21 / 38
ボリジの章
⑳ 今夜はしっぽりと
しおりを挟む
「はっ……」
ぱっと目を開けたら、白い天井。
そこは白が基調の、清潔な匂いに満ちた静かな部屋。
「ここは……?」
小夜へ向かう寸での明るさに引かれ、ゆっくり振り向くと大きな人影が。
「ダインスレイヴ様……」
少し離れた窓際で彼は、薄紫の光を浴びていた。
『ああ、無理に起き上がるな』
『大丈夫です……』
ここは学院の医務室。彼が私を労りながら、ひとつずつ説明してくれた。
私は一時気を失っただけで大事ないが、今夜は安静にしておくよう校医に念を押されたようだ。
『心配したよ。ヨルズ・フォーゲンを探しても見つからず、注意喚起しようと部室に顔を出したら、君まで……』
彼は2日間の調査の結果、ヨルズの出自の怪しさまでを突き止めたのだと。
『あの時、西から部室へ向かった私と君はすれ違わなかった。だから東に走っていったとみた』
『そ、そうです……。私は美術室へ向かいました。東方面といっても校舎は広いですし、どうやって私の居場所を?』
『部室を出たらまず、東方面の廊下をじろじろ見た。全室開けて回るわけにもいかなかったしな』
目立った行動はできないものね。それにしても、廊下をじろじろ??
『すると落ちていたんだ』
『な、何が』
『君の髪の毛が!』
!?
『待ってください、意味が分かりかねます』
『君はこの二日間で、校舎のおよそ中心である天文部部室から、西側方面しか移動していなかったよな』
『ん? そうでしたか?』
『ミセス・マルグレットの教官室、教務棟、教室はすべて西側だ。だから落ちた君の髪の毛があの時の君の進行方向を教えてくれた』
あの、ちょっと待って……。ああ、声にならなかった。
『私は普段からそんなに髪の毛を落としながら歩いているのでしょうか……』
『いや? 数本くらいだったが』
『たった数本をどうやって見つけたというのですか!?』
『私の視力は13.0だからそれぐらい訳ない!』
視力13.0って何!
……目の力なんて測ったことないから凄さがよく分からないんだけど、きっとものすごいのね?
この方の眼球は筋肉でできているの……? こんなに透き通る天然水晶の瞳も、素材は筋肉なの?
あ、またその瞳で私をじっと見てきて……。
『君の青の髪はこの視界によく映えて、“私はこっち”って訴えてくるようだった』
「…………」
私、あの瞬間、あなたに助けを求めてた。もう私の心の片隅には、あなたが存在していて……。
『そして結果的に、君のおかげで犯人を自白と共に捕えられた。お手柄だ』
『いえ……』
また頭をぽんぽんして……。
『ただ……、あまり無茶なことはしないでくれ。私は、必ず君を守るけれど、さすがに身体がひとつしかなくてだな……。今回は、正直、焦った……』
彼の声は先細りし、意外なほど余裕のない表情を見せた。それに私はなぜか胸がうずいて、思わず手を差し伸べようとしたら。
『しかし、これでまた事後処理が増えた。私は宮廷に戻る。しばらくはあまり邸宅に帰れなさそうだ』
……そうよね。
『分かりました。私、あなたの名代として邸宅を守りますので』
『ああ、任せた』
彼は私の頭を最後にもう一度ぽんとして、微笑んだ。
助けてくださったこと、ありがとうと言葉にしなくては……でも、まだいろんな気持ちが胸をぐるぐる駆けまわって、なんだか言葉にならないの。ありがとうとか、ひどいなんて思ってしまってごめんなさいとか。
「~~~~~~」
両手で胸を押さえてぽろぽろ泣き出す私に、
『なんだ、寂しいのか。この城中のどこかにはいるし、半月ほどだから耐えてくれ』
そんなふうに子ども扱いしてくるのだった。
翌日、学院に出勤し教室に入ったら、生徒がわらわらと寄ってきた。
『先生がスパイを撃退したんですってね!』
『先生、英雄じゃないか!』
『こんな短時間で事件解決なんて、先生は名探偵か』
『どうしてフォーゲンがスパイだと分かったんですか!?』
