死霊王の日記

風紀医院長

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6話

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 待ってる間暇だし…休む場所の手入れするか。セーフティーだと言っても椅子もなけりゃ机もない。そんな所に女性を2人置いておくのはちょっとあれだし。
 生木だけど…まあ、直ぐに離れるから別にいいか。
 近くにあった木を切り落とす。
『…あの、何サラッと木を切ってるんですか?』
(え?だって椅子とか作れないじゃん)
『いや…あの…はぁ、もうなんでもないです』
 なんでそんな落胆風に言うんだ?ただ手刀で切り落としただけなのだが…。
 いや、切り落としたでは無いか。隙間を見つけてそこに手を入れて引きちぎるであってるか。簡単に言えば乳歯を歯茎から離すみたいなものだな。(※余計な傷が付くのでオススメはしない)
 倒れそうになった木をアイテムボックスにしまう。そして横倒しで再度出す。
 うーん葉の部分邪魔だけど…まあいいか。
 ちぎった時と同じように今回は横ではなく縦に裂く。これで少し広めの平べったい椅子の完成。
 本当はヤスリとかでスベスベにしたいけどろくに道具がな…いや待てよ。アイテムボックスを見返す。そして1つのアイテムを見つける。これだな。
 俺が取りだしたのはメタルウルフの毛皮だ。外側は荒すぎるから内側、肉が着いていた方を見る。そこは少し粗めだが毛の方よりもまだマシな粗さだ。やってみるか。
 毛皮で木を磨く。するとそこは大きなささくれはなくなっていた。よっしゃ!!
 俺はそのまま磨いていく。

《スキル:DIYを手に入れた》

 ふう、完成っと。俺が縦に裂いたところはツルッツルになっていた。いやぁ何かに凝ると時間かかっちゃうなぁ。俺は出来を確認した後に2人を寝っ転がす。地面よりかはマシだろ。
 さてさてその間にアイテムの確認っと。
『敏夫様、アイテム確認の前に先程獲得したスキルの確認は如何しますか?』
(スキル?)
『先程気を磨いている時にDIYというスキルを手に入れました』
 なんとまあ直球な。
(詳細見せてくれますか?)
『わかりました』

------------------
DIY:物を作成する時に集中力、精密操作力が上昇します。作成した物に稀にボーナスが付与される。
------------------

 なるほど、完璧に生産メインのスキルだな。
(精密操作力は何となくわかるが集中力が上昇して意味あるのですか?)
『集中力が上昇すると作成時間の短縮につながります』
(なるほど…それじゃボーナスは?)
『ボーナスはその作成したものの耐久性、または攻撃力の上昇です』
(へえ、意外と便利?)
『そうですね。生産をメインにした方は必ずとるスキルです』
(それじゃ結構情報あります?)
『はい存在します。閲覧しますか?』
(お願いします)

 ニナコさんが持ってきた情報によると結構便利だった。DIYのレベが上がればボーナスの付与される確率や上昇量が増加するのがわかった。そして物作りというのは道具は当たり前だがゴーレムなどにも反映されるようだ。ということは死霊も同じなのでは?
 一種のゴーレムだし。でも魔法で作るからどちらかと言えば錬金術か?試しに素材を組み合わせてから死霊術師使ってみるのもありだな。
 えっと今ある素材は。狼しかいないな。魔石もあるし…ん?金属の魔石?
(ニナコさん。金属の魔石ってなんですか?)
『金属の魔石とはメタルウルフのレアドロップアイテムです。通常の魔石よりも硬く、多くの魔力を貯えることが可能です。その魔石は…鋼魔石ですね。メタルウルフがドロップする金属の魔石の中でもいい部類ですね。何よりも硬いと言うのが特徴です。ですが魔法が使いにくい体になります』
 なるほど。
(逆に魔法が使いやすい金属ってなんですか?)
『金や銀、ミスリルにダマスカス。オリハルコンなどでしょう。中には合金も存在しますので一概にこれというのは存在しません』
(なるほど…わかりました。ありがとうございます)
 よし、それなら作るのは1つしかないな。物理特攻型だな。アンドロスは一応近接ができるけどおそらくメインは魔法になってくるだろうな。それかブレスに似た何か。だからどちらかといえば中距離の遊撃的な立ち位置だな。白葉は言わずもがな後衛のアタッカー。
 俺は一応前衛として活動してるけど本来は後衛で司令兼デバフ要因なのだが。俺が後ろに行くためにやっぱり前衛が欲しい。ちょうど硬い魔石のようだし。

