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第1章:ジャストール編
第11・5話:リーチェ村の人々
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「美味しい!」
「本当に来てよかったわね」
「じゃがいも……これは、じゃがいも……」
ルーク様が思い付きで開催した祭りには、領内のあちらこちらから人が集まっている。
いや、領外からも来ているようだな。
じゃがいもを初めて食べたであろう一家が、目を丸くして感嘆の声をあげている。
父親は……意気地がないのう。
フライドポテトを手に持ったまま、固まっておるが。
はよせんと、子供らに取られるぞ?
顎髭をさすりながらじゃがいも料理に舌鼓を打つ外からの客を見て、ルーク様が初めて来た日のことを思い出す。
領主様の次男坊。
お坊ちゃんだ。
子供にしては少し賢いということで、いきなりこの村の管理員となったが。
マルコス殿が代官として、この村を含めて周辺の村を見るとのことだったが。
実質は、ルーク様の子守りだな。
周辺には、村なんてない。
集落がいくつかあるだけだ。
そう思っていた。
しかしなあ……
ルーク様が思いつくこと、やられることは確かに結果を出し続けている。
もちろん失敗されることもあるが、その失敗から問題点を洗い出し解決。
さらには、一つの失敗で多くの発明をされることもある。
やはり、貴族のお坊ちゃんは出来からして違うのだろうか?
ルーク様に頭を下げながら何かを教わっている孫を見て、溜息をつく。
今年で30手前になろうというのに、10の子供に教えを乞う姿。
必要であれば子供相手でも敬い、素直に頭を下げられるのは褒められることだが。
少しは、自分でも何か考えつかないものか。
お前の弟は、色々と思ったこと感じたことをルーク様に報告、相談しているぞ?
最初は、村人たちはみな口には出さぬものの、反発はしていた。
こんな畑も耕したことのない子供が、農業を生業としているわしらの上に領主様の気まぐれでポンと置かれたのだ。
面白くもないだろう。
村長としてのわしの不甲斐なさを責めるものもいれば、わしを焚きつけてどうにかルーク様には大人しくお飾りになってもらおうと画策するものもいた。
いきなり、じゃがいもを育てよう、美味しいからこれと言い出した時に全員が天を仰いだのはいうまでもない。
毒があるから、食べたら腹を壊すというのは有名な話なのだが。
もちろん、必ず腹を壊すというわけではないが。
そんな、賭けみたいなことをして食べるものより、何も考えずに食べられるものをみんな望んでいる。
「おいしい!」
「えっ? これ、本当にじゃがいもですか?」
「あの、ルーク様? 自ら、調理しなくても、この村のものに任せれば」
ルーク様が最初に作ったのは、フライドポテトとポテトチップスだったかな?
大きな鍋に、油を大量に入れたのを見た時に、村のあちこちからため息が漏れた。
それだけの油、何家族が一か月は暮らしていけるか。
やはり、ボンボンかと落胆と憤りの感情が周囲からあがっていたな。
でも匂いがな……
塩を振っただけなのに、サクサクとしていてホクホクとしていて……
気が付けば、わしは代表として最初に食べていた。
無言で食べ進めていたら、村民が少し苛ついていたな。
マルコス殿は、ただただオロオロしているが。
「今のところ、腹は問題なさそうじゃな」
少し、小声で宣言すると、恐る恐る大人たちが手を出し始める。
子供には完全に安全が確認できるまでと言って。
目の前から凄い勢いで減っていくフライドポテトと、ポテトチップスを見た子供たちの悲壮感漂う表情はいま思い出しても笑える。
いや、その時は憐れに思ったが。
いざそれらを口にした時の、子らの表情を見たらのう。
現金なものじゃ。
その時の子供と同じ表情を浮かべている一家に、思わず目を細めてしまう。
そこから怒涛のジャガイモを使った料理の数々。
芋を潰した料理、芋を混ぜた料理、甘い芋のお菓子……
久しぶりに、ハッシュドポテトが食べたくなったのう。
そう思い、芋料理を振舞っているブースに向かう。
そういえば、ルーク様は今度は南国の方からサツマイモとやらを、仕入れたいと言っていたな。
サツマイモどころか、イモとし扱われてるかも分からないらしい。
特徴だけはしっかりと知っておったが。
