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聖女様と呼ばれてあげましょう
しおりを挟む召喚された部屋から出た後は応接間に連れて行かれ冷たい果物水とマカロンのような丸くてコロコロした……もぐもぐ………
マカロンでいいか…マカロンが出てきた
「お口に合いますか?」
先ほどのミルクティー色の髪とよく見ると碧にも緋にも見える不思議な色彩の瞳の“抱かせて君”が問いかけてきた
こくっ
首を縦に振ると安堵の表情を浮かべる
「改めてご挨拶をさせて頂きたい、ウォーカー国国王ランドン・ウォーカーと申します。」
どうやら“抱かせて君”は王だった
こくっ
「お疲れでしたら、体調を整えて後日説明致しますが具合はいかがですか」
ふるふるっ
首を降った後に気づいたけれど、それじゃぁ説明不足だろ。
と、己のコミュニケーション能力の皆無にツッコミをいれる…もちろん口には出さないけど…必要な事は話さないと伝わらないし、抱かせ………王にも理解してもらいたい……
「聖女様は…」「敬称も敬語も不要、疲れは感じてない」
………被せちゃった………
失礼だよね…王じゃなくても失礼だよね!?
ぁぁぁぁ………喋らなすぎて口に出すまでのラグがすごいんだからっ!なんなら顔の筋肉失くしちゃったんじゃないの!?
どっか捨ててきちゃったんじゃないの!?ってくらい実は顔も動いてないけどね!?
瞬きまでやめたら人形になれるね!?やったあ!
「ありがとう、遠慮なくいつも通り話させてもらう」
ぉお……柔らかな微笑みプライスレス
「どこまで、神様から啓示を受けてこの世界を理解しているか分からないが、現在我がウォーカー国には淀みが多数発生している。
淀みは魔物を倒せば薄くなっていくが、淀みが過ぎると魔物が強くなっていく
そこで淀み自体をなくす方法として聖女召喚があるが、正直書物に書かれている内容が曖昧な部分が多すぎるのと不明な点が複数、召喚の際に必要な魔力量が莫大すぎた為、実際に召喚したという事例が発見されなかった事から儀式をした代はない
今回はそのように曖昧な書物に頼るしか方法がないくらい淀みが増え続けている」
果実水美味し………こくっ
「…………奇跡だと思っている……」
こてっ
「今回聖女が召喚されたのは神様が愚かな人間に慈悲をくれたのだと、こんな事は今回限りだと奇跡だと思っているのだ」
「…………」
「だからこの奇跡に縋りたい
巻き込んですまないと思っている
だが、それ以上に民をこれ以上苦しい思いをさせたくないんだ」
「協力してはくれないか?」
「…………」
こくっ
「ありがとう!」
眩しい笑顔光いらず…………
「一先ず、側仕えと護衛を厳選しなければ」
「…………必要?」
「当たり前だ!小さな顔に白い珠のような肌!とろんとした瞳!こんなに小さく愛らしい神々しくも美しい美の化身のような外見だけでも既に危ないというのに、それに加えて聖女だ、どれだけ守っても守り足りない!」
キリッとした顔ギャップ萌えー…
……………………………………
ぇぇぇ???
何がなんだって言いました?
…………………
………きっと召喚でアドレナリンがドパドパ出てるからおかしくなってる
うん……
って事にしよう………
周りからの頷きに気付いちゃったけど気付かないようにしよう
凄く面倒な予感がする………
可愛くない頭!!可愛げをもって理解しないでぽやぽやぁってしていたいのにっ!
ぁあ………嫌だ………
もっと細かく聞いておけば良かった………
「聖女には、神殿で暮らしてもらう
人選には時間がかかるが苦労はさせない
心配しないでくれ」
「…………まって」
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