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魔王編
人間が哀れで辛い(それぞれのストーリー後編)
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まあスッピンと、モー太の大体の状況は分かった。
問題はムカ娘だ……
こいつは何をしたんだ?
俺がムカ娘の様子を見始める。
女勇者筆頭に女性ばかり32名のパーティーか。
「なんだこの気持ち悪い魔族は!」
「下半身が百足だと……」
ムカ娘の姿は女性には厳しいだろうな。
嫌悪感を露わにしてるし。
「妾の美しさが分からぬとは……可哀想な方達でありんすね」
ごめんムカ娘……俺にもよー分からん。
「何が妾の美しさだ! 半人半虫などゲテモノの類では無いか!」
「あらあら、妬いているのかえ?」
んー、正直な感想だろうなそこは。
「まあよい、妾が遊んでやるゆえ、掛かってくるがよい」
そう言ってムカ娘が挑発すると、女騎士が3人斬りかかる。
「ほざけ化け物が!」
「上半身と下半身を切り分けて、少しはましな姿にしてやろう!」
「ついでに、その無駄に多い腕もおとしてさしあげますわ!」
3人の剣をムカ娘が素手で受け止める。
「ふむ……本気で掛かって来てくださいましな。その程度、妾の僕どもでも防げますわ」
そう言って3人を吹き飛ばす。
「こいつ強いぞ!」
「どけっ! くらえ、全てを斬り裂け! ブレイブスラッシュ!」
勇者が5人同時にブレイブスラッシュを放つ。
「おいでなさい【虫の女帝の守護者】!」
ムカ娘の呼びかけに一匹の甲虫のような騎士が現れる。
騎士が盾を構えると、そこから亀甲模様のバリアが張られ全ての攻撃を弾く。
「馬鹿な!」
「神気を纏った斬撃を、たかが虫の魔族が防ぐだと!」
女勇者達が驚き戸惑う。
てか、俺の直轄の魔族強すぎるだろ!
もはや、部下の部下が勇者の攻撃を防ぐとか、これ俺倒すの無理ゲー過ぎるやろ。
幹部の部下がボスクラス、幹部が裏ボスクラスの実力じゃん。
ちなみに、そんなムカ娘ですら俺の足元にも及ばないのに……
「くっ、気持ち悪い見た目の癖に生意気な!」
「もう一度攻めるのです! パワーインクリース! マジックインクリース! アタックインクリース!」
神官達が補助魔法を重ね掛けする。
容赦ないのはいい事だけど、どう考えても魔力の無駄遣いにしか思えない。
「助かる! 行くぞ! 全てを斬り裂け! ブレイブスラッシュ!」
「私達も行くぞ! 正義を貫け! ナイトスラッシュ!」
おお、総攻撃! しかも補助魔法付きの!
これは流石に、甲虫の騎士じゃ辛いか?
「女王の為に……【王を守る甲虫の誇り】!」
えっ? お……おう……すげーな。
漆黒の甲虫が黄金に光り輝くと、虹色の鎧を纏った虫になったわ。
しかも攻撃跳ね返してるし……
「うわっ!」
「馬鹿な!」
「クッ……殺せ!」
1人諦めたぞ?
「流石魔王の部下……気持ち悪いけど強い……」
「魔王様だ!」
女勇者の言葉に、すぐにムカ娘が反応する。
「何が魔王様だ! こんなキモイ女はべらかして喜んでるくらいだからな! 流石魔族の王!」
「ああ、良い趣味してるよなほんと……こんなんなら人形の方がまだマシだ!」
すげーな……そんなムキにならなくても。
魔王のことになると、どんな状況でも全力で煽り倒してくるこいつらヤバすぎるだろう。
そんなに俺の事嫌い?
「ホッホッホ!……貴方達は魔王様の真の素晴らしさが分かっておらぬようじゃのう」
「何が真の素晴らしさだ! そうか! お前みたいな醜い女でも相手してくれるなんて、よっぽどのお人好しか趣味が悪いんだろうな!」
口じゃなくて武器で戦え!
ほんと、殺されるぞ?
