねぇ。」
みつ「うちの大事な同僚に手を出されては困るのでね。」
リン「お熱いねぇ。じゃあ行こっか!」


みつれとしおんはリンに連れられて飲み屋街に入る。
リン「まずは1軒目!!ここだぁ!」
リンが選んだのは焼き鳥屋。
みつ「あんまり飲みすぎるなよ。あと、しおんには飲ませるなよリン。」
リン「しおん君はまだ未成年だっけ?まぁいいじゃない!たまには!」
みつ「未成年飲酒禁止法ってご存知ですか?汚職刑事殿。」

3人は店に入っていく。
しばらく飲み食いが始まる。




リン「さぁ!2軒目行くぞー!ついて来なさぁい!」
千鳥足で上機嫌ではしゃぐリン。
転けないように介抱するしおん。
やれやれと後ろで見守るみつれ。

しお「ちょっとリンさん。1軒目から飲み過ぎですよ。」
リン「何を言っとるか少年!まだまだこれからよぉ♡」
しお「ちょっと助けてよみつれさん。」
みつ「ほっとけ。刑事も色々大変なんだろ。」


次に来た店は少し落ち着いた雰囲気のBAR。


リン「ここ。リンちゃんの行きつけの店♡」
リンはニコニコしながら店を指さす。

リン「ここで飲みながらお話しよ!」

リンはスキップして店に入っていく。
みつ「やれやれ…行くか。」
みつれとしおんもあとに続く。


「いらっしゃい。おぉーリンちゃん。今日はもう出来上がってるねぇ」
リン「マスター、一番奥の部屋貸してぇ。それといつものね♡」
「お連れさんも居たのかい。あいよ。どうぞ。」

リン「2人ともこっちこっちぃ!」

みつれとしおんはリンに手を引っ張られ奥の個室に入る。

しお「BARに個室なんかあるんですねぇ。」
リン「特別な部屋だよ♡ここでゆっくり飲もっ」

リンはどっこいしょっと椅子に座る。
リン「とりあえず乾杯♡」
みつ「おい。お前これ酒じゃないか。しおんは駄目だっていっただろ。」
リン「えぇ~。みっちゃん過保護なんだからぁ。」
みつ「お前それでも警察の人間か?」
しお「僕ジュース頼んでくるよ。」

しばらくたわいのない話をしながら飲んだあと、
リンがグラスに入った酒を一気に飲んだ。
カンっ!とグラスを置いたあと、
リン「さて…」
先ほどの雰囲気から一変した。

みつ「やっと本題か。本当に飲み暴れるだけで終わるかとヒヤヒヤしたよ。」
リン「みっちゃんが捜してる男だけど…」

リンは一枚の写真を取り出した。
その写真には男が写っていた。

リン「あるスジからの情報だけど、この男は今この街にいる。」
みつれの顔色が変わる。

リン「三日前、この街で目撃されたらしい。」
みつ「・・・今どこにいる?」
リン「そこまでは分からない。それ以降の情報は無い。」
しお「僕の方でも調べてみます。」
みつ「お願い。」

リン「ねぇ。みっちゃん。この男見つけて…どうするの?」
みつ「リンには関係ない。」
リン「情報あげてんのにそりゃ無いでしょ。少しくらい教えてくれてもいいんじゃない?この男と何があったのか。」

いつになく真剣な眼差しをみつれに向けるリン。

みつ「そこまでは聞かない約束じゃなかったか?リン。」
みつれはリンを睨む。
一気に険悪な雰囲気になる。

しお「ちょっと!そこまで!この男の足取りは僕で調べときますから!ね?みつれさん!リンさんも気になるのは分かりますがみつれさんにも時間を与えて下さい!ね?」
しおんが2人の仲裁に入る。

リン「・・・」
みつ「・・・」

リンが椅子にもたれる。
リン「いい子だね少年は…。いいよ。しおん君に免じてみっちゃんが話してくれるまで待っててあげる。」


みつ「・・・」
しお「ほら!2人ともグラス空いてますよ!マスターにおかわりもらって来ます!」

リン「マスターに新しいボトルおろしといてって言ってくれる?」
しお「はい。言って来ます!」

しおんは個室を出た。

リン「・・・いい子だね。あの子。」
みつ「・・・あぁ。」

しばらく静寂が続く。

しお「ボトルもらって来ましたよ!!どうぞ!」
リン「ありがとう少年!!さっきは気を悪くさせちゃってゴメンね。さっ!飲んで飲んで!」

リンはみつれのグラスに酒を注ぐ。



それから1時間後。

リン「ほにゃらえんもたけにゃわというこちょで…」
みつ「ちょっとリン…飲みしゅぎよ…」

しお「いや…2人とも飲み過ぎですよ。」

2人ともふらふらだ。

リン「じゃぁ…きょうはこにょへんで…またれんらくしゅるぬぇ」

リンは千鳥足で帰っていった。


しお「僕らも帰りますよみつれさん。」
みつ「うむ…かえりゅ……」
しお「((みつれさんがこんなに酔ってるのは初めてみるなぁ…))」


しおんはみつれをおぶって事務所に向かった。
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