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第3章:奴隷と豚

第8話:領主夫人と豚王と豚師匠

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 ゴタロウの守りが鉄壁のため、動くこともできず取り合えず宿内を見学。

「おじちゃん、髭いたい」
「ええ……」

 ウォルフが8歳くらいの男の子を寝かしつけしようとして、うざがられていた。
 意外なことに、子供好きなのかな?
 そういえば、女性2人にもわりと本気で抵抗していたし。

 他の部屋は……

 凄いな、ゴブリン達は。
 殆どの子供が、安心しきった顔で寝息を立てている。
 それこそ、パニックで引き付けまで起こしていた子供まで。

 ただ、一部……

「うふふ、かっこいい」
 
 とつぶやきながら、ニヘラと笑っている12歳くらいの女の子の今後が心配。
 安心感のある、老齢の男性に化けたゴブリンロードなのだが。
 ふさふさとした髭を優しく撫でているが……
 
「今日は疲れただろう、早く寝なさい」

 と眠るように促されると、首を横に振る。

「一人じゃ怖いから、横で寝てよ」

 とほっぺを膨らませているけど。
 大丈夫だよな?
 いや、ロードを疑っているわけじゃないが。

 実際は、ロードの厚い胸板にしがみついたら安心したのか、スヤスヤと寝息を立てていたけど。

 同じように……

「お姉ちゃんのおっぱい大きい」

 と、女性のゴブリンロードにしがみついていた男の子。
 こっちは9歳くらい。
 うーん……
 エロガキめ。

「お母さんみたい」

 そういって胸に顔をうずめる。
 少し顔をくしゃっとさせて、泣きそうになりつつ。

「お母さんより小さい……」

 いや……
 ゴブリンロードが軽くショックを受けているが。

「お腹が……なんか違う」

 そういって、母親じゃないことを改めて感じ取ったのか、反対側を向く子供。
 なんて顔してるんだ。
 あっ、ロードの方ね。
 凄く勝ち誇った笑みだ。
 包容力では、負けたみたいだぞ?

「今日は、私をお母さんと思っていいのよ」
「ううん……お母さん、そんなに良い匂いしないし」

 ロードが満面の笑みだが。
 ぶっきらぼうにそれだけ言い切った男の子は、どんどん元気なくなってるぞ。
 
 あとエロガキっていってすまんかったな。

 時折夜泣きや、お漏らしもあったみたいだけど。
 ゴブリン達やウォルフが、かいがいしく世話をしていた。

 その間に、領主邸を再度偵察。
 
 結構な部屋数だが、全部が全部使われているわけじゃない。

 色々と気になる場所もあるが、かなり広い部屋に豚がいっぱい居たのはなんでだろう?
 しかも、二足歩行。
 あれか? オークってやつかな?

 あとは、白騎士隊とよばれてたやつの詰所は……

 おお……フルフェイスじゃない連中は普通の人ぽかったけど、フルフェイスヘルムをしたやけに大柄な騎士は中身が豚だった。
 どういうことだ?

 もしかして、オークが領主に成り代わったとかか?
 いやでも、他の人間が簡単に従うか?

 取り合えず、色々な部屋を見て回ったが。
 途中、使用人とメイドの逢引の現場に見入って、無駄な時間を過ごしてしまった。

 ちょうど、その襟元から使用人が手を差し込んでいるところで。
 これから、お楽しみなのかなと思ったり。

 まっ、俺の身体が反応するわけもなく。
 見ちゃいけないものを見てるという興奮はあっても、性的興奮が湧くわけでもないので。
 途中で、俺なにやってんだ? と急に我に返って虚しくなって見学続行。
 じゃなくて、探索続行。

 他の領主の息子かな?

 7歳くらいの男の子が、良い部屋でスヤスヤと寝息を立てている。
 ちょっと、生意気そうな顔をしてるけど。
 取り合えず、いまのところ特にこの子からは何も得られそうにない。

 その隣の部屋に覗く。
 領主夫人っぽい身なりの良い女性の部屋だ。
 部屋の主と思われる女性は、大きなベッドに横になっている。

 その女性の部屋のテーブルセットに、凄く強そうな豚が。
 肉のようなものを、優雅な動きで食べている。
 鑑定を掛けてみると、出たよオークキング。

 ほへー……
 やっぱり、豚だったか。
 オークキングねぇ……どのくらい、強いんだか。
 会話を盗み聞き。
 超聴覚と読唇術の併用で。
 
「いつまで、こんなことをしていたら良いだ?」
「もう少しよ……あのバカ息子が、アジトから出てくれたらいいのだけど」

 女性はベッドの上で、ブドウをなまめかしい動作でつまんでいる。
 演技掛かっているけど、この世界感だと割と普通の光景なのかな?

