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第1章:仮冒険者と魔王様、冒険者になる!~エンの場合~
第21話:21階層~28階層ダイジェスト
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ゴブリンメイジの放った火球を横っ飛びに躱しながら、斬撃を飛ばす。
魔法を放った直後の隙を付かれたゴブリンメイジが真っ二つになるのを確認すると、すぐに背後から襲い来るミノタウロスの斧を上段で受け流す。
自分の右側を通り過ぎていく斧を横目で見ながら、刀をいなした流れのまま手首を返すと切っ先が弧を描くように斧の上にと回って来る。
そしてそのままミノタウロスの両腕を叩ききると、返す斬り上げで前のめりになっているミノタウロスの首を跳ね飛ばす。
レイドが……
「お疲れ様でーす!」
僕はそう言って、手ぬぐいをレイドに渡す。
レイドがそれを受け取って額を拭うと、不満げな視線を向けてくる。
「エンさんも、もっと戦って下さいよ!」
現在ダンジョンの24階層まで降りて来た僕たちだが、流石にここらへんに出てくるモンスターには僕では歯が立たなくなってきた。
いくらカナタさんの助言があっても、ダメージを入れる事が出来ないんじゃどうしようもない。
「いや、ほら……ダメージ入らないし、やるだけ無駄かなと」
言ってて悲しくなってきた。
とはいえ、確かにレイドの言う通りこのまま寄生して終わるつもりなんて、さらさらない。
一生懸命、レイドの戦い方を見て盗んで、どう効率よくダメージを入れるかを研究している。
それに、数に限りがあるがいざとなったらエクスプロージョンもある訳だし。
でも、必ずしもやる気と行動が一致するかというと……
いや、無理な訳で……努力や気持ちの問題で片付けられるレベル差じゃなくなってきてるよ?
すでに彼女の刀は、鉱物系のモンスターや、リビングアーマーすら切り裂く訳で……それ、なんて剣聖? って状態だ。
「それでも、少しは動き回るとか、相手に攻撃して気を反らす事くらい出来るでしょう!」
はっ! そうだった。
そのぐらいなら、僕でも出来るじゃないか!
僕は手を付いて、口と目を見開く。
「はっ! そうだった! じゃないですよ! 全く」
レイドが若干呆れ気味だが、お陰で大分休憩も出来たしそろそろ真面目にやらないとな。
チラッとカナタさんに目を向ける。
約1名、ずっと休憩中の人が居るけどね。
「さてと……そろそろだな」
何てことを考えて居たら、カナタさんが本を閉じて立ち上がる。
おっと、ようやくやる気になってくれたのかな?
そんな事を思えると、カナタさんがこっちに向かって手を翳してくる。
「エンでも戦えるように強化してやるよ!」
あっ……やっぱり貴方は戦わないんですね……
カナタさんの手から赤い光が放たれる。
魔法も武器も使えない設定はどこにいったんだろう。
ありがとうございます……とっからどう見ても魔法ですこれ。
その光を浴びると、力が溢れだしてくる。
「【狂化】!」
「ほえっ?」
なんかイントネーションが違うような……なんて事を思っていたら沸々と怒りのような感情が沸いてくる。
魔物どもが憎いぜあんちくしょー!
あいつらのせいで、カナタさんにこき使われるんだ。
許すまじ魔物!
「うおおおおおぉ! ぶっ殺してやる! 魔物はどこだああああああぁぁ!」
自然に大声で叫ぶと、僕は一気に駆け出した。
「あっ! エンさあああああん! 勝手に行かないで! エンさんが行ったら、また僕1人で戦わないとだよ!」
後ろで何かレイドが叫んでいるが、知るか!
俺が全ての魔物をぶち殺してやるから、ゆっくり歩いてきやがれってんだ!
「魔物おおおおお! どこだあああああ!」
―――――――――
「ここは、どこ?」
ふと我に返ると、ダンジョンの大分奥にまで進んで居たようで、カナタさんともレイドともはぐれてとんでもない孤独感に襲われる。
途中でヒュージスライム相手に100連突きを放って粉々にしたり、ミノタウロスに攻撃の隙すら与えないもう連打で削りまくって倒したりした記憶はあるんですけどね。
はは……手数だけで勝てるとか、そんな単純なもんだったんですかね? この実力差。
恐らく、大幅に肉体強化も施されていたんだろうけど、地力がそうでもないから結構苦労したよ。
で……ここはどこ?