えぇ……。
どうやら顛末は学院中に知れ渡り、とくにこのクラスは噂の火元なので情報の精度も高い。まぁ彼女を捕らえたのはダインスレイヴ様なのだけど。それは隠しておかなくてはならないこと。私が英雄の替え玉だ。
ともかく、クラス内の雰囲気はずいぶん穏やかなものに生まれ変わった。身の危険はなく、同士らが打ち解け始め、やっと学習に本腰を入れられる。
ただひとつだけ、片付けられた机のあとに残る、文字通りの“空席”を私は見つめて────。
初級ウルズ語の授業はカリキュラムに従い順調に滑りだした。
たまにダインスレイヴ様扮するレイ=ヒルドが何食わぬ顔で出席する。しかし黙々と板書するだけで誰とも私語を交わさないまま、ベルが鳴ればふっと消えてしまう。クラスの中で彼は、暗黙の了解で特別待遇生だ。
とはいえ、クラスの3分の1は事情を知る武官の息子たちであり、彼らがレイ=ヒルドの欠席中は持ち回りでノートを取っている。
ダインスレイヴ様とは一度だけ会話をする機会があり、伝えられたのは、ヨルズ・フォーゲンの実家であるフォーゲン伯爵家当主の処遇についてだ。
このたびは当主の、実子への監督不行き届きが招いた不名誉な事件。彼は失態を多方面から責められ、王家から奪爵を言い渡された。
本物のヨルズは、お空でこれをどう見ているのかしら。
私は後味の悪い思いを噛みしめていた。
そして初出勤から半月が過ぎ、私が監修した教科書もまだ薄いものだが、初版がみなの手に渡った。
「じゃぁ、今日のダイアログを読んでくれるのは?」
「「「はい!!」」」
**
この日も夕焼けのもと、私はひとり、ほんの短い下校の路につく。
帰宅後は軽く食事を済ませ、閑静な月夜の時に安らう。
「忙しない日々にもようやくひと段落ついた気がするわ」
心を落ち着かせるため、自室でラスの淹れてくれた香りのよい紅茶を嗜んでいる。彼の茶葉の配合は私好みにフィットした黄金比率で、もちろんその時々の私の気分に、完璧に合わせた気遣い尽くしのテイストだ。
「よく眠れる香を焚きます。少々お待ちくださいね」
「いつもありがとう」
ここでバタン! と豪快に扉が開く。
「アンジュ、慌ただしいぞ。ユニ様は今、ごゆっくりとティータイムをお過ごしだ」
「たたたっ、大変ですっユニ様!」
「?」
「ダ、ダインスレイヴ様がお帰りで、早々……ふたりでバスタイムをゆっくり過ごそうとのお誘いです~~!!」
「「!!?」」
突如としてそこには、緊張と興奮の混沌濁流が渦巻いたのだった。
「え、えっとお風呂って、バスタブで……!?」
そんな狭いところで、密着して入浴? それはさすがに気まずいのでは。
「いいえ、この邸宅の離れにダインスレイヴ様専用、大理石の大浴場が存在するのだそうです!」
「あんっっの×××王子、ユニ様と混浴だと!? 夫という立場をなんだと思っているのだ職権乱用も甚だしい!!」
「何を言ってるんですかラスさん! 夫婦なんだから一緒にお風呂は社会通念上なんの問題もないですっ」
「どうしましょう。大浴場なんて、ロオマ時代の文献で読んだことはあるけれど、現代のものは作法が分からないわ」
「それは大衆浴場のことでは……。ともかく、浴場でのお作法は彼の方にお任せすればいいのです! 反抗してはなりません!」
「ユニ様!」
「ん?」
一瞬立ち消えたラスが早業で持ち運んできたのは、古の物語の中で人々が着用するキトンのような、大きな布を重ねた衣服。
でも、彼の手にあるそれはイメージより薄手で、被っても涼しそう。
「このようなこともあろうかと、着衣のまま水に入っても快適にお過ごしいただける衣装をご用意いたしました! 特別な繊維で制作されておりまして、水を吸っても重くなく、お身体にまつわりもしません。無装飾の素朴なデザインですが、ゆえにこそ、おまといになったユニ様はさぞ、湖の女神にも遜色ないお美しさでしょう」
「あら、着衣でお風呂に入ってもいいの?」
