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4話
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まあ、こんなステータスになってしまったのは仕方ないか。魔法の使い方まだ聞いてないし。
あぁぁぁバグの原因調べてもらう前に聞いとけばよかった。
…とりあえず気を取り直して。死霊術使えるかな?
「白葉はどうする?実力試しにそこら辺散歩する?」
「うーん魔法の使い方を教えてもらってから行動しようかなと」
その方が確実だしね。
「今から死霊術を使ってみることにします」
「突然すぎません?」
無理やりすぎたな。脈略無さすぎたしな。
「はぁ、敏夫さん見た目と同じように中身も若返ったみたいですね」
苦笑いを浮かべながら白葉が俺を見る。
うーん俺って元々中は子供っぽいけどな。外ではいろんなマナーで私って言ってるけど、中では俺なんだよなぁ。
「まあまあとりあえず死霊術やってみようよ」
「わかりました」
白葉が大人の対応を見せてくれる。ありがたい。
「えっとそれじゃ死霊術」
すると目の前にタブが現れる。そしてそこには名前らしき物が書かれている。
これを選択したらいいのかな?あぁ材料必要なんだ。えっと……魔石が必要。魔石が必要なくても作れるけど時間制限付きか。
うん?あ、救済処置的に魔石も作れるんだ。必要な物は魔物のドロップアイテムが20個…まだまだ足りないじゃん。
「敏夫さん?」
「どうやら魔石が必要みたい。魔石なくても作れるみたいだけど時間制限付きみたいだ」
「お試しで時間制限付きをやってみてはどうです?」
「多分愛着が湧いてダメだと思う」
「なるほど…」
『敏夫様』
ニナコさんが帰ってきた。
「あ、お帰りなさい」
『ただいま帰還しました』
固くない?
『バグの原因がわかりました』
お!!判明したか。
「それで原因は?」
『どうやら死霊の町は世代交代したようで、現在は名無しの町になっているようです。そして新しい町長は遠くの王国からこちらに向かっているようです』
なるほど、街の名前が無くなってたから飛ばなかったのか。
と言うかこんな所に飛ばされるって左遷じゃね?
「ニナコさん!!魔法を教えてください!!」
『そう言えばまだでしたね。ちょうど森にいますしお教えしますね』
俺達は森を歩きながらニナコさんの説明を聞く。
スキルを発動させるためには、まず頭の中でスキル名を思い浮かべるとその中にある魔法やスキルが頭の中に流れてくるみたいだ。
そしてその使える物の中から1つ選ぶと自然に発動できるみたいだ。
中には詠唱しないと発動できない物もあるみたいだ。初級の魔法は頭に思い浮かべるだけで発動できるみたいだ。
『それではちょうど5m先に魔物がいますので実践してみてはどうでしょうか』
「よし、敏夫さん!!行ってきます!!」
「え?あ!!」
返事をする前に白葉が真っ直ぐ飛んで行った。というか普通に障害物すり抜けて行ったよ。
霊体って結構便利みたいだな。
そしてその魔物がいたであろう場所にたどり着いた。いたであろうと言っている理由はドロップアイテムしか無かったからだ。
えっと、棍棒に長い耳と石?が3つずつある。白葉がその上をふよふよと浮いている。
「白葉どんな奴だった?」
「えっと、緑色した小人です」
『おそらくゴブリンですね。この当たりのゴブリンだと魔法は使えないので白葉様に攻撃することは不可能でしょう』
うーん酷いことをしたな。
とりあえずドロップアイテムを回収する。棍棒はただ木を荒削りにしただけのようで大した価値がなさそうだな。耳も価値あるのかね?
石を回収した時に興奮したよ俺。念願の魔石!!
「ニコナさん!!これで作れますか?」
『はい、そう言えばバグを調べるついでに死霊術についても調べてきました』
ありがたい!!
『死霊術は死体を使い魔物を生み出し使役する職業です。特定のスキルがあればアンデッド系の魔物をテイムすることも可能です。そしてスキルの死霊術のレベルが上がれば使役している魔物を同士の合成が可能になったり、強化をすることができるようになっていきます』
まあ、予想通りと言えば予想通りだな。
『そして魔石などを使い生み出した、永久的に存在することが可能なアンデッドは帰還と命じると死霊術スキルの中にストックされます。そしてスキルを選んだ時に呪文と同じようにアンデッドの名前が出てきます。その名前を選択すれば再召喚することができます』
結構便利。
『やられた場合魔石以外のアイテムになって消えてしまいます。一度帰還したアンデッドは次呼ばれた時には怪我は消えております』
アイテムは魔石以外戻ってくるんだ。
『それとレベルは魔石に依存します。例えば今拾われたゴブリンの魔石ではレベルが1からスタートとなります。基準はまだ情報不足のためわかっていません』
レベルはまあ、育てるし別にいいかな。
『以上が今の所判明している死霊術士の説明です』
「…うん、ありがとう。結構使い道がわかった」
それじゃ早速!!
