49 / 74
第2章:北風とカナタのバジリスク退治!~アリスの場合~
第20話:ペルセウスと北風とバジリスク6~ノーブラインド~
しおりを挟む
「それで、その変異種ってのはどんな個体なんですか?」
「そうだな……過去に例を見ない訳じゃないから知ってるかもしれないが、ノーブラインドと呼ばれる変異種。進化ではなく完全なる突然変異だと考えられている個体だよ」
私の質問に対して、なんとなしに答えてくれたがごめんなさい。
知りません。
「その表情だと知らないみたいだね」
「僕は知ってるよ!バジリスク以外にもたまにいるよね?後ろにも目を持った個体でしょ?」
「ああ、その通り。バジリスクのノーブラインドの目撃例は殆ど無いが、あれは凶悪だ」
「背後から隙を伺ってたバリィが……あっ、そこで石になってる狩人な?突然弓を取り落としたかと思ったら、石になっててさ!で、奴……バジリスクがそっちのバリィの方に向いた瞬間に後頭部にあった目に俺とテオラが捕まっちゃってね」
「一瞬で3人が石になって、焦ったよ。まあ僕はジャンの影に居たお陰でその目を見る事は無かったけど、取りあえずジャンの影に隠れたまま後頭部の目を槍で一つは貫く事に成功したからさ。一つ潰したら石化睨みは使えないからこっちに向き直る前にもう一つの目を潰して、ジャンに解石剤を使ってね」
「ああ、それから仕返しとばかりに尻尾は貰ったけどな」
おお、流石ノブレスの中でも実力派のパーティ。
変異体相手でも、イケイケみたいだね。
「で、ジャンがヘイトを稼いでる間にテオラを解石して一気に畳みかけようと思ったんだけどさ……」
「まさか、奴があそこで目を閉じるとは思わなくてな。しかも額にもう一つ目があったし」
「かなり特殊な変異体だったんだろう。額の目を見るのも怖くてちまちまと削ってたら他のバジリスクも集まって来てタイムオーバー。バリィを連れて逃走ってわけ」
「一応追跡魔法のマーキングは付けてあるから、いつでもあいつの所にはいけるけど、先にバリィを治さないと、手遅れになったら……別に心配してるんじゃないから!ちょっとでも一緒に居た仲間だから、ほんの少し可哀想かなと思っただけだから!」
テオラがバリィの事を気遣うような事を言った後に慌てて否定してたけど、思いっきり心配してるよね?
ああ、そう言えばカナタも石にされた時に治すような薬は買って無かったかあ……
まあ、元々石にされる気も無さそうだったけど。
でも、あいつの持ってる緑色の液体なら石化くらいすぐに治りそうだよなー……
てか、カナタとアレクはどこで道草食ってるのよ!
気配が読めるならすぐに合流出来るでしょ!
――――――
「もう無理だよ!」
「口が動くなら身体も動くだろ?俺は無職だから戦えないんだから、アレクだけが頼りだよ」
「いやいや、大体このホーンボア達さっきから俺しか狙ってないよね?なら、隙を付いて一撃とか……」
「やだよ、それで標的がこっちに移ったらどうすんの?」
「そしたら俺が「ほらっ、横に飛べ」
カナタに言われた瞬間に、条件反射で横に飛んだアレクの元居た場所を凄い勢いでホーンボアが走り抜けていく。
すでに、言われたら条件反射で体が動くレベルまでこき使われているアレク。
「いいの?こいつらをとっとと倒してその先の道を進まないと、カバチ達に合流出来ないよ?」
「うう……ならなおさら手伝って「ほら、右に剣を突き出して!」
「えっ?はいっ!」
訳も分からず剣を突き出すと、ホーンボアの右目をアレクの剣が貫く。
「これで、残りは3体かな?」
脳にまで達した突きは、ホーンボアにとって致命傷になったらしく、それでもアレクを押し倒そうと少し進んだ後で横倒しに倒れた。
だが、仲間のホンーボアが殺された事に他の3体から怒気が上がる。
「なんか、さっきよりやばそう」
「ああ、そういった事は取りあえず殺してから考えろ」
そう言って木陰に腰を下ろすカナタ。
それを理不尽なものを見るような眼で見つめるアレク。
すぐにカナタに顎でしゃくられてホーンボアの方を向き直させられる。
合流まではまだまだかかりそうである。
――――――
「はっ!なんかいま、アレクの生命の危機を感じた」
「どうしたの?」
一瞬とっても不憫な光景が脳裏を過った。
思わず声に出してしまったが、カバチも心配そうにこっちを見ているので取りあえず笑って誤魔化す。
たぶん、大丈夫だよね?