「フム……少し言い過ぎじゃ!」
ムカ娘がそう言って覇気を飛ばすと、女勇者達が吹き飛ばされる。
「そうじゃのう……妾の事は何を言うても構わぬ! だが魔王様を乏すことはゆるさんぞえ?」
そう言ってムカ娘が合図を送ると、上空から大量の蛾が現れる。
「な……なんだ! 身体が……」
「くっ、痺れ鱗粉か! お前ら口と鼻を塞げ!」
「ダメだ……力が」
「くっ! 殺せ!」
おいっ! 最後の奴それしか言ってないぞ?
お前、転生者じゃねーだろーな!
「無駄じゃ! 妾のタソックモスどもの鱗粉は特殊での、皮膚からも浸食するのじゃ」
あー、最悪やな……
こいつら無駄に肌露出してるし……毒取り込み放題じゃん。
「さてと、お主らには魔王様の素晴らしさを知ってもらうために、妾の魔王様との愛のポエムを全て聞かせてやろう!」
な……なんだと?
「さてと、コックローチどもよ! 奴らの耳元で妾の詩集を読み聞かせるのじゃ!」
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
凄い勢いでムカ娘の背後から蠢く黒い集団が駆け出し、勇者達の身体をよじ登っていく。
「やめろ……うわっ! 来るな! 止めて!いやーーーーー」
「きゃーーーーーー! 来ないで! 来ないで! 来ないで! 来ないで!」
「うそうそうそうそうそうそ! 魔王様素敵です! 愛してます! 一生を捧げます! だからやめてーーーーー」
「いや……いや……いや…………………………」
「なかなか可愛い……事あるかーー! 来るな――――!」
「くっ! 殺せ!」
凄いなG……絶対魔王より嫌われてるよな……良かった……俺より嫌われ者が居て。
「ま……魔王に抱かれるよりは……」
……
中には少数派だけど居るのね。
「まずは第1章1歌からじゃ! ほれコックローチどもよ」
「ボソボソボソボソ」
聞こえねー! 肝心な部分が聞こえねー! てか耳元で囁くのかよ!
スゲー、女勇者達がぞわぞわしてる。
こう身をよじらせて、あっあの騎士ビキニアーマーがずれてて胸が見えそう……で見えない! クソッ!
***
10分経過
「次は第1章13歌!」
「ボソボソボソボソボソ」
なげーな……こっちには何も聞こえないし……
何人か失禁して気絶してるけど、すぐに耳の中にGが入って飛び起きてる。
寝耳にG……地獄や……
***
20分経過
「続いて第2章1歌」
「ボソボソボソ」
なんかGに慣れて来たのが数名居るが、顔を真っ赤にしたり、ニヤニヤしてたり凄く内容が気になる。
***
30分経過
「よしっ! 5分休憩後に第2章15歌! ちなみに12章まであるからの」
あっ、なんか勇者達が死んだ魚のような眼をしてる。
これは酷い拷問だ……俺も耐えられる自信が無い……
これ以上見ててもしょうがないか……
とりあえず、城下町で何が起こったかはよく分かった。
そして幹部達に好き勝手やらせてもダメな事も分かった。
「取りあえず、状況は把握した! 俺は今から客人達と会ってくるから、あとは任せた」
「ちょっ! 魔王様逃げる気ですか?」
「違うって、人を待たせてるんだって! 建物は後で魔法で直すから、取りあえず勇者達は……どうしよう……まあその辺りも含めて任せたわ!」
「ちょっと! 待ってください! 待って! 待てーーーーー」
エリーがなんか叫んで掴みかかって来たが、スッとかわして転移でマイの所に戻る。
***
「あっ帰って来た」
マイの家に戻ると日本人達が美味しそうに料理を食べてた。
「あっ、田中さん頂いてます」
「すいませんね、でも久しぶりの日本食有り難いです」
「なあなあ、ユウちゃん彼氏とかおらんの? あっ! アニキおかえりなさい! でユウちゃんどうなの?」
「えっと……その……」
ドカッ!
取りあえず比嘉には脳天に踵落としを喰らわせといた。
お前、俺の部下だよね?
