誰かが創り上げた楽園に今日もあやかる

ぼくとぼくのおはなし

これはぼくたち、うんめいのおはなし



あるところにぼくにはないあたまにおおきなおみみとしっぽがあるこがいました



そのこはいいました。きみはぼくのつがいだ



おおきなおくちをあけていいました



だから、ぼくはきいたのです



『ぼくをたべるの？』



『たべたいほどにあいしているけどたべないよ』



『つがいってなあに？』



『たったひとりのぼくのうんめいだ』



『うんめい？それがぼくなの？』



『ぼくのうんめいはきみできみのうんめいはぼくだ』



『うんめいってなにをするの？うんめいだからどうしたっていうの？』



『うんめいはね』



こころがもとめているあいてがつがいでありうんめいなんだ



ほんとうはだれにもみせたくないんだ



けれどぼくはきみのえがおをみていたいからがまんするよ



ぼくはきみについているにおいがわかるよ



だからきょうはだれにあったかわかるしだれとなかよしかわかるよ



だけどそんなことをいってしまったらきみはぼくをきらいになってしまうからだまっておくよ



ぼくはきみのきもちがわかるんだ



つがいのことならわかるんだ



だからきみはだまっていていいんだよ、それでもぼくだけはわかるから



みんなぼくのつがいにはちかづかないでね



ぼくはまちがったことをしたくないんだ



だっていつだってどんなときだってきみにすかれていたいから



ぼくはきみといっしょにいたいんだ、はなれないでほしいんだ



けれどきみのそばにいられるためにはなれるんだ



きみがそうしたいならぼくもそうするよ



でもおぼえておいてね



ぼくはいつだってきみをひとりじめにしたいし、きみいがいいらないんだ



ぼくといっしょにいてほしいんだ、だからぼくとおなじときをすごそうね