「ところでアリスとカバチってどれくらいやんの?いや、無理に答えなくてもいいけど」
突然ジャンが質問を投げかけて来たけど、微妙に困るわ。
よくよく考えたら、不明のB級冒険者の探索にF級が駆けつけるってどうよ?
無いでしょ?
「F級だよ?僕がさっきまでレベル8でカナタがたぶん5?アリスはどう?ちなみにアレクは10だったよ」
「えっ?アレクって6じゃなかったっけ?」
「はっ?ゴブリンジェネラル倒したから、レベル上がったって……ああ、あんときはまだアリスは部屋に居たもんね」
『はっ?』
カバチがあっけらかんと答えたけど、私もペルセウスの面々も驚きの声をあげる。
といっても、私と彼等の驚くポイントは違うんだろうけどね。
「一応グレイベア倒したから、僕は11になったよ?」
「えっ?ああ、一応私も攻撃したし……上がってない……」
そりゃそうか。
ダメージにもなってない火球じゃ経験値なんて貰える訳ないか。
そもそも闘いの功績というか、与えたダメージ量によって討伐した魔物から得られる魂値……通称経験値が変わるもんね。
「いやいやいや、F級?こんなところで何してんの?」
「そうだよ!シンフォレストって一応ギルドでD級以上推奨でF級は、まず入る事すら許可されないでしょ!」
「というか、F級でレベル5の癖に伯爵令嬢の私と友達になったの?いや、まあ友達になったからにはそういった事は気にしませんわ!でも横に立つのも前に立つのも無礼極まりないから二人は常に私の後ろに居る事ね!特に魔物と出会ったら!」
なんだろう……そうだよね?それが普通の感覚だよね?
カナタに乗せられるがままにこの依頼受けたけど、普通ありえないよね?
良かった……久しぶりに常識人にあった気がする。
あと、テオラがなんか言ってるけど、無視して良いかな?
私が守るって言ってるように捉えられなくもないけど、なんかすごく気合の入った表情してるし絡むと面倒くさそう。
「そうですね……テオラさんと私はそれほど差があるのですね……なら、横に立つのは確かに失礼ですね。友達になりたいなんて言ってすいません」
「いやいやいや、良いのよ?友達だから良いのよ?そっ……それにオフなら隣に立っても許さなくもないわよ?だって休養中だったら女の子同士だし、冒険者のランクなんて休日のお友達には関係無いですわ!」
と思ったけど、ちょっと揶揄ってみた。
めっちゃ焦ってオロオロしてる……なんだろう……絶対私より可愛いよね?
生意気だけど、言葉や行動の端々から女の子らしさというか、優しさというか……色々と負けた。
「つーかさ?ゴブリンジェネラルって単語が聞こえたのは気のせいか?」
ジャンが若干鋭い視線をカバチに送っているが、カバチは特に気にした様子は無さそう。
「そうだよ?カナタの持ってた剣でアレクが一人で倒したんだよ?で、一応エストの村の護衛として雇う事になったんだ」
「はあっ?レベル6で一人でゴブリンジェネラルを?ふかしこいてんじゃねーよな?」
「ええっ?僕は嘘吐かないよ!」
「そうだな。確かに今のはジャンが悪い!ギルドの依頼、リーダーの頼みでここに来てるって事は、肩書以上の実力があって当然だろう」
ジャンを諫めるようにクリスがすこし冷めた表情で、苦言を呈す。
「いや、ゴブリンジェネラルってC級でも一人じゃてこずるだろ!それを一人で倒してF級っておかしいだろ!」
「うーん……それはカナタが昇格を断っちゃったから。でもカナタもC級の昇格を断ってるからね」
「えっ?冒険者が昇格を断るってあるのか?嬢ちゃん本当なのか?」
「嬢ちゃん?まあいっか、そうなのよ!せっかくモッズさんが昇格の打診をしてくれたのにカナタが勝手に断っちゃったのは事実ね」
私の言葉にジャンが頭を抱えてる。
まあ、その気持ち分からないでもないけどね。
うん、やっぱりカナタはおかしいし、アレクとカバチは大分毒されてるわね。
私だけでもしっかりしないよ。
「はあああああ……もういいわ。で、大将!これからどうするんだ?」
「ああ、リーダーにも心配掛けてるし、一旦バリイを連れて戻ろうかと思うけどそっちの連れはどうするんだい?」
大きなため息を吐いたジャンがクリスに今後の方針を聞いているけど、そうなのよねー。
こっちとしてはアレクとカナタも連れて戻りたいんだけどね。
でも、あの二人……というかカナタが居るならあっちは大丈夫そ……いま私は何を思った?
