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第4章:魔王クラタ誕生「魔王ですか?」「いいえ、会長みたいなもんです……」
第12話:一仕事終えて
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「いやあ、疲れたわ」
自分のダンジョンに戻って来て、取りあえず謁見の間的なところに移動する。
何故謁見の間的なところなのかって?
そりゃ、リアルに地球の平民の俺が謁見をする立場なんてすること無いからね。
そんな仰々しい部屋があっても、困る。
それ以前に、ダンジョンのボス達もほんの一部しか配下にしてないのに、謁見なんてねえ?
喋れるのは、ベルフェゴールのおっさんと、ベルゼバブさんとその配下の一部の蠅だけ。
アスモデウスの真形態は喋れるらしい。
牛と、山羊と爺の3頭の生き物らしい。
でも、爺が喋るのと同時に横からモーとメーって聞こえるとか。
「わしがアスモデウスじゃ!」
「モー!」
「メー!」
うん、やかましい。
もう、得るものも無いし暇なときに配下に加えとこう。
その前にヨルムンガルドだな。
出会い頭にぶっ殺してばっかりだから、殆ど面識が無い。
顔をみたら、顔を破壊してるから顔の記憶もおぼろげない。
なんか、ごめん。
てことで、この謁見の間的な部屋にあるもの。
テーブル。
コーナーソファ。
俺用のリクライニングチェア。
以上。
壁?
普通の白い壁紙だけど?
照明は白色灯。
空調はばっちし。
どうでも良いか。
で、ソファに居るのはカーミラたん。
ヘルはファングとヨルムンガルドに会いに行ってる。
「俺超頑張った! 滅茶苦茶頑張った!」
「なんじゃ、主殿」
カーミラをチラッと見る。
相変わらず、ドレスからチラリと見える足が美しい。
うん、枕にしたい。
「ちょっと、横になりたいかなー」
「なっ! やはり伽の相手をせよということか!」
違う!
いや、そうなったら嬉しいけど。
もうちょっと、段階を踏んでから。
できれば、お互い同意の上で。
ヘタレでごめん。
「いや、眠いって言ってるじゃん」
「そ……そうか、なら隣で休まれるが良い! ここは妾が留守をするゆえ」
そうじゃない。
その……あれだよ!
仮眠的なあれ!
「その、本格的に寝るあれじゃなくて、ちょっと横になる程度で良いんだけど」
「なんじゃ、寝顔が見られたくないのか。それならそう言えば良いじゃないか! 妾に出てけと言っておったのか。気にせずはっきり言えば良いのに」
そう言って立ち上がる。
だから、そうじゃねーんだよ!
あー、マジ伝わらねー。
「いや、ソファで寝たいんだけど……肘置きを枕にするのはちょっと……」
目の前に枕が現れる。
セーブポイントこの野郎!
「これで、解決じゃのう!」
「いやいや、この部屋で枕使って寝るとか誰か来たらみっともないし」
「主はほんに我儘じゃのう。もっと怖い人かと思うておったが、案外可愛いではないか」
カーミラに微笑みかけられる。
うわっ、癒される!
めっちゃ回復した気が……だあ!