 喋る豚さんと中が良さそうだ。

「あの男もいづまで生がしておくつもりだ?」
「そうね……バカ息子を始末したら、全ての責任を負って死んでもらうわ」

 領主は健在と……
 別に殺しても良いと思うんだけどね。
 その時に、別の影武者を立てたら。
 いや、別に領主に恨みがあるわけじゃない。

 ただの疑問。
 わざわざ、障害にしかならなさそうなのを生かしておく理由ってなんだろうって。
 使い道があるっていうけど、その使い道と領主が生き延びた場合のリスクを天秤にかけて傾かないものなのかなと。

 こっちとしては都合がいいから、いいけどさ。

「私の愛する坊やが次期領主になったあかつきには、貴方達を迎え入れてこの町を中心に周囲の町を吸収してやるわ」
「はあ……」
「気の抜けた返事ね」
「いや、昔はもう少し可愛げがあっだど思ってな。おでたちも、こんな立派な拠点がもらえるのは嬉しいけどさ」

 どうやら、領主夫人とこの豚は昔からの顔なじみなのだろうか。

「それは私の言葉よ。あんなに可愛かった子豚ちゃんがまさかオークで、いまじゃオークキングなんておぞましい」
「すっただごと言われても、おではお嬢の役にたちたくで頑張ってきただ」
「はあ……また、言葉遣いが」
「すまね……」

 なんだろう、オークキングがそれにつけてものおじさんに見えてきた。
 
「でもあのどぎ、お嬢に匿ってもらっで食べ物もらっだから、おで生きられたわけだし……お嬢がかわっでも、恩は返す」
「本当に、生き物には優しくしておくものね。まったくもって役に立たなかったお母さまが、唯一私の役に立ったのはその助言くらいね」

 はっはっは……
 あー、この会話だけで、色々と予測ができてしまう俺ってかなりの天才?

 おそらくだが、彼女の母親も彼女もそれなりの身分のお家柄なのだろう。
 で、母親はとても心優しくよくできた女性と。
 ただ、そういった政治の世界で生きていけるような女性ではなく。
 夫である貴族を支えつつも、他の女性に夫を奪われた。
 もしくは、違う女性と結婚したい夫に殺されたのかな?
 で、彼女は鬱屈した半生を歩み、正直者が馬鹿をみると学習したと。
 そして優しさは美徳ではなく、欠点と。
 ただ、それは人を相手にした場合。
 動物の場合は、こうやって恩返しに来てくれるから母親の教訓も役に立ったとね。

 その豚も幼い頃に、餓えて死にそうだったオークの赤ちゃんを、この領主夫人が拾って育てたのだろう。
 でなんらかの事情があって、森に逃がしたと。

 それからしばらくして、この地の領主夫人の座を得た彼女は自分の子供を領主にするために、前妻との間の子供のキオリナが邪魔になったと。
 さらにいえば、夫である領主も。
 
 そんな時に森で、魔物に襲われる。
 だが、実はそれは幼い頃に助けた豚で、立派になって恩返しにきたと。
 だから、母親が生き物を大事にという言葉に、感謝したわけだ。

 そして豚の力を借りて、領主を投獄。
 兵達を掌握しつつあると。

 こんなところだな。

「それにしても、ちょっと暇つぶしに私達を追い出した女の真似をしてみたけど、楽しいわねこれ」

 おっと……
 ただの、屑だったかも。
 いや、幼いころの境遇のせいで歪んだだろう。
 本当は、母親同様優しい子供だったはず。

「だいたいさー……自分が一番で何が悪いのよ。うちのお母さまは領民あっての貴族とかっていってたけど、ばかかっつーの! 本当に、殺されてせーせーしたわ。いっつも、私のやることなすことにケチつけて」
「ジョセフィーナ……ママの悪口よくない」
「うるさいわよ豚の分際で! 結局、死んじゃってんじゃない。まあいつか私が殺してやろうと思ってたけど。だって、贅沢したかったし……、まあその前に馬鹿女に騙されたくそ親父に殺されて、私はさらに不幸な境遇に……地獄まで追いかけて行って、ぶん殴ってやろうかと思ったわ」

 うわぁ……
 想像の上をいったよ。
 ただの、屑だよこの女。

「ジョセフィーナのママ優しい。きっと天国にいるだ。地獄じゃねーだよ」
「うっさいわねぇ、田舎臭い喋り方やめろって言ってるでしょ」
「すまん……でもジョセフィーナの言葉の方が」
「あら、つい……おほほ」

 凄い脱力だ。
 もう、何も考えずにこの女と豚を捕まえて、領主助けて突き出したら済むんじゃなかろうか。

「あまり、人に酷いことするのもどうかと思うだが……税金払わない方が悪いだよね?」
「ええ、そうよ。人は、町の恩恵をあずかるにはお金が必要なの。払わなければ、罰を受けるものよ」
「人は大変だな」
「そうね」

 あれ?
 この豚も、もしかして騙されてね?

