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レドモンド・ウォーカー3

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“レドモンド様、大好きです”



美しい人にそんな事を言われた夢を見た

「起きろレド」

???
……また王妃と喧嘩して俺の寝室に来たのか

「……………なんです?」

「なんです?ではないだろ、あれからの議題は聞いていたか?臣下はもう帰ったぞ」

「……………浄化について話されて……………」

「そうだ、その後すぐに告白されていたが」

「告白……………」

「そろそろ目を覚ませ、聖女ひなのが
レドに好意を持っているということを自覚しろ
そして、蔑ろにしてやるな
断るにしろきちんと話を聞いてやれ」

「……………断りなど!!!」

「ふぅん」

にやにやと笑う我が王にやっと理解する
ここは寝室ではなく、そして
私はひなの様に告白をされた事を

「っっっっっっ~~~~~~///////」

今まで私に接してくれた態度や言葉
少しだけ触れた心、真っ直ぐな瞳
思い返して、もうだめだと思った
欲しいと、俺だけのモノにしたいと
ずっと俺の腕の中で幸せでいてほしいと
欲望が、願望が、とまらない

好き……………好きです……………ひなの様………



「はぁ………そのような顔も出来たのだな」

穏やかな声に顔を上げれば、兄としての顔がそこにあった

「ありがとうございます………」

思わず礼を言った俺に対して嬉しそうな慈愛に満ちた顔で頷いていた

「レドの幸せについて話したいところだが
浄化についても話さなければならん
告白の後の記憶があるかわからんが
やり方は違うが浄化の仕方を教えることが   できるらしい
そして、ひなのが指名してきたのが」

「私……………ですか」

「ぁあ、覚えているか?」

「なんとなくですが………」

「核の場所はいずれも淀みが激しく人が住めなくなった場所だという報告は受けている」

「先程見ましたが、どれも街からは離れていましたね」

「ぁあ、あのあと臣下たちに意見も聞いたが情勢が落ち着いているとはいえ、
下手をすれば何年も聖主が離れるのは好ましくないと言っていたな」

「それは、私も同感です
 それとは別に、気に食わないのもあるのでしょう」

「だろうな、まぁでもなにも言えぬだろう
 聖女の希望だ」

肯定された事に内心驚愕した
今まで俺の美醜に関して聞きたくもないというスタンスで、話が進まないということもあり困っていたのだが……………

……………これもひなの様の影響か

「しかし、断ろうと思います
私でなければ出来ない。という言い方でもなかったですから」

「そう、そうだな………
ベンジーにも一応聞いてみよう」

「ぇえ、それがいいかと」

「にしても、豪胆だなひなのは」

「そうですね、目が離せません」

くすくす
「そうだな」

「明日はデートなのだろう?
 思いを告げるなら明日がいいのではないか?」

「っっ……流石に早急では?」

「だが、臣下達にも話しは伝わっている
悔しいが、ひなのが遠征に行くのは決定事項だろう
結婚は離れてしまう前がいいのでは?
離れている間に他の夫が出来たらどうする?」

「!!!」

「美醜が狂っているという噂が私まで届いている
その噂が本当なら討伐に出る騎士等はひなのの好みだろうな」

「っっっっっっ」

「御前失礼致します、考えなければならないことができました」

「っっぁあ、そうするといい………くっくっ」







我が王と離れ、己の気持ちを整理する

あんなに美しい方にアプローチされれば
からかわれていたとしても
それでも、一時の夢でもいいから傍に居たいと皆が思うだろう

俺もその1人だ
王弟ということもあり、政略結婚などの話も上がった
けれど、どの人間も目を逸らし吐き気を催すような顔や侮辱してくる者
我が王である兄と、兄の元側近であり現王妃のベンジャミン以外は皆一様に同じ顔をした
己の血が入った子を推奨する風習に囚われず男のベンジャミンを選んだのもきっと私の顔に嫌悪しないのもまた一つの要因だろう

俺が愛を知る事など……………ないと思っていたましてや愛を与えられるなど………
無条件に愛され、真っ直ぐに瞳を見て話し
ましてや、相手からこ、こ、告白をされるなど………っっっ

どうしたって信じられなくなる気持ちになるはずなのに
彼女の言葉はスッと心に入ってくる
触れられた時も、まるで傍に居るのが当たり前のような錯覚さえする………

ふっ……と自暴に笑う
なにを悩んでいるのだろう
きっとこれから先このようなことなどなく
愛する者に愛を伝えられるこの機会を逃してなどたまるか
これから先、回りの目は厳しくひなの様の心に陰りをかけてしまう事もあるだろう
だが、それ以上に幸せにしたい
そして、そんな彼女の隣で笑っていたいんだ




己の心に整理をつけデートでは告白をして想いを届けようと思っていたが
あんなにも近づき、あまつさえ抱き上げるなど想像できただろうか
ましてや、あ、あ、あ、あーんなど………っっ

その度に頭が真っ白になり心の余裕がなくなる……………

告白……………できるのか……………???


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