寂しいよ……怖いよ……暗いよ……
一応ダンジョンの壁を背に、体育座りをして2人を待つことにした。
とはいえ、1人でポツンと居るのは本当に怖い。
でも、帰り道分かりません。
どこをどう進んで来たのかも分かりません。
誰か……助けて。
それから30分くらいして、ようやくカナタさんとレイドが来てくれた。
レイドが物凄く疲れた表情をしていたが、まあ気にしてもしょうがない。
僕も恐らく、相当酷い顔をしているはずだしね。
「ようやく、追いついた」
レイドが嬉しそうに言っているが、カナタさんはどこか不満そうだ。
こっちをチラッとみて、溜息を吐いている。
はっ! もしかして、レイドと2人っきりになりたくて、僕を追い払ったんだな!
そうだな!
そうに違いない!
「折角強化してやったのに、大分うち漏らしがあったな……思った程レベルも上がって無いみたいだし、またレイドとの差が開いたぞ?」
はいはい、さいですか。
どうやら、僕の成長具合に不満があったらしい。
というか、この人女の子に興味無いのかな?
「そのくせ、考えてる事はくだらない……そんな余裕があるなら、もっと魔物を狩って来いよ」
ああ、考え読むの止めてくれませんか?
流石に、そろそろ我慢の限界……
「あっ?」
ひいっ!
どうぞ、いくらでも好きなだけ考えを読んで下さい。
僕は、逃げも隠れもしませんから……
「フッ……」
くそっ……なんで、ただの金持ちっぽい人がこんな威圧を放てるのか、是非とも聞いてみたい。
いつもの爽やかスマイルなのに、あっ? という声に死神が乗っているんじゃないかというくらいに、寒気がした。
―――――――――
その後、25階層でも
「【狂化】!」
「魔物ぶっころーす!」
……
「うう……もう腕が上がらないっす……」
「ふんっ、確かに腕が全然上がってないな」
そういう意味じゃない……
―――――――――
26階層
「【狂化】!」
「ふははは、今日がお前らの命日だ!」
……
「もう、体が動かないっす」
「口が動いてるから、体も動くだろ?」
なんすか、その鬼の発想?
―――――――――
27階層
「【狂化】!」
「俺がモンスタースレイヤー! エンだ! その名をその魂に刻め! もっとも……あの世じゃなんの役にも立たんがなあ!」
……
「膝がガクガクします」
「お前は、ここに着いた時から膝が震えてたろ?」
いえ、震える意味が違います。
―――――――――
28階層
「【狂化】!」
「喋る時間が惜しい……死ね!」
……
「もう無理っす……いっそ殺してください……」
「ふんっ、何を言っている? お前は殺す側だろ?」
比喩表現ですよ……軽い特訓ジョークじゃないっすか?
貴方のそれ、洒落じゃないっす!
―――――――――
「着いたー」
29階層に降りて、最後の休憩室の前に辿り着いた時……僕の全身は疲労と筋断裂、そして関節痛で小鹿もかくやという程に震えていた。
「いや、エンさんがいっつも消えるから、僕ずっとカナタさんを守りながら1人で戦ってたんですけど?」
レイドがジトっとした目を向けてくるけど、そのおっさんほっといても死なないから大丈夫。
手前味噌だけどぶっちゃけレイド程じゃないにしても、相当強くなった自信はあるよ?
でもね、強くなればなるほどカナタさんの底が見えなくなるというか……
絶対あの人のステータス嘘だからね?
カナタ
レベル5(10∧12)
HP33(10∧13)
MP21(10∧68)
筋力25(10∧12)
魔力14(10∧68)
体力12(10∧13)
敏捷19(10∧13)
まず大人2人を抱えて、あの速度で移動するとか筋力も敏捷も軽く10倍はあるはずだ。
それに、魔法をポンポンつかっても魔力切れを起こす気配は無いから、魔素量も21って事はまずありえない。
しかも使う魔法は出鱈目だからね?
