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√エリザベース act.3
① 運命の人の落としたそれを頼りに
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ふぅ。エリザベースルートはどういう状況かしら。
どうやら仮面舞踏会から帰って2週間くらいのようですわ。特に何も変わったことはなさそうですが、ラインホルト様が遊びにいらしてます。すっかりお友達になってしまいましたのよね。
「君に朗報だよ」
「またどちらかへお誘いですか?」
「それもあるが。君、あの仮面舞踏会の夜、靴を片方脱ぎ捨てて帰っただろう?」
「あら、どうしてあなたがそのことを? 脱ぎ捨てたわけではないのです。いつの間にか、片方落としてしまったのですわ」
「靴が脱げたらすぐ気付こうか」
「少しだけ大慌てしていただけです」
「とある侯爵家の令息が、あの舞踏会で令嬢の片方の靴を手に入れて、その持ち主を探しているそうだ」
「……!」
「最初はその靴を持っていくつかの貴族の家を周り、令嬢方に試させたようだが」
「どなたかいましたのっ、履けた方は!?」
「全員履けたそうだ」
えっ。
「エリザベースの足は横幅でかすぎるピコ~~」
なんで知ってんのよピコピコ! でもそうなの、縦幅普通なのに横幅広いせいで、大きめの靴履いてるの――!(悲哀)
そんなのバレるなんて恥ずかしいですわ……。
「まぁ靴なんて、拾う方も拾われる方もちょっと嫌な代物だピコ」
「なので、もう色で絞り込むしかないとみたようだ。私の従妹のところにも来たし、君の家にも来ていたはずだが……」
そうなのピコピコ?
「そうみたいだピコ。お母様が応対したピコ」
じゃあどうしてそんな話、エリザベースが知らないの?
「ラインホルト様が紅茶を飲んでる隙に、モニターでその時の様子を見てみるピコ」
【あ――ら、うちのエリザベースがそういった青い靴を持っているかどうかですわねぇ? 少々お待ちくださいませぇ。……確認中確認中……うちにはそんな青い靴ござぁいませんでしたわ~~。お達者でぇ~~】
「お母様の完全個人プレイだったピコね」
えええ、蜘蛛座の怪人のコスプレドレスに合わせたから、片方青で片方赤の靴なのに!!
「そんな奇抜ファッション考慮に入れてもらえるわけないピコ……」
「ラインホルト様、その靴の持ち主探しは結局……?」
「ああ、青い靴を持っていると主張する令嬢が多すぎて、とん挫したようだ。しかし私は、それは君のものではないかと見てね。ずいぶんと濃い青の靴だったそうだよ」
「今から私がそんな主張をしても、大勢の令嬢と同じですわよね……」
「でもこれは一発逆転のチャンスだピコ~~。侯爵家の令息なんて~~」
でもあの時、私はろくに殿方と踊っていませんわ。唯一のお相手が、あのバグったピータン……。やだ、思い出したらドキドキしてきましたの!
「そこでだ、明後日のパーティーにその御仁が参加されるとかの噂があってだな」
「それにあなたがお誘いくださるということ?」
「まぁ来るかもしれないし来ないかもしれないし、ちょっと顔出して帰るかもしれないし、帰らないかもしれない」
「要するにあまり期待するなってことですわね。でもその方がいらっしゃるかどうかは別として、情報は手に入れたいです」
社交場へレッツゴーですわ!
ラインホルト様は明後日迎えに来ると約束して帰られました。
「そういえば、のりえ、今回まだプレゼントボックス開けてないピコ~~」
「あぁ。だってルートチェンジしたらすぐラインホルト様が遊びにいらしたのだもの。おめかしするのでいっぱいいっぱいでしたわ」
クローゼットの前に来ましたが。またなだれてくるんじゃないでしょうね?
