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第二章:王都学園編~初年度前期~
閑話:2-1王都レオハート邸
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王都レオハート邸は久しぶりに賑わっていた。
当主であるレオハート大公が目の中に入れても痛くないというほどに可愛がっている孫、レオハート家の至宝のエルザを受け入れることが決まったためだ。
もしかしたら、彼女は王都の学園に来ない可能性もあった。
彼女自身が主導となってレオハート領に学校を建ててしまったため、そちらに通うのではと危惧されていた。
しかし王子殿下との婚約がほぼ内定したことで、王都の学園入りが鳴り物入りで既成事実として決まったのだ。
その事に屋敷の使用人一同が、ほっと胸を撫で下ろしていた。
しかも今年は同時に、クリントという第二夫人の息子も来るのだ。
ついこの間まで王都邸には彼女の兄であるクリスがいたが、彼は入れ違いで王都から少し離れた場所にある専門棟で寮生活を送るため、また領主一族不在の時期が来る可能性が高かった。
クリントまでもが辺境伯領の騎士学園ではなく王都に来てくれたことで、仕事が増えることを喜ぶ。
いささかワーカホリックが過ぎる。
ちなみに長兄であるギルバートは王都の学園を卒業後にレオブラッド辺境伯領の騎士団で経験を積んでいるため、滅多にレオハート領に戻る事すらない。
まだ彼女たちの父親であるジェームス伯爵が跡を継いでいない以上ギルバートが公爵になるまでに、時間はたくさんある。
次兄のクリスがいなくても、寂しい思いをせずに済んだことに王都レオハート邸の使用人全員が喜んでいた。
「カーペットの色は、もう少し暗い感じの赤がいいでしょう。お嬢様は質実剛健な方とお聞きしてます。あまり、華美な部屋は好まないそうです」
王都の執事長であるロンが陣頭指揮を執り、エルザの部屋をあつらえていく。
この日のために、王都邸の予算をふんだんに使って家具を新調していく。
流石に、レオハート家の至宝たるエルザに使い古した家具を下げ渡すわけにはいかない。
「そのテーブルはもう少し窓側に寄せてください。ソファはこちらに」
カーペットを敷き終えたあとは、家具を運び入れた職人たちにどんどんと場所を指示していく。
密林的某大手ネットショップで買い物をしたわけでもなく、また運送業なるものが確立されてない以上、基本的に搬入は販売店が行っている。
遠方等になると、相手が用意した人員や何でも屋のような人を雇ったりするが。
基本は売り手のお店の人員が、配送までこなすのだ。
「厨房の方はどうですか? お嬢様もご自身で料理をされることも多いらしく、またその腕は確かとのこと。お嬢様の手料理に興味はありますが、王都には学びに来られるのです。余計な手を煩わせなくていいように、お嬢様の望む料理をお出しできるよう整えてください」
この日のために厨房の人間は、交代でレオハート領まで料理修行に出ていた。
その成果もあって、レオハート領で出される食事と遜色ないものを作れるようになっていた。
なっていたのだが、本家での料理の質は日進月歩の如く進んでいる。
常に交代で誰かが滞在し、最新の料理の技術を持ち帰っている。
そのために、厨房の人員も補強した。
具体的には新たに、王都でも有名なレストランのシェフを3人ほど雇い入れた。
少々強引なことをした自覚がある執事長のロンだが、領主一族とセバスがいない間の王都邸の差配を全て任されているのだ。
このくらいの裁量権は渡されている。
強引な引き抜きに周囲からやや冷ややかな視線を受けたが、手を抜くことは出来ない。
そもそも料理人たちも、望んできているのだ。
ここで働けば、最近話題の最新の料理の情報を得ることが出来る。
新たな手法も学べる。
となれば、大半のシェフに断る理由などなかった。
大勢のお客様の喜ぶ顔を見たいという料理人以外は。
「他に何か用意するものはあっただろうか?」
最終確認を行いがら、ロンがやることを記したメモに消込を行っていく。
完璧に仕事を成し遂げるために抜け、漏れが無いように、得た情報から必要な物を微に入り細を穿つように記していったものだ。
何度か会ったことはあるものの、周囲から聞くエルザの人物像にここまでやっても不安を払拭することが出来ない。
あのご令嬢は普通とは違うと漠然と言われても、対応しきることは難しいだろう。
それでも、出来ることなら何一つ不満の無い状況で、王都での生活を過ごしてもらいたいというのは王都邸の使用人全員の思いだ。
なぜ、皆がこれほどまでに彼女に対して、尽くすことができるのか。
それは、エルザが普通じゃないからだ。
前世での感覚を修正することなく、普通に私は私だからと自由に過ごし始めたあたりから周囲の見方は大きく変わっていった。
王都邸の使用人を驚かせたのは、彼女が王都に来る時に毎回必ずレオハート領からのお土産を持ってくることだ。
それも、使用人のために。
常駐の親族がいない以上、手土産を渡す相手は当然使用人しかいない。
だから彼女が、わざわざ自分たちのために選んで贈り物をしてくれる。
返せるものがない、自分たちのために。
そうなれば彼らのやることはただ一つ。
エルザに対して絶対の忠誠と献身で、返礼とする。
その意識があるから、彼らはエルザのために寝食を惜しんで準備をすることが出来たのだ。
ただここまでやっても不安はある。
そしてエルザは、不満があっても使用人に言うことは無い。
我慢するか、自分でこっそりと解消してしまうのだ。
このことがより一層、王都邸の使用人たちを敏感にし必死にさせていることを当人は知らない。
人に迷惑を掛けることを無意識に嫌がり、耐えられるなら耐える。
自分で出来る事なら、自分でやった方が早いと考えている。
そしてお金もあるが故に、大体のことは解決できてしまう。
これほどまでに尽くし甲斐があって対応の難しい領主一族の滞在は、王都邸の使用人たちに試練と喜びの日々が始まると確信させていた。
何度も確認をして、ようやく納得のいく準備が出来た。
エルザがいよいよ訪れる前の日に、ロンはこれまでに数えきれないほどしたであろう最終確認を行う。
もはや最終確認とは何なのか?
それ以前に、最終の意味とは何ぞや?
最終確認という言葉がゲシュタルト崩壊寸前の状態でありながら、当人は何も思わずに今日も最終確認を行う。
そして大きく頷いたあとで執務室に戻ろうとしたところで、先月面接を行い新しく雇い入れ、昨日から正式に仕事に入った新人侍女に後ろから遠慮がちに声を掛けられた。
「執事長……明日より私がお世話をさせていただきますクリントお坊ちゃまのお部屋は、どちらでしょうか?」
「……! ふむ……今から、用意します」
ロン……痛恨の失敗であった。
当主であるレオハート大公が目の中に入れても痛くないというほどに可愛がっている孫、レオハート家の至宝のエルザを受け入れることが決まったためだ。
もしかしたら、彼女は王都の学園に来ない可能性もあった。
彼女自身が主導となってレオハート領に学校を建ててしまったため、そちらに通うのではと危惧されていた。
しかし王子殿下との婚約がほぼ内定したことで、王都の学園入りが鳴り物入りで既成事実として決まったのだ。
その事に屋敷の使用人一同が、ほっと胸を撫で下ろしていた。
しかも今年は同時に、クリントという第二夫人の息子も来るのだ。
ついこの間まで王都邸には彼女の兄であるクリスがいたが、彼は入れ違いで王都から少し離れた場所にある専門棟で寮生活を送るため、また領主一族不在の時期が来る可能性が高かった。
クリントまでもが辺境伯領の騎士学園ではなく王都に来てくれたことで、仕事が増えることを喜ぶ。
いささかワーカホリックが過ぎる。
ちなみに長兄であるギルバートは王都の学園を卒業後にレオブラッド辺境伯領の騎士団で経験を積んでいるため、滅多にレオハート領に戻る事すらない。
まだ彼女たちの父親であるジェームス伯爵が跡を継いでいない以上ギルバートが公爵になるまでに、時間はたくさんある。
次兄のクリスがいなくても、寂しい思いをせずに済んだことに王都レオハート邸の使用人全員が喜んでいた。
「カーペットの色は、もう少し暗い感じの赤がいいでしょう。お嬢様は質実剛健な方とお聞きしてます。あまり、華美な部屋は好まないそうです」
王都の執事長であるロンが陣頭指揮を執り、エルザの部屋をあつらえていく。
この日のために、王都邸の予算をふんだんに使って家具を新調していく。
流石に、レオハート家の至宝たるエルザに使い古した家具を下げ渡すわけにはいかない。
「そのテーブルはもう少し窓側に寄せてください。ソファはこちらに」
カーペットを敷き終えたあとは、家具を運び入れた職人たちにどんどんと場所を指示していく。
密林的某大手ネットショップで買い物をしたわけでもなく、また運送業なるものが確立されてない以上、基本的に搬入は販売店が行っている。
遠方等になると、相手が用意した人員や何でも屋のような人を雇ったりするが。
基本は売り手のお店の人員が、配送までこなすのだ。
「厨房の方はどうですか? お嬢様もご自身で料理をされることも多いらしく、またその腕は確かとのこと。お嬢様の手料理に興味はありますが、王都には学びに来られるのです。余計な手を煩わせなくていいように、お嬢様の望む料理をお出しできるよう整えてください」
この日のために厨房の人間は、交代でレオハート領まで料理修行に出ていた。
その成果もあって、レオハート領で出される食事と遜色ないものを作れるようになっていた。
なっていたのだが、本家での料理の質は日進月歩の如く進んでいる。
常に交代で誰かが滞在し、最新の料理の技術を持ち帰っている。
そのために、厨房の人員も補強した。
具体的には新たに、王都でも有名なレストランのシェフを3人ほど雇い入れた。
少々強引なことをした自覚がある執事長のロンだが、領主一族とセバスがいない間の王都邸の差配を全て任されているのだ。
このくらいの裁量権は渡されている。
強引な引き抜きに周囲からやや冷ややかな視線を受けたが、手を抜くことは出来ない。
そもそも料理人たちも、望んできているのだ。
ここで働けば、最近話題の最新の料理の情報を得ることが出来る。
新たな手法も学べる。
となれば、大半のシェフに断る理由などなかった。
大勢のお客様の喜ぶ顔を見たいという料理人以外は。
「他に何か用意するものはあっただろうか?」
最終確認を行いがら、ロンがやることを記したメモに消込を行っていく。
完璧に仕事を成し遂げるために抜け、漏れが無いように、得た情報から必要な物を微に入り細を穿つように記していったものだ。
何度か会ったことはあるものの、周囲から聞くエルザの人物像にここまでやっても不安を払拭することが出来ない。
あのご令嬢は普通とは違うと漠然と言われても、対応しきることは難しいだろう。
それでも、出来ることなら何一つ不満の無い状況で、王都での生活を過ごしてもらいたいというのは王都邸の使用人全員の思いだ。
なぜ、皆がこれほどまでに彼女に対して、尽くすことができるのか。
それは、エルザが普通じゃないからだ。
前世での感覚を修正することなく、普通に私は私だからと自由に過ごし始めたあたりから周囲の見方は大きく変わっていった。
王都邸の使用人を驚かせたのは、彼女が王都に来る時に毎回必ずレオハート領からのお土産を持ってくることだ。
それも、使用人のために。
常駐の親族がいない以上、手土産を渡す相手は当然使用人しかいない。
だから彼女が、わざわざ自分たちのために選んで贈り物をしてくれる。
返せるものがない、自分たちのために。
そうなれば彼らのやることはただ一つ。
エルザに対して絶対の忠誠と献身で、返礼とする。
その意識があるから、彼らはエルザのために寝食を惜しんで準備をすることが出来たのだ。
ただここまでやっても不安はある。
そしてエルザは、不満があっても使用人に言うことは無い。
我慢するか、自分でこっそりと解消してしまうのだ。
このことがより一層、王都邸の使用人たちを敏感にし必死にさせていることを当人は知らない。
人に迷惑を掛けることを無意識に嫌がり、耐えられるなら耐える。
自分で出来る事なら、自分でやった方が早いと考えている。
そしてお金もあるが故に、大体のことは解決できてしまう。
これほどまでに尽くし甲斐があって対応の難しい領主一族の滞在は、王都邸の使用人たちに試練と喜びの日々が始まると確信させていた。
何度も確認をして、ようやく納得のいく準備が出来た。
エルザがいよいよ訪れる前の日に、ロンはこれまでに数えきれないほどしたであろう最終確認を行う。
もはや最終確認とは何なのか?
それ以前に、最終の意味とは何ぞや?
最終確認という言葉がゲシュタルト崩壊寸前の状態でありながら、当人は何も思わずに今日も最終確認を行う。
そして大きく頷いたあとで執務室に戻ろうとしたところで、先月面接を行い新しく雇い入れ、昨日から正式に仕事に入った新人侍女に後ろから遠慮がちに声を掛けられた。
「執事長……明日より私がお世話をさせていただきますクリントお坊ちゃまのお部屋は、どちらでしょうか?」
「……! ふむ……今から、用意します」
ロン……痛恨の失敗であった。
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