「あー、でも子供だちはちゃんと助けてるだよね? 子供達には罪はないだよね?」
「ええ、きちんと馬車で外に送り届けてるわよ」
「やっぱり、ジョセフィーナは優しいだ」
「ええ、優しいのよ」
「だったら、ジョセフィーナ手伝う、間違いじゃないだな」
「ええ、そうね」

 うん、間違いだぞ?
 明日までとか、悠長なことを言ってないでいますぐ乗り込んでも良い気がしてきた。

(主……)

 そんなことを考えていたら、ゴタロウに話しかけられた。
 えっと……
 慌てて、視界を宿の中に。
 これあれなんだよね。
 遠くを見てると、周囲がまったく見えないんだよね。
 だから、いきなり傍で話しかけられるとちょっとびっくりする。
 覗きに集中してたら、後ろから声を掛けられたような感覚かな?

(外で五月蠅いネズミが居たので、全員捕まえたのですがどうしましょう)

 そうか……
 どんな連中かな?

「おいっ! 兄さん! 何やってんだ!」
「うるさいですよ。子供たちが起きてしまうじゃないですか」
「っ! すまん。じゃなくて、なんでロビーに白騎士共が縛られて寝てるんだよ!」
「この周りを物騒な気配を隠すことなく、うろうろしてたからですが何か?」
「ですが何か? じゃねーよ! こえーよ!」

 早速、白騎士隊の一部のメンバーの捕獲に成功したらしい。
 しかも、フルフェイスの騎士も2人ほど。

「こいつらと揉めたら、あとが「ついてきてください」
「えっ」

 ゴタロウが部屋を出て、ウォルフを連れ立ってロビーに。

「これを見ても、まだ何か言いますか?」
「まっ……魔物」

 そしておもむろに、フルフェイスを剥くゴタロウ。
 剥き出しになったオークの顔に、目を剥くウォルフ。
 
「というかですね……すでに、奴らと私たちの決戦の火蓋は切られてるんですよ」
「えっ?」
「私の主に手を出した時点で」

 余りの殺気に、ウォルフが生唾を飲み込む。
 
「あんたが仕えるほどの主とか……いや、それよりも魔物が侵入してるんだ! 早いとこ伝えないと」
「誰にですか?」

 慌てた様子で飛び出そうとするウォルフに対して、ゴタロウが背後に回って首にクナイの刃を当てる。
 突然の出来事に、認識がおいつかないのか固まるウォルフ。

「町の衛兵ですか? それとも領主の館にですか? それとも……レジスタンスのリーダーにですか?」
「あっ、っと……リーダーに伝えるしかないだろう!」
「おや? てっきり、あなたがリーダーだと思ったのですが……」
「何を言ってるんだ? 意味が分からんぞ?」

 ゴタロウの言葉に、冷や汗を流して辺りを見渡すウォルフ。
 
「色々と怪しんですよね……」
「いや、確かに見た目は怪しいかもしれんが……」

 見た目は確かに怪しかったな。
 行動もだが。

「そもそも、女性相手とはいえ素手で細剣と鞭を相手にして、子供を庇いながら何故生きているのでしょう」
「そ! そりゃ、必死で頑張ったからだよ!」
「私たちがくる時間を見計らって、目の前でそうなるように仕向けたのでは? 傷も浅いものばかりですし」
「そりゃないぜ、必死な思いで子供を守った人間に対して」
「最初、見捨てようとしたくせに」

 ゴタロウが徐々に追い詰めていく。
 まあ、色々とゴタロウも裏を取ってはいるんだろうな?
 いるよね?
 
(……)

 はったりじゃないよね?
 いや、俺も同じ結論だったけど……
 優秀な部下も多いし……ね?

(ニッコリ)

 分かんねーよ!

「白騎士隊が嗅ぎつけるのも異様に早かったですし……配下を使って、痕跡を全部消してここまで来たというのに」
「俺を疑ってるのか?」
「そう言ってるんですけどねぇ……」

 とはいっても、確信はないというか。
 敵か味方かまでの判断はついていない。
 いまのところ敵の可能性が非常に高いが、疑問に思えるところもなくもない。

「でも、俺が何かできるような暇はなかっただろう! お前らが見張ってたのに」
「そうですね……ただ、実は最初から信用してないので、ずっと疑ってみてたら色々なことが疑問に思えまして」
「ひでー……全然、信用されてなかったのか」

 当り前だろう。
 俺もゴタロウも、最初から絶対にこいつは相手側と接点があると思っていた。
 何故かって?

