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⑭ SとMの喜劇
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「君は僕を裏切るのか!」
舞台の中心でアルフレッド様の迫真の怒声が響く。それを受けゾーエは、めんどくさそうに腕組みをした。
「あら、露呈してしまいましたの……。裏切りだなんて。最初からあなたの価値は“姉の男”ということでしたし」
「つまり君は僕を利用していたのか! そして用なしとみなし、捨てるというのか……」
もう観客席には舞台上の声が聞こえているわ。幕も上がり、彼らの姿もあらわになった。そちらはきっとざわめいているわね。
そろそろアルフレッド様には、失望したとでも言って袖に捌けてもらわなくては。続きは私が声の出演をするから。
「まぁ、そういうことですわ。姉を蹴落とした今、あなたそのものは私の夫として力不足でしてよ」
「君がそんな人だったなんて! 王宮では右に出る者のない美貌、色気を存分に含んだ眼差しに、甘美な仕草……そんな、つむじからつま先まで完璧に美しい君は心も美しいに違いないだろう!? なにかの間違いだと言ってくれ! そうだきっとこれは夢だ。ただの悪夢だ!」
アルフレッド様、もういいから! 早く見切り付けてこちらへ来てください! ああ、舞台の中心あたりで膝を付いてしまった。本物の舞台役者みたいなリアクションね……。
まぁショックですよね。私が黒子となって引っ張ってきたい……。
「そう。もう今だから言うけれど、そうやって簡単に騙される単細胞のあなたたちがとぉっても愉快だったのですわ」
うわぁ本当に楽しそうな顔……私もまさに被害者だけど、何度でも引いてしまうわ。もう、実の妹だからって容赦はしないから。
「これで良かったか?」
「エルネスト様」
一仕事終えた彼が舞台裏を通ってこちらまで。
「はい、完璧です」
「念のため舞台袖に入る両側の扉は、部下に封鎖させておいた」
「さすがです! 客席から舞台に這い上がってくる王家従属の人がいないといいけど。ここにいるのはみな上品な方々だから、それはないですよね」
「信じられないよゾーエ……。なんて……なんて……!」
おっ、アルフレッド様ももう限界のようね。
「なんて君は魅惑的なんだ!!」
「「「!!?」」」
ゾーエ本人だけでなく、私たちも耳を疑った。
「君がそのすました仮面の下にそんな悪女の素顔を隠していただなんて……ゾクゾクするよ!」
ゾクゾク……? ちょっと分からない感覚ですね……。
「あ、あら……」
「君の飛び抜けて明晰な頭脳と他者を見下し利用する闇の心、それを掛け合わせれば王宮を完全支配することも可能なのだろうね!」
「ま、まぁ、そうですね。揺るぎない支配権のために、すべて利用尽くしてやるわ」
え──どうしよう、会話始めちゃった……。
「マーヴェラス! その類まれな美貌と才能で、この上流社会の頂点に君臨するというわけだ! そこらの女とはまったくスケールが違う」
「当たり前ですわよ一緒にしないで」
こちらが一緒にされるのまっぴらです。
ちらりとエルネスト様の顔を見ても、やはり「呆れてモノが言えません」という表情になっている。次期王となるお方が、こういう趣味嗜好を持ってる人って周知されてしまいましたね。舞台から下げなくて大丈夫でしょうか?
「良かったら僕だけに聞かせてくれないか。今まで君が蒔いた策略の罠について。君の戦法についてより知っておきたいんだ」
おっ? これは??
「別にあなたが知ったところで、あなたなんて使い魔程度の仕事しかできませんわよ」
「ああ、言葉の棘が全身に刺さるぅっ……! 君の使い魔になれるなら身に余る光栄さ!」
そういうのはいいから! ちゃんと聞き出して!
「そこまで言うなら教えてあげなくもないですわ。まず私はあなたを捨ててね、王位継承4位の男から順に篭絡していく予定でしたのよ」
「じゃあもしかして、そういうことでエルネストも? 彼はなかなか曲者だろう?」
「あんなの簡単に落とせますわ、私の魅力をもってすれば」
「…………」
エルネスト様が一歩踏み出した。い、今はまだダメっ、乱入は堪えてっ!
