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聖女様と呼ばれてあげましょう18
しおりを挟む「「「「「「「「「「「?????」」」」」」」」」」」
「ひ、ひなの?ひなのが動くのですか?」
「うん」
「魔法陣でですか?」
「肉体強化と背が足りないから飛ぶだけ」
そう言ってその場を陣を使って蹴りあげる
トランポリンに乗っているような感じ
「他は何も?」
「うん」
「訓練場に来たからといってもお座りいただいて構いませんよ、席もそちらに用意しておりますから」
「いい、やる」
「神官服では動きにくいかと…」
「レンと一緒」
「そ、それはそうですが…」
じーーーーーー
「手加減はさせます、いいですか?」
「うん」
「少々お待ち下さい」
そういって離れたところで騎士たちを集めて説明をしてる………んだけど耳がいいから聞えちゃうんだよね。レドモンド様それはもう脅しになってるよ
そこまで圧力かけると私が我が儘な権力女に見えてるよ…いや、けどお前たちもなに神妙にしてるんだよ
楽しそうで何よりだよ………
「聖女様に改めて挨拶申し上げる、王国騎士団長の任をいただいております本日は聖女様と手合わせ出来ると伺い私が立候補させていただきました」
いや、立候補っていうか圧に勝てるのお前くらいだったじゃん
回りはもう押し付けみたいな感じだったじゃん!
騎士団長はやっぱり体格がよくて吊り目。
レドモンド様みたいに生まれつき肌が茶色ではなく健康的に焼けた肌、見た目だけ見るとこの国の騎士団長という感じ
体格の良さはレドモンド様も負けてないけどねなんて思っていたら目をレドモンド様に覆われた
「レン?」
「…………」
「どうしたの?」
「………」
そのままスッと手を退けられレドモンド様の顔を見るとなんだか焦っているような苦々しいような表情をして私を一瞬見ては逸らす
なんでそんな顔させちゃったのか分からなかったから浮いてレドモンド様の顔を私に向かす
「レン?」
「………………………」
む、問いたださないほうがいいかな?いや、でも辛そう
んー、手で目を隠すのは見せたくないから?
なにを?なんかあったっけ?
「………私の顔が好みだと………言っていたので………」
物凄い小さな声で呟く
「うん、好き」
………???
「レンの事見てなくて嫌だった?」
「いえ、その………」
うん?レドモンド様が好みだと目を隠す?
美醜ってどうなってるんだっけ………
華奢で色白で柔らげな………
「騎士団長も好みだと思った?」
ずっと会話を聞いてる団長はびくぅってなった、それはそう痴話喧嘩に巻き込まれるのは嫌だよね
でも、落ち込ませちゃったのは私がちゃんと伝えてないからだよね!?
「レンは顔も体格も心も好き。この世界で伴侶はレン………と番が居たら相談するけど他の人間は好きにならない、レンが好きなの」
「番………というのは別種族が匂いや魂や本能で好きになるという話ですか?」
「知ってる?」
「あまりこの国では馴染みはないですが、知識としてはあります」
「そんな感じ」
「おとぎ話のようなものです」
「そっか」
「…………この国では多夫一妻が多く見られます、他に伴侶を選んでもよろしいのですよ」
「選ばない」
「っっっ~~~」
「簡単に決めては後悔するかもしれません、私などが伴侶に選ばれただけでも奇跡よりも奇跡な事柄ですのに、これから先番以外で夫を取らないなど………」
「レンと2人一緒がいい」
ずっとレドモンド様の頬を触ってた体制からばっと潰れちゃうくらい、むぎゅぅぅぅっっと抱きしめられた
私が好きな人に好きになってもらう事の方がもっとずっと奇跡な事だってどうしたら伝わるんだろう
レドモンド様が生きていくこれからを私が隣で見ていてもいいってどれほど幸福な事か理解してくれないだろな
「レン、大好き」
ただそれだけにいっぱい込めた
そこからたっぷり数十分ぎゅうぎゅうに抱き合っていたけどレドモンド様が場所に気付いたのか離れていった……………………チッ
ていうか、目元赤い可愛い可愛い可愛い可愛い「可愛い」
「「「「「「「「「「「「!?!?!?」」」」」」」」」」」」
…………硬まっちゃった………
「団長」
「は………は、はい!」
「手合わせ」
「は…………い」
私の手合わせっていう言葉に気付いたのかレドモンド様はすぐに覚醒した
どれだけ危ないと思われてるんだ…………
とりあえず身体強化して、背が足りないから陣で飛んでわざと殺気を少しだけ出しながら背後に回る
ん、弱いねやっぱり手で首を触ったらやっと自覚した
これでも結構ゆっくりしてたんだけどな
息を詰めてた団長は本能的に体を動かして距離を取るのを確認してから次はしゃがんで足払いをする
体格が不利だけど身体強化は常にかけてあるから私でも払える
思いっきり腰から落ちた団長から距離を取って起き上がるのを待つ
長いなぁ………
とりあえず頭が冴えわたるまでこの2つで、どれだけ弱いのか理解してもらおう
分かりやすく殺気も漏らしておこう
数分したらもう息が上がってるみたい
「私に手加減は必要?」
「はぁはぁ……いいえ」
「私は団長に手加減している」
「っっわかっております」
「身体強化と魔力の馴染ませ方を教える、構わない?」
「………お願い致します」
うん、無駄なプライドなくていいね
「クーパー、お願い」
「畏まりました」
「私はレン」
「お二人分のお茶を用意してございます」
そういってさっきレドモンド様に案内された席に果実水が置いてある
「レン、休憩」
………ん?硬まってる……んん?そんな要素あったっけ?
とりあえず待とう。
あれから数分で我に返ったレドモンド様に抱っこしてもらいながら一緒にお茶を堪能した
「ひなのにできない事はありますか?」
ふと、独り言のような問いかけをもらう
「レン、魔力の馴染ませ方勉強しよ?」
「………はい、お願い致します」
科学が発展してる世界だと魔力の扱いも理解が早いんだけどね
目に見えないものを具現化するのは発展してないと理解しにくいみたい
体中に魔力を馴染ませて自在に動かす基礎を教える
ほんの少し髪の毛程の細さにして巡らせるような練習を起きてる時も寝ている時も出来るようになれば身体強化も同じ要領で出来るし他の魔法陣も陣を書くのは簡単だけど陣に魔力を流す精密さが必要
そのどれもが魔力を馴染ませることが出来れば比較的簡単に出来る
やっぱりレドモンド様は他よりも圧倒的に上手くて早い
でも、まだ足りない
とりあえず馴染ませることが呼吸と同じくらい自然なことになるまで頑張ろうね
騎士達はこの世界では醜い分類になるのに、私の側仕えと騎士は多少態度に出てるけどそれでも構わず私の為に魔力の馴染ませ方を教えてあげてる
心や価値観が変わることほど難しい事はないのに、本当にいい子たち
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