「だって……フード付きのローブをかぶった人間が、外から来た人間をバレバレの尾行で追跡してて、なんで衛兵に声かけられないんですか!」
「はっ!」

 はっ! 
 って、そんな盲点だったみたいな顔しちゃ駄目だろう!
 こいつ……色々と裏に手をまわしてそうな感じで、ポンコツだ!

「それに、こう考えてはどうでしょう……」
「これ以上、何があるんだ!」
「もし……あなたが、オークロードなら。配下のオークに、念話なりで状況を伝えられるんじゃないですか?」
「ななななな! 何を馬鹿なことを!」

 目をそらしながら、そんなこと言われてもねー。

「大方、部下にしたオークがキングに進化したものの……性悪女に引っ掛かって、その尻拭いに潜入したとか?」
「なんで、そんなまどろっこしいことを」
「それは……その間抜けなキングと性悪女をうまく利用して、神輿に担いだアホな領主の息子を領主の後釜に据えて、色々と利用して町を乗っ取ろうと考えたり」
「ギクリ……」

 ギクリって口で言っちゃったよ。
 まあ、白騎士隊と繋がってたら、町の衛兵共が手だしできないのも分からないでもないし。
 おそらくあの女2人も、キオリナの周りにも何人か息の掛かった人間を潜り込ませたんだろう。
 
 性悪領主夫人はオークキングを利用し、オークロードは町の人間を利用するか。
 なかなかに、頭悪そうな連中が頭脳戦を繰り広げるという、ある意味で混沌としたトラブルだな。

「はっはっは、迷推理だな! だが、その推理には大きな穴がある!」
「ほう?」
「もし、俺がオークロードなら! お前ら、人間ごときが束になっても敵わないってことだ! そして、全員をここで口封じっ……あれ? んっ! ふっ! くっ!」
「何をしてるんですか?」
「何をって……ぐっ! おりゃっ! うおおおおおおおおおおお! ぜぇぜぇ……どりゃああああああ……はぁはぁ……ふんぬううううううう! げほっ、げほっ……」

 ウォルフが顔を真っ赤にしてゴタロウの腕を振りほどこうとしているが、ゴタロウの腕はびくともしない。
 そりゃまあ、ゴブリンロードの膂力に、俺がバフマシマシで掛けてるからね。
 普通の人どころか、少々の相手でも余裕だろう。

「必死で抵抗してどうにかできると? もしかして、本気でオークロードさんで?」
「なぜだ! なぜ、振りほどけん!」
「やっぱり、迷推理じゃなくて名推理だったみたいですねぇ」
「お前、ただの人じゃないな?」

 正解。
 って、ネタ晴らしするのかな?

「子供達に向ける慈愛の眼差しは本物だっただけに、残念ですよ」
「いやぁ……子供は好きなんだけどね。俺が来てから外に連れていかれた子供たちは、全員救出済みだし」

 そっちは、本物かい。
 なんとも、困った。
 オークロードって、完全に悪ってわけじゃないのね。
 というか、亜人種の魔物がいっつも純度100%の悪じゃないから、対処に困る。

 そのウォルフも困った様子で、いまもゴタロウの腕を振りほどこうと頑張っている。
 ここらで、心を折っといたほうが良いかな?

「全員来い。この豚に手伝ってもらえるよう、お願いしよう」
「はっ!」

 ゴタロウの呼びかけに、この宿にいるゴブリンが集まってくる。
 黒装束で。

「なんだ……人間の特殊部隊とやらか?」
「いえ。ゴブリンロードとキングのみで作られた特殊部隊です」
「意味が分からん」

 ゴタロウの言葉に、ウォルフが首を傾げる。

「ロードとその配下のキング達か?」
「いえ、私シノビゴブリンのゴブリンロードを筆頭に、シノビゴブリンとよばれるユニーク種のゴブリンロードとゴブリンキングの集まりです。あっ、案内をしてくれた2体はロードで、出迎えてくれた店主に化けたのはキングです」
「ロードが複数隊もいる群れなんかあってたまるか! そんなの理不尽だろう!」

 ウォルフが顔を真っ赤にして、怒鳴っているが。
 ゴタロウの表情は涼し気だ。

「そして、こちらが真の主の鈴木様です」
「まだ上がいるのか! って、ただの剣かーい!」

 おお、こんな状況で、剣生で初めてのまともな突っ込みが。
 ちょっと、嬉しい。

「しかも、錆びとるんかーい!」

 いや、どうやっても錆び取れないだけどね。

 あっ、そうそう。
 お前が意識失った時に抵抗できないのを良いことに鑑定かけといたから、最初っからオークロードって知ってたから。
 だから、色々と推理も捗ったんだけどね。

「マジか……」

 念話でそれだけ伝えると、ウォルフが急に脱力したせいで自重が掛かった喉元ににゴタロウの腕ががっつり入って、えづいてた。
 残念なやつだ。
 
 
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