名前も分からぬ植物のことまで、存じ上げておられるとは。
父親である領主様に、探してもらっているとか。
困っておろうな。
サツマイモだけど、サツマイモじゃないかもと言われてしまえば。
サツマイモという、名前はどこから来たのかと頭を抱えておろう。
シブーカも、カキと言い張っていたし。
植物の名を覚えるのは、苦手なのかもしれぬ。
とにかく、ジャガイモの有用な使い方、そして育て方も教えてくれた。
観賞用だと思っていたが、まさか食用だったとはのう。
あとは畑を休ませるといったり、人の糞尿は畑に使わないと言ったり。
今までと全く違ったやり方を提案してくるものじゃから、色々と揉めたのう。
森に入って、巻貝のような魔物や虫の殻を集めてきたりもしてたのう。
これらが肥料になるといっておったが。
堆肥は牛や馬の糞でといっておったが、堆肥がよく分からんかった。
まあ、最近ではルーク様がおっしゃったことの結果に対して疑問を挟むこともなく、すぐに実行するようになっておるが。
それでも、過程に対する疑問は、常に受け付けてくれている。
「自分たちで意味を知り、効果を知り、また考えることで俺じゃ思いつかないことも、お前らから出てくるかもしれない。お前たちは、俺に持ってないものを持っている……それは、先祖代々の知恵と経験だ! だから、考えることをやめないように」
子供や、女性はあれこれと質問をしてたりしてたが。
男どもが、なんでもはいはい従うようになっていたからのう。
だから、このような苦言を呈したのかもしれないが。
ふふふ……本当に子供かと、疑問に思ったわ。
「おやおや、ルーク様はこちらにおいででしたが」
「やあ、村長。みんなは楽しんでいるかい?」
「はい、お陰様で。本日は、アルト様、サリア様、ヘンリー様もご一緒なのですね」
「ああ、父上と母上もお忍びで来ているよ。2人にはデートを楽しんでもらって、私と兄上でこの2人の面倒を任せてもらったのだ」
「ほっほ、皆様、流石はルーク様のご兄弟。利発そうなお顔をしておられる」
アルト様は流石に大人の雰囲気で物静かに笑みを浮かべて弟君たちを見られているが。
サリア様とヘンリー様はそれぞれに手を繋がれながらも、興味津々といった様子で周囲を見回している。
「いつも、弟が面倒を掛けているね」
「いえいえ、むしろ面倒を見ていただいている身ですよ」
アルト様が人好きのする優しい笑みを浮かべて挨拶をしてこられたので、自分の薄くなった頭をツルリと撫でて笑顔で返す。
これは正直な感想だ。
「ふむ、うちの弟は優秀かな?」
「はい、まさに神童、麒麟児とよぶに相応しい方かと」
「そうか……いや、この村に来てから、多くの村民の方が弟を見掛けると笑顔で寄ってきて、感謝の言葉を掛けるものだからね。管理者の才を、遺憾なく発揮しているようで嬉しい限りだよ」
「兄上……」
「本当のことではないか」
「ええ、本当のことですね」
アルト様と、私の言葉にルーク様が照れくさそうにそっぽを向いてしまった。
うむ、これは子供っぽい。
そうか、ご家族の前では、子供らしさも持ち合わせているのだな。
少し……いや、凄く安心した。
「それでは、祭りを楽しんでください」
「村長もそろそろ暗くなってくるから、足元に気を付けてね」
「はい、ありがとうございます」
それから、ルーク様に挨拶をして辞去させてもらう。
仲良し兄弟みたいでよかった。
「領主様……ルーク様は、凄くよくやってくださってますよ」
「なんだ、気付いていたのか」
「分かりますよ」
ため息が出た。
少し離れたとところで、ルーク様たちの様子を窺っていた領主様にも挨拶を。
それと、普段の感謝も伝えて、別れを告げる。
しかし、たった2年でここまで様変わりするとは。
人口が10倍近く増えて、村とはいえない規模になっている。
このことを見越してか、来てすぐにインフラ整備とやらで村の西側に大きな道を整備して、その反対側にも建物を建て始めていた。
結果的に、村はずれの街道と間違われそうな道が今じゃ、村の中心を通る目抜き通りになっている。
職人の誘致や、新たな施設の建設。
観光客というか、宿泊客向けの設備。
商業施設の誘致……まさか、ビレッジ商会とルーク様が懇意にしておられるとは思いませんでしたな。
それから、イベント会場なんてのも作っておられました。
何をする場所かとお聞きしたら、楽しいことを披露する場だと。
誰がでしょうか?