「レッツ死霊術!!」
今選択できるのは…
ウルフゾンビ
オオカミ型のゾンビ。スピードはゾンビではあるが速い。人なら逃げきれないほどの速度である。犬歯も異様に発達しており10cmの鉄板を簡単に貫くことが出来る。疲れはゾンビのため存在していない。
必要素材
・ハイウルフの毛皮×1
・ハイウルフの肉×1
・ハイウルフの牙×1
・ハイウルフの爪×1
・魔石×1
レッサーケルベロスゾンビ
3つの頭を持つオオカミ型のゾンビ。速度はそこまでないが防御力と攻撃力が高い。進化すれば3つの属性魔法を扱えれるようになる。
必要素材
・ハイウルフの毛皮×2
・ハイウルフの肉×1
・ハイウルフの牙×2
・ハイウルフの爪×1
・魔石×3
これは…我慢してケルベロスに行くか、今できるウルフにするか。
『私的にはケルベロスをオススメします。これから先のことを考えると優秀なのはケルベロスかと思います』
「私もケルベロスの方がいいと思います。それに材料が少し多いって何かありそうじゃないですか!!」
「うーんケルベロスにするかなぁ。ニコナさん。この辺ってまだハイウルフいますかね?」
『おそらくいます。と言うか後ろから来てます』
「え?」
そう言った瞬間3匹ぐらいが俺に向かって襲いかかってくる。マトリックスで避けてやる!!3匹は俺が避けると思ってなかったようでお互いの頭がぶつかり地面に落ちる。
怯んでいる隙に壊波を3匹の頭に当てる。3匹は光の粉になって消える。魔法よりも早く片付けれるからつい使ってしまうな。
「ハイウルフってこんな序盤に出現するもんなのか?」
『いえ、いないはずです。恐らくこれは…近くのダンジョンからはみ出た存在?』
「はみ出た?」
『はい、ダンジョンの中は自然の中よりも魔物が出現しやすいです。定期的に倒されないとダンジョンの中に収まりきらず外に出ることがあるんですよ。最悪ダンジョン内の魔物が一斉に外に飛出て外の魔物を巻き込みながら溢れだします。これはスタンピードと言われる現象です』
あぁよく小説とかで聞くやつだな。
『恐らく…これはスタンピードの前兆かもしれません。ですが、近くにダンジョンは存在しなかったはずなのですが…』
でも現にいるしなぁ。
「とりあえずスタンピードのことを気にしながら町に向かおう。今の俺達にできることはないし」
「そうですね。いきなりここで死んでしまうなんて嫌ですから」
『私も賛成です。わざわざ死地に向かうことに意味はありませんから』
「そして材料が揃った!!」
俺は頭の中で死霊術を選択してレッサーケルベロスゾンビを選択する。
目の前に紫色の魔法陣と材料のアイテムが出てくる。見ていると紫色の魔法陣が輝き始めて回転する。みるみるうちに輝きは強くなっていく。
「うわ!!」
「眩しいですー!!」
『これはなかなか幻想的です』
輝きが収まり目を開けると目の前に3つ首のオオカミがいた。色は赤に少し黒を混ぜた色で赤褐色だ。目の色は右の頭が水色、左の頭が黄色、真ん中が赤色だ。
綺麗な色でガラス玉のようにも見える。それにしてもゾンビと言われてる割に綺麗だな。よくよく見ると皮膚にツギハギが見える。なんて言うか無理やり3匹のオオカミを繋げましたよ感がある。
「えっと、はじめまして?」
「「「ウォン!!」」」
一瞬キュンと来てしまった。なんだろ可愛い。
尻尾が凄い左右に揺れている。え?可愛い。
「うわぁ、可愛いですねぇ!!」
白葉がケルベロスの周りを飛ぶ。ケルベロスは3つの顔を必死に動かして白葉を追う。どうやら仲間と直感でわかってるようで警戒はしていない。
「ニコナさん、ケルベロスの強さってどのくらいですか?」
『そうですね。今は作られたばかりなので…レベル10のゴブリン5体なら余裕ですね』
「意外と強いんですね」
『そもそもこんな序盤に作れるゾンビではありません』
うーん、やっぱりハイウルフはこんな所で出会うやつじゃないようだな。
そんなことを考えていると白葉と遊んでいたケルベロスの動きが止まりある一点を見つめる。
その方向を見るが何も無い。
『どうやら何か感知したようです』
「ウオン」
左のオオカミが吠える。何か言ったんだろうけど分からない。
「どうやら少し先の道に襲われてる馬車があるみたいです」
「わかるの言葉?」
「テレパシーのような物で何となくわかりました」
へえ、従魔同士のネットワーク的なやつか。
「とりあえず行くか」
「行くですか?」
「なんだその驚いた顔は」
「いえ、敏夫さんってこういうのって面倒くさがって行かないと思いました」
なんとまあ失礼な。白葉は本気で思ってるかのような顔だな。え?本気?
