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召喚
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この世界は魔力に満たされている。
この世界には何か知らない病気や呪いにかかったものが現れると、異世界召喚を行うようになっている。
この世界には魔法がある。
だが、それは、火、水、風、土、雷、光、闇の七つしかなく、病気を治す魔法は存在しない。
そのため新しい病気が見つかると、すぐに召喚者に頼ってしまう。
だが、召喚者はすぐに帰ってしまうことが多い。
病気の原因がわかるものが召喚されてしまうので、用事が終わってしまえば帰る権利が与えられてしまうため、この国に残るものは少ない。
今回はどのようになるのだろうか。
先に君たちに聞いておこう。
この世界に残りたいか。
「ようこそ、お越しいただきありがとうございます。」
「ああ、ここに来る前にいろいろ聞いたが、自分が知っている病気の一つが呪いみたいになっていて、それを直せばあとは自由に暮らしていいし、もしくは帰ってもいいって聞いたが」
「それであっております。」
「じゃぁその場所に連れて行ってくれ。」
「はい」
「どんな病気だ。」
「耳がどんどん聞こえなくなっていく病気です。」
「難聴か。」
「こちらです。」
「ああ、といっても自分が知っている難聴は耳管狭窄症しかないがな」
「耳管狭窄症?」
「まぁ、鼓膜を見ればわかるだろ。」
「今からしゃべることをこの子に筆談してくれ」
「はい」
「耳の中を見たいから横になってくれ」
うん
「光を」
{ライト}
やっぱり鼓膜が赤くなっている。
それに向こう側に引っ張られている。
完璧に自分と同じ病気だな。
「耳は痛いか」
ううん
「耳が聞こえづらくなったのはいつから。」
「一年前ぐらいです。」
「あなたは」
「この子の母親です。」
「息子さんは何歳ですか」
「13歳です」
「そうですかぁ
その前に自覚症状は」
「いえ」
「お母さんから見てお子さんの聞き間違いとかは」
「たまにありましたが、気づいたのは一年ぐらい前です。」
「名前は」
「ラインです」
「ライン君洞窟とか山を登った時に音が聞こえづらくなったことはない」
ううん
「行ったことはある」
うん
「たのしかった」
うん
「どうだったか僕に教えてくる」
「えーと、洞窟には一杯魔物がいたり、鉱石があったりした」
「今しゃべった声って聞こえている」
「聞こえにくい」
「完璧の耳管狭窄症だな」
「先ほどから耳管狭窄症と言われていますけど、どんな病気なんでしょうか」
「簡単に言うと鼓膜の奥にある耳管の空間の空気がなくなって耳が聞こえずらくなる現象って感じかな。
音が聞こえるためには空気や固体、液体など何かないと伝わらない。
いわゆる真空になると音が聞こえないということだ。」
「耳管というのはどこにあるのだ」
「鼓膜の奥にある」
「鼓膜の奥に空間があるのか」
「そうだよ。
そこに耳小骨というものがある。
というか、もしかして音が聞こえる原理がわからないの」
「確かに、その通りだ」
「人体解剖とか、したことないの」
「それはご法度だ」
「そうか、今から教えてやるよ。
まず音が聞こえるには、鼓膜が震えて、そのあとに耳管にある耳小骨が震えて、その震えが渦巻き管に行き、そのあとに渦巻き管が震えを信号に変えて、それが脳に行き認識されて聞こえるようになる。」
「今回の病気はなぜ起こっているのですか。
耳管に空気があてればいいのですよね。
穴でも開いているんですか」
「その通りだ。
その穴がいわゆる口であり鼻だ。
耳管は鼻の奥で鼻につながっており、そのために閉じるということはできない。
治療方法は鼻に管を突っ込んで、空気を送り耳管に空気を入れるということしかできない。
といっても、すぐに治るわけではない。
空気を送り込めば一時的には治るが、鼓膜と耳管がその空気圧になれていることもあって、簡単には戻らない。
だから定期的に送ってやる必要性がある。」
「どのくらいで直りますか」
「わからない。
自分も治療を始めてからもう2年たつが一か月に一回空気を送らないと戻ってしまう。