「さすがラスさん! 殿下に脱衣の楽しみもご提供するという気遣いですね! ……あ、鬼の形相怖いですっ」
「ではアンジュ、髪が湯に浸からないように結ってくれるかしら」
「はいっ。うなじを見せていきましょう!」
ぱっと目を開けたら、白い天井。
そこは白が基調の、清潔な匂いに満ちた静かな部屋。
「ここは……?」
小夜へ向かう寸での明るさに引かれ、ゆっくり振り向くと大きな人影が。
「ダインスレイヴ様……」
少し離れた窓際で彼は、薄紫の光を浴びていた。
『ああ、無理に起き上がるな』
『大丈夫です……』
ここは学院の医務室。彼が私を労りながら、ひとつずつ説明してくれた。
私は一時気を失っただけで大事ないが、今夜は安静にしておくよう校医に念を押されたようだ。
『心配したよ。ヨルズ・フォーゲンを探しても見つからず、注意喚起しようと部室に顔を出したら、君まで……』
彼は2日間の調査の結果、ヨルズの出自の怪しさまでを突き止めたのだと。
『あの時、西から部室へ向かった私と君はすれ違わなかった。だから東に走っていったとみた』
『そ、そうです……。私は美術室へ向かいました。東方面といっても校舎は広いですし、どうやって私の居場所を?』
『部室を出たらまず、東方面の廊下をじろじろ見た。全室開けて回るわけにもいかなかったしな』
目立った行動はできないものね。それにしても、廊下をじろじろ??
『すると落ちていたんだ』
『な、何が』
『君の髪の毛が!』
!?
『待ってください、意味が分かりかねます』
『君はこの二日間で、校舎のおよそ中心である天文部部室から、西側方面しか移動していなかったよな』
『ん? そうでしたか?』
『ミセス・マルグレットの教官室、教務棟、教室はすべて西側だ。だから落ちた君の髪の毛があの時の君の進行方向を教えてくれた』
あの、ちょっと待って……。ああ、声にならなかった。
『私は普段からそんなに髪の毛を落としながら歩いているのでしょうか……』
『いや? 数本くらいだったが』
『たった数本をどうやって見つけたというのですか!?』
『私の視力は13.0だからそれぐらい訳ない!』
視力13.0って何!
……目の力なんて測ったことないから凄さがよく分からないんだけど、きっとものすごいのね?
この方の眼球は筋肉でできているの……? こんなに透き通る天然水晶の瞳も、素材は筋肉なの?
あ、またその瞳で私をじっと見てきて……。
『君の青の髪はこの視界によく映えて、“私はこっち”って訴えてくるようだった』
「…………」
私、あの瞬間、あなたに助けを求めてた。もう私の心の片隅には、あなたが存在していて……。
『そして結果的に、君のおかげで犯人を自白と共に捕えられた。お手柄だ』
『いえ……』
また頭をぽんぽんして……。
『ただ……、あまり無茶なことはしないでくれ。私は、必ず君を守るけれど、さすがに身体がひとつしかなくてだな……。今回は、正直、焦った……』
彼の声は先細りし、意外なほど余裕のない表情を見せた。それに私はなぜか胸がうずいて、思わず手を差し伸べようとしたら。
『しかし、これでまた事後処理が増えた。私は宮廷に戻る。しばらくはあまり邸宅に帰れなさそうだ』
……そうよね。
『分かりました。私、あなたの名代として邸宅を守りますので』
『ああ、任せた』
彼は私の頭を最後にもう一度ぽんとして、微笑んだ。
助けてくださったこと、ありがとうと言葉にしなくては……でも、まだいろんな気持ちが胸をぐるぐる駆けまわって、なんだか言葉にならないの。ありがとうとか、ひどいなんて思ってしまってごめんなさいとか。
「~~~~~~」
両手で胸を押さえてぽろぽろ泣き出す私に、
『なんだ、寂しいのか。この城中のどこかにはいるし、半月ほどだから耐えてくれ』
そんなふうに子ども扱いしてくるのだった。
翌日、学院に出勤し教室に入ったら、生徒がわらわらと寄ってきた。
『先生がスパイを撃退したんですってね!』
『先生、英雄じゃないか!』
