チュートリアルと思ったらチートリアルだった件

へたまろ

文字の大きさ
上 下
5 / 99
第一章:チュートリアル

第5話:最初の敵はスライムじゃないのか?

しおりを挟む
 という事で、罠を楽々回避しつつ通路の先に辿り着く。
 一応罠探知のスキルのお陰で、この辺りの罠は全て見る事が出来る。
 文字通り、目に意識を集中すると罠の仕掛けてある場所が光るのだ。
 いやあ、これチュートリアルすっ飛ばしたら結構大損するパターンだよね?
 後が大変って感じかな?
 でも、もしかしたらチュートリアル終了後に全ステータスリセットなんてパターンもあったりするから怖い。
 いや、それでも頑張ればボーナス特典があったりすることもあるし、練習という意味ではやって意味は無い事は無いだろう。

 っと、罠か。
 丁度曲がり角を曲がった瞬間に、不可視の糸があるだろう線上に光が見えるのでそれを跨いで先に進む。
 うん、酷い罠だ。
 曲がった瞬間にこれは無いだろう。
 上げててよかった罠探知。
 そんな事を思いながら曲がった先を見ると、扉が見える。
 うーん、あの扉を越えるとチュートリアル終了か、それとも第2段階か。
 そろそろ、戦闘系のチュートリアルが始まってもいいよね?

 敵ははたまた人間か、作り物のロボットか、野生生物か。
 人間が被り物パターンも。

 そんな事を考えながら扉の向こうに行くと、少しひらけた部屋になっている。 
 そして聞こえてくる息遣い。

「ガァァァァァ!」

 そして聞こえてくる叫び声。
 いや雄たけびでしょうね。
 目の前には2m級の狼。
 本物? 作り物? どっち?
 狼の実物なんて見た事ないし。
 狼って立ち上がったら2mになるらしいけど。
 普通に4足状態で、体高が2mってありえないよね。

「あっ!」

 そんな事を思っていたら、狼が一直線にこっちに突っ込んできて噛み付かれた。

「キャイン!」

 だが狼の牙は刺突耐性か、刺突無効に阻まれて全く身体に刺さる事は無かった。
 取りあえず、噛み付いたまま固まってたので、鼻っ柱をぶん殴ったら情けない叫び声とともに離れていったわけだが……

「グルルルル!」

 めっちゃ怒ってます。
 っていうか、これゲームだよね?
 涎でベチャベチャなんだけど?
 そこまでリアルに作り込まなくてよくない?

「ってー!」

 と思ったら目の前の狼がかき消えて、気が付いたら身体を爪で切り裂かれていた。
 おい、物理耐性仕事しろ!
 というか、斬撃に対する耐性が無いからって事か?
 まあ、痛覚耐性も無効もあるから動けなくも無いけど、出血量やばくね?
 久しぶりの大量出血に眩暈を起こしかけるが、またも狼に噛み付かれる。

「だから、それは効かねーっての!」

 思いっきり裏拳で狼の顔を殴り飛ばすが、恐ろしく強靭な首の筋肉をお持ちなようで顔を反らした程度で留まるとギンッといった音が聞こえそうなくらい睨み付けられました。
 でもごめんなさい。
 恐怖無効があるので怖くありません。
 気にせず2発目を放つと、あっさり避けられて正面から睨まれる。
 あれ? 身体が動かん……
 そのまま踏み付けられると、爪で滅茶苦茶に切り刻まれた。
 嬲り殺しってやつかな?
 ちょいちょい噛まれたし。
 効かないけど。

―――――― 
レベル:1
名前:ヨシキ・クラタ
スキル
斬撃耐性レベル:1←NEW
威圧耐性レベル:1←NEW

――――――

 ああ、さっき身体が動かなかったのは威圧されたからだったのね。
 恐怖感じないから気が付かなかったわ。
 恐怖と威圧は別物なのね。

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件

月風レイ
ファンタジー
 普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。    そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。  そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。  そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。  そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。  食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。  不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。  大修正中!今週中に修正終え更新していきます!

転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?

N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、 生まれる世界が間違っていたって⁇ 自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈ 嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!! そう意気込んで転生したものの、気がついたら……… 大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い! そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!! ーーーーーーーーーーーーーー ※誤字・脱字多いかもしれません💦  (教えて頂けたらめっちゃ助かります…) ※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

処理中です...