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第一章

引きこもり

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 税金も要らないし、食べ物もたくさんある。

 ビバ!引きこもり生活。レースが増えて、そろそろショールができる。

 で、奴が来た。アレンさん。

 なんか、顔を見ると嫌な気持ちが湧き上がるので見たくない。

 こんな、ヒッキーのスパイはいませんよ。はよ帰れ。

 あれから、2、3日に1度のペースでアレンさんが家を訪れる。ブローチや、小物入れを持って。天気の話や、何かモゴモゴ言っては帰っていく。人から意味もなく物を貰うのは好きでないし、特にアレンさんは苦手なので要らないと言ったが、貰うまで帰ってくれなかった。最近は、めんどくさくて貰って早く帰してる。

 以前、もらったブローチ。あれは、手作りらしい。木製の物は、花や鳥の柄が彫られており、色も塗られている。金属のブローチは、行商から買ったらしい。

 スパイ容疑から、貢がれている感もあるが、しっぽを出そうとしてるのかもしれない。

 ブローチに使っている絵の具?は、家具屋に分けてもらったそうだ。

 家のフローリングが、加工していないのでちまちま麻袋で水分を抜いている。家具屋なら、ニス的な水分を弾く物があるかもしれない。麻袋があるので、あまり手間ではないが、ニスがあるなら使いたい。

 スナップエンドウなどの夏野菜を売りに行くついでに寄ってみよう。

 アレンさん、はよ帰れ。



 街に出る。今日はスナップエンドウと、バジルだ。戯れに植えたバジルが日に日にひどいことになっていた。トマトやキュウリもあったけど、生食の野菜は売らない。あと、昔トマトは忌避されていたのは有名な話。

 今日も野菜が飛ぶ様に売れて楽しい。バジルは、調味料代わりに使うと美味しい事と、バジルペーストや乾燥バジルの活用法を教えて売る。主婦の皆様に大好評だ。

 帰りに、肉屋に寄る。お兄さんがよそよそしい。


 !!!!

 おばちゃんに聞くと、私がアレンさんと付き合っていると街中の噂らしい。エリートのアレンさんの恋人だから、手を出してはいけないと暗黙のルールが街中に流れているらしい。


 男の人が、女の人の家に日参するってそういう関係。特に、私は森に住んでいるので、アレンさんが家の中に入ったかどうかなんて人の目がないのでみんなわからない。ただ、プレゼントを持って毎日エリートのアレンさんが通えば、ねぇ、そう思われても仕方ないよね。


 とんだ風評被害だ!学生かよ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 最後の学生かよは、決して学生を馬鹿にしてはいません。中学生や高校生の頃って、異性と登下校したり、部室で話してるだけで付き合ってるの?好きなん?って周囲のおばちゃんや女の子に言われてたので。コミュ症なので、古い付き合いの人としか関わらなかっただけなんですけどね。
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