「まあ、普段ならいかないよ。でも気になることがあってな。死霊の町の新しい町長が来るって行ってただろ?あれかなって」
「でも王都から来るんですから護衛がいるはずでは?」
「王都からこんな所に飛ばされるんだぞ?何かやらかしての島流しか不幸な争いに負けたか。だから、護衛も最低限だろう」
正義感の強い知り合いもよく飛んでったなぁ。
「…それに貸しも作れる……それじゃ行きますか」
「わかりました!!」
「ケルベロ…あぁ名前つけるか。名前は、そうだな。アンドロスにしようか」
『レッサーケルベロスゾンビの個体名がアンドロスに変更されました』
「それじゃアンドロス行くぞ!!」
「「「ウオン!!」」」
アンドロスが向いた方向に向かって走る。
俺は木の枝やツタを利用して遠心力で加速をする。なるべく真っ直ぐなコースになるよう調整する。
白葉は障害物関係なしで直線コースを走ってる。いや飛んでいる。
アンドロスは器用に小ジャンプと大ジャンプを使い分けて地面を走ってる。
白葉いいなぁ。俺も地形無視して飛びたい。アンドロスも生まれたてとは思えないほどの機動力だな。
「アンドロス、そろそろか?」
「ウオン」
肯定かな?
そして目視で木が無くなっている所を見つける。あそこが道だろうな。
そしてその道の真ん中に車輪が壊されている馬車らしきものがある。繋がってるはずの馬がいないし、乗る所も半壊している。
でもどこからか金属音がぶつかり合う甲高い音が聞こえる。
乗ってた人達か?
「とりあえず白葉は空中から闇魔法で相手を牽制してくれ。アンドロスは草むらから相手の隙を見つけてから飛びかかってくれ。俺が前に出る。相手はまだしっかりと確認できていない。慎重にな」
「はい」
「ウォン」
敵の姿を確認してから行動した方がいいんだろうけどこんな惨状だと乗ってた人も限界が近いだろうし。
俺は草むらから飛び出して音が鳴っている方を見る。
そこに透明な薄い膜でおおわれた少女と倒れている20歳ほどの女性だ。血がそんなに飛び散ってない…まさか、護衛すらいなかったのか!?
「今から加勢します!!いいですか!!」
「頼むのじゃ!!」
少女が大きな声を出す。藁にもすがる思いなんだろうな。そんな気持ちを無下には出来ないな。
敵は光沢のあるオオカミだった。でもあれ油の光沢じゃねーな。金属?
