上 下
23 / 41

聖女様と呼ばれてあげましょう18

しおりを挟む

「「「「「「「「「「「?????」」」」」」」」」」」

「ひ、ひなの?ひなのが動くのですか?」
「うん」
「魔法陣でですか?」
「肉体強化と背が足りないから飛ぶだけ」
そう言ってその場を陣を使って蹴りあげる
トランポリンに乗っているような感じ
「他は何も?」
「うん」
「訓練場に来たからといってもお座りいただいて構いませんよ、席もそちらに用意しておりますから」
「いい、やる」
「神官服では動きにくいかと…」
「レンと一緒」
「そ、それはそうですが…」
じーーーーーー
「手加減はさせます、いいですか?」
「うん」
「少々お待ち下さい」 

そういって離れたところで騎士たちを集めて説明をしてる………んだけど耳がいいから聞えちゃうんだよね。レドモンド様それはもう脅しになってるよ
そこまで圧力かけると私が我が儘な権力女に見えてるよ…いや、けどお前たちもなに神妙にしてるんだよ

楽しそうで何よりだよ………

「聖女様に改めて挨拶申し上げる、王国騎士団長の任をいただいております本日は聖女様と手合わせ出来ると伺い私が立候補させていただきました」

いや、立候補っていうか圧に勝てるのお前くらいだったじゃん
回りはもう押し付けみたいな感じだったじゃん!
騎士団長はやっぱり体格がよくて吊り目。
レドモンド様みたいに生まれつき肌が茶色ではなく健康的に焼けた肌、見た目だけ見るとこの国の騎士団長という感じ
体格の良さはレドモンド様も負けてないけどねなんて思っていたら目をレドモンド様に覆われた

「レン?」
「…………」
「どうしたの?」
「………」

そのままスッと手を退けられレドモンド様の顔を見るとなんだか焦っているような苦々しいような表情をして私を一瞬見ては逸らす
なんでそんな顔させちゃったのか分からなかったから浮いてレドモンド様の顔を私に向かす

「レン?」
「………………………」

む、問いたださないほうがいいかな?いや、でも辛そう
んー、手で目を隠すのは見せたくないから?
なにを?なんかあったっけ?

「………私の顔が好みだと………言っていたので………」
物凄い小さな声で呟く
「うん、好き」
………???
「レンの事見てなくて嫌だった?」
「いえ、その………」
うん?レドモンド様が好みだと目を隠す?
美醜ってどうなってるんだっけ………
華奢で色白で柔らげな………
「騎士団長も好みだと思った?」
ずっと会話を聞いてる団長はびくぅってなった、それはそう痴話喧嘩に巻き込まれるのは嫌だよね
でも、落ち込ませちゃったのは私がちゃんと伝えてないからだよね!?


「レンは顔も体格も心も好き。この世界で伴侶はレン………と番が居たら相談するけど他の人間は好きにならない、レンが好きなの」
「番………というのは別種族が匂いや魂や本能で好きになるという話ですか?」
「知ってる?」
「あまりこの国では馴染みはないですが、知識としてはあります」
「そんな感じ」
「おとぎ話のようなものです」
「そっか」
「…………この国では多夫一妻が多く見られます、他に伴侶を選んでもよろしいのですよ」
「選ばない」
「っっっ~~~」
「簡単に決めては後悔するかもしれません、私などが伴侶に選ばれただけでも奇跡よりも奇跡な事柄ですのに、これから先番以外で夫を取らないなど………」
「レンと2人一緒がいい」
ずっとレドモンド様の頬を触ってた体制からばっと潰れちゃうくらい、むぎゅぅぅぅっっと抱きしめられた
私が好きな人に好きになってもらう事の方がもっとずっと奇跡な事だってどうしたら伝わるんだろう
レドモンド様が生きていくこれからを私が隣で見ていてもいいってどれほど幸福な事か理解してくれないだろな

「レン、大好き」
ただそれだけにいっぱい込めた







そこからたっぷり数十分ぎゅうぎゅうに抱き合っていたけどレドモンド様が場所に気付いたのか離れていった……………………チッ
ていうか、目元赤い可愛い可愛い可愛い可愛い「可愛い」

「「「「「「「「「「「「!?!?!?」」」」」」」」」」」」

…………硬まっちゃった………

「団長」

「は………は、はい!」

「手合わせ」

「は…………い」

私の手合わせっていう言葉に気付いたのかレドモンド様はすぐに覚醒した
どれだけ危ないと思われてるんだ…………

とりあえず身体強化して、背が足りないから陣で飛んでわざと殺気を少しだけ出しながら背後に回る
ん、弱いねやっぱり手で首を触ったらやっと自覚した
これでも結構ゆっくりしてたんだけどな
息を詰めてた団長は本能的に体を動かして距離を取るのを確認してから次はしゃがんで足払いをする
体格が不利だけど身体強化は常にかけてあるから私でも払える
思いっきり腰から落ちた団長から距離を取って起き上がるのを待つ
長いなぁ………
とりあえず頭が冴えわたるまでこの2つで、どれだけ弱いのか理解してもらおう
分かりやすく殺気も漏らしておこう