上司の俺が心痛して働いてるのに、女口説くとか本当にいい度胸してるわ。
「すまんね待たして、でっ食べながらでいいけど少し話をしようか?」
比嘉が頭を押さえて蹲っているが、知ったこっちゃない。
俺はソファにドカッと座り込んで全員を見渡す。
ついでに【三分調理】でビールをジョッキごと作り出して飲む。
てか呑まないとやってられん。
「ゴクリ……」
比嘉がこっちを見ながら喉をならしているが取りあえず無視だ。
働いた者への、ご褒美だからな。
「で、3人は俺たちを探しにここに来たということだが、そもそもお前らどうやってこの世界に来た?」
3人がお互いの顔を見回して頷くと、タカシが話し始める。
「もともと俺たち幼馴染で、ずっと一緒だったんですけど……3人で高校から帰ってる途中に暴走したトラックが突っ込んできて……ショウが俺たちを突き飛ばしてトラックにぶつかりそうになった瞬間に光に包まれてここに来ました」
あー、これ転生か召喚か微妙なラインやな。
というか転生にしても召喚にしても、この世界はトラックに引かれそうになるやつ多そうだな?
どこぞ国の冬のなんたらってドラマの、登場人物ばりに大型車にぶつかってるイメージ。
「最初はどこに居たんだ?」
「えっと、なんか教会みたいなところの聖堂の魔法陣の上に立っていて、神父さんぽい方達が勇者の召喚に成功したとかって喜んでて……」
また聖教会か……
つーか異世界容赦ねーわ!
無関係な他の世界から人呼んで、お前勇者! 魔王倒せ! とか無責任過ぎるだろ!
「それで勇者になって俺を倒しに来たと」
「はい……」
俺が答えると、タカシがうつむく。
「ま……まさか倒すべき相手が同じ日本人だとは思っていなくて……」
「なあ……アニキ……俺もビール飲みたい」
ドカッ!
取りあえず比嘉には拳を喰らわせておく。
「まあ、俺も良く分からないんだが、俺の場合は転生だ。前世で死んで、こっちで魔族として生まれ変わった」
「えっ? 死んで来られたんですか?」
「じゃあ、私達も?」
俺の言葉に3人が青くなる。
「まあ待て、俺は転生だが比嘉とマイは召喚だ! こいつらは死んでない」
俺の言葉にあからさまにホッとした表情を浮かべたあと、ハッとして申し訳無さそうな表情に変わる。
「あっ、すみません……田中さんはお亡くなりになられたのに」
「でも、俺たちも生きてると決まったわけじゃ……」
あー、こんな時でも俺の事を気遣ってくれるなんて、最近の若い子も捨てたもんじゃないな。
「気にするな。ちなみにだが、元の世界に戻りたいか?」
『勿論です!』
俺の言葉に3人が凄い勢いで頷く。
「そうか……俺も戻る方法は分かっていないが、お前たちの場合は特に気をつけるべきだと思う」
俺の言葉に3人が不思議そうな表情を浮かべる。
「ほら、お前らトラックに轢かれそうになってるんだろ? もし時間軸そのままで戻ったら……」
「あっ!」
俺の言葉にショウが理解したようだ。
「戻った瞬間に……」
「そうだ、トラックに轢かれる……死ぬか生きるかは別としてな」
「俺は戻る気はないでー! 魔王というか、こんだけ強いと楽しいしな! こっちじゃ弱いけど」
比嘉って本当に幸せな奴だよな……
「で、どうすんの? お前らセントレアに戻るのか?」
「……取りあえず、田中さんが魔王で居る限り勝てると思えないので……」
「逆に田中さんは魔王を辞めないのですか? というかそもそもなんで魔王に……」
まあ……俺に勝とうと思ったら取りあえず人間はやめないと無理だろうな。
最初から魔族の転生者ってここまでヤバいのな。
人間である以上、いくら召還勇者でもポテンシャルが違い過ぎるわ。
いや、そもそも召還勇者って強いのか?