「あなたたち王家の男は全員手駒として取っておいてあげる。そして王妃としてこの国の女の頂点に立った時、落ちぶれて惨めな姉を王宮に召し出してあげるの」
「施しでもしてやるのかい? やはり君、最後には優しさを見せるのだね」
「まさか。とことんまで煌びやかな私を見せつけて、認めさせるのよ。不幸のどん底にいる情けない彼女と、どの女にも追随されることない幸福を手に入れた私の、永久に埋まらない格の差というものを」
王太子のことはどうでも良くなっても、実妹の悪意を聞き続けるのはやっぱり胸が苦しい。でも話の流れ的に、イイ感じじゃない?
まさかここまで本性をあらわしてくれるとは。
ここまで計画どおりとはいかず、少々意外な展開となってしまったが。彼女の魔女に捧げた『代償』っていうのも、まぁ分かった。王宮で、他者を蹴落としてのし上がった後に必要不可欠なモノ、「慎重」「冷静」「忍耐」「謙虚」……そういったものを詰め込んだ人間のホワイトボックスよ。
「はっ! もしやアリアが実家に帰ったのも、君の策だったのだね!?」
おおっ──!! アルフレッド様よく言った! 策に嵌められた私が褒めて差し上げますっ!
「あんなの何の捻りも必要なく、ただ《あれが王太子を裏切って不貞を働き、婚約破棄されたようだ》と噂ばら撒いただけでベソかいて逃げていったわ! これっぽっちも張り合いけど、まぁあれはその程度の女よ」
高笑いしてる……。悔しいけど、ここはもうちょっと我慢! ベソかかせてやる……。
「いやいや、君は簡単に言うけど、誰にでもできることではないよ。綿密な計画と計算の上の仕事だろう?」
「もちろん、計算はし尽くしたわ。私が疑われるようなことがあったら面倒だし。でもねぇ、どれもこれも私の子飼いの娘たちが馬鹿みたいに従順で、更には宮廷にはびこる連中が噂話も悪口もイジメも大好きな人間だらけなのだもの! そこに目を付けたということが、強いて言えば私のオリジナリティかしらぁ~~おほほほほほ!」
オリジナリティが聞いて呆れるわ。
さて、カーテンコールいっちゃいますか? 私はカーテンを引く紐をぎゅっと握った。
「よいっしょ!」
ここで開幕よ────!!
「!!??」
カーテンを引いたら、舞台側から見えるのは広々とした、白けた観客席。いや、青ざめた観客席。まるで夜の静かな海原。違うのは、そこにあるのは人の波。
瞬間ゾーエは知ることになる。自身はずっと観客らに熱い視線を注がれていた、主演女優だということを。
「ど、どういうこと……!?」
「これは一体……?」
アルフレッド様には、かなり恥ずかしい、ちょっと言い訳できない一面を大衆に向けて暴露させてしまって申し訳ない。それもこれもあなたが早く撤退しないから……。
いえ、私を捨ててゾーエを選んだ時から。こうなることは決まっていた運命なの、残念だけど。
「ゾーエ・スカーレット……なんてことをしでかした……」
観客のひとりが真っ青な顔で舞台に歩み寄った。
「お、王陛下! これは何ですか!? いつからあなたたちは聞いていたの!?」
「聞いていただけではない。すべて見ていたぞ……」
「見ていた!? でも、幕はずっと降りていたじゃない!」
「幕なんて最初からなかった!! 王家に入るという人間が、なんたる醜態をさらしたのだ!」
「ええっ!? どういうことぉ!?」
彼女は状況をそれなりに理解し、羞恥心で立っていられなくなったようだ。豪快に膝を付いた。これが興行演劇なら照明を一身に浴びられるひと時ね。
「やはりアルフレッドの側近らが止めさせようと舞台袖に行こうとして、封鎖口で俺の家来らと小競り合いになっていたらしい」
エルネスト様のところに小さな遣いが、そう連絡を寄越したようだ。