『こんな短時間で事件解決なんて、先生は名探偵か』
『どうしてフォーゲンがスパイだと分かったんですか!?』
えぇ……。
どうやら顛末は学院中に知れ渡り、とくにこのクラスは噂の火元なので情報の精度も高い。まぁ彼女を捕らえたのはダインスレイヴ様なのだけど。それは隠しておかなくてはならないこと。私が英雄の替え玉だ。
ともかく、クラス内の雰囲気はずいぶん穏やかなものに生まれ変わった。身の危険はなく、同士らが打ち解け始め、やっと学習に本腰を入れられる。
ただひとつだけ、片付けられた机のあとに残る、文字通りの“空席”を私は見つめて────。
初級ウルズ語の授業はカリキュラムに従い順調に滑りだした。
たまにダインスレイヴ様扮するレイ=ヒルドが何食わぬ顔で出席する。しかし黙々と板書するだけで誰とも私語を交わさないまま、ベルが鳴ればふっと消えてしまう。クラスの中で彼は、暗黙の了解で特別待遇生だ。
とはいえ、クラスの3分の1は事情を知る武官の息子たちであり、彼らがレイ=ヒルドの欠席中は持ち回りでノートを取っている。
ダインスレイヴ様とは一度だけ会話をする機会があり、伝えられたのは、ヨルズ・フォーゲンの実家であるフォーゲン伯爵家当主の処遇についてだ。
このたびは当主の、実子への監督不行き届きが招いた不名誉な事件。彼は失態を多方面から責められ、王家から奪爵を言い渡された。
本物のヨルズは、お空でこれをどう見ているのかしら。
私は後味の悪い思いを噛みしめていた。
そして初出勤から半月が過ぎ、私が監修した教科書もまだ薄いものだが、初版がみなの手に渡った。
「じゃぁ、今日のダイアログを読んでくれるのは?」
「「「はい!!」」」
**
この日も夕焼けのもと、私はひとり、ほんの短い下校の路につく。
帰宅後は軽く食事を済ませ、閑静な月夜の時に安らう。
「忙しない日々にもようやくひと段落ついた気がするわ」
心を落ち着かせるため、自室でラスの淹れてくれた香りのよい紅茶を嗜んでいる。彼の茶葉の配合は私好みにフィットした黄金比率で、もちろんその時々の私の気分に、完璧に合わせた気遣い尽くしのテイストだ。
「よく眠れる香を焚きます。少々お待ちくださいね」
「いつもありがとう」
ここでバタン! と豪快に扉が開く。
「アンジュ、慌ただしいぞ。ユニ様は今、ごゆっくりとティータイムをお過ごしだ」
「たたたっ、大変ですっユニ様!」
「?」
「ダ、ダインスレイヴ様がお帰りで、早々……ふたりでバスタイムをゆっくり過ごそうとのお誘いです~~!!」
「「!!?」」
突如としてそこには、緊張と興奮の混沌濁流が渦巻いたのだった。
「え、えっとお風呂って、バスタブで……!?」
そんな狭いところで、密着して入浴? それはさすがに気まずいのでは。
「いいえ、この邸宅の離れにダインスレイヴ様専用、大理石の大浴場が存在するのだそうです!」
「あんっっの×××王子、ユニ様と混浴だと!? 夫という立場をなんだと思っているのだ職権乱用も甚だしい!!」
「何を言ってるんですかラスさん! 夫婦なんだから一緒にお風呂は社会通念上なんの問題もないですっ」
「どうしましょう。大浴場なんて、ロオマ時代の文献で読んだことはあるけれど、現代のものは作法が分からないわ」
「それは大衆浴場のことでは……。ともかく、浴場でのお作法は彼の方にお任せすればいいのです! 反抗してはなりません!」
「ユニ様!」
「ん?」
一瞬立ち消えたラスが早業で持ち運んできたのは、古の物語の中で人々が着用するキトンのような、大きな布を重ねた衣服。
でも、彼の手にあるそれはイメージより薄手で、被っても涼しそう。
「このようなこともあろうかと、着衣のまま水に入っても快適にお過ごしいただける衣装をご用意いたしました! 特別な繊維で制作されておりまして、水を吸っても重くなく、お身体にまつわりもしません。無装飾の素朴なデザインですが、ゆえにこそ、おまといになったユニ様はさぞ、湖の女神にも遜色ないお美しさでしょう」