雑魚にしか、会ってないけど。
「まず……魔王になる条件だが! 魔王を倒すと魔王になる。ちなみにそこにいる比嘉も元勇者だ」
3人が同時に比嘉の方を見る。
そしてあからさまに胡散臭そうな顔をする。
「な……なんや! 俺も元勇者やで? 魔王倒したら、強制的に魔族にさせられて魔王になったけど」
「そ……そんな……」
ユウが絶望的な表情をしている。
あー、可愛いなユウちゃん……マイとは全然違うわ。
「何? 何か出してくれるの?」
マイの方を見ていたら目が合った。
そして出たセリフがこれ。
それも満面の笑みで、期待した表情。
でもこれはこれで可愛いから、とりあえずチョコレートパフェを出す。
「わーーーー、すごーい! こんなに大きなチョコレートパフェ見た事ない!」
夢中でチョコレートパフェに貪りつく。
まあ、ある意味欲望に忠実で可愛いわ。
「凄いですね……人間の味方になる気は無いのですか?」
「無いな……この世界の人間は汚過ぎる。そして聖教会を潰さない限り物理的にも不可能だ」
ユウの言う事も分かるし、元人間の魔王に期待するのも分かる。
だが、それを一番邪魔しているのはこの世界の人間であり、人間を操っている聖教会だ。
「だったら、どうするつもりなのですか?」
「どうするもこうするも、人間が攻めて来るから追い返しているだけだが?」
「でも、世界各地で魔族や魔物が暴れているじゃないですか」
俺の言葉にショウが食って掛かる。
「それは違うな……もともと魔物は自然に発生するもので動物となんら変わりない。それに魔族ももともと各地に居た連中だ! それを追い出そうとするからいざこざが起こるのでは無いのか?」
「そ……そんな事言ったて、人間に被害が!」
「人間に被害? それこそお門違いだ! 魔族にだって被害は出ているぞ? それに人種が違えば争いが起きるのはそれぞれの思想のせいだろ? 魔族のせいじゃない」
俺の言葉にショウが黙り込む。
「ですが……それならせめて関わりを持たないようにすることだって……」
「お前ら高校生だろ? だったら地球に置き換えて考えてみろよ? アメリカだって原住民を追い出して自分達の住む土地を確保したし、15世紀以降の植民地政策だって習っただろう? 元寇もあれば、朝鮮出兵だってある。人間てのはそういう生き物だ。お互いに関わり合わないようにしたいなら、人間どもが今の現状に満足して、色気をだすのを止めるのが先だろう」
タカシが何か言ってるが、そもそも争いの原因の大半は人間の排他的な考え方にある。
それすらも、聖教会の仕業だ。
「ちなみにだが……俺がもしその気になれば、先の10万人……」
そう言って俺はスプーンを口に入れてぐるぐる巻きにして取り出す。
「3秒で皆殺しに出来る」
「田宮か!」
音速でショウが突っ込んでくれた。
おー、若いのに良く知ってんな! って、映画化にアニメ化されたから当然か。
「これは冗談だが、冗談じゃない……俺の魔力は規格外だ。ここに居ながらこの世界の人間を俺一人で絶滅においやる事だって出来るんだぜ?」
俺の言葉にその場に居た全員が静まり返る。
「俺がまだ人間に期待しているし、諸悪の根源が聖教会だと思っているからやってないだけだけどな。教会を潰して変わらなければ……俺はどうするか分からない」
3人が顔を真っ青にして震えている。
「もし……ここで死んだら……本当に死んだ事になるのかな?」
「なるだろうな……魂はここにあるからな。もしかすると魂だけが日本に戻るかもしれないが、肉体ごと召喚されてたらお陀仏だな」
「そ……そんな……」
ユウちゃんが泣きそうになってる。
ちょっと脅かしすぎたかな?
「まあ勿論、こんな茶番を起こした連中を俺が許すわけないし、少なくとも同郷者を手に掛ける事はしない! それは約束するよ……それに元の世界に戻る手段も探すし、無理なら不自由なく暮らせるようにはしてやる」
「……ありがとうございます」
高校生には酷過ぎるだろ。
せめて、少しは救いがあれば良いが……取りあえず、もしもの時は俺が面倒見よう。
幸い色々な物を作り出すことはできるし。
「取りあえず今日はここに泊まって、ゆっくりどうするか考えろ」
「はい」
「えーーー、ここ私んち……」
「俺が作った家だ!」
マイに食料を大量に渡し、さらに3部屋程魔法で増設したあと比嘉を連れて魔王城に戻る。
「すいません、何も考えてませんでした」
「私も、魔王を倒したら皆が幸せになれると思ってすいません!」
「あー、良く分かんねーけど! 田中さんが優しい人だって事だけでも分かって良かったです」
3人が別れ際にこう言ってくれただけでも救われる。
俺もそろそろ本格的に、聖教会を潰しにいかないとな。
取りあえず、次の会議は侵攻会議だろうな……気が重い。
魔王なんてやるもんじゃねーわ……辛い
問題はムカ娘だ……
こいつは何をしたんだ?
