上 下
12 / 16

⑪『幼なじみの秘密』

しおりを挟む


かん「お前のお爺さんっていったい何者なんだ?」

み「絶対誰にも言わないって約束して。…てお前はそういうのは絶対言わないヤツか。」

かんなは口が堅い。みずきはそれを知っていた。

み「けどくれぐれもひまちゃんにだけは…」

かん「もちろんだ。」

みずきは頷くと話し始めた。




み「実は私のお爺ちゃんはカタギの人間じゃないの。」

かん「それって…」
み「まぁつまりはこっち系ってこと。」

みずきは指で頬に1本線をひくジェスチャーをした。

そのジェスチャーを理解したかんなは驚いたが、すぐに納得がいった顔をしていた。


みずきの祖父。
その正体は、田舎で代紋を掲げる組の長だ。

田舎といっても規模はデカく、
その地域丸ごと組のシマとしている。





み「とにかくこの件は私が始末する。ひまちゃんを襲ったことは絶対許さない。」


みずきはスマホを取り出し、電話をかけた。

かん「おい。何処に掛けてんだ。」
み「お爺ちゃんの事務所だよ。」



?「…はい。」
男の声だ。

み「もしもし。ジンさん?私、みずきだけど。」

?「お、お嬢!?ご無沙汰しております!」
み「久しぶりだね。ジンさん。元気?」
ジン「はい!おかげさまで!お嬢は?」
み「まぁぼちぼちかな。お爺ちゃんいる?」

ジン「オヤジですね!お待ちください。」

ジンという男は組の若頭。
みずきが小さい頃、祖父の所に行った時は必ず護衛として傍にいた男だ。


祖父「おう。みずき。久しぶりじゃな。」
み「お爺ちゃん久しぶり。元気?」
祖父「あぁ、元気じゃよ。一体どうしたんじゃ?いきなり連絡してきて」
み「あのね、実は……」


みずきはこれまでの経緯を話した。

祖父「なるほどのぉ。そいでワシにどうしてほしいのじゃ?」
み「いや、なにもしなくていいよ。ただ助言がほしいの。」
祖父「助言…かの。……みずき。お前がそんな危ないことしなくても、ワシに任せたらええんじゃ。お前の為なら若い衆を向かわせ」

み「いらない!!」

みずきは祖父が言いきる前に言い放った。

み「これは私がケリつけてなきゃいけないの!巻き込まれたひまちゃんの為にも!!」

祖父「はははっ。お前ならそう言うと思っとったわ。流石はワシの孫じゃ。それじゃぁこういうのはどうじゃ…」


みずきは祖父から有益な助言をしてもらった。

み「ありがとう、お爺ちゃん。大好きだよ♡」

みずきはそう言って電話を切った。


み「よし、じゃあ色々準備して明後日くらいにカチコミしようかな。」
スマホをしまいながらみずきは言う。

かん「アタシも行く。元々そのつもりだ。」

み「やめときなよ。お前を守りながらやる自信はないよ。」
かん「それはこっちのセリフだ。それに、アイツらには借りがある。」


お互いニヤッと笑いながら2人は歩き出した。

しおりを挟む

処理中です...