そうか、俺が悪いのか。
よしっ、女性耐性全力で発動させよう。
「そうか? じゃあ、もう少し可愛がってもらおうかな? ちょっと、失礼」
「ななななな! 急に何を!」
俺はカーミラの横に移動すると、その膝に頭を乗せる。
そして、ジッとカーミラの顔を見つめる。
「これなら、誰か来ても取りあえず俺をすぐに起こして、カーミラが扉まで出迎えに行けばいい。その間に髪くらい整えられるしな」
「はあ……、これは恥ずかしいものじゃな。まさか、妾がひっ、ひざっ、膝枕なんぞする日が来ようとは」
カーミラたん顔真っ赤。
うん、このままジッと見つめて居たいけど、寝心地良くて瞼が……
――――――
「ただいまー!」
「ワウーン!」
「シッ!」
眠りについてすぐに、ノックしない連中が入ってきた。
カーミラが、静かにするように促してる。
「あっ! カーミラちゃんズルい!」
「ワンワン!」
二人が抗議するのが聞こえる。
うん、起きそびれた。
もう少し寝たふりをしてよう。
「いましがた寝たところじゃから、もう少しゆっくりさせてやってくれぬか? 何やら疲れておられる様子じゃし」
カーミラたんマジ天使。
さっきまで、あんなに恥ずかしがってたとは思えない。
「こうしてみると、童のようで可愛いもんじゃ。これが、ブラムス様を簡単に降した御仁とは思えぬ」
「うんうん、ヨシキって可愛い顔してるようね」
「ワンワン!」
うわあ。
これは、恥ずかしい。
本人が聞いてないところで、褒められるのって結構こそばゆい。
「それにしても、このような柔らかな頬をしてどこにあのような力が」
頬っぺたツンツンされた。
もう無理。
「うーん……」
演技下手か俺は。
取りあえず、顔を顰めて目を開ける。
「起こしてしもうたか。疲れておるのにすまぬのう」
「いや、少し楽になった。有難う!」
「起きたー!」
「アウーン!」
起き上がってカーミラに礼を言うと、ヘルとファングが飛びついてきた。
そうだな……ダンジョンがどうなろうが、この世界がどうなろうが割と興味無かったが、こいつら居なくなるのは嫌だな。
取りあえず、俺が出会った連中だけでも笑って暮らせるようにするってのを目標にするか。
ようやく、一つの目標が出来たのを感じて思わず3人を抱き寄せる。
「なんじゃ急に!」
「うふふ! どうしたの旦那様!」
「ワンワン」
二人と一匹がこっちを不思議そうに見上げる。
カーミラは恥ずかしそうに。
ヘルははにかんで。
ファングは嬉しそうに。
「皆、これからも宜しくな! あっ、あとセーブポイントも」
『当然です』
セーブポイントも少し嬉しそうにフヨフヨと揺れていた。
自分のダンジョンに戻って来て、取りあえず謁見の間的なところに移動する。
何故謁見の間的なところなのかって?
そりゃ、リアルに地球の平民の俺が謁見をする立場なんてすること無いからね。
そんな仰々しい部屋があっても、困る。
それ以前に、ダンジョンのボス達もほんの一部しか配下にしてないのに、謁見なんてねえ?
喋れるのは、ベルフェゴールのおっさんと、ベルゼバブさんとその配下の一部の蠅だけ。
アスモデウスの真形態は喋れるらしい。
牛と、山羊と爺の3頭の生き物らしい。
でも、爺が喋るのと同時に横からモーとメーって聞こえるとか。
「わしがアスモデウスじゃ!」
「モー!」
「メー!」
うん、やかましい。
もう、得るものも無いし暇なときに配下に加えとこう。
その前にヨルムンガルドだな。
出会い頭にぶっ殺してばっかりだから、殆ど面識が無い。
顔をみたら、顔を破壊してるから顔の記憶もおぼろげない。
なんか、ごめん。
てことで、この謁見の間的な部屋にあるもの。
テーブル。
コーナーソファ。
俺用のリクライニングチェア。
以上。
壁?
普通の白い壁紙だけど?
照明は白色灯。
空調はばっちし。
どうでも良いか。
で、ソファに居るのはカーミラたん。
ヘルはファングとヨルムンガルドに会いに行ってる。
「俺超頑張った! 滅茶苦茶頑張った!」
「なんじゃ、主殿」
カーミラをチラッと見る。
相変わらず、ドレスからチラリと見える足が美しい。
うん、枕にしたい。
「ちょっと、横になりたいかなー」
「なっ! やはり伽の相手をせよということか!」
違う!
いや、そうなったら嬉しいけど。
もうちょっと、段階を踏んでから。
できれば、お互い同意の上で。
ヘタレでごめん。
「いや、眠いって言ってるじゃん」
「そ……そうか、なら隣で休まれるが良い! ここは妾が留守をするゆえ」
そうじゃない。
その……あれだよ!
仮眠的なあれ!
「その、本格的に寝るあれじゃなくて、ちょっと横になる程度で良いんだけど」
「なんじゃ、寝顔が見られたくないのか。それならそう言えば良いじゃないか! 妾に出てけと言っておったのか。気にせずはっきり言えば良いのに」
そう言って立ち上がる。
だから、そうじゃねーんだよ!
あー、マジ伝わらねー。
「いや、ソファで寝たいんだけど……肘置きを枕にするのはちょっと……」
目の前に枕が現れる。
セーブポイントこの野郎!
「これで、解決じゃのう!」
「いやいや、この部屋で枕使って寝るとか誰か来たらみっともないし」
「主はほんに我儘じゃのう。もっと怖い人かと思うておったが、案外可愛いではないか」
カーミラに微笑みかけられる。
うわっ、癒される!
めっちゃ回復した気が……だあ!
そうか、俺が悪いのか。
よしっ、女性耐性全力で発動させよう。
「そうか? じゃあ、もう少し可愛がってもらおうかな? ちょっと、失礼」
「ななななな! 急に何を!」
俺はカーミラの横に移動すると、その膝に頭を乗せる。
そして、ジッとカーミラの顔を見つめる。
「これなら、誰か来ても取りあえず俺をすぐに起こして、カーミラが扉まで出迎えに行けばいい。その間に髪くらい整えられるしな」
「はあ……、これは恥ずかしいものじゃな。まさか、妾がひっ、ひざっ、膝枕なんぞする日が来ようとは」
カーミラたん顔真っ赤。
うん、このままジッと見つめて居たいけど、寝心地良くて瞼が……
――――――
「ただいまー!」
「ワウーン!」
「シッ!」
眠りについてすぐに、ノックしない連中が入ってきた。
カーミラが、静かにするように促してる。
「あっ! カーミラちゃんズルい!」
「ワンワン!」
二人が抗議するのが聞こえる。
うん、起きそびれた。
もう少し寝たふりをしてよう。
「いましがた寝たところじゃから、もう少しゆっくりさせてやってくれぬか? 何やら疲れておられる様子じゃし」
カーミラたんマジ天使。
さっきまで、あんなに恥ずかしがってたとは思えない。
「こうしてみると、童のようで可愛いもんじゃ。これが、ブラムス様を簡単に降した御仁とは思えぬ」
「うんうん、ヨシキって可愛い顔してるようね」
「ワンワン!」
うわあ。
これは、恥ずかしい。
本人が聞いてないところで、褒められるのって結構こそばゆい。
「それにしても、このような柔らかな頬をしてどこにあのような力が」
頬っぺたツンツンされた。
もう無理。
「うーん……」
演技下手か俺は。
取りあえず、顔を顰めて目を開ける。
「起こしてしもうたか。疲れておるのにすまぬのう」
「いや、少し楽になった。有難う!」
「起きたー!」
「アウーン!」
起き上がってカーミラに礼を言うと、ヘルとファングが飛びついてきた。
そうだな……ダンジョンがどうなろうが、この世界がどうなろうが割と興味無かったが、こいつら居なくなるのは嫌だな。
取りあえず、俺が出会った連中だけでも笑って暮らせるようにするってのを目標にするか。
ようやく、一つの目標が出来たのを感じて思わず3人を抱き寄せる。
「なんじゃ急に!」
「うふふ! どうしたの旦那様!」
「ワンワン」
二人と一匹がこっちを不思議そうに見上げる。
カーミラは恥ずかしそうに。
ヘルははにかんで。
ファングは嬉しそうに。
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