やりたい人が、やればいいとおっしゃってましたが。
祭りのたびに、劇や舞、音楽発表、エアボードの大会等を行っているのを見たら、なるほど変わった形の舞台や客席の意味がよく分かりました。
そして、イベントというものの本質もなんとなく、見えてきた気が。
職人が集まれば、建設速度も上がる。
そして、村民との関係が身近なものになるようにと、こういった祭りも定期的に行ってくれる。
最後は後夜祭といって、村の者だけでの宴会。
喧嘩もあるが、終わったらまた距離が近くなっている。
現場が直接生産者に意見をいったほうが、向こうも作りやすいだろうと。
そうだな……ちょっとした農具とか、生活用具は簡単に依頼もできるし。
安くもしてくれる。
職人たちは月給制といっていたな。
商品がいくら売れようと、その月の給与は変わらず。
ただし、翌月の給料からあがることもあると。
逆に下がることもあるらしいが。
ある程度の実績を積めば、別に自分で工房を開いていいとも言ってたな。
開業資金は、ある程度は援助するとも。
誰も望んでいないな。
この領地の技術の最先端はいまや、この村になりつつある。
最新の技術を学べて、また研鑽できる場を簡単に手放すわけがない。
おお、ルーク様が職人たちにもみくちゃにされておる。
酔っ払い共は恐れ知らずでいかんな。
おい、孫よ!
見て見ぬふりするな!
助けにいかぬか……
まあ、ルーク様が楽しそうなので、まだ多少はよさそうだが。
ヘンリー様とサリア様も笑っておられる。
アルト様は引きつった笑みになっておるが。
そろそろ、行った方がいいかのう。
「本当に来てよかったわね」
「じゃがいも……これは、じゃがいも……」
ルーク様が思い付きで開催した祭りには、領内のあちらこちらから人が集まっている。
いや、領外からも来ているようだな。
じゃがいもを初めて食べたであろう一家が、目を丸くして感嘆の声をあげている。
父親は……意気地がないのう。
フライドポテトを手に持ったまま、固まっておるが。
はよせんと、子供らに取られるぞ?
顎髭をさすりながらじゃがいも料理に舌鼓を打つ外からの客を見て、ルーク様が初めて来た日のことを思い出す。
領主様の次男坊。
お坊ちゃんだ。
子供にしては少し賢いということで、いきなりこの村の管理員となったが。
マルコス殿が代官として、この村を含めて周辺の村を見るとのことだったが。
実質は、ルーク様の子守りだな。
周辺には、村なんてない。
集落がいくつかあるだけだ。
そう思っていた。
しかしなあ……
ルーク様が思いつくこと、やられることは確かに結果を出し続けている。
もちろん失敗されることもあるが、その失敗から問題点を洗い出し解決。
さらには、一つの失敗で多くの発明をされることもある。
やはり、貴族のお坊ちゃんは出来からして違うのだろうか?
ルーク様に頭を下げながら何かを教わっている孫を見て、溜息をつく。
今年で30手前になろうというのに、10の子供に教えを乞う姿。
必要であれば子供相手でも敬い、素直に頭を下げられるのは褒められることだが。
少しは、自分でも何か考えつかないものか。
お前の弟は、色々と思ったこと感じたことをルーク様に報告、相談しているぞ?
