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第三章:王都学園編~初年度後期~
第29話:護符
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さてと……チェルシーのことが色々とばれて、ギールラウ子爵が簒奪者ということが多くの身分至上主義派に、知れ渡っている現状。
とりあえず、ダリウスには確認しておいた。
本気で焦って否定していたから、半分は信じてあげたよ。
「し……信用が無い」
と嘆いていたけど。
過去の自分を振り返ってみて欲しい。
やってもおかしくないと思われるだけの実績はあると、自覚してもらいたい。
マッチポンプってのは、そういうものだ。
バレたら都合の良い事は、全て疑われることになるんだ。
なかば、無理矢理こじつけることもできるし。
しばらくは他人の不幸で自分が幸せになれる日は来ないと、覚悟した方が良いよ。
ポーラは、私が彼女を紹介したら凄い顔をしていた。
というか、私の正気を疑われた。
「頼られちゃったら断れなくて、つい」
と頭を掻きながらテヘペロをしたら、ジト目を向けられたよ。
まあ、仕方ない。
我が軍団は、来るもの拒まずだ。
もちろん、他者に迷惑を掛けない人ならね。
私?
私に迷惑を掛けるのは、全然オッケーだよ。
私が迷惑を掛けるの?
まあ、本気の迷惑は掛けるつもりはないけど。
多少は、振り回してもいいよね?
えてして、リーダーシップとはそういうものだ!
とはいえ、最近はみんな大人しいんだよね。
身分至上主義派閥も。
なんなら、ジニーが物凄く静かなんだよ。
今も机にしがみついて、教科書とにらめっこしてるみたいだし。
ジェイやジェーンが教えてくれた。
三度の親呼び出しのせいで、もはや習熟度テストを落とすことは絶対に出来ないと追い詰められているとか。
親からも……
そうだよね。
あれだけ親に迷惑を掛けておいて、落第とか。
見捨てられても、仕方ないよね。
そして、カーラも大人しい。
時折、縋るような視線を向けてくるので、声を掛けてあげてるけど。
うん、分からないことがあったら、こうやって視線で教えてと訴えてくる。
可愛い。
フローラはテレサと勉強してる。
テレサが……ナチュラルな天才だからね。
先生の授業の再現とかが出来るレベルで。
テレビ授業クオリティの友達がいて、良かったね。
ジェイとジェーンだけど……ジェイは早々に諦めていた。
というわけではなく、落第にならないラインの知識は覚えたからとポヤポヤしている。
前回も、ギリギリで全教科合格していたらしい。
ただ……答えを書いたところは全て正解で、他は白紙でギリギリ合格。
先生の表情も、さぞや渋いものだっただろう。
一方で、ジェーンは堅実な勉強スタイルで、前回は落第はしなかったらしい。
どれもこれも、特筆するほどの好成績ではない。
ただ、情けない成績でもない。
普通。
いたって、普通。
100点満点のテストを、60~80点の間で全て終える程度の普通。
馬鹿じゃないだけ、マシかな?
オルガは普通に今回は、全教科合格を目指すんだってさ。
誰かが落第したら、補習は一緒に受けるつもりらしい。
案外、仲間想いだ。
チェルシーは……前回も、普通に何個か補習があったらしい。
今回もすでに、不安そうにしている。
ソフィアと一緒に。
そして、レイチェルが二人のために勉強会を開いていた。
私も誘って欲しい……と、必死でオーラを出したんだけど。
「エルザ様に、勉強……必要ですか?」
と真顔で聞かれて、思わず……
「当たり前じゃん! 必要だよ! めっちゃ必要!」
と大声で肯定したよ。
なんで、そんな嫌そうな顔するんだよ。
邪険にしないでよー……
「授業を真面目に受けない方が、勉強会に来て他の方にちょっかいを出さずに真面目に勉強する絵が……正直、思い浮かびません」
と正論を言われてしまった。
ぐぬぬ……反論の余地が無い。
しかし、なぜ他のクラスなのに私の授業態度を知っているんだ?
まさか、スパイ?
「教師の間では有名ですよ? 話を聞いてないのに、質問には全部答える厄介な生徒として」
まさかの、教師全員がスパイだったとは。
「人のせいにするまえに、我が身を振り返ってください」
「レイチェル……私にだけ、厳しい」
そういえば、そうだ。
レイチェルって、私にだけ妙に厳しい気がする。
最初は、あんなに遠慮してたのに。
さては、私のことが大好きだな?
このこの!
「なんですか、急に甘えて来て」
「うん、なんか元気出た」
「……それは、良かったです」
あー……なんか、ミッシェルに対する扱いも混じってる?