俺がムカ娘の様子を見始める。
女勇者筆頭に女性ばかり32名のパーティーか。
「なんだこの気持ち悪い魔族は!」
「下半身が百足だと……」
ムカ娘の姿は女性には厳しいだろうな。
嫌悪感を露わにしてるし。
「妾の美しさが分からぬとは……可哀想な方達でありんすね」
ごめんムカ娘……俺にもよー分からん。
「何が妾の美しさだ! 半人半虫などゲテモノの類では無いか!」
「あらあら、妬いているのかえ?」
んー、正直な感想だろうなそこは。
「まあよい、妾が遊んでやるゆえ、掛かってくるがよい」
そう言ってムカ娘が挑発すると、女騎士が3人斬りかかる。
「ほざけ化け物が!」
「上半身と下半身を切り分けて、少しはましな姿にしてやろう!」
「ついでに、その無駄に多い腕もおとしてさしあげますわ!」
3人の剣をムカ娘が素手で受け止める。
「ふむ……本気で掛かって来てくださいましな。その程度、妾の僕どもでも防げますわ」
そう言って3人を吹き飛ばす。
「こいつ強いぞ!」
「どけっ! くらえ、全てを斬り裂け! ブレイブスラッシュ!」
勇者が5人同時にブレイブスラッシュを放つ。
「おいでなさい【虫の女帝の守護者】!」
ムカ娘の呼びかけに一匹の甲虫のような騎士が現れる。
騎士が盾を構えると、そこから亀甲模様のバリアが張られ全ての攻撃を弾く。
「馬鹿な!」
「神気を纏った斬撃を、たかが虫の魔族が防ぐだと!」
女勇者達が驚き戸惑う。
てか、俺の直轄の魔族強すぎるだろ!
もはや、部下の部下が勇者の攻撃を防ぐとか、これ俺倒すの無理ゲー過ぎるやろ。
幹部の部下がボスクラス、幹部が裏ボスクラスの実力じゃん。
ちなみに、そんなムカ娘ですら俺の足元にも及ばないのに……
「くっ、気持ち悪い見た目の癖に生意気な!」
「もう一度攻めるのです! パワーインクリース! マジックインクリース! アタックインクリース!」
神官達が補助魔法を重ね掛けする。
容赦ないのはいい事だけど、どう考えても魔力の無駄遣いにしか思えない。
「助かる! 行くぞ! 全てを斬り裂け! ブレイブスラッシュ!」
「私達も行くぞ! 正義を貫け! ナイトスラッシュ!」
おお、総攻撃! しかも補助魔法付きの!
これは流石に、甲虫の騎士じゃ辛いか?
「女王の為に……【王を守る甲虫の誇り】!」
えっ? お……おう……すげーな。
漆黒の甲虫が黄金に光り輝くと、虹色の鎧を纏った虫になったわ。
しかも攻撃跳ね返してるし……
「うわっ!」
「馬鹿な!」
「クッ……殺せ!」
1人諦めたぞ?
「流石魔王の部下……気持ち悪いけど強い……」
「魔王様だ!」
女勇者の言葉に、すぐにムカ娘が反応する。
「何が魔王様だ! こんなキモイ女はべらかして喜んでるくらいだからな! 流石魔族の王!」
「ああ、良い趣味してるよなほんと……こんなんなら人形の方がまだマシだ!」
すげーな……そんなムキにならなくても。
魔王のことになると、どんな状況でも全力で煽り倒してくるこいつらヤバすぎるだろう。
そんなに俺の事嫌い?
「ホッホッホ!……貴方達は魔王様の真の素晴らしさが分かっておらぬようじゃのう」
「何が真の素晴らしさだ! そうか! お前みたいな醜い女でも相手してくれるなんて、よっぽどのお人好しか趣味が悪いんだろうな!」
口じゃなくて武器で戦え!
ほんと、殺されるぞ?