魔力14? 嘘だよね?
何より、ここまで歩いて来て息1つ乱してないというか、疲れたそぶりが見えないからね。
体力も出鱈目だよね?
それに殺しても死にそうにないし。
というか、どうやって殺せるかも分からない。
全てのステータスが表記の10倍以上はあるはずだ……
注:最低でも100,000,000,000倍以上です。
なんか、恐ろしい天の声が聞こえた気がしないでもないが、下手したら100倍はあるだろう。
注:繰り返しますが、最低でも100,000,000,000倍以上です。
うん、カナタさんのステータスについて考えるのはもうやめよう。
という事で、中んボスの部屋の前で最後の休憩を取るとしようか。
と思ったら、2人ともとっとと休憩部屋に入っていた。
流石に先客は居ないらしく、部屋の中には誰も居なかった。
今度の部屋は、ボス戦の前にしっかりと休養が出来るように1人1回まで使える回復薬と、ベッドが10個くらい並べてあり、食事も置いてあった。
これってメルスさんが用意してくれたのかな?
普段なら毒などを疑うのだが、このダンジョンの場合はそういった心配は無いらしい。
むしろ、ここまで来られた事に対する称賛を込めて用意されていると、踏破者の人が直接本人から聞いたらしい。
どんだけ人間が好きな魔族なんだよメルスさん!
あんた、良い人や!
僕と一緒にここまで来た、どっかの表面紳士よりよっぽど良い人や!
「お前だけ1人で先に中ボスと戦っててもいいぞ?」
「いや、僕もご一緒させていただきます」
本当に、心が読めるんじゃない?
てか、絶対に読めるよね?
「お前は分かりやすいんだよ」
そう言って頭を小突かれた。
うん、納得いかないけど、もうこのポジションに落ち着いてきた気がする。
きっと、これからもカナタさんに小ばかにされつつも……あれ? うん。
ムカつくけど、かなり得るものは多かったからな。
感謝してやらなくもない……
むしろ、本当に有難うございます。
心から感謝してますので、もう少し優しくしてください。
魔法を放った直後の隙を付かれたゴブリンメイジが真っ二つになるのを確認すると、すぐに背後から襲い来るミノタウロスの斧を上段で受け流す。
自分の右側を通り過ぎていく斧を横目で見ながら、刀をいなした流れのまま手首を返すと切っ先が弧を描くように斧の上にと回って来る。
そしてそのままミノタウロスの両腕を叩ききると、返す斬り上げで前のめりになっているミノタウロスの首を跳ね飛ばす。
レイドが……
「お疲れ様でーす!」
僕はそう言って、手ぬぐいをレイドに渡す。
レイドがそれを受け取って額を拭うと、不満げな視線を向けてくる。
「エンさんも、もっと戦って下さいよ!」
現在ダンジョンの24階層まで降りて来た僕たちだが、流石にここらへんに出てくるモンスターには僕では歯が立たなくなってきた。
いくらカナタさんの助言があっても、ダメージを入れる事が出来ないんじゃどうしようもない。
「いや、ほら……ダメージ入らないし、やるだけ無駄かなと」
言ってて悲しくなってきた。
とはいえ、確かにレイドの言う通りこのまま寄生して終わるつもりなんて、さらさらない。
一生懸命、レイドの戦い方を見て盗んで、どう効率よくダメージを入れるかを研究している。
それに、数に限りがあるがいざとなったらエクスプロージョンもある訳だし。
でも、必ずしもやる気と行動が一致するかというと……
いや、無理な訳で……努力や気持ちの問題で片付けられるレベル差じゃなくなってきてるよ?
すでに彼女の刀は、鉱物系のモンスターや、リビングアーマーすら切り裂く訳で……それ、なんて剣聖? って状態だ。
「それでも、少しは動き回るとか、相手に攻撃して気を反らす事くらい出来るでしょう!」
はっ! そうだった。
そのぐらいなら、僕でも出来るじゃないか!