しかし、自重はしない!
可愛いは、正義だからね!
つんけんどんなレイチェルも、可愛いし。
とりあえず、ダリウスには確認しておいた。
本気で焦って否定していたから、半分は信じてあげたよ。
「し……信用が無い」
と嘆いていたけど。
過去の自分を振り返ってみて欲しい。
やってもおかしくないと思われるだけの実績はあると、自覚してもらいたい。
マッチポンプってのは、そういうものだ。
バレたら都合の良い事は、全て疑われることになるんだ。
なかば、無理矢理こじつけることもできるし。
しばらくは他人の不幸で自分が幸せになれる日は来ないと、覚悟した方が良いよ。
ポーラは、私が彼女を紹介したら凄い顔をしていた。
というか、私の正気を疑われた。
「頼られちゃったら断れなくて、つい」
と頭を掻きながらテヘペロをしたら、ジト目を向けられたよ。
まあ、仕方ない。
我が軍団は、来るもの拒まずだ。
もちろん、他者に迷惑を掛けない人ならね。
私?
私に迷惑を掛けるのは、全然オッケーだよ。
私が迷惑を掛けるの?
まあ、本気の迷惑は掛けるつもりはないけど。
多少は、振り回してもいいよね?
えてして、リーダーシップとはそういうものだ!
とはいえ、最近はみんな大人しいんだよね。
身分至上主義派閥も。
なんなら、ジニーが物凄く静かなんだよ。
今も机にしがみついて、教科書とにらめっこしてるみたいだし。
ジェイやジェーンが教えてくれた。
三度の親呼び出しのせいで、もはや習熟度テストを落とすことは絶対に出来ないと追い詰められているとか。
親からも……
そうだよね。
あれだけ親に迷惑を掛けておいて、落第とか。
見捨てられても、仕方ないよね。
そして、カーラも大人しい。
時折、縋るような視線を向けてくるので、声を掛けてあげてるけど。
うん、分からないことがあったら、こうやって視線で教えてと訴えてくる。
可愛い。
フローラはテレサと勉強してる。
テレサが……ナチュラルな天才だからね。
先生の授業の再現とかが出来るレベルで。
テレビ授業クオリティの友達がいて、良かったね。
ジェイとジェーンだけど……ジェイは早々に諦めていた。
というわけではなく、落第にならないラインの知識は覚えたからとポヤポヤしている。
前回も、ギリギリで全教科合格していたらしい。
ただ……答えを書いたところは全て正解で、他は白紙でギリギリ合格。
先生の表情も、さぞや渋いものだっただろう。
一方で、ジェーンは堅実な勉強スタイルで、前回は落第はしなかったらしい。
どれもこれも、特筆するほどの好成績ではない。
ただ、情けない成績でもない。
普通。
いたって、普通。
100点満点のテストを、60~80点の間で全て終える程度の普通。
馬鹿じゃないだけ、マシかな?
オルガは普通に今回は、全教科合格を目指すんだってさ。
誰かが落第したら、補習は一緒に受けるつもりらしい。
案外、仲間想いだ。
チェルシーは……前回も、普通に何個か補習があったらしい。
今回もすでに、不安そうにしている。
ソフィアと一緒に。
そして、レイチェルが二人のために勉強会を開いていた。
私も誘って欲しい……と、必死でオーラを出したんだけど。
「エルザ様に、勉強……必要ですか?」
と真顔で聞かれて、思わず……
「当たり前じゃん! 必要だよ! めっちゃ必要!」
と大声で肯定したよ。
なんで、そんな嫌そうな顔するんだよ。
邪険にしないでよー……
「授業を真面目に受けない方が、勉強会に来て他の方にちょっかいを出さずに真面目に勉強する絵が……正直、思い浮かびません」
と正論を言われてしまった。
ぐぬぬ……反論の余地が無い。
しかし、なぜ他のクラスなのに私の授業態度を知っているんだ?
まさか、スパイ?
「教師の間では有名ですよ? 話を聞いてないのに、質問には全部答える厄介な生徒として」
まさかの、教師全員がスパイだったとは。
「人のせいにするまえに、我が身を振り返ってください」
「レイチェル……私にだけ、厳しい」
そういえば、そうだ。
レイチェルって、私にだけ妙に厳しい気がする。
最初は、あんなに遠慮してたのに。
さては、私のことが大好きだな?
このこの!
「なんですか、急に甘えて来て」
「うん、なんか元気出た」
「……それは、良かったです」
あー……なんか、ミッシェルに対する扱いも混じってる?
しかし、自重はしない!
可愛いは、正義だからね!
つんけんどんなレイチェルも、可愛いし。
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