そぉっとそぉっと。
「あれ? なだれてこない……。これは?」
「男性用のジャケット、ピコ?」
なんで? 誰の?? なんか見たことあるような……でも思い出せない。私自身、洒落っ気ないから男性の服装とかそんな見てないし。イケメンなら顔見ていたいしね。
「メッセージカードが届いてるピコ~~。【このジャケットの持ち主が君の運命の相手だ!……なーんちゃって。BYジェイムス】」
ジェイムスって誰!!!
ここにきてまた新キャラ登場するとは思わなかったですわ。
「んー。新キャラ出てきてもおかしくはないけど、彼はたぶんモブだピコ」
モブに予言?されちゃってますが。
「なんちゃって付けて予防線張ってるピコ」
新米予言師かしら?
「ええ~~? これ、誰のだろう。分かる? ピコピコ」
「……い、いやぁ。分かんないピコ……」
「じゃあフランポフルトの男全員に試着させてみて……」
「普通に着れる人いくらでもいるピコ」
「じゃあ犬に匂いかがせて」
「それでも範囲が広すぎるピコ」
「じゃあパーティー会場内で」
「ペット連れ込み禁止だピコ」
これを普通に持ち歩くくらいしか、方法はないか。
パーティーの会場へラインホルト様と向かっています。なんとなく分かってきましたわ。ラインホルト様は新しくお相手を探すためでなく、正体の分からない愛しの方の情報を探るために、社交場に顔を出すのですね。たとえ雲を掴むような話であっても。
協力して差し上げたいのだけれど、まずは自分のエンディングをなんとかしないと。
パーティー会場にて、ラインホルト様はまた令嬢方に拉致られたので、ひとりになってしまいました。本日はとても広くて人の多い場ですわ。情報が欲しくても、どなたとどんな会話を交わせばいいのか見当つかず。
こういう時マリーヤの方がコミュ力あって使えるのに……。
その後、ラインホルト様が令嬢方をまいて、私の元にお帰りになりました。
「エリザベース、例の令息の情報を得てきたよ」
まぁラインホルト様有能!
「女性たちがいくらでも話してくれたからね」
あぁそういう……。
「しかし君にとっては残念な話だ」
「え?」
どうやら仮面舞踏会から帰って2週間くらいのようですわ。特に何も変わったことはなさそうですが、ラインホルト様が遊びにいらしてます。すっかりお友達になってしまいましたのよね。
「君に朗報だよ」
「またどちらかへお誘いですか?」
「それもあるが。君、あの仮面舞踏会の夜、靴を片方脱ぎ捨てて帰っただろう?」
「あら、どうしてあなたがそのことを? 脱ぎ捨てたわけではないのです。いつの間にか、片方落としてしまったのですわ」
「靴が脱げたらすぐ気付こうか」
「少しだけ大慌てしていただけです」
「とある侯爵家の令息が、あの舞踏会で令嬢の片方の靴を手に入れて、その持ち主を探しているそうだ」
「……!」
「最初はその靴を持っていくつかの貴族の家を周り、令嬢方に試させたようだが」
「どなたかいましたのっ、履けた方は!?」
「全員履けたそうだ」
えっ。
「エリザベースの足は横幅でかすぎるピコ~~」
なんで知ってんのよピコピコ! でもそうなの、縦幅普通なのに横幅広いせいで、大きめの靴履いてるの――!(悲哀)
そんなのバレるなんて恥ずかしいですわ……。
「まぁ靴なんて、拾う方も拾われる方もちょっと嫌な代物だピコ」
「なので、もう色で絞り込むしかないとみたようだ。私の従妹のところにも来たし、君の家にも来ていたはずだが……」
そうなのピコピコ?
「そうみたいだピコ。お母様が応対したピコ」
じゃあどうしてそんな話、エリザベースが知らないの?
「ラインホルト様が紅茶を飲んでる隙に、モニターでその時の様子を見てみるピコ」
【あ――ら、うちのエリザベースがそういった青い靴を持っているかどうかですわねぇ? 少々お待ちくださいませぇ。……確認中確認中……うちにはそんな青い靴ござぁいませんでしたわ~~。お達者でぇ~~】
「お母様の完全個人プレイだったピコね」
えええ、蜘蛛座の怪人のコスプレドレスに合わせたから、片方青で片方赤の靴なのに!!