「フム……少し言い過ぎじゃ!」
ムカ娘がそう言って覇気を飛ばすと、女勇者達が吹き飛ばされる。
「そうじゃのう……妾の事は何を言うても構わぬ! だが魔王様を乏すことはゆるさんぞえ?」
そう言ってムカ娘が合図を送ると、上空から大量の蛾が現れる。
「な……なんだ! 身体が……」
「くっ、痺れ鱗粉か! お前ら口と鼻を塞げ!」
「ダメだ……力が」
「くっ! 殺せ!」
おいっ! 最後の奴それしか言ってないぞ?
お前、転生者じゃねーだろーな!
「無駄じゃ! 妾のタソックモスどもの鱗粉は特殊での、皮膚からも浸食するのじゃ」
あー、最悪やな……
こいつら無駄に肌露出してるし……毒取り込み放題じゃん。
「さてと、お主らには魔王様の素晴らしさを知ってもらうために、妾の魔王様との愛のポエムを全て聞かせてやろう!」
な……なんだと?
「さてと、コックローチどもよ! 奴らの耳元で妾の詩集を読み聞かせるのじゃ!」
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
凄い勢いでムカ娘の背後から蠢く黒い集団が駆け出し、勇者達の身体をよじ登っていく。
「やめろ……うわっ! 来るな! 止めて!いやーーーーー」
「きゃーーーーーー! 来ないで! 来ないで! 来ないで! 来ないで!」
「うそうそうそうそうそうそ! 魔王様素敵です! 愛してます! 一生を捧げます! だからやめてーーーーー」
「いや……いや……いや…………………………」
「なかなか可愛い……事あるかーー! 来るな――――!」
「くっ! 殺せ!」
凄いなG……絶対魔王より嫌われてるよな……良かった……俺より嫌われ者が居て。
「ま……魔王に抱かれるよりは……」
……
中には少数派だけど居るのね。
「まずは第1章1歌からじゃ! ほれコックローチどもよ」
「ボソボソボソボソ」
聞こえねー! 肝心な部分が聞こえねー! てか耳元で囁くのかよ!
スゲー、女勇者達がぞわぞわしてる。
こう身をよじらせて、あっあの騎士ビキニアーマーがずれてて胸が見えそう……で見えない! クソッ!
***
10分経過
「次は第1章13歌!」
「ボソボソボソボソボソ」
なげーな……こっちには何も聞こえないし……
何人か失禁して気絶してるけど、すぐに耳の中にGが入って飛び起きてる。
寝耳にG……地獄や……
***
20分経過
「続いて第2章1歌」
「ボソボソボソ」
なんかGに慣れて来たのが数名居るが、顔を真っ赤にしたり、ニヤニヤしてたり凄く内容が気になる。
***
30分経過
「よしっ! 5分休憩後に第2章15歌! ちなみに12章まであるからの」
あっ、なんか勇者達が死んだ魚のような眼をしてる。
これは酷い拷問だ……俺も耐えられる自信が無い……
これ以上見ててもしょうがないか……
とりあえず、城下町で何が起こったかはよく分かった。
そして幹部達に好き勝手やらせてもダメな事も分かった。
「取りあえず、状況は把握した! 俺は今から客人達と会ってくるから、あとは任せた」
「ちょっ! 魔王様逃げる気ですか?」
「違うって、人を待たせてるんだって! 建物は後で魔法で直すから、取りあえず勇者達は……どうしよう……まあその辺りも含めて任せたわ!」
「ちょっと! 待ってください! 待って! 待てーーーーー」
エリーがなんか叫んで掴みかかって来たが、スッとかわして転移でマイの所に戻る。
***
「あっ帰って来た」
マイの家に戻ると日本人達が美味しそうに料理を食べてた。
「あっ、田中さん頂いてます」
「すいませんね、でも久しぶりの日本食有り難いです」
「なあなあ、ユウちゃん彼氏とかおらんの? あっ! アニキおかえりなさい! でユウちゃんどうなの?」
「えっと……その……」
ドカッ!
取りあえず比嘉には脳天に踵落としを喰らわせといた。
お前、俺の部下だよね?
