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第二章:ダンジョンマスターと魔物と人とチーター
第3話:好感度は充分です
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「ヨシキはああいうのが好みなのか?」
「ん? まあ、男だったら誰でも憧れそうなもんだけどな」
ミランがこっちを見上げて聞いてくるから、正直に答える。
口調は博士モードのままだ。
本当にちっこいなー。
白衣を着てるとはいえ、まさにゲームにいそうな合法ロリ女博士だ。
くりくりとした目で眠そうなのも、その筋の方々からはポイント高そうだ。
残念ながら、俺はその筋の人ではないけど。
色々なキャラを作っておかないと、需要は無限にあるしな。
ニッチな需要を満たすには、現実には存在しないであろう人物像も各種取り揃えないといけないのだろう。
ヒロインは、ユーザーのモチベーションに直結するからね。
オハローが好きな人と、嫌いな人がいるように。
どっちにしろ、可愛いらしいからいいけどさ。
ちなみに俺は基本スレンダーな女性が好みだけど、実はポチャポチャした子も好みだったりする。
顔つきによってはふくよかな女性でも大丈夫。
太っても可愛いとかじゃなくて、笑顔が可愛らしく包容力のある感じの顔つきなら、逆にそういった体形の方が好きだったりする。
そういう相手だとあまり欲情もしないし、かえって良好な関係が築ける気がするし。
こうしてみると、俺は女性ならなんでもウェルカムっぽいが実はそうでもない。
そうだミラン! お前は駄目だ。
見た目が幼く見えるからな。
子供っぽい見た目の女性は、完全に恋愛対象外だったりする。
どっちかっていうと、年上の方が好きかもしれない。
そんな事言ってられない年齢に近付いて来てるが。
そのミランと何故か手を繋いで歩いているが正直背も低いし体形も幼児体形だから、子供と歩いているような感覚でしかない。
さっきからセーブポイントがメッチャ警告してくるけど、取りあえず放置しておく。
「お疲れさまでした」
「おっ、待ってたぞ」
「うむ、問題無かったようだな」
屋敷の門まで二人で歩いて行くと、何故か火の誓いの面々が居た。
ジェシカとオーウェンとロンが出迎えてくれたが、ジェウォンはちょっと難しい顔をしていた。
うん、なんで待ってるんだこいつら?
と思ったけど、横のミランが彼等を見て溜息を吐いていた。
「博士と一緒に行かないと、依頼達成の証明が貰えないからさ」
「ああ、そういう事」
別に俺を待ってた訳じゃないらしい。
理由を聞いて納得。
それなら分かるわ。
「取りあえず、ヨシキさんも冒険者登録するんですよね?身分証がいるでしょうし」
「それなら、もう貰ってあるぞ。ほらっ」
ジェウォンの言葉に頷きかけたが、ミランが横から口を挟んでくる。
その手には、真新しい身分証明書が握られていた。
発行者はメイベル・フォン・レガードになっている。
なんと、領主様直々に発行してくれたらしい。
素直に感謝だな。
だが、何故俺じゃなくてミランに渡す。
「メイベルって偉いのか? まあ、領主さまだから偉いんだろうけど」
「ああ、名前を聞いて分かったと思うが由緒正しき貴族様だよ? 爵位は子爵だから、そこそこ裁量権も持ってるし」
あっ、ミランの口調が戻った。
見た目が幼いから、博士モードも嫌いじゃないんだけどな。
と言ったら調子乗りそうなので黙っとこう。
それと名前を聞いても分からなかったけど?