最初は、村人たちはみな口には出さぬものの、反発はしていた。
こんな畑も耕したことのない子供が、農業を生業としているわしらの上に領主様の気まぐれでポンと置かれたのだ。
面白くもないだろう。
村長としてのわしの不甲斐なさを責めるものもいれば、わしを焚きつけてどうにかルーク様には大人しくお飾りになってもらおうと画策するものもいた。
いきなり、じゃがいもを育てよう、美味しいからこれと言い出した時に全員が天を仰いだのはいうまでもない。
毒があるから、食べたら腹を壊すというのは有名な話なのだが。
もちろん、必ず腹を壊すというわけではないが。
そんな、賭けみたいなことをして食べるものより、何も考えずに食べられるものをみんな望んでいる。
「おいしい!」
「えっ? これ、本当にじゃがいもですか?」
「あの、ルーク様? 自ら、調理しなくても、この村のものに任せれば」
ルーク様が最初に作ったのは、フライドポテトとポテトチップスだったかな?
大きな鍋に、油を大量に入れたのを見た時に、村のあちこちからため息が漏れた。
それだけの油、何家族が一か月は暮らしていけるか。
やはり、ボンボンかと落胆と憤りの感情が周囲からあがっていたな。
でも匂いがな……
塩を振っただけなのに、サクサクとしていてホクホクとしていて……
気が付けば、わしは代表として最初に食べていた。
無言で食べ進めていたら、村民が少し苛ついていたな。
マルコス殿は、ただただオロオロしているが。
「今のところ、腹は問題なさそうじゃな」
少し、小声で宣言すると、恐る恐る大人たちが手を出し始める。
子供には完全に安全が確認できるまでと言って。
目の前から凄い勢いで減っていくフライドポテトと、ポテトチップスを見た子供たちの悲壮感漂う表情はいま思い出しても笑える。
いや、その時は憐れに思ったが。
いざそれらを口にした時の、子らの表情を見たらのう。
現金なものじゃ。
その時の子供と同じ表情を浮かべている一家に、思わず目を細めてしまう。
そこから怒涛のジャガイモを使った料理の数々。
芋を潰した料理、芋を混ぜた料理、甘い芋のお菓子……
久しぶりに、ハッシュドポテトが食べたくなったのう。
そう思い、芋料理を振舞っているブースに向かう。
そういえば、ルーク様は今度は南国の方からサツマイモとやらを、仕入れたいと言っていたな。
サツマイモどころか、イモとし扱われてるかも分からないらしい。
特徴だけはしっかりと知っておったが。
名前も分からぬ植物のことまで、存じ上げておられるとは。
父親である領主様に、探してもらっているとか。
困っておろうな。
サツマイモだけど、サツマイモじゃないかもと言われてしまえば。
サツマイモという、名前はどこから来たのかと頭を抱えておろう。
シブーカも、カキと言い張っていたし。
植物の名を覚えるのは、苦手なのかもしれぬ。
とにかく、ジャガイモの有用な使い方、そして育て方も教えてくれた。
観賞用だと思っていたが、まさか食用だったとはのう。
あとは畑を休ませるといったり、人の糞尿は畑に使わないと言ったり。
今までと全く違ったやり方を提案してくるものじゃから、色々と揉めたのう。
森に入って、巻貝のような魔物や虫の殻を集めてきたりもしてたのう。
これらが肥料になるといっておったが。
堆肥は牛や馬の糞でといっておったが、堆肥がよく分からんかった。
まあ、最近ではルーク様がおっしゃったことの結果に対して疑問を挟むこともなく、すぐに実行するようになっておるが。
それでも、過程に対する疑問は、常に受け付けてくれている。
「自分たちで意味を知り、効果を知り、また考えることで俺じゃ思いつかないことも、お前らから出てくるかもしれない。お前たちは、俺に持ってないものを持っている……それは、先祖代々の知恵と経験だ! だから、考えることをやめないように」
子供や、女性はあれこれと質問をしてたりしてたが。
男どもが、なんでもはいはい従うようになっていたからのう。
だから、このような苦言を呈したのかもしれないが。
ふふふ……本当に子供かと、疑問に思ったわ。
「おやおや、ルーク様はこちらにおいででしたが」
「やあ、村長。みんなは楽しんでいるかい?」
「はい、お陰様で。本日は、アルト様、サリア様、ヘンリー様もご一緒なのですね」