「おかげさまで、最後まで即興劇をジャマされずに済みました」
「なら、早いところ逃げよう」
「はいっ!」
彼が私の手を取り、私は興奮の中で立ち上がる。そしてふたり顔を見合わせ、笑いながら走りゆくのだった。
舞台の中心でアルフレッド様の迫真の怒声が響く。それを受けゾーエは、めんどくさそうに腕組みをした。
「あら、露呈してしまいましたの……。裏切りだなんて。最初からあなたの価値は“姉の男”ということでしたし」
「つまり君は僕を利用していたのか! そして用なしとみなし、捨てるというのか……」
もう観客席には舞台上の声が聞こえているわ。幕も上がり、彼らの姿もあらわになった。そちらはきっとざわめいているわね。
そろそろアルフレッド様には、失望したとでも言って袖に捌けてもらわなくては。続きは私が声の出演をするから。
「まぁ、そういうことですわ。姉を蹴落とした今、あなたそのものは私の夫として力不足でしてよ」
「君がそんな人だったなんて! 王宮では右に出る者のない美貌、色気を存分に含んだ眼差しに、甘美な仕草……そんな、つむじからつま先まで完璧に美しい君は心も美しいに違いないだろう!? なにかの間違いだと言ってくれ! そうだきっとこれは夢だ。ただの悪夢だ!」
アルフレッド様、もういいから! 早く見切り付けてこちらへ来てください! ああ、舞台の中心あたりで膝を付いてしまった。本物の舞台役者みたいなリアクションね……。
まぁショックですよね。私が黒子となって引っ張ってきたい……。
「そう。もう今だから言うけれど、そうやって簡単に騙される単細胞のあなたたちがとぉっても愉快だったのですわ」
うわぁ本当に楽しそうな顔……私もまさに被害者だけど、何度でも引いてしまうわ。もう、実の妹だからって容赦はしないから。
「これで良かったか?」
「エルネスト様」
一仕事終えた彼が舞台裏を通ってこちらまで。
「はい、完璧です」
「念のため舞台袖に入る両側の扉は、部下に封鎖させておいた」
「さすがです! 客席から舞台に這い上がってくる王家従属の人がいないといいけど。ここにいるのはみな上品な方々だから、それはないですよね」
「信じられないよゾーエ……。なんて……なんて……!」
おっ、アルフレッド様ももう限界のようね。
「なんて君は魅惑的なんだ!!」
「「「!!?」」」
ゾーエ本人だけでなく、私たちも耳を疑った。
「君がそのすました仮面の下にそんな悪女の素顔を隠していただなんて……ゾクゾクするよ!」
ゾクゾク……? ちょっと分からない感覚ですね……。
「あ、あら……」
「君の飛び抜けて明晰な頭脳と他者を見下し利用する闇の心、それを掛け合わせれば王宮を完全支配することも可能なのだろうね!」
「ま、まぁ、そうですね。揺るぎない支配権のために、すべて利用尽くしてやるわ」
え──どうしよう、会話始めちゃった……。
「マーヴェラス! その類まれな美貌と才能で、この上流社会の頂点に君臨するというわけだ! そこらの女とはまったくスケールが違う」
「当たり前ですわよ一緒にしないで」
こちらが一緒にされるのまっぴらです。
ちらりとエルネスト様の顔を見ても、やはり「呆れてモノが言えません」という表情になっている。次期王となるお方が、こういう趣味嗜好を持ってる人って周知されてしまいましたね。舞台から下げなくて大丈夫でしょうか?
「良かったら僕だけに聞かせてくれないか。今まで君が蒔いた策略の罠について。君の戦法についてより知っておきたいんだ」
おっ? これは??
「別にあなたが知ったところで、あなたなんて使い魔程度の仕事しかできませんわよ」
「ああ、言葉の棘が全身に刺さるぅっ……! 君の使い魔になれるなら身に余る光栄さ!」
そういうのはいいから! ちゃんと聞き出して!