「ふーん」
「あまり、興味無さそうだね」
まあ、貴族とそこまで宜しくするつもりないしね。
どっちかって言うと、下々の冒険者達と仲良くしたいし。
手堅く英雄になれるくらいに、俺強いと思うし……NPC基準だと。
折角自由な世界に来たんだから、自由を満喫しないと。
領主の館は街の中心にあって、ここからならどこに行くにも大して時間は掛からないらしい。
門は北と南にあって、領主邸から北側が公共区、東側が工業区、南側が商業区、西側が居住区と呼ばれているらしい。
公共区とは、まあ役所や教会、鍛冶ギルドや冒険者ギルド、商業ギルド等のギルド関連が立ち並んでいるらしい。
工業区は鍛冶ギルド等は火の温度を見るために夜もやっているところもあるらしく、また結構な騒音が鳴り響く事もあるので居住区と離してあるらしい。
工場区で働く人にとっては、若干通勤が面倒くさいかもしれないが、買い物や手続き等を考えるとこの配置が効率的との事だった。
ちなみにこの街の特産品は豊富な森の資源と、鍛冶師達による金属製品らしい。
農家も居るが、もっぱら外部に頼っているところが大きいと言っていた。
森が近い為、害獣が多いとの事。
なるほど。
是非一度じっくりと見てみたいところだが、ある程度以上の品がボーナスポイントでゲット出来るので不要のような気がする。
とはいえ、消耗品に関してはポイント消費よりも現金で買った方が良いかな?
幸い、現金は山ほどあるし。
聞けば、ダンジョーンが俺と一緒に転移させた分がかなりあるらしい。
『経費以外は出しませんよ? ダンジョン運営を頑張ったらお小遣いあげます』
まさかのとんだブラック企業だった。
実質無償で働けと?
セーブポイントが全部回収したらしい。
壊したら、色んな物が雪崩のように出て来て身動きとれなくなりそう。
死に行くものには6文銭あれば十分だろう。
慰謝料代わりと思って有難く使わせてもらいたいところだが、金庫番がなかなかに手強い。
本当ならこのまま観光をして回りたいところだが、空がほんのり赤くなっている。
夕方だからか、俺達みたいに北に向かって歩いている人より、西や南に向かって歩いている方が多い。
服装は一般人といったものから、冒険者っぽいもの、あとは作業員っぽい人達が多い。
みんな帰宅する時間のようだ。
殆どの職場が優良っぽい。
だって、日が沈む前に帰れるんだもん。
俺は日をが沈むどころか、日を跨ぐ前に帰れる事の方が少なかったけど。
あれ? だんだんゲームの世界に骨を埋めても良いかもと思い始めてる自分が居る。
とはいえ、うちの職場はブラックだが。
現実社会の職場は……上役は口を揃えてグレイでブラックではないと言っていた。
ふふ……グレイなんて存在しないと思うんだ。
サビ残が少なくて、交代勤務で休みが変則なうえに夜勤、休み、日勤って、普通の職場の休日と比べて3分の2くらいの時間しかないんだけど?
こっちのが、楽な気がしてきた。
ある意味、フレキシブルともいえるし。
取り急ぎ冒険者ギルドに報告に行くために、俺達は北に向かっているが。
そこで一通りの手続きを終えたら、また領主邸に戻って晩餐会らしい。
招待されているのは、俺とミランだけど。
「聞いてますか?」
「ん? 聞いてなかった」
ボーっと景色を眺めながら歩いていると、ジェシカが話しかけて来ていたようだ。
「あの、もし予定が無ければ明日は私達と一緒に行動しませんか?」
「なんで?」
どうやら、なんらかしらのお誘いを受けていたようだ。
だが残念、私と一緒に行動しませんか? だったら二つ返事でOK出すけど、私達と一緒ならちょっと考えさせてもらおう。
どうせ、俺を当てにした高難易度クエストに挑むつもりだろう。
この辺はお約束だな。
好感度アップイベントのようだけど、得てして終盤に出会ったキャラの方がスペックが優れてる事が多いからな。
ある程度の好感度は必要かもしれないが、すでにオーウェンとジェシカの好感度はボーダーを越えてると思うし。
多少は、こちらの融通を利かせてくれるだろう。
なので、人材発掘も兼ねて明日は街をゆっくりと見て回りたいところなんだけど?
というのは建前で、どう考えてもジェシカの後ろで目を輝かせて祈るようにこっちを見ているオーウェンルートが発展しそうなので、御免被りたいのが本音だったりする。
自由度の高いゲームってのは、確かに長時間遊べるかもしれないが節度は大事だと思う。
流石にホモや百合は、除外して良いんじゃ無いかな?