「ああ、父上と母上もお忍びで来ているよ。2人にはデートを楽しんでもらって、私と兄上でこの2人の面倒を任せてもらったのだ」
「ほっほ、皆様、流石はルーク様のご兄弟。利発そうなお顔をしておられる」
アルト様は流石に大人の雰囲気で物静かに笑みを浮かべて弟君たちを見られているが。
サリア様とヘンリー様はそれぞれに手を繋がれながらも、興味津々といった様子で周囲を見回している。
「いつも、弟が面倒を掛けているね」
「いえいえ、むしろ面倒を見ていただいている身ですよ」
アルト様が人好きのする優しい笑みを浮かべて挨拶をしてこられたので、自分の薄くなった頭をツルリと撫でて笑顔で返す。
これは正直な感想だ。
「ふむ、うちの弟は優秀かな?」
「はい、まさに神童、麒麟児とよぶに相応しい方かと」
「そうか……いや、この村に来てから、多くの村民の方が弟を見掛けると笑顔で寄ってきて、感謝の言葉を掛けるものだからね。管理者の才を、遺憾なく発揮しているようで嬉しい限りだよ」
「兄上……」
「本当のことではないか」
「ええ、本当のことですね」
アルト様と、私の言葉にルーク様が照れくさそうにそっぽを向いてしまった。
うむ、これは子供っぽい。
そうか、ご家族の前では、子供らしさも持ち合わせているのだな。
少し……いや、凄く安心した。
「それでは、祭りを楽しんでください」
「村長もそろそろ暗くなってくるから、足元に気を付けてね」
「はい、ありがとうございます」
それから、ルーク様に挨拶をして辞去させてもらう。
仲良し兄弟みたいでよかった。
「領主様……ルーク様は、凄くよくやってくださってますよ」
「なんだ、気付いていたのか」
「分かりますよ」
ため息が出た。
少し離れたとところで、ルーク様たちの様子を窺っていた領主様にも挨拶を。
それと、普段の感謝も伝えて、別れを告げる。
しかし、たった2年でここまで様変わりするとは。
人口が10倍近く増えて、村とはいえない規模になっている。
このことを見越してか、来てすぐにインフラ整備とやらで村の西側に大きな道を整備して、その反対側にも建物を建て始めていた。
結果的に、村はずれの街道と間違われそうな道が今じゃ、村の中心を通る目抜き通りになっている。
職人の誘致や、新たな施設の建設。
観光客というか、宿泊客向けの設備。
商業施設の誘致……まさか、ビレッジ商会とルーク様が懇意にしておられるとは思いませんでしたな。
それから、イベント会場なんてのも作っておられました。
何をする場所かとお聞きしたら、楽しいことを披露する場だと。
誰がでしょうか?
やりたい人が、やればいいとおっしゃってましたが。
祭りのたびに、劇や舞、音楽発表、エアボードの大会等を行っているのを見たら、なるほど変わった形の舞台や客席の意味がよく分かりました。
そして、イベントというものの本質もなんとなく、見えてきた気が。
職人が集まれば、建設速度も上がる。
そして、村民との関係が身近なものになるようにと、こういった祭りも定期的に行ってくれる。
最後は後夜祭といって、村の者だけでの宴会。
喧嘩もあるが、終わったらまた距離が近くなっている。
現場が直接生産者に意見をいったほうが、向こうも作りやすいだろうと。
そうだな……ちょっとした農具とか、生活用具は簡単に依頼もできるし。
安くもしてくれる。
職人たちは月給制といっていたな。
商品がいくら売れようと、その月の給与は変わらず。
ただし、翌月の給料からあがることもあると。
逆に下がることもあるらしいが。
ある程度の実績を積めば、別に自分で工房を開いていいとも言ってたな。
開業資金は、ある程度は援助するとも。
誰も望んでいないな。
この領地の技術の最先端はいまや、この村になりつつある。
最新の技術を学べて、また研鑽できる場を簡単に手放すわけがない。
おお、ルーク様が職人たちにもみくちゃにされておる。
酔っ払い共は恐れ知らずでいかんな。
おい、孫よ!
見て見ぬふりするな!
助けにいかぬか……
まあ、ルーク様が楽しそうなので、まだ多少はよさそうだが。
ヘンリー様とサリア様も笑っておられる。
アルト様は引きつった笑みになっておるが。
そろそろ、行った方がいいかのう。
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