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第一章:チュートリアル
第9話:狼と実験1
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狼が仲間になったのは良いが、取り敢えず名前くらい付けてあげないと可哀想かな?
「よしっ! 今から、お前はファングだ!」
「クーン!」
俺が名前を付けた瞬間に、狼……もといファングが俺の額に鼻を寄せる。
そして、何やら光を放ったように感じる。
もしかして、ありがちな名前を付けるとネームドモンスターになって強くなるって奴か?
「ああ、念のためにも一回セーブしとくか」
「ワンッ!」
狼ってワンって吠えるんだっけ?
まあいいか。
『HP/MP/状態異常が全回復しました。セーブしますか?』
セーブポイントに触れて、お決まりのセリフを聞いた後に取りあえずセーブしとく。
じゃあ、ファングで色々と実験しないとな!
「取りあえずお前賢そうだけど、俺の言う事分かる?」
「ワンッ!」
うん、分かってんだか分かってないんだかって感じだな。
「じゃあ、はいはワンッ! いいえはワンワンッな?」
「ワンッ!」
分かってるのか?
目の前で座って、尻尾をフリフリするファング。
可愛いので、取りあえず頭を撫でておく。
目を細めるあたり、気持ち良いと思ってくれてるのかな?
「お手!」
「ワンワンッ!」
おいっ!
お手しろよ!
いきなり否定か?
いや、たまたまかもしれないし、お手を知らないのかもしれない。
「お手って分かるか?」
「ワンワンッ!」
分からないって事か?
これで、ワンッて言われたらどうしようかと思ったわ。
「俺が手を出したら、ここにお前の手を乗せる!これがお手だ!」
「ワンッ!」
ファングが一声吠えて、俺の手に手を重ねる。
肉球が気持ちいい。
「マジか……」
だが、どうやら分かってるような気がする。
いや、ちょっと待て。
ワンッと、ワンワンッにした俺が悪かったのかもしれない。
「よしっ、じゃあはいは首を縦に振る。いいえは首を横に振る。いいか?」
「ワンッ!」
ファングがそう言って首を縦に振る。
マジか、こいつ!
俺の言葉が分かってるのか?
「よしっ! じゃあ、俺がお座りって言ったら座るんだぞ?」
「ワンッ!」
ファングが首を縦に振る。
うん、ちょっと楽しくなってきた。
たぶん、NPCだろうが意志の疎通が図れるかどうかで、全然今後が変わってくるからな。
もしかしたら、これもチュートリアルの一環かもしれない。
ここを終えたら消えるかもしれないし、最後まで色々と手伝ってくれるサポートキャラかもしれないが気が紛れるのは嬉しい。
「お座り!」
「ウウ……」
すでに座った状態のファングが少し困った表情を浮かべる。
すまん、これは俺が悪かった。
「ワンッ!」
だが、ファングはすぐに立ち上がってまた座り込む。
おおっ! こいつ頭いいぞ!
座った状態で座れと言った俺は頭が悪かったかもしれないが、俺の命令の意図を理解してくれたようだ。
そうだよ、言ってることが分かるか知りたかったからファングの行動は正解だ!
これで、ほぼほぼ意志疎通が出来ると確信出来た。
問題は、こっちの意思は伝えられても相手の意思は伝わってこないって事だ。
いや、予想なら出来るが確実ではない。
でも、命令を聞いてくれるなら十分かな。
「取りあえず、探索をしよう! この場所を調べるのと出口に向かおう!」
「ワンッ!」
俺の言葉にファングが頷いて立ち上がる。
やる気まんまんって顔してて可愛い。
出会った当初はメチャクチャ怖かったけどな。
――――――
ファングと出会った部屋に向かうと、案の定何も居なかった。
まあ、ここの主は横に居る訳だし当然か。
そしてここに来るまでに分かったが、どうやらファング相手には罠は発動しないようだ。
罠無効のレベルが高いのか、はたまはたダンジョンの住人には発動しないのか分からないが。
ああ、聞けば良いのか……
「なあ、ファングって罠無効のスキル持ってるのか? それともここの罠はお前には発動しないのか?」
「ワンッ! ……ワンッ!」
一度首を縦に振って、少し間を置いてまた縦に振ったってことは両方って事か?
じゃあ、コイツの事は気にせずにサクサク進めるって訳だな。
うん、助かる。
というか、本当にこいつは頭が良いな。
「クゥーン!」
「おお、偉いぞ!」
罠無効のスキルを持ってる事を褒めてもらいたいのか、甘えるような声で頭を差し出してきたので撫でてやる。
愛い奴め。
という事で、ファングを連れてさらに奥に進むことにしよう。
というかさ、そろそろ説明キャラが出てきても良いころじゃなかろうか?
まあいっか!
ファング可愛いし。
バーチャルとはいえ、ペットが飼えるのは良い事だ。
しかも現実と違って死んだりしそうにないし。
いや、もしかしたらリアルに老衰とかあったりして。
ああ、そしたらペットロスまっしぐらだな……だって、賢くて可愛いんだもん!
はっ! もんってなんだ?