「ん? まあ、男だったら誰でも憧れそうなもんだけどな」
ミランがこっちを見上げて聞いてくるから、正直に答える。
口調は博士モードのままだ。
本当にちっこいなー。
白衣を着てるとはいえ、まさにゲームにいそうな合法ロリ女博士だ。
くりくりとした目で眠そうなのも、その筋の方々からはポイント高そうだ。
残念ながら、俺はその筋の人ではないけど。
色々なキャラを作っておかないと、需要は無限にあるしな。
ニッチな需要を満たすには、現実には存在しないであろう人物像も各種取り揃えないといけないのだろう。
ヒロインは、ユーザーのモチベーションに直結するからね。
オハローが好きな人と、嫌いな人がいるように。
どっちにしろ、可愛いらしいからいいけどさ。
ちなみに俺は基本スレンダーな女性が好みだけど、実はポチャポチャした子も好みだったりする。
顔つきによってはふくよかな女性でも大丈夫。
太っても可愛いとかじゃなくて、笑顔が可愛らしく包容力のある感じの顔つきなら、逆にそういった体形の方が好きだったりする。
そういう相手だとあまり欲情もしないし、かえって良好な関係が築ける気がするし。
こうしてみると、俺は女性ならなんでもウェルカムっぽいが実はそうでもない。
そうだミラン! お前は駄目だ。
見た目が幼く見えるからな。
子供っぽい見た目の女性は、完全に恋愛対象外だったりする。
どっちかっていうと、年上の方が好きかもしれない。
そんな事言ってられない年齢に近付いて来てるが。
そのミランと何故か手を繋いで歩いているが正直背も低いし体形も幼児体形だから、子供と歩いているような感覚でしかない。
さっきからセーブポイントがメッチャ警告してくるけど、取りあえず放置しておく。
「お疲れさまでした」
「おっ、待ってたぞ」
「うむ、問題無かったようだな」
屋敷の門まで二人で歩いて行くと、何故か火の誓いの面々が居た。
ジェシカとオーウェンとロンが出迎えてくれたが、ジェウォンはちょっと難しい顔をしていた。
うん、なんで待ってるんだこいつら?
と思ったけど、横のミランが彼等を見て溜息を吐いていた。
「博士と一緒に行かないと、依頼達成の証明が貰えないからさ」
「ああ、そういう事」
別に俺を待ってた訳じゃないらしい。
理由を聞いて納得。
それなら分かるわ。
「取りあえず、ヨシキさんも冒険者登録するんですよね?身分証がいるでしょうし」
「それなら、もう貰ってあるぞ。ほらっ」
ジェウォンの言葉に頷きかけたが、ミランが横から口を挟んでくる。
その手には、真新しい身分証明書が握られていた。
発行者はメイベル・フォン・レガードになっている。
なんと、領主様直々に発行してくれたらしい。
素直に感謝だな。
だが、何故俺じゃなくてミランに渡す。
「メイベルって偉いのか? まあ、領主さまだから偉いんだろうけど」
「ああ、名前を聞いて分かったと思うが由緒正しき貴族様だよ? 爵位は子爵だから、そこそこ裁量権も持ってるし」
あっ、ミランの口調が戻った。
見た目が幼いから、博士モードも嫌いじゃないんだけどな。
と言ったら調子乗りそうなので黙っとこう。
それと名前を聞いても分からなかったけど?
