魔王となった俺を殺した元親友の王子と初恋の相手と女神がクズすぎるので復讐しようと思ったけど人生やり直したら普通に楽しかった件

へたまろ

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EX章:後日談閑話おまけ

ジェファード皇子、男爵家次男の従者になる

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 本当に夢のようだ。
 前世の記憶を取り戻し、自身の知るそれと違う世界に絶望と希望を同時に抱いてから5年。
 リカルド王子をうまく取り込み、どうにかルーク様に接触することができた。

 私の知る彼と違い、目が眩むほどの輝きを放つ闇の主。
 彼に出会うまでに、その偉業はいくつも耳にしてきた。
 そして、実際に目にしたものも数多くある。
 
 なぜ、彼は我が国に産まれなかったのであろうか?
 私の国に産まれていたらならば、立場は逆だったであろう。
 私のよき理解者として、側に置いておけるほどの嗜虐性と慈愛を併せ持った混沌の存在。
 今世では、慈愛の部分のみが大きく表れているが。

 我が国の兵士を最も多く殺した男。
 そして、私の心を惹き付けてやまない存在。

 魔王に至り、そのカリスマ性は留まることを知らないレベルで高まった。
 本人は気付いていないが、女性のファンも実は数多くいた。
 魔王の心の闇を払うのは、私しかいないとばかりに張り切る者も。
 その他大勢である以上、害虫の如く磨り潰されていた。
 哀れだとは思わない。
 命尽きるその瞬間まで、その命と引き換えにルーク様の心に何かを訴えていた。
 そんな自分に酔っていた彼女たちに、羨ましいと感じることすらあった。

 あの頃のルーク様に戻っていただきたく、頑張ったが。
 彼はその遥か上をいっていた。
 今世でも、彼は強すぎた。
 心まで強くなって彼は、闇を取り込んでなお希望を失わない強かさを兼ね備えていたのだ。

 そんな彼の従者になることで、今世での私の人生の道標が出来た。
 そう思っていたのだが。

「ほら、口の周りにソースが」

 ルーク様が膝をついて、弟君のヘンリー様の口をハンカチで拭いている。
 絶対王者にして、冷酷非情な魔王ルーク様が。
 慈愛に溢れた笑みで、幼子の口を優しく拭う姿。
 まさに、至高の芸術的瞬間だ。
 これは永遠に残しておかないといけない景色だ。
 一生懸命、脳にこの瞬間を記憶する。

 両手でヘンリー様とサリア様の手を繋いで歩く姿も美しい。
 アルト殿が、そんな三人を羨ましそうに見ているが。
 貴様はリック殿下の相手でもしていればいい。
 この中にあって、完全に邪魔だな。
 
「ジェファードも食べながら歩きなよ? ああ、皇子様には食べ歩きは流石に無理があったか?」
「申し訳ありません。このように家族や友人の輪に加えていただけただけで胸がいっぱいで……」
「いや、その友人枠として友人らしく振舞ってほしいのだけど?」

 本当にお優しい。
 以前のルーク様であれば、意にそぐわぬことをすれば即座に睨みつけて何かしらの罰が下されていたというのに。
 このように言葉で要望を表すことなく。

 ふむ、友人らしく。
 ここで、問題に気付いてしまいました。
 私には、友人というものがいたことがありませんね。
 みな、腫物を触るかのような対応でしたし。
 もしくは、利用する気満々の輩か。
 友人らしくとは?

「申し訳ありません。私には友人がいたことがないものでして。友人らしくとは?」

 この発言に、ルーク様が困惑した表情を。
 ヘンリー様とサリア様も悲し気なお顔です。
 リック王子と、アルト殿まで会話を止めてこちらを見ていますね。
 どうやら失言だったようです。
 リック王子の苦笑いが、少し鼻につきます。
 しかし、王の前でこの失態。
 許されないことです。

「片目で、お許しを願えますでしょうか?」

 以前のルーク様の性格を考えて、手に持った短剣で自分の目を抉ろうとしたのですが止められてしまいました。
 これでは、足りなかったのでしょうか?