僕は手を付いて、口と目を見開く。
「はっ! そうだった! じゃないですよ! 全く」
レイドが若干呆れ気味だが、お陰で大分休憩も出来たしそろそろ真面目にやらないとな。
チラッとカナタさんに目を向ける。
約1名、ずっと休憩中の人が居るけどね。
「さてと……そろそろだな」
何てことを考えて居たら、カナタさんが本を閉じて立ち上がる。
おっと、ようやくやる気になってくれたのかな?
そんな事を思えると、カナタさんがこっちに向かって手を翳してくる。
「エンでも戦えるように強化してやるよ!」
あっ……やっぱり貴方は戦わないんですね……
カナタさんの手から赤い光が放たれる。
魔法も武器も使えない設定はどこにいったんだろう。
ありがとうございます……とっからどう見ても魔法ですこれ。
その光を浴びると、力が溢れだしてくる。
「【狂化】!」
「ほえっ?」
なんかイントネーションが違うような……なんて事を思っていたら沸々と怒りのような感情が沸いてくる。
魔物どもが憎いぜあんちくしょー!
あいつらのせいで、カナタさんにこき使われるんだ。
許すまじ魔物!
「うおおおおおぉ! ぶっ殺してやる! 魔物はどこだああああああぁぁ!」
自然に大声で叫ぶと、僕は一気に駆け出した。
「あっ! エンさあああああん! 勝手に行かないで! エンさんが行ったら、また僕1人で戦わないとだよ!」
後ろで何かレイドが叫んでいるが、知るか!
俺が全ての魔物をぶち殺してやるから、ゆっくり歩いてきやがれってんだ!
「魔物おおおおお! どこだあああああ!」
―――――――――
「ここは、どこ?」
ふと我に返ると、ダンジョンの大分奥にまで進んで居たようで、カナタさんともレイドともはぐれてとんでもない孤独感に襲われる。
途中でヒュージスライム相手に100連突きを放って粉々にしたり、ミノタウロスに攻撃の隙すら与えないもう連打で削りまくって倒したりした記憶はあるんですけどね。
はは……手数だけで勝てるとか、そんな単純なもんだったんですかね? この実力差。
恐らく、大幅に肉体強化も施されていたんだろうけど、地力がそうでもないから結構苦労したよ。
で……ここはどこ?
寂しいよ……怖いよ……暗いよ……
一応ダンジョンの壁を背に、体育座りをして2人を待つことにした。
とはいえ、1人でポツンと居るのは本当に怖い。
でも、帰り道分かりません。
どこをどう進んで来たのかも分かりません。
誰か……助けて。
それから30分くらいして、ようやくカナタさんとレイドが来てくれた。
レイドが物凄く疲れた表情をしていたが、まあ気にしてもしょうがない。
僕も恐らく、相当酷い顔をしているはずだしね。
「ようやく、追いついた」
レイドが嬉しそうに言っているが、カナタさんはどこか不満そうだ。
こっちをチラッとみて、溜息を吐いている。
はっ! もしかして、レイドと2人っきりになりたくて、僕を追い払ったんだな!
そうだな!
そうに違いない!
「折角強化してやったのに、大分うち漏らしがあったな……思った程レベルも上がって無いみたいだし、またレイドとの差が開いたぞ?」
はいはい、さいですか。
どうやら、僕の成長具合に不満があったらしい。
というか、この人女の子に興味無いのかな?
「そのくせ、考えてる事はくだらない……そんな余裕があるなら、もっと魔物を狩って来いよ」
ああ、考え読むの止めてくれませんか?
流石に、そろそろ我慢の限界……
「あっ?」
ひいっ!
どうぞ、いくらでも好きなだけ考えを読んで下さい。
僕は、逃げも隠れもしませんから……
「フッ……」
くそっ……なんで、ただの金持ちっぽい人がこんな威圧を放てるのか、是非とも聞いてみたい。
いつもの爽やかスマイルなのに、あっ? という声に死神が乗っているんじゃないかというくらいに、寒気がした。
―――――――――
その後、25階層でも
「【狂化】!」
「魔物ぶっころーす!」
……
「うう……もう腕が上がらないっす……」
「ふんっ、確かに腕が全然上がってないな」
そういう意味じゃない……
―――――――――
26階層
「【狂化】!」
「ふははは、今日がお前らの命日だ!」
……
「もう、体が動かないっす」
「口が動いてるから、体も動くだろ?」
なんすか、その鬼の発想?