まあ、今分析しても分からないから攻めるのみ。
突っ込むか。俺は肘と足に力をためてオオカミに突進する。
「流星!!」
すると突然体を包み込むように赤いオーラのような物が現れる。だが悪い感じはしないからこのまま突っ込むか。
オオカミはこちらに気づいて飛びかかってくる。どうやら耐久には絶対の自信があるようだ。だが、この技はどんなに固くても意味ないぞ。
俺の肘と狼の胸がぶつかる。衝撃波がオオカミの背中から出てくる。後ろに吹っ飛ぶが綺麗に着地した。
「まさかこの技をくらっても立ってるのか?」
流星とは限界まで体を柔らかくして地面に落ちるように走り出す。出だしからトップスピードで相手に突っ込む技だ。恐らくとある格闘漫画を知ってる人ならわかると思う。相手に触れた時にタックルのような体全体ではなく肘の一点に衝撃を放つ。この技は生身だろうが鎧を着てようが痛みは同じぐらいだ。
そして結構な速度でぶつけたのだが…耐えられるのか。だが、少しだけよろめく。やっぱり完全にガード出来たわけではなさそうだな。
「「「グルァ!!」」」
よろめいた瞬間アンドロスがオオカミに向かって体当たりをする。オオカミは耐えれなくなり倒れ込む。
「くらえ!!」
上空にいた白葉から黒い雷がオオカミに降り注ぐ。
断末魔をあげる前にドロップアイテムになった。どうやらダメージが蓄積されてたみたいだな。
「アンドロスと白葉はアイテムを拾っておいて」
俺はそう言って女の子に近づく。透明な膜を叩く。プラスチックを叩いたような感触だ。
中の女の子はこちらを見上げる。
「もう大丈夫だよ」
笑顔で言う。その瞬間女の子は気が抜けたのか気絶する。それと同時に膜が消える。
とりま、ここらで休憩か。
魔物図鑑NO.2
レッサーケルベロスゾンビ
レッサーと呼ばれているが実際にはゲーム終盤にも登場するほどの実力を秘めている。自然に生まれることはあるが特定の場所にしか生息していない。テイムするには腐った肉を666枚用意しないといけない。そして絶対に見つかってはいけない。見つかった瞬間にロックオンされどちらかが死ぬまで永遠と追いかけてくる。使える魔法の属性が瞳の色として現れる。進化したケルベロスゾンビは比にならないほどの力を持っている。進化させるには死霊の宝玉の様な特別な魔物からのドロップアイテムが必要。
攻撃行動
・噛み付き
・切り裂く
・飛びかかり
・体当たり
・砂かけ
・魔法(個体差あり)
・ブレス(レベル60以降使用可能)
・咆哮(レベル20以降使用可能)
ドロップアイテム
・毛皮
・爪
・牙
・目玉
・頭蓋骨
・骨
・尻尾
・腐った肉
・魔石
・脳みそ
・脊髄
レアドロップ
・属性が付与された魔石
・禍々しい爪
・鋭い牙
・呪いが込められた脊髄
・肉
あぁぁぁバグの原因調べてもらう前に聞いとけばよかった。
…とりあえず気を取り直して。死霊術使えるかな?
「白葉はどうする?実力試しにそこら辺散歩する?」
「うーん魔法の使い方を教えてもらってから行動しようかなと」
その方が確実だしね。
「今から死霊術を使ってみることにします」
「突然すぎません?」
無理やりすぎたな。脈略無さすぎたしな。
「はぁ、敏夫さん見た目と同じように中身も若返ったみたいですね」
苦笑いを浮かべながら白葉が俺を見る。
うーん俺って元々中は子供っぽいけどな。外ではいろんなマナーで私って言ってるけど、中では俺なんだよなぁ。
「まあまあとりあえず死霊術やってみようよ」
「わかりました」
白葉が大人の対応を見せてくれる。ありがたい。
「えっとそれじゃ死霊術」
すると目の前にタブが現れる。そしてそこには名前らしき物が書かれている。
これを選択したらいいのかな?あぁ材料必要なんだ。えっと……魔石が必要。魔石が必要なくても作れるけど時間制限付きか。
うん?あ、救済処置的に魔石も作れるんだ。必要な物は魔物のドロップアイテムが20個…まだまだ足りないじゃん。
「敏夫さん?」
「どうやら魔石が必要みたい。魔石なくても作れるみたいだけど時間制限付きみたいだ」
「お試しで時間制限付きをやってみてはどうです?」
「多分愛着が湧いてダメだと思う」
「なるほど…」
『敏夫様』
ニナコさんが帰ってきた。
「あ、お帰りなさい」
『ただいま帰還しました』
固くない?
『バグの原因がわかりました』
お!!判明したか。
「それで原因は?」
『どうやら死霊の町は世代交代したようで、現在は名無しの町になっているようです。そして新しい町長は遠くの王国からこちらに向かっているようです』
なるほど、街の名前が無くなってたから飛ばなかったのか。
と言うかこんな所に飛ばされるって左遷じゃね?