ああ、なんで無職のF級といるアレクが大丈夫と思おうとしたんだろ。
よくよく考えためっちゃピンチ……でも無いか。
気配読めるらしいから、敵を躱しながら町まで戻れるよね。
いやいやいや、私もいい加減おかしくなってる気がする。
「大丈夫だよ!カナタが居れば問題無いと思うよ」
「へえ、そのカナタってのはそんなにやる奴なのか?ちなみに、職業は?」
「無職?」
「……」
ジャンの言葉にカバチがあっけらかんと答えた瞬間に、辺りに沈黙が訪れる。
やっぱりこっちが普通よね?
なんで、無職といて大丈夫と思えるかなカバチは!
まあ、数秒前の私もだけどね。
「私は別に下々の者がどうなろうと知ったこっちゃないですわ。しかも領民ですら無いですし」
テオラがバッサリと切り捨ててる。
まあ、こっちも貴族としては普通か。
「でも……アリスの仲間って事は不本意ながらも私にとっては友達の友達ですからね。ってことは友達……いや知り合いとも取れなくはないですし。仕方ありませんわ。少し周囲を探してから戻りましょうか……バリイには悪いですけど」
前言撤回。
ただの面倒くさい奴だったわ。
「そうだな……過去に例を見ない訳じゃないから知ってるかもしれないが、ノーブラインドと呼ばれる変異種。進化ではなく完全なる突然変異だと考えられている個体だよ」
私の質問に対して、なんとなしに答えてくれたがごめんなさい。
知りません。
「その表情だと知らないみたいだね」
「僕は知ってるよ!バジリスク以外にもたまにいるよね?後ろにも目を持った個体でしょ?」
「ああ、その通り。バジリスクのノーブラインドの目撃例は殆ど無いが、あれは凶悪だ」
「背後から隙を伺ってたバリィが……あっ、そこで石になってる狩人な?突然弓を取り落としたかと思ったら、石になっててさ!で、奴……バジリスクがそっちのバリィの方に向いた瞬間に後頭部にあった目に俺とテオラが捕まっちゃってね」
「一瞬で3人が石になって、焦ったよ。まあ僕はジャンの影に居たお陰でその目を見る事は無かったけど、取りあえずジャンの影に隠れたまま後頭部の目を槍で一つは貫く事に成功したからさ。一つ潰したら石化睨みは使えないからこっちに向き直る前にもう一つの目を潰して、ジャンに解石剤を使ってね」
「ああ、それから仕返しとばかりに尻尾は貰ったけどな」
おお、流石ノブレスの中でも実力派のパーティ。
変異体相手でも、イケイケみたいだね。
「で、ジャンがヘイトを稼いでる間にテオラを解石して一気に畳みかけようと思ったんだけどさ……」
「まさか、奴があそこで目を閉じるとは思わなくてな。しかも額にもう一つ目があったし」
「かなり特殊な変異体だったんだろう。額の目を見るのも怖くてちまちまと削ってたら他のバジリスクも集まって来てタイムオーバー。バリィを連れて逃走ってわけ」
「一応追跡魔法のマーキングは付けてあるから、いつでもあいつの所にはいけるけど、先にバリィを治さないと、手遅れになったら……別に心配してるんじゃないから!ちょっとでも一緒に居た仲間だから、ほんの少し可哀想かなと思っただけだから!」
テオラがバリィの事を気遣うような事を言った後に慌てて否定してたけど、思いっきり心配してるよね?
ああ、そう言えばカナタも石にされた時に治すような薬は買って無かったかあ……
まあ、元々石にされる気も無さそうだったけど。
でも、あいつの持ってる緑色の液体なら石化くらいすぐに治りそうだよなー……
てか、カナタとアレクはどこで道草食ってるのよ!
気配が読めるならすぐに合流出来るでしょ!