上司の俺が心痛して働いてるのに、女口説くとか本当にいい度胸してるわ。
「すまんね待たして、でっ食べながらでいいけど少し話をしようか?」
比嘉が頭を押さえて蹲っているが、知ったこっちゃない。
俺はソファにドカッと座り込んで全員を見渡す。
ついでに【三分調理】でビールをジョッキごと作り出して飲む。
てか呑まないとやってられん。
「ゴクリ……」
比嘉がこっちを見ながら喉をならしているが取りあえず無視だ。
働いた者への、ご褒美だからな。
「で、3人は俺たちを探しにここに来たということだが、そもそもお前らどうやってこの世界に来た?」
3人がお互いの顔を見回して頷くと、タカシが話し始める。
「もともと俺たち幼馴染で、ずっと一緒だったんですけど……3人で高校から帰ってる途中に暴走したトラックが突っ込んできて……ショウが俺たちを突き飛ばしてトラックにぶつかりそうになった瞬間に光に包まれてここに来ました」
あー、これ転生か召喚か微妙なラインやな。
というか転生にしても召喚にしても、この世界はトラックに引かれそうになるやつ多そうだな?
どこぞ国の冬のなんたらってドラマの、登場人物ばりに大型車にぶつかってるイメージ。
「最初はどこに居たんだ?」
「えっと、なんか教会みたいなところの聖堂の魔法陣の上に立っていて、神父さんぽい方達が勇者の召喚に成功したとかって喜んでて……」
また聖教会か……
つーか異世界容赦ねーわ!
無関係な他の世界から人呼んで、お前勇者! 魔王倒せ! とか無責任過ぎるだろ!
「それで勇者になって俺を倒しに来たと」
「はい……」
俺が答えると、タカシがうつむく。
「ま……まさか倒すべき相手が同じ日本人だとは思っていなくて……」
「なあ……アニキ……俺もビール飲みたい」
ドカッ!
取りあえず比嘉には拳を喰らわせておく。
「まあ、俺も良く分からないんだが、俺の場合は転生だ。前世で死んで、こっちで魔族として生まれ変わった」
「えっ? 死んで来られたんですか?」
「じゃあ、私達も?」
俺の言葉に3人が青くなる。
「まあ待て、俺は転生だが比嘉とマイは召喚だ! こいつらは死んでない」
俺の言葉にあからさまにホッとした表情を浮かべたあと、ハッとして申し訳無さそうな表情に変わる。
「あっ、すみません……田中さんはお亡くなりになられたのに」
「でも、俺たちも生きてると決まったわけじゃ……」
あー、こんな時でも俺の事を気遣ってくれるなんて、最近の若い子も捨てたもんじゃないな。
「気にするな。ちなみにだが、元の世界に戻りたいか?」
『勿論です!』
俺の言葉に3人が凄い勢いで頷く。
「そうか……俺も戻る方法は分かっていないが、お前たちの場合は特に気をつけるべきだと思う」
俺の言葉に3人が不思議そうな表情を浮かべる。
「ほら、お前らトラックに轢かれそうになってるんだろ? もし時間軸そのままで戻ったら……」
「あっ!」
俺の言葉にショウが理解したようだ。
「戻った瞬間に……」
「そうだ、トラックに轢かれる……死ぬか生きるかは別としてな」
「俺は戻る気はないでー! 魔王というか、こんだけ強いと楽しいしな! こっちじゃ弱いけど」
比嘉って本当に幸せな奴だよな……
「で、どうすんの? お前らセントレアに戻るのか?」
「……取りあえず、田中さんが魔王で居る限り勝てると思えないので……」
「逆に田中さんは魔王を辞めないのですか? というかそもそもなんで魔王に……」
まあ……俺に勝とうと思ったら取りあえず人間はやめないと無理だろうな。
最初から魔族の転生者ってここまでヤバいのな。
人間である以上、いくら召還勇者でもポテンシャルが違い過ぎるわ。
いや、そもそも召還勇者って強いのか?