―――――――――
27階層
「【狂化】!」
「俺がモンスタースレイヤー! エンだ! その名をその魂に刻め! もっとも……あの世じゃなんの役にも立たんがなあ!」
……
「膝がガクガクします」
「お前は、ここに着いた時から膝が震えてたろ?」
いえ、震える意味が違います。
―――――――――
28階層
「【狂化】!」
「喋る時間が惜しい……死ね!」
……
「もう無理っす……いっそ殺してください……」
「ふんっ、何を言っている? お前は殺す側だろ?」
比喩表現ですよ……軽い特訓ジョークじゃないっすか?
貴方のそれ、洒落じゃないっす!
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「着いたー」
29階層に降りて、最後の休憩室の前に辿り着いた時……僕の全身は疲労と筋断裂、そして関節痛で小鹿もかくやという程に震えていた。
「いや、エンさんがいっつも消えるから、僕ずっとカナタさんを守りながら1人で戦ってたんですけど?」
レイドがジトっとした目を向けてくるけど、そのおっさんほっといても死なないから大丈夫。
手前味噌だけどぶっちゃけレイド程じゃないにしても、相当強くなった自信はあるよ?
でもね、強くなればなるほどカナタさんの底が見えなくなるというか……
絶対あの人のステータス嘘だからね?
カナタ
レベル5(10∧12)
HP33(10∧13)
MP21(10∧68)
筋力25(10∧12)
魔力14(10∧68)
体力12(10∧13)
敏捷19(10∧13)
まず大人2人を抱えて、あの速度で移動するとか筋力も敏捷も軽く10倍はあるはずだ。
それに、魔法をポンポンつかっても魔力切れを起こす気配は無いから、魔素量も21って事はまずありえない。
しかも使う魔法は出鱈目だからね?
魔力14? 嘘だよね?
何より、ここまで歩いて来て息1つ乱してないというか、疲れたそぶりが見えないからね。
体力も出鱈目だよね?
それに殺しても死にそうにないし。
というか、どうやって殺せるかも分からない。
全てのステータスが表記の10倍以上はあるはずだ……
注:最低でも100,000,000,000倍以上です。
なんか、恐ろしい天の声が聞こえた気がしないでもないが、下手したら100倍はあるだろう。
注:繰り返しますが、最低でも100,000,000,000倍以上です。
うん、カナタさんのステータスについて考えるのはもうやめよう。
という事で、中んボスの部屋の前で最後の休憩を取るとしようか。
と思ったら、2人ともとっとと休憩部屋に入っていた。
流石に先客は居ないらしく、部屋の中には誰も居なかった。
今度の部屋は、ボス戦の前にしっかりと休養が出来るように1人1回まで使える回復薬と、ベッドが10個くらい並べてあり、食事も置いてあった。
これってメルスさんが用意してくれたのかな?
普段なら毒などを疑うのだが、このダンジョンの場合はそういった心配は無いらしい。
むしろ、ここまで来られた事に対する称賛を込めて用意されていると、踏破者の人が直接本人から聞いたらしい。
どんだけ人間が好きな魔族なんだよメルスさん!
あんた、良い人や!
僕と一緒にここまで来た、どっかの表面紳士よりよっぽど良い人や!
「お前だけ1人で先に中ボスと戦っててもいいぞ?」
「いや、僕もご一緒させていただきます」
本当に、心が読めるんじゃない?
てか、絶対に読めるよね?
「お前は分かりやすいんだよ」
そう言って頭を小突かれた。
うん、納得いかないけど、もうこのポジションに落ち着いてきた気がする。
きっと、これからもカナタさんに小ばかにされつつも……あれ? うん。
ムカつくけど、かなり得るものは多かったからな。
感謝してやらなくもない……
むしろ、本当に有難うございます。
心から感謝してますので、もう少し優しくしてください。
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