 材料はメタルウルフの金属メインにするか。でもせっかくだし人型にしたいからなぁ。オオカミの頭に足と腕。手は…そうだなぁゴブリンのを使ってみるか。
 ゴブリンの腕を取り出して手を千切る。するとアイテム名がゴブリンの手に変わった。ここまでリアルなのか。普通消滅するのだが。
 まあ、そんなことは置いておき金属の骨の肩を少し整形して、いやぁメタルウルフの毛皮まじでヤスリとして優秀だな。ゴブリンの手をオオカミの骨にセットすると骨に合わせて大きくなった。
(なにこれ?)
『おそらくDIYスキルが大きさの不足を感じたようで自動調節を行ったようです』
 そんなことも出来るのか!?すごいなこのスキル。
 オオカミの頭蓋骨を人のように設置して完成!!見た目はなんというか狼人間?だな。骨どうしの繋ぎ目はDIYの効果で勝手にくっついた。優秀すぎねぇ?
 とりまこのことは置いておいて。
(肉付けってした方がいいですか?)
『前衛のアタッカー兼タンクにするのであれば肉付けは行った方がいいと思います』
(やっぱりそうですか)
 よし、ここは勿体ぶらず最高の奴を使うか。取り出すのはメタルウルフの肉に毛皮。毛皮もう少し使いたかったけど。しゃーないよな。肉を周りにぺたぺたと張りつけて最後に毛皮を被せて。あ、尻尾と目玉忘れてた。尻尾を尾てい骨にくっつけ目玉をはめて完成!!
 これに死霊魔法使えばいいかな?
『敏夫様、魔石が入ってません』
(あ、忘れてた。ありがとうございます)
『いえ、私も初めての試みを記録したいので完璧にしたいのです』
 やっぱりこんなことをする人はいないのか。まあ、死霊術士自体初めてみたいだし。
 とりま心臓の辺りにメタルウルフの魔石を突っ込んでっと。鋼だからいい物になると思うんだが。
 死霊術を選択して…アイテムボックスないのでしかできないのか。
 ならこれを入れて。アイテム名はキメラの標本…キメラと言えばキメラか。
 お、しっかりと反映されてるな。


 合成獣キメラゴーレム
 複数の魔物が1つになり作られるアンデッド。魔物の特徴を全て使えスキルも継承することが出来る。素材が多くなるほど強くなる。素材から作成と標本から作成に分かれる。素材からの作成では特殊な強化はなく普通のアンデットとして召喚される。標本からの作成は、標本の出来栄えによってマイナスやプラス効果が変わる。

必要素材1
・異なる魔物の身体×∞
・異なる魔物の皮×∞
・異なる魔物の牙や爪×∞
・異なる魔物の魔石×∞

必要素材2
合成獣キメラゴーレムの標本×1

 なるほど…と言うかこんなことにも対応してるんだなこのゲーム。すごいな。
 とりま素材2を選択して召喚っと。標本を中心にして魔法陣が現れる。そして完成!!
 って、思ったよりも生きてる感じがあるな?
 出てきたのは標本に肉がしっかりと着いた感じだ。まあ、あれだ狼男的な見た目だ。目もしっかりと付いてるし、というか動いてる。皮膚も破けてるけどそこまで派手には。
 アンドロスもそうだったけどこの世界の死霊はそこまで派手にぶちまけてないのか?
『派手にぶちまけていたら戦闘などで不利になると思うので出てないのでは』
(あ、なるほど!!)
『ビジュアル的にはゾンビや霊的では無いですが、この世界は戦闘などがメインとは言いませんが必須になってくるので戦闘しやすいフォルムになったのだと思います』
(戦闘特化タイプか。もしかして観賞用ゾンビも!!)
『観賞用というのは分かりませんが考えられている姿形にすることは出来ると思います』
 夢が広がるなぁ。
 おっと、とりあえず能力チェックと。

------------------
名前:(未入力)

種族:合成獣キメラゴーレム(狼人型)

Lv:1

魔力量
12
攻撃力
79
守備力
69
俊敏力
68
精神力
29

《スキル一覧》
近接武器術Lv2
防衛術Lv3
盾術Lv4
狼人格闘技Lv6
自動回復Lv-

《加護》
傀儡の加護:傀儡の神に魅入られた者。部下に命令を下した瞬間どんな状況でもその命令を即座に実行することが出来る。能力値上昇。
------------------

 ッスー…盛り沢山すぎない?
(これもバグですかね?)
『恐らくですがDIYの効果だと思われます。余程いい作品と思われたようでプラス効果がたくさん追加されたようです』
(沢山すぎる気が。とりあえず加護が)
『傀儡の神を担当しているAIは余程いい作品と新しい作品を好む傾向にあります。そして敏夫様の作品が真新しく余程いい作品だった結果このようなことになったのだ思います。この能力値なら初心者用の大陸は制覇したも同然だと思われます』
 うわぁやっちまったァ。
「とりあえず…名前つけるか」
 その瞬間キメラの顔が期待に溢れるキラキラとした顔になる。ねえさっきまでドーベルマンみたいにキリッとしてなかった?一瞬で人懐っこい柴犬みたいになったよ。
 可愛らしいからいいけど。…そうだなぁ、騎士関連何かあったかなぁ。
「よし…お前は今日からモルドレッドだ」
 モルドレッドは悦びを表現するように遠吠えをする。
 モルドレッドは裏切りの騎士として有名だが他の文献に出てくる王と共に戦死する勇猛な騎士でもある。後者の意味を込めたが…大丈夫だよな。
『作られた者は作成者に絶対の忠誠を違うので大丈夫でしょう』
 ならいいのだが。
 …そう言えば能力見たのモルドレッドが初めてでは?
 白葉も魔法は知ってるけど詳細は知らないしアンドロスに関しては全くわからん。
『従魔は名前の欄をタップすると能力の詳細を確認することができます』
(なるほど、ありがとうございます)
 早速確認してみるか。あ、その前に。
「モルドレッド。ここで俺を守るのは暇だろ。ここは安全だしちょっとだけ遊んできたらどうだ?」
 モルドレッドは嬉しそうな顔をして俺を見てくる。
「安心して行ってこい」
 モルドレッドは森の中に駆け出していく。
 まんま犬だな。
 とりあえず白葉から行くか。