それに聞こえるようになっても、認識能力が下がっていることもあって、聞こえるようになっても何と言っているかわからない状態になってしまう。」
「その治療にはどのくらい」
「わからない、永遠かもしれないな」
「治すことができてもそれは一時的なものだ。
といっても治療は一分もかからない。
だからそんなにつらくはないが。
長いこと治療はしないといけないだろう」
「痛いですか」
「鼻の中に管が入っているときは痛いだろうな。
今からするか」
「もうできるのですか」
「神様に道具はもらったからな」
「やります」
「じゃ、まずは上を向いて、
よし鼻の穴をきれいにして、よし下を向いて、これを耳に着けて、そしたら、今から管を入れるよ、我慢してね」
シューーーー
エホッエホッ
「よし終わりだ。どうだ」
「なんか聞こえ方がいいです。
ありがとうございます。」
「これで治っているわけではないからな。
定期的に空気を送る。
次は一週間後だ。」
「はい」
「ありがとうございます。」
「で、帰れるわけではなさそうだな」
「そうですね。」
「あんたの名前は」
「ここの国王のフィンチェルだ。」
「ふ~ん。
で、この後はどんな対応になるの」
「こういうことだよ」
「貴様何を」
{ライトニングボール}
「しまった」
バチン
「召喚者様」
「痛ってーな。
いきなり攻撃してくるのがこの国を流儀か」
「なんだと
これなら」
{ライトニング}
「だから、痛いからやめてくれよ。
さすがに感電死はしない体と言っても、痛いのは痛いんだから」
「ウソだろ。
一万ボルトだぞ」
「そうだね。
ごめんだけど電気系統の攻撃は効かないから」
「何をしている。
さっさととらえろ。
すみません、失礼を致しました。」
「なぜだ」
「だって昔から電気遊んでいたし、それに年がら年中静電気悩まされている自分が食らうわけないだろ」
「出力のレベルが違うんだぞ」
「千ボルトでもくらったら死にかけるような奴が言うんじゃない。
こっちは小さいころから電気で危ないことをして遊んできたやつだ。
効くかその程度」
だいだいから幼稚園の頃にシャープペンシルの芯が電気を通すことを知って、それをコンセントにさして、びりびりなるのを楽しんでいたやつに効くか。
あ、読者はしないようにね。死ぬから。
この世界には何か知らない病気や呪いにかかったものが現れると、異世界召喚を行うようになっている。
この世界には魔法がある。
だが、それは、火、水、風、土、雷、光、闇の七つしかなく、病気を治す魔法は存在しない。
そのため新しい病気が見つかると、すぐに召喚者に頼ってしまう。
だが、召喚者はすぐに帰ってしまうことが多い。
病気の原因がわかるものが召喚されてしまうので、用事が終わってしまえば帰る権利が与えられてしまうため、この国に残るものは少ない。
今回はどのようになるのだろうか。
先に君たちに聞いておこう。
この世界に残りたいか。
「ようこそ、お越しいただきありがとうございます。」
「ああ、ここに来る前にいろいろ聞いたが、自分が知っている病気の一つが呪いみたいになっていて、それを直せばあとは自由に暮らしていいし、もしくは帰ってもいいって聞いたが」
「それであっております。」
「じゃぁその場所に連れて行ってくれ。」
「はい」
「どんな病気だ。」
「耳がどんどん聞こえなくなっていく病気です。」
「難聴か。」
「こちらです。」
「ああ、といっても自分が知っている難聴は耳管狭窄症しかないがな」
「耳管狭窄症?」
「まぁ、鼓膜を見ればわかるだろ。」
「今からしゃべることをこの子に筆談してくれ」
「はい」
「耳の中を見たいから横になってくれ」
うん
「光を」
{ライト}
やっぱり鼓膜が赤くなっている。
それに向こう側に引っ張られている。
完璧に自分と同じ病気だな。
「耳は痛いか」
ううん
「耳が聞こえづらくなったのはいつから。」
「一年前ぐらいです。」
「あなたは」
「この子の母親です。」
「息子さんは何歳ですか」
「13歳です」
「そうですかぁ
その前に自覚症状は」
「いえ」
「お母さんから見てお子さんの聞き間違いとかは」
「たまにありましたが、気づいたのは一年ぐらい前です。」
「名前は」
「ラインです」
「ライン君洞窟とか山を登った時に音が聞こえづらくなったことはない」
ううん
「行ったことはある」
うん
「たのしかった」