「ニナコさん!!魔法を教えてください!!」
『そう言えばまだでしたね。ちょうど森にいますしお教えしますね』
俺達は森を歩きながらニナコさんの説明を聞く。
スキルを発動させるためには、まず頭の中でスキル名を思い浮かべるとその中にある魔法やスキルが頭の中に流れてくるみたいだ。
そしてその使える物の中から1つ選ぶと自然に発動できるみたいだ。
中には詠唱しないと発動できない物もあるみたいだ。初級の魔法は頭に思い浮かべるだけで発動できるみたいだ。
『それではちょうど5m先に魔物がいますので実践してみてはどうでしょうか』
「よし、敏夫さん!!行ってきます!!」
「え?あ!!」
返事をする前に白葉が真っ直ぐ飛んで行った。というか普通に障害物すり抜けて行ったよ。
霊体って結構便利みたいだな。
そしてその魔物がいたであろう場所にたどり着いた。いたであろうと言っている理由はドロップアイテムしか無かったからだ。
えっと、棍棒に長い耳と石?が3つずつある。白葉がその上をふよふよと浮いている。
「白葉どんな奴だった?」
「えっと、緑色した小人です」
『おそらくゴブリンですね。この当たりのゴブリンだと魔法は使えないので白葉様に攻撃することは不可能でしょう』
うーん酷いことをしたな。
とりあえずドロップアイテムを回収する。棍棒はただ木を荒削りにしただけのようで大した価値がなさそうだな。耳も価値あるのかね?
石を回収した時に興奮したよ俺。念願の魔石!!
「ニコナさん!!これで作れますか?」
『はい、そう言えばバグを調べるついでに死霊術についても調べてきました』
ありがたい!!
『死霊術は死体を使い魔物を生み出し使役する職業です。特定のスキルがあればアンデッド系の魔物をテイムすることも可能です。そしてスキルの死霊術のレベルが上がれば使役している魔物を同士の合成が可能になったり、強化をすることができるようになっていきます』
まあ、予想通りと言えば予想通りだな。
『そして魔石などを使い生み出した、永久的に存在することが可能なアンデッドは帰還と命じると死霊術スキルの中にストックされます。そしてスキルを選んだ時に呪文と同じようにアンデッドの名前が出てきます。その名前を選択すれば再召喚することができます』
結構便利。
『やられた場合魔石以外のアイテムになって消えてしまいます。一度帰還したアンデッドは次呼ばれた時には怪我は消えております』
アイテムは魔石以外戻ってくるんだ。
『それとレベルは魔石に依存します。例えば今拾われたゴブリンの魔石ではレベルが1からスタートとなります。基準はまだ情報不足のためわかっていません』
レベルはまあ、育てるし別にいいかな。
『以上が今の所判明している死霊術士の説明です』
「…うん、ありがとう。結構使い道がわかった」
それじゃ早速!!
「レッツ死霊術!!」
今選択できるのは…
ウルフゾンビ
オオカミ型のゾンビ。スピードはゾンビではあるが速い。人なら逃げきれないほどの速度である。犬歯も異様に発達しており10cmの鉄板を簡単に貫くことが出来る。疲れはゾンビのため存在していない。
必要素材
・ハイウルフの毛皮×1
・ハイウルフの肉×1
・ハイウルフの牙×1
・ハイウルフの爪×1
・魔石×1
レッサーケルベロスゾンビ
3つの頭を持つオオカミ型のゾンビ。速度はそこまでないが防御力と攻撃力が高い。進化すれば3つの属性魔法を扱えれるようになる。
必要素材
・ハイウルフの毛皮×2
・ハイウルフの肉×1
・ハイウルフの牙×2
・ハイウルフの爪×1
・魔石×3
これは…我慢してケルベロスに行くか、今できるウルフにするか。
『私的にはケルベロスをオススメします。これから先のことを考えると優秀なのはケルベロスかと思います』
「私もケルベロスの方がいいと思います。それに材料が少し多いって何かありそうじゃないですか!!」
「うーんケルベロスにするかなぁ。ニコナさん。この辺ってまだハイウルフいますかね?」
『おそらくいます。と言うか後ろから来てます』
「え?」
そう言った瞬間3匹ぐらいが俺に向かって襲いかかってくる。マトリックスで避けてやる!!3匹は俺が避けると思ってなかったようでお互いの頭がぶつかり地面に落ちる。
怯んでいる隙に壊波を3匹の頭に当てる。3匹は光の粉になって消える。魔法よりも早く片付けれるからつい使ってしまうな。