「あら、着衣でお風呂に入ってもいいの?」
「さすがラスさん! 殿下に脱衣の楽しみもご提供するという気遣いですね! ……あ、鬼の形相怖いですっ」
「ではアンジュ、髪が湯に浸からないように結ってくれるかしら」
「はいっ。うなじを見せていきましょう!」
0
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
別れてくれない夫は、私を愛していない
abang
恋愛
「私と別れて下さい」
「嫌だ、君と別れる気はない」
誕生パーティー、結婚記念日、大切な約束の日まで……
彼の大切な幼馴染の「セレン」はいつも彼を連れ去ってしまう。
「ごめん、セレンが怪我をしたらしい」
「セレンが熱が出たと……」
そんなに大切ならば、彼女を妻にすれば良かったのでは?
ふと過ぎったその考えに私の妻としての限界に気付いた。
その日から始まる、私を愛さない夫と愛してるからこそ限界な妻の離婚攻防戦。
「あなた、お願いだから別れて頂戴」
「絶対に、別れない」
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?
雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。
最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。
ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。
もう限界です。
探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。
王妃の手習い
桃井すもも
恋愛
オフィーリアは王太子の婚約者候補である。しかしそれは、国内貴族の勢力バランスを鑑みて、解消が前提の予定調和のものであった。
真の婚約者は既に内定している。
近い将来、オフィーリアは候補から外される。
❇妄想の産物につき史実と100%異なります。
❇知らない事は書けないをモットーに完結まで頑張ります。
❇妄想スイマーと共に遠泳下さる方にお楽しみ頂けますと泳ぎ甲斐があります。
旦那様の様子がおかしいのでそろそろ離婚を切り出されるみたいです。
バナナマヨネーズ
恋愛
とある王国の北部を治める公爵夫婦は、すべての領民に愛されていた。
しかし、公爵夫人である、ギネヴィアは、旦那様であるアルトラーディの様子がおかしいことに気が付く。
最近、旦那様の様子がおかしい気がする……。
わたしの顔を見て、何か言いたそうにするけれど、結局何も言わない旦那様。
旦那様と結婚して十年の月日が経過したわ。
当時、十歳になったばかりの幼い旦那様と、見た目十歳くらいのわたし。
とある事情で荒れ果てた北部を治めることとなった旦那様を支える為、結婚と同時に北部へ住処を移した。
それから十年。
なるほど、とうとうその時が来たのね。
大丈夫よ。旦那様。ちゃんと離婚してあげますから、安心してください。
一人の女性を心から愛する旦那様(超絶妻ラブ)と幼い旦那様を立派な紳士へと育て上げた一人の女性(合法ロリ)の二人が紡ぐ、勘違いから始まり、運命的な恋に気が付き、真実の愛に至るまでの物語。
全36話
旦那様、離婚しましょう
榎夜
恋愛
私と旦那は、いわゆる『白い結婚』というやつだ。
手を繋いだどころか、夜を共にしたこともありません。
ですが、とある時に浮気相手が懐妊した、との報告がありました。
なので邪魔者は消えさせてもらいますね
*『旦那様、離婚しましょう~私は冒険者になるのでお構いなく!~』と登場人物は同じ
本当はこんな感じにしたかったのに主が詰め込みすぎて......
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる