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第1章:剣と少年
第15話:普通の人の街での生活
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「おはよう、今日も買いだしかい?」
「はい」
フィーナが八百屋のおかみさんに、話しかけられて笑顔で応じている。
街での生活にもだいぶ馴染んできたようで、他の住人に知り合いも増えてきた。
ご近所さんとの関係も良好で、この八百屋も隣の部屋のメリッサさんに教えてもらったとか。
適当に野菜を買ったフィーナが、通りを歩いていると次から次へと声が掛けられる。
「おっ、フィーナちゃんこれ食べてってよ」
「ありがとう、おじさん!」
「いやあ、フィーナちゃんのアドバイスで、ちょっと味付け変えたらお客さんが一気に増えちゃって! いつでも食べにきてよ、師匠」
「もう、師匠だなんて恥ずかしいですよ!」
「はっはっは」
2回りも3回りの年上の屋台の店主に、師匠呼ばわりされてフィーナが照れた表情を浮かべている。
「街の住人とのコミュニケーションやネットワークの構築は、嫁の必須スキル」
いや、そんなことは聞いたことないが。
ネットワークねぇ……
たまに出てくる言葉に首を傾げたくなることがある。
スキル人語が、俺の知ってる言葉に変換してくれてるんだろうが。
だから、ゴブリンがゴブリン語で話すときも平気で、時代錯誤のような言葉が飛び交ったり。
こういったのは気にしたら負けだな。
別に不自由はない。
俯瞰の視点をさらに広げる。
おお、風の調べの面々も今日は休みかな?
彼らと森で出会ってから、すでに1週間が過ぎている。
ニコに対して、なにか憧れのようなものを抱いている彼らは、好意的に接してくれるので嫌いじゃない。
街の目抜き通りを、ラフな格好で歩いてる風の調べに視点を寄せてみる。
「ニコさんって、いっつも剣しか持ってないよね?」
「しかも微妙に錆びた剣な」
「鎧もつけてないし」
ニコのことを話しているのか。
盗み聞きいくないと言われそうだが、気になってしまった。
「森に剣一本で入ってくるソロのE級冒険者って、絶対ただものじゃないよね?」
「うん、アリアさんは手合わせした感じ、そうでもなかったって言ってたけど」
「でも、蟻の群れをひるませたり、ミーナを簡単に背負って森をサクサク歩いたり」
「錆びた剣でも、問題ないんだろうね」
なんだろう……
テッドが俺のことを、ずっと錆びた剣って言ってるけど。
わざわざ、毎回錆びたって言わなくてよくないか?
ちょっと、イラっとする。
「あっ、あそこの屋台最近味が変わって美味しくなったんだよね!」
「ちょっと食べていこうよ!」
「そうだな、小腹も空いてきたし」
4人が屋台の方へと近づいていく。
「ニコさんって、どこから来たんだろう」
「ニコ? いま、ニコ様って言いました?」
そしてフィーナと風の調べの面々が、丁度鉢合わせに。
「あー、貴方達がニコ様が森で出会ったって方たちですか」
「ニコ……様?」
「あれ? あの人、実は本当に凄い人?」
「てか、綺麗な人……」
リサの綺麗な人という言葉を受けて、一瞬フィーナが笑みをこぼすがすぐにすまし顔に。
「そうなんですね、フィーナさんはニコさんのことが好きなんですね」
「なかなか、結婚してくれない……いつか、必ず」
「はは、見た目によらず積極的」
5人でわいわいと話をしていると、俺の話題に。
「なんで、ニコさんって錆びた剣しか持ってないんんですか? いや、聞いた話だとお金に余裕がないみたいでもないですし」
「錆びた剣? あの剣は、ニコ様の命の恩人ですよ」
「恩人?」
「あー、恩剣っていうんですかね?」
「いや、そうじゃなくて」
ちょっと待てフィーナ。
俺が意思のある剣だって話すつもりじゃ?
「えっ? あの剣で、グレイトベアを倒したんですか?」
「実は、錆びてるけど名剣?」
「最初よりは、だいぶ綺麗になったみたいですよ」
「そうなのですか?」
良かった。
流石にそのくらいのことは考えてくれたか。
肝心なことはぼやかして俺のことをかいつまんで説明してくれたので、ニコが俺を愛用していることはある程度納得してくれたようだ。
しかしあれだな。
確かに、防具は考えた方が良いか。
厚手の服で頑張ってるもんな。
お金もあるし、鎧くらい。
いざとなったらスキル剛毛があるけど、人前で使うのは流石にな。
というか……凄いよな。
剣だけで森に入ってくとか。
まあ、装備が整えられなかったのは仕方ない。
お店が売ってくれなかったんだもんな。
仕方ないよな……
途中の村で、買えたよな?
質は分からんが。
よし、今度買いに行こうか。
ようやく地に足がついてきたところだが、おっとニコが今日の依頼を決めたらしい。
今日も草むしりかな?
……今度じゃないな。
先に何か防具を買いに行かせよう。
「えー? 大丈夫じゃない? お金がもったいないし」
うんうん……ニコのこの考え方自体が大丈夫じゃない……
知り合いも出来て、街の人ともボチボチ交流を持ち始めた。
いまじゃ、一人で買い物もできるし。
冒険者ギルドでも、声を掛けてもらえることも増えた。
自然な笑顔も増えてきて、良い傾向だ。
しっかりとここに根を張れたら、遠征とかしてくれないかな?
ダンジョンとかってあるのかな?
楽しみだな。
「はい」
フィーナが八百屋のおかみさんに、話しかけられて笑顔で応じている。
街での生活にもだいぶ馴染んできたようで、他の住人に知り合いも増えてきた。
ご近所さんとの関係も良好で、この八百屋も隣の部屋のメリッサさんに教えてもらったとか。
適当に野菜を買ったフィーナが、通りを歩いていると次から次へと声が掛けられる。
「おっ、フィーナちゃんこれ食べてってよ」
「ありがとう、おじさん!」
「いやあ、フィーナちゃんのアドバイスで、ちょっと味付け変えたらお客さんが一気に増えちゃって! いつでも食べにきてよ、師匠」
「もう、師匠だなんて恥ずかしいですよ!」
「はっはっは」
2回りも3回りの年上の屋台の店主に、師匠呼ばわりされてフィーナが照れた表情を浮かべている。
「街の住人とのコミュニケーションやネットワークの構築は、嫁の必須スキル」
いや、そんなことは聞いたことないが。
ネットワークねぇ……
たまに出てくる言葉に首を傾げたくなることがある。
スキル人語が、俺の知ってる言葉に変換してくれてるんだろうが。
だから、ゴブリンがゴブリン語で話すときも平気で、時代錯誤のような言葉が飛び交ったり。
こういったのは気にしたら負けだな。
別に不自由はない。
俯瞰の視点をさらに広げる。
おお、風の調べの面々も今日は休みかな?
彼らと森で出会ってから、すでに1週間が過ぎている。
ニコに対して、なにか憧れのようなものを抱いている彼らは、好意的に接してくれるので嫌いじゃない。
街の目抜き通りを、ラフな格好で歩いてる風の調べに視点を寄せてみる。
「ニコさんって、いっつも剣しか持ってないよね?」
「しかも微妙に錆びた剣な」
「鎧もつけてないし」
ニコのことを話しているのか。
盗み聞きいくないと言われそうだが、気になってしまった。
「森に剣一本で入ってくるソロのE級冒険者って、絶対ただものじゃないよね?」
「うん、アリアさんは手合わせした感じ、そうでもなかったって言ってたけど」
「でも、蟻の群れをひるませたり、ミーナを簡単に背負って森をサクサク歩いたり」
「錆びた剣でも、問題ないんだろうね」
なんだろう……
テッドが俺のことを、ずっと錆びた剣って言ってるけど。
わざわざ、毎回錆びたって言わなくてよくないか?
ちょっと、イラっとする。
「あっ、あそこの屋台最近味が変わって美味しくなったんだよね!」
「ちょっと食べていこうよ!」
「そうだな、小腹も空いてきたし」
4人が屋台の方へと近づいていく。
「ニコさんって、どこから来たんだろう」
「ニコ? いま、ニコ様って言いました?」
そしてフィーナと風の調べの面々が、丁度鉢合わせに。
「あー、貴方達がニコ様が森で出会ったって方たちですか」
「ニコ……様?」
「あれ? あの人、実は本当に凄い人?」
「てか、綺麗な人……」
リサの綺麗な人という言葉を受けて、一瞬フィーナが笑みをこぼすがすぐにすまし顔に。
「そうなんですね、フィーナさんはニコさんのことが好きなんですね」
「なかなか、結婚してくれない……いつか、必ず」
「はは、見た目によらず積極的」
5人でわいわいと話をしていると、俺の話題に。
「なんで、ニコさんって錆びた剣しか持ってないんんですか? いや、聞いた話だとお金に余裕がないみたいでもないですし」
「錆びた剣? あの剣は、ニコ様の命の恩人ですよ」
「恩人?」
「あー、恩剣っていうんですかね?」
「いや、そうじゃなくて」
ちょっと待てフィーナ。
俺が意思のある剣だって話すつもりじゃ?
「えっ? あの剣で、グレイトベアを倒したんですか?」
「実は、錆びてるけど名剣?」
「最初よりは、だいぶ綺麗になったみたいですよ」
「そうなのですか?」
良かった。
流石にそのくらいのことは考えてくれたか。
肝心なことはぼやかして俺のことをかいつまんで説明してくれたので、ニコが俺を愛用していることはある程度納得してくれたようだ。
しかしあれだな。
確かに、防具は考えた方が良いか。
厚手の服で頑張ってるもんな。
お金もあるし、鎧くらい。
いざとなったらスキル剛毛があるけど、人前で使うのは流石にな。
というか……凄いよな。
剣だけで森に入ってくとか。
まあ、装備が整えられなかったのは仕方ない。
お店が売ってくれなかったんだもんな。
仕方ないよな……
途中の村で、買えたよな?
質は分からんが。
よし、今度買いに行こうか。
ようやく地に足がついてきたところだが、おっとニコが今日の依頼を決めたらしい。
今日も草むしりかな?
……今度じゃないな。
先に何か防具を買いに行かせよう。
「えー? 大丈夫じゃない? お金がもったいないし」
うんうん……ニコのこの考え方自体が大丈夫じゃない……
知り合いも出来て、街の人ともボチボチ交流を持ち始めた。
いまじゃ、一人で買い物もできるし。
冒険者ギルドでも、声を掛けてもらえることも増えた。
自然な笑顔も増えてきて、良い傾向だ。
しっかりとここに根を張れたら、遠征とかしてくれないかな?
ダンジョンとかってあるのかな?
楽しみだな。
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