「ハイウルフってこんな序盤に出現するもんなのか?」
『いえ、いないはずです。恐らくこれは…近くのダンジョンからはみ出た存在?』
「はみ出た?」
『はい、ダンジョンの中は自然の中よりも魔物が出現しやすいです。定期的に倒されないとダンジョンの中に収まりきらず外に出ることがあるんですよ。最悪ダンジョン内の魔物が一斉に外に飛出て外の魔物を巻き込みながら溢れだします。これはスタンピードと言われる現象です』
あぁよく小説とかで聞くやつだな。
『恐らく…これはスタンピードの前兆かもしれません。ですが、近くにダンジョンは存在しなかったはずなのですが…』
でも現にいるしなぁ。
「とりあえずスタンピードのことを気にしながら町に向かおう。今の俺達にできることはないし」
「そうですね。いきなりここで死んでしまうなんて嫌ですから」
『私も賛成です。わざわざ死地に向かうことに意味はありませんから』
「そして材料が揃った!!」
俺は頭の中で死霊術を選択してレッサーケルベロスゾンビを選択する。
目の前に紫色の魔法陣と材料のアイテムが出てくる。見ていると紫色の魔法陣が輝き始めて回転する。みるみるうちに輝きは強くなっていく。
「うわ!!」
「眩しいですー!!」
『これはなかなか幻想的です』
輝きが収まり目を開けると目の前に3つ首のオオカミがいた。色は赤に少し黒を混ぜた色で赤褐色だ。目の色は右の頭が水色、左の頭が黄色、真ん中が赤色だ。
綺麗な色でガラス玉のようにも見える。それにしてもゾンビと言われてる割に綺麗だな。よくよく見ると皮膚にツギハギが見える。なんて言うか無理やり3匹のオオカミを繋げましたよ感がある。
「えっと、はじめまして?」
「「「ウォン!!」」」
一瞬キュンと来てしまった。なんだろ可愛い。
尻尾が凄い左右に揺れている。え?可愛い。
「うわぁ、可愛いですねぇ!!」
白葉がケルベロスの周りを飛ぶ。ケルベロスは3つの顔を必死に動かして白葉を追う。どうやら仲間と直感でわかってるようで警戒はしていない。
「ニコナさん、ケルベロスの強さってどのくらいですか?」
『そうですね。今は作られたばかりなので…レベル10のゴブリン5体なら余裕ですね』
「意外と強いんですね」
『そもそもこんな序盤に作れるゾンビではありません』
うーん、やっぱりハイウルフはこんな所で出会うやつじゃないようだな。
そんなことを考えていると白葉と遊んでいたケルベロスの動きが止まりある一点を見つめる。
その方向を見るが何も無い。
『どうやら何か感知したようです』
「ウオン」
左のオオカミが吠える。何か言ったんだろうけど分からない。
「どうやら少し先の道に襲われてる馬車があるみたいです」
「わかるの言葉?」
「テレパシーのような物で何となくわかりました」
へえ、従魔同士のネットワーク的なやつか。
「とりあえず行くか」
「行くですか?」
「なんだその驚いた顔は」
「いえ、敏夫さんってこういうのって面倒くさがって行かないと思いました」
なんとまあ失礼な。白葉は本気で思ってるかのような顔だな。え?本気?
「まあ、普段ならいかないよ。でも気になることがあってな。死霊の町の新しい町長が来るって行ってただろ?あれかなって」
「でも王都から来るんですから護衛がいるはずでは?」
「王都からこんな所に飛ばされるんだぞ?何かやらかしての島流しか不幸な争いに負けたか。だから、護衛も最低限だろう」
正義感の強い知り合いもよく飛んでったなぁ。
「…それに貸しも作れる……それじゃ行きますか」
「わかりました!!」
「ケルベロ…あぁ名前つけるか。名前は、そうだな。アンドロスにしようか」
『レッサーケルベロスゾンビの個体名がアンドロスに変更されました』
「それじゃアンドロス行くぞ!!」
「「「ウオン!!」」」
アンドロスが向いた方向に向かって走る。
俺は木の枝やツタを利用して遠心力で加速をする。なるべく真っ直ぐなコースになるよう調整する。
白葉は障害物関係なしで直線コースを走ってる。いや飛んでいる。
アンドロスは器用に小ジャンプと大ジャンプを使い分けて地面を走ってる。
白葉いいなぁ。俺も地形無視して飛びたい。アンドロスも生まれたてとは思えないほどの機動力だな。
「アンドロス、そろそろか?」
「ウオン」
肯定かな?
