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⑪『幼なじみの秘密』
しおりを挟むかん「お前のお爺さんっていったい何者なんだ?」
み「絶対誰にも言わないって約束して。…てお前はそういうのは絶対言わないヤツか。」
かんなは口が堅い。みずきはそれを知っていた。
み「けどくれぐれもひまちゃんにだけは…」
かん「もちろんだ。」
みずきは頷くと話し始めた。
み「実は私のお爺ちゃんはカタギの人間じゃないの。」
かん「それって…」
み「まぁつまりはこっち系ってこと。」
みずきは指で頬に1本線をひくジェスチャーをした。
そのジェスチャーを理解したかんなは驚いたが、すぐに納得がいった顔をしていた。
みずきの祖父。
その正体は、田舎で代紋を掲げる組の長だ。
田舎といっても規模はデカく、
その地域丸ごと組のシマとしている。
み「とにかくこの件は私が始末する。ひまちゃんを襲ったことは絶対許さない。」
みずきはスマホを取り出し、電話をかけた。
かん「おい。何処に掛けてんだ。」
み「お爺ちゃんの事務所だよ。」
?「…はい。」
男の声だ。
み「もしもし。ジンさん?私、みずきだけど。」
?「お、お嬢!?ご無沙汰しております!」
み「久しぶりだね。ジンさん。元気?」
ジン「はい!おかげさまで!お嬢は?」
み「まぁぼちぼちかな。お爺ちゃんいる?」
ジン「オヤジですね!お待ちください。」
ジンという男は組の若頭。
みずきが小さい頃、祖父の所に行った時は必ず護衛として傍にいた男だ。
祖父「おう。みずき。久しぶりじゃな。」
み「お爺ちゃん久しぶり。元気?」
祖父「あぁ、元気じゃよ。一体どうしたんじゃ?いきなり連絡してきて」
み「あのね、実は……」
みずきはこれまでの経緯を話した。
祖父「なるほどのぉ。そいでワシにどうしてほしいのじゃ?」
み「いや、なにもしなくていいよ。ただ助言がほしいの。」
祖父「助言…かの。……みずき。お前がそんな危ないことしなくても、ワシに任せたらええんじゃ。お前の為なら若い衆を向かわせ」
み「いらない!!」
みずきは祖父が言いきる前に言い放った。
み「これは私がケリつけてなきゃいけないの!巻き込まれたひまちゃんの為にも!!」
祖父「はははっ。お前ならそう言うと思っとったわ。流石はワシの孫じゃ。それじゃぁこういうのはどうじゃ…」
みずきは祖父から有益な助言をしてもらった。
み「ありがとう、お爺ちゃん。大好きだよ♡」
みずきはそう言って電話を切った。
み「よし、じゃあ色々準備して明後日くらいにカチコミしようかな。」
スマホをしまいながらみずきは言う。
かん「アタシも行く。元々そのつもりだ。」
み「やめときなよ。お前を守りながらやる自信はないよ。」
かん「それはこっちのセリフだ。それに、アイツらには借りがある。」
お互いニヤッと笑いながら2人は歩き出した。
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