思わずデレデレになってしまった。
「クーン?」
どうしたのって感じで、こっちを見上げて首を傾げるファング可愛いよ~。
――――――
レベル:135
名前:ヨシキ・クラタ
スキル
中級スキル
飢餓無効レベル:2←NEW
酸無効レベル:7←NEW
「よしっ! 今から、お前はファングだ!」
「クーン!」
俺が名前を付けた瞬間に、狼……もといファングが俺の額に鼻を寄せる。
そして、何やら光を放ったように感じる。
もしかして、ありがちな名前を付けるとネームドモンスターになって強くなるって奴か?
「ああ、念のためにも一回セーブしとくか」
「ワンッ!」
狼ってワンって吠えるんだっけ?
まあいいか。
『HP/MP/状態異常が全回復しました。セーブしますか?』
セーブポイントに触れて、お決まりのセリフを聞いた後に取りあえずセーブしとく。
じゃあ、ファングで色々と実験しないとな!
「取りあえずお前賢そうだけど、俺の言う事分かる?」
「ワンッ!」
うん、分かってんだか分かってないんだかって感じだな。
「じゃあ、はいはワンッ! いいえはワンワンッな?」
「ワンッ!」
分かってるのか?
目の前で座って、尻尾をフリフリするファング。
可愛いので、取りあえず頭を撫でておく。
目を細めるあたり、気持ち良いと思ってくれてるのかな?
「お手!」
「ワンワンッ!」
おいっ!
お手しろよ!
いきなり否定か?
いや、たまたまかもしれないし、お手を知らないのかもしれない。
「お手って分かるか?」
「ワンワンッ!」
分からないって事か?
これで、ワンッて言われたらどうしようかと思ったわ。
「俺が手を出したら、ここにお前の手を乗せる!これがお手だ!」
「ワンッ!」
ファングが一声吠えて、俺の手に手を重ねる。
肉球が気持ちいい。
「マジか……」
だが、どうやら分かってるような気がする。
いや、ちょっと待て。
ワンッと、ワンワンッにした俺が悪かったのかもしれない。
「よしっ、じゃあはいは首を縦に振る。いいえは首を横に振る。いいか?」
「ワンッ!」
ファングがそう言って首を縦に振る。
マジか、こいつ!
俺の言葉が分かってるのか?
「よしっ! じゃあ、俺がお座りって言ったら座るんだぞ?」
「ワンッ!」
ファングが首を縦に振る。
うん、ちょっと楽しくなってきた。
たぶん、NPCだろうが意志の疎通が図れるかどうかで、全然今後が変わってくるからな。
もしかしたら、これもチュートリアルの一環かもしれない。
ここを終えたら消えるかもしれないし、最後まで色々と手伝ってくれるサポートキャラかもしれないが気が紛れるのは嬉しい。
「お座り!」
「ウウ……」
すでに座った状態のファングが少し困った表情を浮かべる。
すまん、これは俺が悪かった。
「ワンッ!」
だが、ファングはすぐに立ち上がってまた座り込む。
おおっ! こいつ頭いいぞ!
座った状態で座れと言った俺は頭が悪かったかもしれないが、俺の命令の意図を理解してくれたようだ。
そうだよ、言ってることが分かるか知りたかったからファングの行動は正解だ!
これで、ほぼほぼ意志疎通が出来ると確信出来た。
問題は、こっちの意思は伝えられても相手の意思は伝わってこないって事だ。
いや、予想なら出来るが確実ではない。
でも、命令を聞いてくれるなら十分かな。
「取りあえず、探索をしよう! この場所を調べるのと出口に向かおう!」
「ワンッ!」
俺の言葉にファングが頷いて立ち上がる。
やる気まんまんって顔してて可愛い。
出会った当初はメチャクチャ怖かったけどな。
――――――
ファングと出会った部屋に向かうと、案の定何も居なかった。
まあ、ここの主は横に居る訳だし当然か。
そしてここに来るまでに分かったが、どうやらファング相手には罠は発動しないようだ。
罠無効のレベルが高いのか、はたまはたダンジョンの住人には発動しないのか分からないが。
ああ、聞けば良いのか……
「なあ、ファングって罠無効のスキル持ってるのか? それともここの罠はお前には発動しないのか?」
「ワンッ! ……ワンッ!」
一度首を縦に振って、少し間を置いてまた縦に振ったってことは両方って事か?
じゃあ、コイツの事は気にせずにサクサク進めるって訳だな。
うん、助かる。
というか、本当にこいつは頭が良いな。
「クゥーン!」
「おお、偉いぞ!」
罠無効のスキルを持ってる事を褒めてもらいたいのか、甘えるような声で頭を差し出してきたので撫でてやる。
愛い奴め。
という事で、ファングを連れてさらに奥に進むことにしよう。
というかさ、そろそろ説明キャラが出てきても良いころじゃなかろうか?
まあいっか!
ファング可愛いし。
バーチャルとはいえ、ペットが飼えるのは良い事だ。
しかも現実と違って死んだりしそうにないし。
いや、もしかしたらリアルに老衰とかあったりして。
ああ、そしたらペットロスまっしぐらだな……だって、賢くて可愛いんだもん!
はっ! もんってなんだ?
思わずデレデレになってしまった。
「クーン?」
どうしたのって感じで、こっちを見上げて首を傾げるファング可愛いよ~。
――――――
レベル:135
名前:ヨシキ・クラタ
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酸無効レベル:7←NEW
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