そして目視で木が無くなっている所を見つける。あそこが道だろうな。
そしてその道の真ん中に車輪が壊されている馬車らしきものがある。繋がってるはずの馬がいないし、乗る所も半壊している。
でもどこからか金属音がぶつかり合う甲高い音が聞こえる。
乗ってた人達か?
「とりあえず白葉は空中から闇魔法で相手を牽制してくれ。アンドロスは草むらから相手の隙を見つけてから飛びかかってくれ。俺が前に出る。相手はまだしっかりと確認できていない。慎重にな」
「はい」
「ウォン」
敵の姿を確認してから行動した方がいいんだろうけどこんな惨状だと乗ってた人も限界が近いだろうし。
俺は草むらから飛び出して音が鳴っている方を見る。
そこに透明な薄い膜でおおわれた少女と倒れている20歳ほどの女性だ。血がそんなに飛び散ってない…まさか、護衛すらいなかったのか!?
「今から加勢します!!いいですか!!」
「頼むのじゃ!!」
少女が大きな声を出す。藁にもすがる思いなんだろうな。そんな気持ちを無下には出来ないな。
敵は光沢のあるオオカミだった。でもあれ油の光沢じゃねーな。金属?
まあ、今分析しても分からないから攻めるのみ。
突っ込むか。俺は肘と足に力をためてオオカミに突進する。
「流星!!」
すると突然体を包み込むように赤いオーラのような物が現れる。だが悪い感じはしないからこのまま突っ込むか。
オオカミはこちらに気づいて飛びかかってくる。どうやら耐久には絶対の自信があるようだ。だが、この技はどんなに固くても意味ないぞ。
俺の肘と狼の胸がぶつかる。衝撃波がオオカミの背中から出てくる。後ろに吹っ飛ぶが綺麗に着地した。
「まさかこの技をくらっても立ってるのか?」
流星とは限界まで体を柔らかくして地面に落ちるように走り出す。出だしからトップスピードで相手に突っ込む技だ。恐らくとある格闘漫画を知ってる人ならわかると思う。相手に触れた時にタックルのような体全体ではなく肘の一点に衝撃を放つ。この技は生身だろうが鎧を着てようが痛みは同じぐらいだ。
そして結構な速度でぶつけたのだが…耐えられるのか。だが、少しだけよろめく。やっぱり完全にガード出来たわけではなさそうだな。
「「「グルァ!!」」」
よろめいた瞬間アンドロスがオオカミに向かって体当たりをする。オオカミは耐えれなくなり倒れ込む。
「くらえ!!」
上空にいた白葉から黒い雷がオオカミに降り注ぐ。
断末魔をあげる前にドロップアイテムになった。どうやらダメージが蓄積されてたみたいだな。
「アンドロスと白葉はアイテムを拾っておいて」
俺はそう言って女の子に近づく。透明な膜を叩く。プラスチックを叩いたような感触だ。
中の女の子はこちらを見上げる。
「もう大丈夫だよ」
笑顔で言う。その瞬間女の子は気が抜けたのか気絶する。それと同時に膜が消える。
とりま、ここらで休憩か。
魔物図鑑NO.2
レッサーケルベロスゾンビ
レッサーと呼ばれているが実際にはゲーム終盤にも登場するほどの実力を秘めている。自然に生まれることはあるが特定の場所にしか生息していない。テイムするには腐った肉を666枚用意しないといけない。そして絶対に見つかってはいけない。見つかった瞬間にロックオンされどちらかが死ぬまで永遠と追いかけてくる。使える魔法の属性が瞳の色として現れる。進化したケルベロスゾンビは比にならないほどの力を持っている。進化させるには死霊の宝玉の様な特別な魔物からのドロップアイテムが必要。
攻撃行動
・噛み付き
・切り裂く
・飛びかかり
・体当たり
・砂かけ
・魔法(個体差あり)
・ブレス(レベル60以降使用可能)
・咆哮(レベル20以降使用可能)
ドロップアイテム
・毛皮
・爪
・牙
・目玉
・頭蓋骨
・骨
・尻尾
・腐った肉
・魔石
・脳みそ
・脊髄
レアドロップ
・属性が付与された魔石
・禍々しい爪
・鋭い牙
・呪いが込められた脊髄
・肉
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