雑魚にしか、会ってないけど。
「まず……魔王になる条件だが! 魔王を倒すと魔王になる。ちなみにそこにいる比嘉も元勇者だ」
3人が同時に比嘉の方を見る。
そしてあからさまに胡散臭そうな顔をする。
「な……なんや! 俺も元勇者やで? 魔王倒したら、強制的に魔族にさせられて魔王になったけど」
「そ……そんな……」
ユウが絶望的な表情をしている。
あー、可愛いなユウちゃん……マイとは全然違うわ。
「何? 何か出してくれるの?」
マイの方を見ていたら目が合った。
そして出たセリフがこれ。
それも満面の笑みで、期待した表情。
でもこれはこれで可愛いから、とりあえずチョコレートパフェを出す。
「わーーーー、すごーい! こんなに大きなチョコレートパフェ見た事ない!」
夢中でチョコレートパフェに貪りつく。
まあ、ある意味欲望に忠実で可愛いわ。
「凄いですね……人間の味方になる気は無いのですか?」
「無いな……この世界の人間は汚過ぎる。そして聖教会を潰さない限り物理的にも不可能だ」
ユウの言う事も分かるし、元人間の魔王に期待するのも分かる。
だが、それを一番邪魔しているのはこの世界の人間であり、人間を操っている聖教会だ。
「だったら、どうするつもりなのですか?」
「どうするもこうするも、人間が攻めて来るから追い返しているだけだが?」
「でも、世界各地で魔族や魔物が暴れているじゃないですか」
俺の言葉にショウが食って掛かる。
「それは違うな……もともと魔物は自然に発生するもので動物となんら変わりない。それに魔族ももともと各地に居た連中だ! それを追い出そうとするからいざこざが起こるのでは無いのか?」
「そ……そんな事言ったて、人間に被害が!」
「人間に被害? それこそお門違いだ! 魔族にだって被害は出ているぞ? それに人種が違えば争いが起きるのはそれぞれの思想のせいだろ? 魔族のせいじゃない」
俺の言葉にショウが黙り込む。
「ですが……それならせめて関わりを持たないようにすることだって……」
「お前ら高校生だろ? だったら地球に置き換えて考えてみろよ? アメリカだって原住民を追い出して自分達の住む土地を確保したし、15世紀以降の植民地政策だって習っただろう? 元寇もあれば、朝鮮出兵だってある。人間てのはそういう生き物だ。お互いに関わり合わないようにしたいなら、人間どもが今の現状に満足して、色気をだすのを止めるのが先だろう」
タカシが何か言ってるが、そもそも争いの原因の大半は人間の排他的な考え方にある。
それすらも、聖教会の仕業だ。
「ちなみにだが……俺がもしその気になれば、先の10万人……」
そう言って俺はスプーンを口に入れてぐるぐる巻きにして取り出す。
「3秒で皆殺しに出来る」
「田宮か!」
音速でショウが突っ込んでくれた。
おー、若いのに良く知ってんな! って、映画化にアニメ化されたから当然か。
「これは冗談だが、冗談じゃない……俺の魔力は規格外だ。ここに居ながらこの世界の人間を俺一人で絶滅においやる事だって出来るんだぜ?」
俺の言葉にその場に居た全員が静まり返る。
「俺がまだ人間に期待しているし、諸悪の根源が聖教会だと思っているからやってないだけだけどな。教会を潰して変わらなければ……俺はどうするか分からない」
3人が顔を真っ青にして震えている。
「もし……ここで死んだら……本当に死んだ事になるのかな?」
「なるだろうな……魂はここにあるからな。もしかすると魂だけが日本に戻るかもしれないが、肉体ごと召喚されてたらお陀仏だな」
「そ……そんな……」
ユウちゃんが泣きそうになってる。
ちょっと脅かしすぎたかな?
「まあ勿論、こんな茶番を起こした連中を俺が許すわけないし、少なくとも同郷者を手に掛ける事はしない! それは約束するよ……それに元の世界に戻る手段も探すし、無理なら不自由なく暮らせるようにはしてやる」
「……ありがとうございます」
高校生には酷過ぎるだろ。
せめて、少しは救いがあれば良いが……取りあえず、もしもの時は俺が面倒見よう。
幸い色々な物を作り出すことはできるし。
「取りあえず今日はここに泊まって、ゆっくりどうするか考えろ」
「はい」
「えーーー、ここ私んち……」
「俺が作った家だ!」
マイに食料を大量に渡し、さらに3部屋程魔法で増設したあと比嘉を連れて魔王城に戻る。
「すいません、何も考えてませんでした」
「私も、魔王を倒したら皆が幸せになれると思ってすいません!」
「あー、良く分かんねーけど! 田中さんが優しい人だって事だけでも分かって良かったです」
3人が別れ際にこう言ってくれただけでも救われる。
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取りあえず、次の会議は侵攻会議だろうな……気が重い。
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10
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