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へたまろ

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第3章:ダンジョンリフォームと初めての突撃お宅訪問!

第8話:ダークナイトとの死闘

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 63回目の挑戦。
 ようやく、魂の総量が大分上がった。
 あと、魂吸収無効レベル1がようやくさっき付いた。
 結構斬られたけどな。
 もう、こいつは用済みだ。
 いや、確認しとこう。

「なっ! 俺の【ソウルイーター魂喰い】を素手で受け止めただと?」
「なんだ? 自慢の攻撃だったのか?」

 片手で黒い甲冑男の剣を受け止めると、そのまま弾くように押し返す。

「なかなか面白い攻撃だな? 俺の名前はヨシキ・クラタってんだ。知ってると思うが、すぐそこのダンジョンマスターだよ。なあ? お前、名はなんていうんだ?」
「ほう、難なく攻撃を受け止めた相手の名前を聞いてくれるのか? 認めてくれたって事と思って良いのかな? 俺はブラムス様の四天王の1人、ダークナイトだ!」

 見たまんまじゃねーか!
 それ以前に、それ名前じゃ無くね?
 種族名とか、役職名じゃないの?
 もしくは、名前がダークナイトだからそんな恰好させられてるのかな?

「ダークナイトか、覚えておこう。本気で来い! 受けてやる」
「ふんっ、嘗めやがって。つっても、さっきの一撃を素手で受けられたら認めるしかないな」

 ダークナイトの鎧から、邪気を感じる。
 いや、地球じゃ感じたことの無い嫌な気配というか、たぶんこれが邪気なんだろうなって気配。
 というか、気配探知的なものも鋭くなってるからな。

「すまんな……ダークナイトと名乗っておいてあれなんだが、実は魔法職でな? イビルプリーストなんだわ俺」
「ほう、魔法職で先の斬撃か? 本当に優秀みたいだな」

 なんか、ロールプレイ楽しくなってきた。
 というか、俺以外みんなそんな感じだから、もう今更だよね?
 楽しむなら、とことん楽しまないと。

『先ほどのは邪気ではなく、聖気オーラです』

 ……楽しむなら、とことん楽しまないと。

『さきほどのは邪気ではなく……』

 水を差してくるな。

「ははは……はぁ……」

 思わず照れ隠しに笑ってしまったが、石相手に照れる必要も無かったか。

「ふふっ、ここで笑うか……ただの傲りじゃなければいいな! くらえ! 【スリーピーホロウ生死反転】!」

 いや、ダークナイトさんに向けて笑ったわけじゃないんだけどね?

「ふむ……悪いな。そんなんじゃ死んでやれないな?」

 そしてダークナイトの攻撃を、体が勝手にレジストしたのが分かる。
 どうやら、ワイトキングのサドンデスの強化版らしい。
 だが、無効レベルが6を超えてる以上、60%の確立でレジスト出来るからな。
 黒いオーラのようなものが俺の身体に纏わりついてきたが、身体が一瞬光ったかと思うと一気に霧散する。
 素晴らしい。
 この全能感、凄く楽しい。

『考えてることは残念ですが、なかなかカッコいいですよ』

 そうだろう、そうだろう。
 俺も客観的に見て、そう思ってるところだ。

「くっ……そう簡単に防げるようなもんじゃないんだけどな。マスターってのは皆そんなに強いのか?」
「安心しろ……俺が、特別なんだ」

 嘘だ。
 死に返った回数考えると、かなり頑張ったからな。
 何十年、何百年とやってる中堅マスターよりは、よっぽど努力してここまで強くなっただけだから。
 チートじゃないから。
 努力だから。
 そこんとこ、間違えないでね。
 バラさないけど。

「もうお終いか? 全てを出し切ったなら、そろそろ消えて貰うが」
「フフフ、有難うな。ここまで受けきってくれて! お陰で準備は整った!」

 おお!
 どうやら、まだまだ攻撃手段がありそうだ。

「さっきの【スリーピーホロウ生死反転】な……範囲内の死者も一定時間反転させる魔法なんだ」
「ほう?」
「だから、今の俺は生きてる状態ってわけだ」
「殺しやすくなったようにしか聞こえんがな?」

 オラ、ワクワクしてきたぞ!
 もったいぶってないで、とっとと撃って来てほしい。

「正真正銘、これが俺の最強の魔法だ! 喰らえ!【ジャッジメント正義の鉄槌】!」
「なっ! 聖属性!」

 まさか、アンデッドのうじゃうじゃいるダンジョンで聖属性魔法を受ける事になるとは。
 高熱の光で包まれた俺の身体が、ボロボロと崩れていく。

「魔族様には耐えられないだろう?」
「ああ、よくやった……褒めてやろう」

 そして、見慣れた景色に転移する。
 ああ、知らない……しつこいと言われそうだから、やめとこう。
 それにしても笑いが堪えきれない。
 まさか、アンデッドの巣窟で聖属性の耐性が得られることになろうとはな。

――――――
 さらに、それから250回目。
 流石上級攻撃、無効化を覚えるまでかなり回数が掛かった。
 というか、一発撃って俺が耐えたら、ダークナイトのやつすぐ挫けるから困った。
 取りあえず倒してから、猛毒で死んでたけど猛毒無効がレベル3になった。
 無駄にラックを上げる装備してるせいで、たまに致死量の4倍から5倍の毒を飲む羽目になってげっぷが毒の息になった時もあった。
 とはいえ取りあえず聖属性も耐性10、無効1になったから良いだろう。
 なので最初に奥義を使わせた、やり取りを丁寧になぞる。

「正真正銘、これが俺の最強の魔法だ! 喰らえ! 【ジャッジメント正義の鉄槌】!」
「ぐああああああ!」

 ジャッジメントの光に包まれて、苦しむふりをする。

「ふう……ダンジョンマスターってのは、化物だな」

 ようやく倒したと思ったのだろう。
 ダークナイトが溜息を吐いて、周囲の魔力を取り払おうとする。
 おそらくスリーピーホロウの効果を取り除くためだろう。
 だが、それよりも早く奴の腹を手刀で貫く。

「グッ!」
「なんてな?」

 こちらを見てよろよろと後ずさるダークナイト。
 俺は素早く手を抜くと、手に付いた血糊を一気に振り払う。

「生者には辛いだろう? 人間ってのは痛がりだからな?」
「なっ、なん……で」
「ハッハッハッハ! なんでだと? 言っただろう?」

 顔を掴んで、目の前に引き寄せるとヘルムの向こうの目が驚愕に見開かれているのが分かる。

「悪いな……俺は特別なんだ!」

 そのままダークナイトを投げ捨てる。

「お前強かったよ……さっきまではな」

 そう言って後ろを見ずに部屋を後にする。
 やべっ、これ結構決まった気がする。
 取りあえず、ノッてきた。

――――――
レベル:812 → 922
名前:ヨシキ・クラタ
スキル
猛毒無効レベル:3
即死無効レベル:6
聖属性無効レベル:1

ステータス
STR:SS+ ← UP
VIT:AAA ← UP
AGI:SSS ← UP
DEX:A+ ← UP
INT:B- ← UP
MND:X ← UP
LUK:D ← UP

総合評価:SSランク生命体 ← UP
 


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