――――――
「もう無理だよ!」
「口が動くなら身体も動くだろ?俺は無職だから戦えないんだから、アレクだけが頼りだよ」
「いやいや、大体このホーンボア達さっきから俺しか狙ってないよね?なら、隙を付いて一撃とか……」
「やだよ、それで標的がこっちに移ったらどうすんの?」
「そしたら俺が「ほらっ、横に飛べ」
カナタに言われた瞬間に、条件反射で横に飛んだアレクの元居た場所を凄い勢いでホーンボアが走り抜けていく。
すでに、言われたら条件反射で体が動くレベルまでこき使われているアレク。
「いいの?こいつらをとっとと倒してその先の道を進まないと、カバチ達に合流出来ないよ?」
「うう……ならなおさら手伝って「ほら、右に剣を突き出して!」
「えっ?はいっ!」
訳も分からず剣を突き出すと、ホーンボアの右目をアレクの剣が貫く。
「これで、残りは3体かな?」
脳にまで達した突きは、ホーンボアにとって致命傷になったらしく、それでもアレクを押し倒そうと少し進んだ後で横倒しに倒れた。
だが、仲間のホンーボアが殺された事に他の3体から怒気が上がる。
「なんか、さっきよりやばそう」
「ああ、そういった事は取りあえず殺してから考えろ」
そう言って木陰に腰を下ろすカナタ。
それを理不尽なものを見るような眼で見つめるアレク。
すぐにカナタに顎でしゃくられてホーンボアの方を向き直させられる。
合流まではまだまだかかりそうである。
――――――
「はっ!なんかいま、アレクの生命の危機を感じた」
「どうしたの?」
一瞬とっても不憫な光景が脳裏を過った。
思わず声に出してしまったが、カバチも心配そうにこっちを見ているので取りあえず笑って誤魔化す。
たぶん、大丈夫だよね?
「ところでアリスとカバチってどれくらいやんの?いや、無理に答えなくてもいいけど」
突然ジャンが質問を投げかけて来たけど、微妙に困るわ。
よくよく考えたら、不明のB級冒険者の探索にF級が駆けつけるってどうよ?
無いでしょ?
「F級だよ?僕がさっきまでレベル8でカナタがたぶん5?アリスはどう?ちなみにアレクは10だったよ」
「えっ?アレクって6じゃなかったっけ?」
「はっ?ゴブリンジェネラル倒したから、レベル上がったって……ああ、あんときはまだアリスは部屋に居たもんね」
『はっ?』
カバチがあっけらかんと答えたけど、私もペルセウスの面々も驚きの声をあげる。
といっても、私と彼等の驚くポイントは違うんだろうけどね。
「一応グレイベア倒したから、僕は11になったよ?」
「えっ?ああ、一応私も攻撃したし……上がってない……」
そりゃそうか。
ダメージにもなってない火球じゃ経験値なんて貰える訳ないか。
そもそも闘いの功績というか、与えたダメージ量によって討伐した魔物から得られる魂値……通称経験値が変わるもんね。
「いやいやいや、F級?こんなところで何してんの?」
「そうだよ!シンフォレストって一応ギルドでD級以上推奨でF級は、まず入る事すら許可されないでしょ!」
「というか、F級でレベル5の癖に伯爵令嬢の私と友達になったの?いや、まあ友達になったからにはそういった事は気にしませんわ!でも横に立つのも前に立つのも無礼極まりないから二人は常に私の後ろに居る事ね!特に魔物と出会ったら!」
なんだろう……そうだよね?それが普通の感覚だよね?
カナタに乗せられるがままにこの依頼受けたけど、普通ありえないよね?
良かった……久しぶりに常識人にあった気がする。
あと、テオラがなんか言ってるけど、無視して良いかな?
私が守るって言ってるように捉えられなくもないけど、なんかすごく気合の入った表情してるし絡むと面倒くさそう。
「そうですね……テオラさんと私はそれほど差があるのですね……なら、横に立つのは確かに失礼ですね。友達になりたいなんて言ってすいません」
「いやいやいや、良いのよ?友達だから良いのよ?そっ……それにオフなら隣に立っても許さなくもないわよ?だって休養中だったら女の子同士だし、冒険者のランクなんて休日のお友達には関係無いですわ!」
と思ったけど、ちょっと揶揄ってみた。
めっちゃ焦ってオロオロしてる……なんだろう……絶対私より可愛いよね?
