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第一章

なんやかんやで

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 なんやかんやでケタイシ領に戻って来た。

 門のとこでアレンさんがにっこりと手を振っている。

 なんで帰ってくるの知っていたし?

 やっぱりストーカー?ストーカーなの?

 でも、お帰りと言ってもらって嬉しかった。なんやかんやで縁だと思ってしまった。

 気付けば、メイさんとは友達になっているし、肉屋のおばちゃんとは、親戚のおばちゃんぐらいの距離だ。

 そして、アレンさんとは交際中。

 アレンさんは伯爵家の次男坊。騎士爵になる予定。結婚を申し込まれたが、まだ麻袋の事は言えていない。

 麻袋の事は言えてない。いろいろ考えたけど、麻袋の秘密がばれたら国に奪われて戦争に使われたり、悪い人に使われたりしたら怖い。

 1人で武器や食料を大量に運べるなんて恐ろしい。災害などの支援に使われるなら良いけど、戦争に使われるなら嫌だ。

 戦争絶対反対マンじゃないけど、麻袋のせいで戦争を引き起こしたくない。

 いつか、麻袋よりアレンさんが必要になったら、燃やしてしまう予定。

 多分、そんな日は遠くない。


 まだ肌寒い春の朝、ホットレモネードを飲みながら、まだ膨らんでいないお腹に手をやった。

 



 FIN
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