 やはり、片目と言うのがいけませんね。
 せこいと思われたのでしょう。

 うん、両目ですね。
 二つあるから一つくらいならと、軽い気持ちで差し出したのが間違いでした。

「分かりました、両目を差し出します」
「違う! そうじゃない!」

 目ではないと?
 では、心臓でしょうか?
 困りました。
 死んでしまうと、今回の失敗を挽回する機会がなくなってしまいます。
 それどころか、お仕えすることすら難しく。

 どうやら、罰を与えるつもりは無かったようです。
 失態に失態を重ねたうえに、何もお咎めが無いとなると。
 却って心苦しく……これが、罰ということでしょうか?

 深いため息が返ってきました。
 さらに失点を増やしてしまったようですね。
 こうなると、もう正解が分かりません。

「難しいな。友人である以上、対等の関係であると考えてもらいたいんだけど?」
「ははは、生物としての格が違いすぎます」
「人を人外みたいに言わないでもらいたい」
「魔王は、人外ですよね?」

 また、違う! そうじゃない! と言われてしまいました。
 しかしルーク様をたかが人種と同列に表すのは、どうも不敬すぎて心が拒絶をしてしまいますね。

「なんか、最初と全然性格が違わない?」
「主が魔王として覚醒した時点で、私の中では絶対に逆らってはいけない存在になったからです」

 私の言葉に、ルーク様が困ったように眉を寄せて腕を組んで考え込み始めました。

「じゃあ、リック殿下なら王族同士対等な相手になるか?」
「なりませんね。たかが人如きが、私と並び立つなどおこがましいにも程があります」


 私の言葉に、今度はリック王子が困ったような表情を浮かべています。
 主の友人を困らせてしまいましたね。
 これも失態です。

 難しい。
 ルーク様が人に寛容になりすぎてしまい、私の中の人に対する価値と大きく乖離が生じております。
 これは、早々に軌道を修正しなければ。
 本来であればルーク様が、人如きにへりくだる意味が分かりませんが。
 主の望みが、私の望みですからね。
 私が人のレベルまで、降りるべきなのでしょう。

「と言いたいところですが、主の友人として認めましょう」

 ルーク様とリック王子が変な顔をしてます。
 何かおかしいことを言ったみたいですが、よく分からないのでこのまま押し通しましょう。

「ということだリック。よろしくな」
「急に馴れ馴れしいね。まあ、さっきの話を聞いた後だからね。こちらこそ、よろしくお願いするよジェファード皇子」
「なんだよそよそしい。ジェファードと呼び捨てにしてくれ」

 これで、あってるはずだが。
 私の知る物語で、こんな感じで交友関係を築いていた登場人物がいたと思う。

「妙に演技掛かってるけど、最初はまあ仕方ないか。初めての友人といえないわけでもないし」

 ルーク様が、明らかに妥協した様子だ。
 やはり人付き合いなど、面倒なだけだな。

 それから町を歩くが、やはり気に入らない。
 ルーク様に向けられる視線の中に、不快なものが多い。
 畏怖といえば聞こえがいいが、嫌悪感が混じっているのはいただけない。
 しかしここで揉め事を起こすと、ルーク様にご迷惑になってしまうだろう。

「おっ! 坊ちゃん! 坊ちゃん! 新作の、肉むすびが出来たから食ってくれよ」

 そんなことを考えながら歩いていたら、気安い感じで肉屋の店主が主に話しかけている。
 不敬だ。
 だが、これはこれで悪い気がしない。
 形は違えど、彼は私同様に我が王に気を遣っている。
 ルーク様の叔父上が記憶の上書きをしたとはいえ、いまだ王の過去が記憶の片隅に残っているはずだ。
 にも拘わらず、心から嬉しそうな表情で王に話しかけている。
 ふむ……これも、為政者としての王の資質だろうか?


「あー、スパムむすびみたい」
「スパム? とはなんですか?」
「ランチョンミートの一種かな?」
「ランチョンミート?」
「昼によく食べる、ハムというかソーセージというか」

 博識であらせられる。
 肉屋より肉の加工技術に詳しいとは。

 私が感心していると、主がその肉むすびとやらを全員に配っていた。
 勿論、私にも。
 しかし、この白い粒粒は……

「米だよ」

 米……飼料によく使われている穀物。
 とはいえ、私の知るそれは茶色い小さなものだ。
 
「炊くと、こんな感じでふっくら仕上がるんだ。精米することで、色も白くなるし」

 王が何を言っているのかよくわからないが、まあそういうことだろう。
 素直に口に運ぶ。

 ……!
 これは!
 表面はカリッとしているのに、噛むと溢れるとまではいかない程度の肉汁が下の米に絡まってほどけていくのを感じる。
 それでいてこのハムのようなソーセージの塩味が絶妙なアクセントになって、淡白な味わいの米が持つ微かな甘みを力強い物に引き上げていく。
 この黒い帯もやや磯の香りをさせているが、その味わいも風味も控えめでほどよい。
 それでいて舌の上に乗った時には、全力で存在を主張してくる。
 そこにあるのは確かな旨味。