生意気だけど、言葉や行動の端々から女の子らしさというか、優しさというか……色々と負けた。
「つーかさ?ゴブリンジェネラルって単語が聞こえたのは気のせいか?」
ジャンが若干鋭い視線をカバチに送っているが、カバチは特に気にした様子は無さそう。
「そうだよ?カナタの持ってた剣でアレクが一人で倒したんだよ?で、一応エストの村の護衛として雇う事になったんだ」
「はあっ?レベル6で一人でゴブリンジェネラルを?ふかしこいてんじゃねーよな?」
「ええっ?僕は嘘吐かないよ!」
「そうだな。確かに今のはジャンが悪い!ギルドの依頼、リーダーの頼みでここに来てるって事は、肩書以上の実力があって当然だろう」
ジャンを諫めるようにクリスがすこし冷めた表情で、苦言を呈す。
「いや、ゴブリンジェネラルってC級でも一人じゃてこずるだろ!それを一人で倒してF級っておかしいだろ!」
「うーん……それはカナタが昇格を断っちゃったから。でもカナタもC級の昇格を断ってるからね」
「えっ?冒険者が昇格を断るってあるのか?嬢ちゃん本当なのか?」
「嬢ちゃん?まあいっか、そうなのよ!せっかくモッズさんが昇格の打診をしてくれたのにカナタが勝手に断っちゃったのは事実ね」
私の言葉にジャンが頭を抱えてる。
まあ、その気持ち分からないでもないけどね。
うん、やっぱりカナタはおかしいし、アレクとカバチは大分毒されてるわね。
私だけでもしっかりしないよ。
「はあああああ……もういいわ。で、大将!これからどうするんだ?」
「ああ、リーダーにも心配掛けてるし、一旦バリイを連れて戻ろうかと思うけどそっちの連れはどうするんだい?」
大きなため息を吐いたジャンがクリスに今後の方針を聞いているけど、そうなのよねー。
こっちとしてはアレクとカナタも連れて戻りたいんだけどね。
でも、あの二人……というかカナタが居るならあっちは大丈夫そ……いま私は何を思った?
ああ、なんで無職のF級といるアレクが大丈夫と思おうとしたんだろ。
よくよく考えためっちゃピンチ……でも無いか。
気配読めるらしいから、敵を躱しながら町まで戻れるよね。
いやいやいや、私もいい加減おかしくなってる気がする。
「大丈夫だよ!カナタが居れば問題無いと思うよ」
「へえ、そのカナタってのはそんなにやる奴なのか?ちなみに、職業は?」
「無職?」
「……」
ジャンの言葉にカバチがあっけらかんと答えた瞬間に、辺りに沈黙が訪れる。
やっぱりこっちが普通よね?
なんで、無職といて大丈夫と思えるかなカバチは!
まあ、数秒前の私もだけどね。
「私は別に下々の者がどうなろうと知ったこっちゃないですわ。しかも領民ですら無いですし」
テオラがバッサリと切り捨ててる。
まあ、こっちも貴族としては普通か。
「でも……アリスの仲間って事は不本意ながらも私にとっては友達の友達ですからね。ってことは友達……いや知り合いとも取れなくはないですし。仕方ありませんわ。少し周囲を探してから戻りましょうか……バリイには悪いですけど」
前言撤回。
ただの面倒くさい奴だったわ。
48
お気に入りに追加
351
あなたにおすすめの小説
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
神様の願いを叶えて世界最強!! ~職業無職を極めて天下無双する~
波 七海
ファンタジー
※毎週土曜日更新です。よろしくお願い致します。
アウステリア王国の平民の子、レヴィンは、12才の誕生日を迎えたその日に前世の記憶を思い出した。
自分が本当は、藤堂貴正と言う名前で24歳だったという事に……。
天界で上司に結果を出す事を求められている、自称神様に出会った貴正は、異世界に革新を起こし、より進化・深化させてほしいとお願いされる事となる。
その対価はなんと、貴正の願いを叶えてくれる事!?
初めての異世界で、足掻きながらも自分の信じる道を進もうとする貴正。
最強の職業、無職(ニート)となり、混乱する世界を駆け抜ける!!
果たして、彼を待っているものは天国か、地獄か、はたまた……!?
目指すは、神様の願いを叶えて世界最強! 立身出世!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる