13 / 16
⑫『幼なじみの報復〜前編〜』
しおりを挟むみずきはひまわりの見舞いに病院へ来ていた。
み「ひまちゃん♡」
みずきはひまわりの病室の扉を開けて呼び掛けた。
すると、ひまわりの横にはいちごが座っていた。
み「ありがとね。いちご。毎日来てもらって。」
い「大丈夫だよ。学校終わってからしか来れないけど…」
み「ひまちゃんも喜んでると思うよ。」
するとみずきは手に持っている袋の中をゴソゴソあさり始めた。
い「何買ってきたの?」
み「ひまちゃんの好きな焼きプリン。食べさせてあげてくれる?いちごのも買ってきたよ。」
い「おっ、ありがとう!」
いちごはひまわりにプリンを食べさせた。
みずきは窓の外をみている。
い「みずき?どうしたの?」
いちごは神妙な顔をしているみずきに聞いた。
み「いちご。ちょっとお願いがあるんだ。明日、学校休んで1日ひまちゃんと一緒に居てあげてくれないかな?」
い「いいけど。みずきは?」
み「私は少し用事があって来れないんだ。終わったらすぐ来るけど。」
い「そう。わかった!いいよ!」
み「ありがとう。」
いちごはみずきと約束した。
しかしそれを見ていたひまわりはみずきの顔をみてわかった。
昔のみずきの顔になっていることに。
翌日。
廃倉庫前にみずきはいた。
中から数人の騒ぐ声や音楽が聞こえる。
み「こんな昼間っから暇なヤツらだなぁ…」
すると後ろからかんなが歩いてきた。
かん「お前の言う通り仕掛けたぞ。まったく…本当にアレで大丈夫か!?」
み「"本職"がそう言ってるんだから大丈夫でしょー」
かん「適当だなぁ…」
かんなはメガネを外し準備した。
かん「よつばはアタシがヤる。お前はひまわりを襲った奴をヤれ。」
み「いや、全員ヤる。1人も逃がさない。」
それを聞いたかんなは思わず笑う。
かん「さすがはヤクザの孫ってところか。」
み「・・・だから言いたくなかったんだ。」
みずきはムスッした後、静かに微笑んだ。
み「時間だ。行こう。」
かん「あぁ。」
みずきは勢いよく廃倉庫の扉を開けた。
中にいたグループがこちらを向く。
「なんだお前ら!!」
み「よつばは何処だ。」
みずきは前に進みながら質問した。
「コイツ…みずきだ!!かんなもいるぞ!!」
「馬鹿か。2人でこの人数勝てるわけないだろ」
「オラァ囲め囲め!!」
あっという間に2人は十数人の男に囲まれた。
何人かは鉄パイプや金属バットを持っている。
しかし、それに臆すること無く、
みずきがもう一度問う。
み「もう一回聞くよ。よつばは何処にいる?」
?「アタイはココだよ」
奥から声がした。
よつばだ。
よ「久しぶりだね。みずき。かんなも来たのかい。」
かん「よつばぁ…」
かんながよつばを睨む。
よ「また犯されにきたのか?ずいぶん気持ち良さそうだったもんなぁ!!」
周りの男達が笑い出す。
「今だったら許してやるから全裸で土下座しろよ!」
「いいなぁ!それ!ギャハハ!」
男達からヤジが飛び交ってくる。
かん「言いたい事はそれだけか?」
よ「あ?」
かん「だったらそこで大人しくお座りでもして待っとけ!!よつばぁ!!!」
かんなが走っていき、男に殴り掛かる。
みずきも動き出す。
み「お前ら全員殺す。」
男達がみずきに襲いかかる。
みずきはあっさりはねのけて殴り返す。
怒声と金属音と人が倒れる音が鳴り響く廃倉庫。
みずきとかんなは前へ進む。
よつばとの決着をつけるために。
ひまわりの復讐を果たすために。
1
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
ロリストーカー 【百合】
わまり
恋愛
R-15(有りだけどそこまでではないので)
誰もが性癖を持って生きている、青春時代。恋の対象は年齢なんて関係なくて…?
視線を感じて振り向くはロリ、
寂しがり屋なロリ、性癖の多い女の子。
個性豊かな登場人物が作り出す、ロリ×JKの百合物語!
時折Hな表現や性癖を含みます。
(この話は「短編小説パンドラ」からロリストーカーだけを切り離したものになります)
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
放課後の生徒会室
志月さら
恋愛
春日知佳はある日の放課後、生徒会室で必死におしっこを我慢していた。幼馴染の三好司が書類の存在を忘れていて、生徒会長の楠木旭は殺気立っている。そんな状況でトイレに行きたいと言い出すことができない知佳は、ついに彼らの前でおもらしをしてしまい――。
※この作品はpixiv、カクヨムにも掲載しています。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる