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EX章1:学園編
第7話:登校日
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さてと……重い腰を上げて、玄関へと向かう。
後ろにジェファードを引き連れて。
ちなみに彼は鞄を2つ持っている。
自分のと俺の。
ふふ、俺はどこのいじめっ子だ。
同級生になる子に、鞄を持たせるとか。
陛下の有難くない計らいで、同じクラスにされたが。
「いい加減、鞄を返してくれないかな?」
「はは、主に荷物を持たせるなんて従者失格です」
「いや、従者じゃなくて同級生だけどね」
頑なだ。
どれだけ頑固なのだろう。
そして、こいつ主の言うこと全然聞きやがらねー。
うん、もはや冷遇されて邪険にされて当然の側近だな。
もしかしたら、自称側近だったのかもしれない。
邪魔くさくて、くそ重いフルアーマー着させて置いて行ったのかもしれないな。
うん、普段着もフルアーマーにしてやりたくなってきた。
フォルスも苦笑いしながら見送ってくれたが。
闇の大神様は、寛容だな。
自分の属性に適性がある相手だからか?
学校に到着すると、早速周囲がざわついているのが分かる。
俺のせいか?
それとも、ジェファードのせいか。
流石のリカルドも、荷物くらい自分で持ってたもんね。
「なあ? 俺に恥をかかせて楽しいか?」
「おお、そういったオラオラ系の口調もまた、よくお似合いですね」
クソッ、こいつマジで無敵だな。
暖簾に腕押し糠に釘って言葉を、まざまざと実感させられる。
いや馬耳東風か?
「もういいや」
仕方なしそのまま学校内に。
良かったよ、土足の学校で。
これで上履きに履き替えるとなったら、それを手伝おうとしそうだもんな。
「おい、そこのお前! 我が主の道を塞「おいっ! 黙れ」」
教室に向かう途中で、上級生がゆっくり喋りながら歩いてるのに声を掛けようとしていたが。
内容が物騒な予感がしたので、止める。
「頼むから、黙って後ろをついて歩け! なっ?」
そして、強めに注意をする。
……聞こえてるのかな?
無言で歩き始めたけど。
もしかして、拗ねたか?
人らしい感情を、俺に向けることもあるんだな。
これはこれで、どうかと思うけど。
「分かったのか、分かってないのか分からん」
「……」
いや、独り言みたいになってるけど。
ジェファードに聞いてるんだけど?
「分かったのか?」
「……」
本気で拗ねたか?
「返事くらいしろよ? 分かってるのか?」
「勿論理解しておりますよ!」
凄く嬉しそうだな。
「黙って後ろをついて歩けという命令ですよね? ですので、口を開かないようにしてました」
命令の聞き訳が、絶妙に新喜劇なのはどうなんだ?
もしかしなくても、馬鹿にされてる気がしてきた。
「とりあえず、鞄は返してくれないかな?」
「……」
おおい!
マジで、こいつ。
全然俺のことリスペクトしてないだろう。
そして教室に。
懐かしい面々だ。
何人かは、俺に謝罪をするために会いに来てたけど。
そして、すっごい疎外感。
チラリとこちらを見たと思ったら、全員に目を反らされた。
「礼儀がなってませんね」
「お前のせいか!」
そりゃそうだろう。
横に魔王顔負けの殺気だしてるやつがいたら、皆目も合わせづらいわな。
ああ、こいつといたら朝のホームルームまでボッチかな?
早く、ジャッカス先生来てくれないかな?
あの先生のことだから、平気でこの夏の出来事をブッ込んできそうだけど。
そういえば、ジャッカス先生ってどうなんだっけ?
あまり印象に残ってないけど、俺に対して敵意を向けてたのか?
よく分からんな。
うん、先生って感じだった。
内心では嫌われてたかもしれないけど。
いかにも先生な先生だからね。
皆の前では、それを表には出してない可能性が高い。
「おはよう」
とりあえず、挨拶をしてみる。
「お……おはよう」
何人かがボソボソと返してくれた。
「主に先に声を掛けさせるとは。一度、全員一から教育しないといけませんね」
どこの悪役だお前は。
あっ、最初の世界で魔王の右腕の黒騎士だったわ。
……本当に右腕だったのか、怪しくなってきたけど。
「おっ、ルークはもう来てたんだな」
「おはようございます」
ようやく荷物を返してもらって、机の引き出しに教科書を直していると聞きなれた声が。
キーファとジャスパーだ。
ようやく人心地つける。
「2人ともおはようございます」
「また、敬語だ」
「キーファ様もいますので」
「……この間、領地にもお邪魔したし、もう少し私たちの距離も縮まったと思ったのですけどね」
そう思うなら、お前から敬語を辞めろ。
敬語で話されると胡散臭く感じるんだよね。
「こちらの童はよく分かっておるようで」
ジェファード……
最初の記憶込みで、それなりに成熟してるかもしれないけど同い年だからね?
「噂の格上の従者か」
「はっ? 私なんてルーク様の足元にも及びませんが? むしろマントル深くまで潜ったうえで、ルーク様には月……いや、海王星くらいにまでは行ってもらわないと」
マントルは分かる。
月も分かる。
海王星とか、惑星系統も一緒なのかな?
前世地球と。
『似たようなもんじゃよ』
唐突なアマラに、どっと疲れが出た。
いつから見張ってたんだか。
『見張ってたわけじゃない。お主に、伝える用事があったゆえにな』
後にしてもらって良いかな?
厄介事の匂いがするし、学園生活第二期初日だし。
後ろにジェファードを引き連れて。
ちなみに彼は鞄を2つ持っている。
自分のと俺の。
ふふ、俺はどこのいじめっ子だ。
同級生になる子に、鞄を持たせるとか。
陛下の有難くない計らいで、同じクラスにされたが。
「いい加減、鞄を返してくれないかな?」
「はは、主に荷物を持たせるなんて従者失格です」
「いや、従者じゃなくて同級生だけどね」
頑なだ。
どれだけ頑固なのだろう。
そして、こいつ主の言うこと全然聞きやがらねー。
うん、もはや冷遇されて邪険にされて当然の側近だな。
もしかしたら、自称側近だったのかもしれない。
邪魔くさくて、くそ重いフルアーマー着させて置いて行ったのかもしれないな。
うん、普段着もフルアーマーにしてやりたくなってきた。
フォルスも苦笑いしながら見送ってくれたが。
闇の大神様は、寛容だな。
自分の属性に適性がある相手だからか?
学校に到着すると、早速周囲がざわついているのが分かる。
俺のせいか?
それとも、ジェファードのせいか。
流石のリカルドも、荷物くらい自分で持ってたもんね。
「なあ? 俺に恥をかかせて楽しいか?」
「おお、そういったオラオラ系の口調もまた、よくお似合いですね」
クソッ、こいつマジで無敵だな。
暖簾に腕押し糠に釘って言葉を、まざまざと実感させられる。
いや馬耳東風か?
「もういいや」
仕方なしそのまま学校内に。
良かったよ、土足の学校で。
これで上履きに履き替えるとなったら、それを手伝おうとしそうだもんな。
「おい、そこのお前! 我が主の道を塞「おいっ! 黙れ」」
教室に向かう途中で、上級生がゆっくり喋りながら歩いてるのに声を掛けようとしていたが。
内容が物騒な予感がしたので、止める。
「頼むから、黙って後ろをついて歩け! なっ?」
そして、強めに注意をする。
……聞こえてるのかな?
無言で歩き始めたけど。
もしかして、拗ねたか?
人らしい感情を、俺に向けることもあるんだな。
これはこれで、どうかと思うけど。
「分かったのか、分かってないのか分からん」
「……」
いや、独り言みたいになってるけど。
ジェファードに聞いてるんだけど?
「分かったのか?」
「……」
本気で拗ねたか?
「返事くらいしろよ? 分かってるのか?」
「勿論理解しておりますよ!」
凄く嬉しそうだな。
「黙って後ろをついて歩けという命令ですよね? ですので、口を開かないようにしてました」
命令の聞き訳が、絶妙に新喜劇なのはどうなんだ?
もしかしなくても、馬鹿にされてる気がしてきた。
「とりあえず、鞄は返してくれないかな?」
「……」
おおい!
マジで、こいつ。
全然俺のことリスペクトしてないだろう。
そして教室に。
懐かしい面々だ。
何人かは、俺に謝罪をするために会いに来てたけど。
そして、すっごい疎外感。
チラリとこちらを見たと思ったら、全員に目を反らされた。
「礼儀がなってませんね」
「お前のせいか!」
そりゃそうだろう。
横に魔王顔負けの殺気だしてるやつがいたら、皆目も合わせづらいわな。
ああ、こいつといたら朝のホームルームまでボッチかな?
早く、ジャッカス先生来てくれないかな?
あの先生のことだから、平気でこの夏の出来事をブッ込んできそうだけど。
そういえば、ジャッカス先生ってどうなんだっけ?
あまり印象に残ってないけど、俺に対して敵意を向けてたのか?
よく分からんな。
うん、先生って感じだった。
内心では嫌われてたかもしれないけど。
いかにも先生な先生だからね。
皆の前では、それを表には出してない可能性が高い。
「おはよう」
とりあえず、挨拶をしてみる。
「お……おはよう」
何人かがボソボソと返してくれた。
「主に先に声を掛けさせるとは。一度、全員一から教育しないといけませんね」
どこの悪役だお前は。
あっ、最初の世界で魔王の右腕の黒騎士だったわ。
……本当に右腕だったのか、怪しくなってきたけど。
「おっ、ルークはもう来てたんだな」
「おはようございます」
ようやく荷物を返してもらって、机の引き出しに教科書を直していると聞きなれた声が。
キーファとジャスパーだ。
ようやく人心地つける。
「2人ともおはようございます」
「また、敬語だ」
「キーファ様もいますので」
「……この間、領地にもお邪魔したし、もう少し私たちの距離も縮まったと思ったのですけどね」
そう思うなら、お前から敬語を辞めろ。
敬語で話されると胡散臭く感じるんだよね。
「こちらの童はよく分かっておるようで」
ジェファード……
最初の記憶込みで、それなりに成熟してるかもしれないけど同い年だからね?
「噂の格上の従者か」
「はっ? 私なんてルーク様の足元にも及びませんが? むしろマントル深くまで潜ったうえで、ルーク様には月……いや、海王星くらいにまでは行ってもらわないと」
マントルは分かる。
月も分かる。
海王星とか、惑星系統も一緒なのかな?
前世地球と。
『似たようなもんじゃよ』
唐突なアマラに、どっと疲れが出た。
いつから見張ってたんだか。
『見張ってたわけじゃない。お主に、伝える用事があったゆえにな』
後にしてもらって良いかな?
厄介事の匂いがするし、学園生活第二期初日だし。
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