「ふーん」
「あまり、興味無さそうだね」
まあ、貴族とそこまで宜しくするつもりないしね。
どっちかって言うと、下々の冒険者達と仲良くしたいし。
手堅く英雄になれるくらいに、俺強いと思うし……NPC基準だと。
折角自由な世界に来たんだから、自由を満喫しないと。
領主の館は街の中心にあって、ここからならどこに行くにも大して時間は掛からないらしい。
門は北と南にあって、領主邸から北側が公共区、東側が工業区、南側が商業区、西側が居住区と呼ばれているらしい。
公共区とは、まあ役所や教会、鍛冶ギルドや冒険者ギルド、商業ギルド等のギルド関連が立ち並んでいるらしい。
工業区は鍛冶ギルド等は火の温度を見るために夜もやっているところもあるらしく、また結構な騒音が鳴り響く事もあるので居住区と離してあるらしい。
工場区で働く人にとっては、若干通勤が面倒くさいかもしれないが、買い物や手続き等を考えるとこの配置が効率的との事だった。
ちなみにこの街の特産品は豊富な森の資源と、鍛冶師達による金属製品らしい。
農家も居るが、もっぱら外部に頼っているところが大きいと言っていた。
森が近い為、害獣が多いとの事。
なるほど。
是非一度じっくりと見てみたいところだが、ある程度以上の品がボーナスポイントでゲット出来るので不要のような気がする。
とはいえ、消耗品に関してはポイント消費よりも現金で買った方が良いかな?
幸い、現金は山ほどあるし。
聞けば、ダンジョーンが俺と一緒に転移させた分がかなりあるらしい。
『経費以外は出しませんよ? ダンジョン運営を頑張ったらお小遣いあげます』
まさかのとんだブラック企業だった。
実質無償で働けと?
セーブポイントが全部回収したらしい。
壊したら、色んな物が雪崩のように出て来て身動きとれなくなりそう。
死に行くものには6文銭あれば十分だろう。
慰謝料代わりと思って有難く使わせてもらいたいところだが、金庫番がなかなかに手強い。
本当ならこのまま観光をして回りたいところだが、空がほんのり赤くなっている。
夕方だからか、俺達みたいに北に向かって歩いている人より、西や南に向かって歩いている方が多い。
服装は一般人といったものから、冒険者っぽいもの、あとは作業員っぽい人達が多い。
みんな帰宅する時間のようだ。
殆どの職場が優良っぽい。
だって、日が沈む前に帰れるんだもん。
俺は日をが沈むどころか、日を跨ぐ前に帰れる事の方が少なかったけど。
あれ? だんだんゲームの世界に骨を埋めても良いかもと思い始めてる自分が居る。
とはいえ、うちの職場はブラックだが。
現実社会の職場は……上役は口を揃えてグレイでブラックではないと言っていた。
ふふ……グレイなんて存在しないと思うんだ。
サビ残が少なくて、交代勤務で休みが変則なうえに夜勤、休み、日勤って、普通の職場の休日と比べて3分の2くらいの時間しかないんだけど?
こっちのが、楽な気がしてきた。
ある意味、フレキシブルともいえるし。
取り急ぎ冒険者ギルドに報告に行くために、俺達は北に向かっているが。
そこで一通りの手続きを終えたら、また領主邸に戻って晩餐会らしい。
招待されているのは、俺とミランだけど。
「聞いてますか?」
「ん? 聞いてなかった」
ボーっと景色を眺めながら歩いていると、ジェシカが話しかけて来ていたようだ。
「あの、もし予定が無ければ明日は私達と一緒に行動しませんか?」
「なんで?」
どうやら、なんらかしらのお誘いを受けていたようだ。
だが残念、私と一緒に行動しませんか? だったら二つ返事でOK出すけど、私達と一緒ならちょっと考えさせてもらおう。
どうせ、俺を当てにした高難易度クエストに挑むつもりだろう。
この辺はお約束だな。
好感度アップイベントのようだけど、得てして終盤に出会ったキャラの方がスペックが優れてる事が多いからな。
ある程度の好感度は必要かもしれないが、すでにオーウェンとジェシカの好感度はボーダーを越えてると思うし。
多少は、こちらの融通を利かせてくれるだろう。
なので、人材発掘も兼ねて明日は街をゆっくりと見て回りたいところなんだけど?
というのは建前で、どう考えてもジェシカの後ろで目を輝かせて祈るようにこっちを見ているオーウェンルートが発展しそうなので、御免被りたいのが本音だったりする。
自由度の高いゲームってのは、確かに長時間遊べるかもしれないが節度は大事だと思う。
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