うん
「どうだったか僕に教えてくる」
「えーと、洞窟には一杯魔物がいたり、鉱石があったりした」
「今しゃべった声って聞こえている」
「聞こえにくい」
「完璧の耳管狭窄症だな」
「先ほどから耳管狭窄症と言われていますけど、どんな病気なんでしょうか」
「簡単に言うと鼓膜の奥にある耳管の空間の空気がなくなって耳が聞こえずらくなる現象って感じかな。
音が聞こえるためには空気や固体、液体など何かないと伝わらない。
いわゆる真空になると音が聞こえないということだ。」
「耳管というのはどこにあるのだ」
「鼓膜の奥にある」
「鼓膜の奥に空間があるのか」
「そうだよ。
そこに耳小骨というものがある。
というか、もしかして音が聞こえる原理がわからないの」
「確かに、その通りだ」
「人体解剖とか、したことないの」
「それはご法度だ」
「そうか、今から教えてやるよ。
まず音が聞こえるには、鼓膜が震えて、そのあとに耳管にある耳小骨が震えて、その震えが渦巻き管に行き、そのあとに渦巻き管が震えを信号に変えて、それが脳に行き認識されて聞こえるようになる。」
「今回の病気はなぜ起こっているのですか。
耳管に空気があてればいいのですよね。
穴でも開いているんですか」
「その通りだ。
その穴がいわゆる口であり鼻だ。
耳管は鼻の奥で鼻につながっており、そのために閉じるということはできない。
治療方法は鼻に管を突っ込んで、空気を送り耳管に空気を入れるということしかできない。
といっても、すぐに治るわけではない。
空気を送り込めば一時的には治るが、鼓膜と耳管がその空気圧になれていることもあって、簡単には戻らない。
だから定期的に送ってやる必要性がある。」
「どのくらいで直りますか」
「わからない。
自分も治療を始めてからもう2年たつが一か月に一回空気を送らないと戻ってしまう。
それに聞こえるようになっても、認識能力が下がっていることもあって、聞こえるようになっても何と言っているかわからない状態になってしまう。」
「その治療にはどのくらい」
「わからない、永遠かもしれないな」
「治すことができてもそれは一時的なものだ。
といっても治療は一分もかからない。
だからそんなにつらくはないが。
長いこと治療はしないといけないだろう」
「痛いですか」
「鼻の中に管が入っているときは痛いだろうな。
今からするか」
「もうできるのですか」
「神様に道具はもらったからな」
「やります」
「じゃ、まずは上を向いて、
よし鼻の穴をきれいにして、よし下を向いて、これを耳に着けて、そしたら、今から管を入れるよ、我慢してね」
シューーーー
エホッエホッ
「よし終わりだ。どうだ」
「なんか聞こえ方がいいです。
ありがとうございます。」
「これで治っているわけではないからな。
定期的に空気を送る。
次は一週間後だ。」
「はい」
「ありがとうございます。」
「で、帰れるわけではなさそうだな」
「そうですね。」
「あんたの名前は」
「ここの国王のフィンチェルだ。」
「ふ~ん。
で、この後はどんな対応になるの」
「こういうことだよ」
「貴様何を」
{ライトニングボール}
「しまった」
バチン
「召喚者様」
「痛ってーな。
いきなり攻撃してくるのがこの国を流儀か」
「なんだと
これなら」
{ライトニング}
「だから、痛いからやめてくれよ。
さすがに感電死はしない体と言っても、痛いのは痛いんだから」
「ウソだろ。
一万ボルトだぞ」
「そうだね。
ごめんだけど電気系統の攻撃は効かないから」
「何をしている。
さっさととらえろ。
すみません、失礼を致しました。」
「なぜだ」
「だって昔から電気遊んでいたし、それに年がら年中静電気悩まされている自分が食らうわけないだろ」
「出力のレベルが違うんだぞ」
「千ボルトでもくらったら死にかけるような奴が言うんじゃない。
こっちは小さいころから電気で危ないことをして遊んできたやつだ。
効くかその程度」
だいだいから幼稚園の頃にシャープペンシルの芯が電気を通すことを知って、それをコンセントにさして、びりびりなるのを楽しんでいたやつに効くか。
あ、読者はしないようにね。死ぬから。
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