------------------
名前:白葉

種族:トリッキーゴースト

Lv:17

魔力量
120
攻撃力
1
守備力
0
俊敏力
78
精神力
132

《スキル一覧》
闇魔法Lv7
罠魔法Lv3
風魔法Lv2
水魔法Lv2
火魔法Lv1
土魔法Lv1
霊術Lv2
物理無効化Lv-
《加護》
遊戯の加護:遊戯の神に魅入られた者。相手を殺さないが危害を加える魔法を使用した際に強化が施される。隠れ能力値:想像力の上昇。
------------------

 まあ、完全な後衛だな。それにしてもレベル高くない?闇魔法とかのスキルが特に。そしてまた加護か。
『遊戯の神はその名の通り面白いことが大好きな神です』
 AIとは言わなくなったか、面倒になったな。
『恐らく物凄いレアケースの白葉様を見つけたから面白くなりそうだと思いつけたのでしょう』
 なるほど、そして偶然トリッキーゴースト特有の罠魔法とマッチングしてるのか。
 罠魔法が名前の通りだと完璧に扱えれば強いな。
(ニナコさん。隠れ能力値ってなんですか?)
『隠れ能力値とは現実での能力が全ての物です。攻撃力などはこちらで補助、強化をすることは出来ますがどうしてもゲームの域を超えてしまう干渉をしてしまうのが隠れ能力値です』
(要するに干渉することが出来ない能力値ってことですね。ならなんで加護は干渉できているんだ…)
『恐らく脳の処理速度を上げたりしているのだと思います。霊体なので恐らく無害だと思いますが人間にするとどうなるか分かりません』
 え?怖。
 でも何となくわかった。隠れ能力値は現実の能力丸々使用ってことだな。結構重要な気がする。まあ、頭の片隅にでも入れておくか。
 次はアンドロスだな。

------------------
名前:アンドロス

種族:レッサーケルベロスゾンビ

Lv:14

魔力量
86
攻撃力
127
守備力
87
俊敏力
136
精神力
56

《スキル一覧》
近接格闘(狼)Lv6
ブレスLv2
魔眼Lv3
探知魔法Lv2
感覚強化Lv4
身体強化Lv6
自動回復Lv-
集団戦闘術Lv-
《加護》
死の加護:死神に魅入られた者。死を回避することが出来る。通常攻撃時0.5%の確率で即死を相手に与えることがある。ボスの類になると確率は激減する。
------------------

 この加護シンプルに強すぎない?0.5%だからといって少しは即死効果があるということだろ?いや怖すぎ。そして死を回避するって根性系かな?それとも運命歪める系かな?まあ、どちらにしても強い。
『死神は死に瀕する者の強い気持ちや死霊が好きなのでつけたと思われます。初の死霊魔術士の死霊術で生み出されたと言うのも理由の1つだと思われます』
 え?その神様とは仲良くやれそう。
(あ、そうだった。ブレスは攻撃力が基準ですか?)
『そうです。攻撃力を基礎とした威力が出ます。ただし再使用には少し時間がかかります。レベルが上がれば連続で使用できたり属性が増えたりなど様々です』
 うーんこれなら遊撃部隊だな完璧に。中距離からブレスを打って素早くヒットアンドアウェイ戦法が可能だな。
 こりゃいいチームが出来そうだぞぉ。
 俺が喜んでいると女性のうちバリアを張っていた少女が起き上がろうとしていた。
「ここは…」




魔物図鑑NO.4
ゴブリン
 緑色の小人。ただし姿は醜悪だ。初心者の大陸に沢山存在する魔物。進化先は多くそして有能なことからテイマーなどからには人気だ。女性を襲い無理矢理身篭らせたりはせず食料としか見られない。メスのゴブリンも存在する。オスとメスで進化先は分かれる。数はメスの方が少ない。そもそもゴブリンは繁殖しない。魔力から自然とたくさん湧くよので。手先は器用で道具などを作ったり、住処を作成することもある。ただし頭が残念なのでリーダーなどが存在しない限り、住処は作らないし、道具もロクなものを作らない。
攻撃手段
・引っ掻く
・噛み付く
・体当たり
・武器の使用(主に棍棒、時々剣)
・石などの投擲(時々弓)
・近接格闘
・魔法(本当に稀)
ドロップアイテム
・体の各部位
・魔石
・ゴブリンの武器
・ゴブリンの装飾品
レアドロップ
・ゴブリンのコレクション
・ゴブリンの血液
・石碑の欠片
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