数分したらもう息が上がってるみたい

「私に手加減は必要?」

「はぁはぁ……いいえ」

「私は団長に手加減している」

「っっわかっております」

「身体強化と魔力の馴染ませ方を教える、構わない?」

「………お願い致します」

うん、無駄なプライドなくていいね

「クーパー、お願い」

「畏まりました」

「私はレン」

「お二人分のお茶を用意してございます」

そういってさっきレドモンド様に案内された席に果実水が置いてある

「レン、休憩」
………ん?硬まってる……んん?そんな要素あったっけ?
とりあえず待とう。

あれから数分で我に返ったレドモンド様に抱っこしてもらいながら一緒にお茶を堪能した

「ひなのにできない事はありますか?」
ふと、独り言のような問いかけをもらう
「レン、魔力の馴染ませ方勉強しよ?」
「………はい、お願い致します」

科学が発展してる世界だと魔力の扱いも理解が早いんだけどね
目に見えないものを具現化するのは発展してないと理解しにくいみたい
体中に魔力を馴染ませて自在に動かす基礎を教える
ほんの少し髪の毛程の細さにして巡らせるような練習を起きてる時も寝ている時も出来るようになれば身体強化も同じ要領で出来るし他の魔法陣も陣を書くのは簡単だけど陣に魔力を流す精密さが必要
そのどれもが魔力を馴染ませることが出来れば比較的簡単に出来る
やっぱりレドモンド様は他よりも圧倒的に上手くて早い
でも、まだ足りない
とりあえず馴染ませることが呼吸と同じくらい自然なことになるまで頑張ろうね

騎士達はこの世界では醜い分類になるのに、私の側仕えと騎士は多少態度に出てるけどそれでも構わず私の為に魔力の馴染ませ方を教えてあげてる
心や価値観が変わることほど難しい事はないのに、本当にいい子たち



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

慰み者の姫は新皇帝に溺愛される

苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。 皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。 ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。 早速、二人の初夜が始まった。

【R18】幼馴染な陛下と、甘々な毎日になりました💕

月極まろん
恋愛
 幼なじみの陛下に、気持ちだけでも伝えたくて。いい思い出にしたくて告白したのに、執務室のソファに座らせられて、なぜかこんなえっちな日々になりました。

[R18] 18禁ゲームの世界に御招待! 王子とヤらなきゃゲームが進まない。そんなのお断りします。

ピエール
恋愛
R18 がっつりエロです。ご注意下さい えーー!! 転生したら、いきなり推しと リアルセッ○スの真っ最中!!! ここって、もしかしたら??? 18禁PCゲーム ラブキャッスル[愛と欲望の宮廷]の世界 私って悪役令嬢のカトリーヌに転生しちゃってるの??? カトリーヌって•••、あの、淫乱の••• マズイ、非常にマズイ、貞操の危機だ!!! 私、確か、彼氏とドライブ中に事故に遭い•••• 異世界転生って事は、絶対彼氏も転生しているはず! だって[ラノベ]ではそれがお約束! 彼を探して、一緒に こんな世界から逃げ出してやる! カトリーヌの身体に、男達のイヤラシイ魔の手が伸びる。 果たして、主人公は、数々のエロイベントを乗り切る事が出来るのか? ゲームはエンディングを迎える事が出来るのか? そして、彼氏の行方は••• 攻略対象別 オムニバスエロです。 完結しておりますので最後までお楽しみいただけます。 (攻略対象に変態もいます。ご注意下さい)   

中でトントンってして、ビューってしても、赤ちゃんはできません!

いちのにか
恋愛
はいもちろん嘘です。「ってことは、チューしちゃったら赤ちゃんできちゃうよねっ?」っていう、……つまりとても頭悪いお話です。 含み有りの嘘つき従者に溺愛される、騙され貴族令嬢モノになります。 ♡多用、言葉責め有り、効果音付きの濃いめです。従者君、軽薄です。 ★ハッピーエイプリルフール★ 他サイトのエイプリルフール企画に投稿した作品です。期間終了したため、こちらに掲載します。 以下のキーワードをご確認の上、ご自愛ください。 ◆近況ボードの同作品の投稿報告記事に蛇補足を追加しました。作品設定の記載(短め)のみですが、もしよろしければ٩( ᐛ )و

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

【R18】聖女のお役目【完結済】

ワシ蔵
恋愛
平凡なOLの加賀美紗香は、ある日入浴中に、突然異世界へ転移してしまう。 その国には、聖女が騎士たちに祝福を与えるという伝説があった。 紗香は、その聖女として召喚されたのだと言う。 祭壇に捧げられた聖女は、今日も騎士達に祝福を与える。 ※性描写有りは★マークです。 ※肉体的に複数と触れ合うため「逆ハーレム」タグをつけていますが、精神的にはほとんど1対1です。

獣人の里の仕置き小屋

真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。 獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。 今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。 仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

処理中です...