「そんな奇抜ファッション考慮に入れてもらえるわけないピコ……」
「ラインホルト様、その靴の持ち主探しは結局……?」
「ああ、青い靴を持っていると主張する令嬢が多すぎて、とん挫したようだ。しかし私は、それは君のものではないかと見てね。ずいぶんと濃い青の靴だったそうだよ」
「今から私がそんな主張をしても、大勢の令嬢と同じですわよね……」
「でもこれは一発逆転のチャンスだピコ~~。侯爵家の令息なんて~~」
でもあの時、私はろくに殿方と踊っていませんわ。唯一のお相手が、あのバグったピータン……。やだ、思い出したらドキドキしてきましたの!
「そこでだ、明後日のパーティーにその御仁が参加されるとかの噂があってだな」
「それにあなたがお誘いくださるということ?」
「まぁ来るかもしれないし来ないかもしれないし、ちょっと顔出して帰るかもしれないし、帰らないかもしれない」
「要するにあまり期待するなってことですわね。でもその方がいらっしゃるかどうかは別として、情報は手に入れたいです」
社交場へレッツゴーですわ!
ラインホルト様は明後日迎えに来ると約束して帰られました。
「そういえば、のりえ、今回まだプレゼントボックス開けてないピコ~~」
「あぁ。だってルートチェンジしたらすぐラインホルト様が遊びにいらしたのだもの。おめかしするのでいっぱいいっぱいでしたわ」
クローゼットの前に来ましたが。またなだれてくるんじゃないでしょうね?
そぉっとそぉっと。
「あれ? なだれてこない……。これは?」
「男性用のジャケット、ピコ?」
なんで? 誰の?? なんか見たことあるような……でも思い出せない。私自身、洒落っ気ないから男性の服装とかそんな見てないし。イケメンなら顔見ていたいしね。
「メッセージカードが届いてるピコ~~。【このジャケットの持ち主が君の運命の相手だ!……なーんちゃって。BYジェイムス】」
ジェイムスって誰!!!
ここにきてまた新キャラ登場するとは思わなかったですわ。
「んー。新キャラ出てきてもおかしくはないけど、彼はたぶんモブだピコ」
モブに予言?されちゃってますが。
「なんちゃって付けて予防線張ってるピコ」
新米予言師かしら?
「ええ~~? これ、誰のだろう。分かる? ピコピコ」
「……い、いやぁ。分かんないピコ……」
「じゃあフランポフルトの男全員に試着させてみて……」
「普通に着れる人いくらでもいるピコ」
「じゃあ犬に匂いかがせて」
「それでも範囲が広すぎるピコ」
「じゃあパーティー会場内で」
「ペット連れ込み禁止だピコ」
これを普通に持ち歩くくらいしか、方法はないか。
パーティーの会場へラインホルト様と向かっています。なんとなく分かってきましたわ。ラインホルト様は新しくお相手を探すためでなく、正体の分からない愛しの方の情報を探るために、社交場に顔を出すのですね。たとえ雲を掴むような話であっても。
協力して差し上げたいのだけれど、まずは自分のエンディングをなんとかしないと。
パーティー会場にて、ラインホルト様はまた令嬢方に拉致られたので、ひとりになってしまいました。本日はとても広くて人の多い場ですわ。情報が欲しくても、どなたとどんな会話を交わせばいいのか見当つかず。
こういう時マリーヤの方がコミュ力あって使えるのに……。
その後、ラインホルト様が令嬢方をまいて、私の元にお帰りになりました。
「エリザベース、例の令息の情報を得てきたよ」
まぁラインホルト様有能!
「女性たちがいくらでも話してくれたからね」
あぁそういう……。
「しかし君にとっては残念な話だ」
「え?」
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