抱かれるのはやぶさかではございませんが、旦那面するのはやめていただけますか

ユミグ

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23【リアレルア・ウィルキ】

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6日ほど経った時にまだこもるのかと聞いたところ…

「い、いやか?」
「わざとですね?」
「出来るか!」

どうやらへにゃ耳はわざと動かせないようです。

「まだなら食事を作り置きしたいです、おじいさんもそろそろ食事がなくなりますから」
「ああ、そうか…」

少しうんうんと唸った後に、保存している肉と魚と畑から採れた野菜を持って来てくれるというので、お言葉に甘えて寝ていました。




それから更に……

「今日は何日経ちましたか?」
「25か?」
「そうですか」

25日経ったようです。

相変わらず廃れた毎日を送っていますが特に変わった事はありません。

あ、いえ、気絶するのが多くなったくらいでしょうか?何故か慣れていけばいくほど気絶してしまいます…

私は構わないのですが。

「ミルトンは不満ではありませんか?」
「ないぞ?どうした」
「気絶をする機会が多くなりましたので不満に思うかと」
「ならないよ、むしろ嬉しい」

そういうものですか。

更に5日経った頃おじいさんが訪ねてきました
。どうやらこもりすぎて城から遣いがやってきたらしく、出て来いと言われたそうです。

「行かなきゃならない」
「そうですか」
「ぅっ…寂しくないのか」
「寂しいですよ」
「本当か!?」
「はい」

そこから何故か丸一日こもる事になりましたが、次の日の朝は久しぶりに朝ご飯を一緒に作っておじいさんの家に向かう事になりました。

「嫌です」
「駄目だ」
「嫌です」
「………」

どうやら首輪をつけなければならないらしい
…ツガイになったのだからもう必要ないとは思うのですが…

「リアの首を晒したくない」
「重いのは嫌いです」
「………」

ツガイとなっても人に首を見られるのは嫌なのだとか…そうは言われてもつけなくていい物をつけたくはありません。

「せめて首が隠れる服にしてくれ」
「分かりました」
「お、おい!どこに行く!」
「?おじいさんの家ですが」
「とりあえず首輪を着けてくれ!」
「………」

おじいさんでも駄目なのですか。
隣の家なんですけどね。

首輪をつけたくないので結局マフラーを巻いて外に出ました。

「おはようございます」
「なんだもういいのか」
「良くないが仕事だ」
「民の生活を良くしようと働いているミルトンは素敵です。尊敬します」
「っっ~~」

朝ご飯を食べさせようとするので遠慮しておきました。
体に力が入らない時以外は遠慮して欲しいです、迷惑です。

「……いってくる」
「はい、いってらっしゃい」
「いいのか!?」
「久しぶりに骨付き肉にしましょう」
「…分かった」

騒がしい朝を迎えるのは久しぶりで廃れた毎日もいいですが、こんな日があるのも幸せです。

今日はお店をおじいさんにお任せして、2つの家の掃除をしました。
だいぶ汚れていましたから、終わるのは夕方頃になってしいましたが、夜ご飯の時間には間に合いそうです。




「墓参りに行ってきた」

おじいさんがキッチンの後ろから声をかけてきました。

「そうですか」

お別れが出来たのはいい事です。

「すまんな」
「それは私の台詞です」
「そうだな、だが私は生きてる」
「いい事ですか?」
「たまに笑う日がある」
「“だから言ったでしょ”と言ってもいいですか?」
「やめろ」
「はい」

そこから早めの晩酌を始めたおじいさんのアテを作り机に置く。

「お前さんミルトンの家に行け」
「せっかくですからおじいさんを看取ってからにします」
「いいから行って来い、お前さんの幸せも掴まなきゃならん」
「私は今幸せです」

おじいさんの顔を見ると昔より柔らかくなった気がする。

もう…大丈夫なのでしょう。

つらい日が多いかもしれませんが、それでもくすっと笑える瞬間が1日でもあればそれでいいと思うのです。

「見張ってればいいだろ」
「いいのですか!?」
「そっちの方がお前さんは安心なんだろ」
「そうですが、いえ、せっかくです。食事もきちんと取ってもらいたいので」
「頼む事にした」
「そうですか」

おじいさんは私離れを始めていたようです。

「店もそのうち閉める」
「そうですか」
「あれの故郷に行こうと思う」
「環境が変わると死が早まると」
「うるせぇな!お前さんはどうしてそう恐ろしい事ばっかり言いやがる!」
「事実です、きちんと受け止めましょう」
「………」

やはり最期はツガイの傍に居たいのですね。

「それでもいいだろ」
「幸せならいいですよ」

それからぽつぽつと話をした。

強がっている訳ではなく本当に寂しくはないのです。

おじいさんが幸せになれる日々を見つけられたなら、私はそれが大切なのですから。

「最期は傍に居ます」
「勝手にしろ」
「あっという間でした」
「………」



「私を1人にしないでいてくれてありがとう」



「そのうち1人にならないように子供でもたくさん産んどけ」
「はい」

バタバタと足音が聞こえる。

この日常もまた変わる。

だけど、それは幸せになる為に変わる事。

「ただいまっ!はぁっ!はぁっ!」
「おかえりなさい」
「付き合え」
「あん?おお」

私に抱き着いてからおじいさんと晩酌をするらしい、きっとおじいさんはミルトンにも話をするのでしょう。
私はキッチンに戻り夕ご飯を完成させてしまいます。

結局首元まである服を着ている私はこれから先こういう服を着るから首輪をしないと宣言するつもりですが、了承して下さるでしょうか?

あんなに重い首輪は嫌です。

「リア!」

ドタドタとうるさい足音を立ててキッチンに来るけれど、すぐそこです。

「いいのか!?」
「どういう意味でしょう」
「屋敷に来てくれるのか!?」
「はい」
「本当か!?」
「…じゃぁ、やっぱり」
「いや!今のはなしだ!」

興奮しているのか頬が赤い。
お酒のせいもあるのでしょうが…

「………いいのか」
「どういう意味でしょう」
「じいさんと離れたくないだろう?」
「おじいさんが幸せになる為の道を邪魔したくはありません」
「そうか…」
「それに」
「ん?」

相変わらず私に巻き付く尻尾は誘惑が多いです。

お腹に回った尻尾を撫でてミルトンに伝える。

「私も…私の幸せを掴む為にミルトンの傍に居たいんです、だめですか?」
「ぐるるるる!」

問題ないそうですよ。
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