 そして三つの食材の食感が喧嘩することなく、見事な調和を見せている。

「うん、美味しいよね」

 思わず王の方を見ると、嬉しそうに笑っていただけた。
 
「ただ、もう少し控えようか? 魔王のオーラが漏れてるよ」
「はっ!」

 どうやら、興奮しすぎたようだ。
 
「はっはっは、お兄さんも気に入ってくれたかい? この米も、海苔ってのもルーク様が開発されたんだ。海苔は海で取れる草を乾燥させて加工させたものらしい。海の草は、どれも旨味が多いらしいぞ」
「海苔に含まれているアミノ酸は、グルタミンを筆頭に、イノシン酸と、グアニル酸が含まれているらしい」

 アルト殿が何やら気に障る顔で、説明を始める。
 すごく、誇らしげと言うか。
 自慢するときの人間の顔だな。
 
「これは三大旨味成分といわれていて、グルタミンは昆布、イノシンは鰹節、グアニルはシイタケに多く含まれていてね」

 何やら偉そうに高説を垂れているが、表情に不快感を感じてしまい何も伝わってこない。
 それに一応これでも皇族として相当な知識を詰め込まれたが、どれも聞いたことが無い言葉だ。
 造語のオンパレードだな。
 知ったかぶりもいいところだ。

「シイタケはシタキのことで」

 ああ、キノコのことか。
 私の顔色を見て、訝しんでいるのを察したのか。
 ようやく、分かる言葉が出てきた。

「と、ルークが教えてくれたんだけど……」

 素晴らしい! 
 まさに、神の英知!
 彼の口から出た言葉を造語などと決めつけて耳を塞いだこと、まさに汗顔の至り。
 自身の無学を恥じ入るべきでした。
 過信は、補佐する立場のものとして……従者として、最も不要なもの。
 まだまだ、精進すべきことは多くあるようです。

「昆布に含まれているグルタミン酸、鰹節に含まれているイノシン酸、シタキに含まれているグアニル酸。この三つが三大旨味成分。そして、それらを含んでいるのがこの海苔なるもの。ちなみに、昆布と、鰹節なるものとは? あと、三大ということは他にもあるのですか? あと先ほど出たアミノ酸なる言葉が、これらの総称と考えてよろしいでしょうか?」

 ルーク様の知識の一端を授かることができるなら、この気に入らない男に頭を下げて教えを乞うくらいなんてことありませんよ。
 
「あー……ルーク……」

 やはり知ったかぶりだったようです。
 早々にルーク様に助けを求めていました。

「アミノ酸は身体を作るのに必要な成分だね。500種類くらいあるけど、そのうちの20種類が体を作ってくれるんだよ。でもって、味を構成するのもこのアミノ酸で、美味しいものから不味いものまで色々とあるけど、組み合わせで美味しさが決まるともいえるからね。一概に旨味成分だから美味というわけでもないんだよ」

 なるほど、身体が必要としているから美味しく感じる必要があるということでしょうか?

「なかなか、理解が早くて助かるよ。そういう認識で大丈夫。もちろん身体に良い成分でありながら、苦みや純粋に不味いものもあるけど、それを美味しくするのが加工や料理というわけさ」
「ありがとうございます」

 まさか、王がここまで言葉多くご教授くださるとは。
 基本的に知らないことは罪とされ、独学で学ぶしかなかった。
 王の下でも似たようなものだったな。
 教えてもらえることはあまりなく、溜息を吐かれることの方が多かった気がする。
 どちらの王も、好ましくあるが。

 前の王は威厳が留まることを知らなかったが、今回の王は純粋に好奇心を惹き付ける。
 両方に仕えられた私は、果報者だな。

「鰹節と昆布は、この先の海産物を扱うお店で見られるから」

 余生が、楽しみでしかない。
 
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