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サーナック誕生編
第5話 上層から始まる
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新しいルートを捜索していると、遺跡の様相ががらりとかわって鍾乳洞のような場所に出た、幸い今は陸に上がっても歩ける体なので、水がとぎれた場所もずんずん進んでいくことができる。
その鍾乳洞は遺跡内と同じように若干青みがかった色をしており、水色に発光する結晶がちらほら見かけられる。
結晶に触れてみるとじわりと静電気のようにびりびりした、痛くはないが気分が悪いので避ける。
鍾乳洞の中には蝙蝠のような生物がおり、見た感じでは魔獣には見えなかった、動物も普通にいるのだろうか。
光源はあの静電気結晶だけだが、俺の目は洞くつの掘り1つ1つがクリアに見て取れた、そのおかげで蝙蝠が普通の存在であることもわかるし、足元に転がっている貝に目が4つついているのも解る。
俺が怖いのか貝型の魔獣はすぐに殻に閉じこもってしまう、特に進路を妨害しているわけでもないのでスルーしているが、他の魔獣であればここは捕食する所なのだろうか…。
俺も本音を言えば今進化したてで空腹だ、何か食べたいがもうワカメをいくらか食った程度では満たされない。
かわりといってはなんだけれど、これまでのように食い物の事ばかりを考える必要を感じない、確かに空腹だがまだまだ余裕があるのを感じる。
正直このまま鍾乳洞を通じて外界にでられたら一番いいのだけれど、そう上手くはいかないらしい。
U字のトンネル状になっていて再び水場に繋がっていた。
もといた場所と雰囲気は違っており、空間が広々としている場所だった。
いる魔物に大した差異はないが、自分が大きくなったせいか周りの魔獣が小さく感じる、ゆっくりと沈んでいき地に足をつけると、砂埃が舞う。
ここは前の場所とちがって砂地が深いようだった、俺の足は尖っていて、俺自身重量があるせいで砂に足をとられてしまう。
俺は再び水中を舞うようにして泳ぎ始めた。
…
進むごとに徐々に明るくなっていく世界につい和んでしまった。
虹色の海藻、あふれんばかりのサンゴ礁、俺の知っている魚らしい魚の形をしたものもいる、いやもしかしたらあれは魔獣ではない普通の魚なのかもしれない。
もしかしたら俺は下層にいたのだろうか…
迷宮はいくつかの層に別れて魔獣の分布する様相が違う、下層と上層にわければ、下層は凶悪な魔獣がはびこり、上層は無害な魔獣の割合が増える。
俺は下層からスタートしたわけか…人生いや魔物生ハードモードだな。
しばらく景色を堪能しつつ、サンゴの無い岩盤に着地、少し休憩する。
さすがにずっとエンジンかけっぱなしだとよくないかもしれない、若干疲れている気がするし。
ちょうど岩盤にはくぼみがあり、そこはおさまりが良かった。
しばらくぼーっとしていたが、ほんとに警戒するものが無く、ついウトウトしてしまい、眠気に任せた。
進化ではなく休息の為に魔物になってはじめて休んだ瞬間だった。
…
その鍾乳洞は遺跡内と同じように若干青みがかった色をしており、水色に発光する結晶がちらほら見かけられる。
結晶に触れてみるとじわりと静電気のようにびりびりした、痛くはないが気分が悪いので避ける。
鍾乳洞の中には蝙蝠のような生物がおり、見た感じでは魔獣には見えなかった、動物も普通にいるのだろうか。
光源はあの静電気結晶だけだが、俺の目は洞くつの掘り1つ1つがクリアに見て取れた、そのおかげで蝙蝠が普通の存在であることもわかるし、足元に転がっている貝に目が4つついているのも解る。
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正直このまま鍾乳洞を通じて外界にでられたら一番いいのだけれど、そう上手くはいかないらしい。
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もといた場所と雰囲気は違っており、空間が広々としている場所だった。
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ここは前の場所とちがって砂地が深いようだった、俺の足は尖っていて、俺自身重量があるせいで砂に足をとられてしまう。
俺は再び水中を舞うようにして泳ぎ始めた。
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進むごとに徐々に明るくなっていく世界につい和んでしまった。
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さすがにずっとエンジンかけっぱなしだとよくないかもしれない、若干疲れている気がするし。
ちょうど岩盤にはくぼみがあり、そこはおさまりが良かった。
しばらくぼーっとしていたが、ほんとに警戒するものが無く、ついウトウトしてしまい、眠気に任せた。
進化ではなく休息の為に魔物になってはじめて休んだ瞬間だった。
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