「そこまで言うなら教えてあげなくもないですわ。まず私はあなたを捨ててね、王位継承4位の男から順に篭絡していく予定でしたのよ」
「じゃあもしかして、そういうことでエルネストも? 彼はなかなか曲者だろう?」
「あんなの簡単に落とせますわ、私の魅力をもってすれば」
「…………」
エルネスト様が一歩踏み出した。い、今はまだダメっ、乱入は堪えてっ!
「あなたたち王家の男は全員手駒として取っておいてあげる。そして王妃としてこの国の女の頂点に立った時、落ちぶれて惨めな姉を王宮に召し出してあげるの」
「施しでもしてやるのかい? やはり君、最後には優しさを見せるのだね」
「まさか。とことんまで煌びやかな私を見せつけて、認めさせるのよ。不幸のどん底にいる情けない彼女と、どの女にも追随されることない幸福を手に入れた私の、永久に埋まらない格の差というものを」
王太子のことはどうでも良くなっても、実妹の悪意を聞き続けるのはやっぱり胸が苦しい。でも話の流れ的に、イイ感じじゃない?
まさかここまで本性をあらわしてくれるとは。
ここまで計画どおりとはいかず、少々意外な展開となってしまったが。彼女の魔女に捧げた『代償』っていうのも、まぁ分かった。王宮で、他者を蹴落としてのし上がった後に必要不可欠なモノ、「慎重」「冷静」「忍耐」「謙虚」……そういったものを詰め込んだ人間のホワイトボックスよ。
「はっ! もしやアリアが実家に帰ったのも、君の策だったのだね!?」
おおっ──!! アルフレッド様よく言った! 策に嵌められた私が褒めて差し上げますっ!
「あんなの何の捻りも必要なく、ただ《あれが王太子を裏切って不貞を働き、婚約破棄されたようだ》と噂ばら撒いただけでベソかいて逃げていったわ! これっぽっちも張り合いけど、まぁあれはその程度の女よ」
高笑いしてる……。悔しいけど、ここはもうちょっと我慢! ベソかかせてやる……。
「いやいや、君は簡単に言うけど、誰にでもできることではないよ。綿密な計画と計算の上の仕事だろう?」
「もちろん、計算はし尽くしたわ。私が疑われるようなことがあったら面倒だし。でもねぇ、どれもこれも私の子飼いの娘たちが馬鹿みたいに従順で、更には宮廷にはびこる連中が噂話も悪口もイジメも大好きな人間だらけなのだもの! そこに目を付けたということが、強いて言えば私のオリジナリティかしらぁ~~おほほほほほ!」
オリジナリティが聞いて呆れるわ。
さて、カーテンコールいっちゃいますか? 私はカーテンを引く紐をぎゅっと握った。
「よいっしょ!」
ここで開幕よ────!!
「!!??」
カーテンを引いたら、舞台側から見えるのは広々とした、白けた観客席。いや、青ざめた観客席。まるで夜の静かな海原。違うのは、そこにあるのは人の波。
瞬間ゾーエは知ることになる。自身はずっと観客らに熱い視線を注がれていた、主演女優だということを。
「ど、どういうこと……!?」
「これは一体……?」
アルフレッド様には、かなり恥ずかしい、ちょっと言い訳できない一面を大衆に向けて暴露させてしまって申し訳ない。それもこれもあなたが早く撤退しないから……。
いえ、私を捨ててゾーエを選んだ時から。こうなることは決まっていた運命なの、残念だけど。
「ゾーエ・スカーレット……なんてことをしでかした……」
観客のひとりが真っ青な顔で舞台に歩み寄った。
「お、王陛下! これは何ですか!? いつからあなたたちは聞いていたの!?」
「聞いていただけではない。すべて見ていたぞ……」
「見ていた!? でも、幕はずっと降りていたじゃない!」
「幕なんて最初からなかった!! 王家に入るという人間が、なんたる醜態をさらしたのだ!」
「ええっ!? どういうことぉ!?」
彼女は状況をそれなりに理解し、羞恥心で立っていられなくなったようだ。豪快に膝を付いた。これが興行演劇なら照明を一身に浴びられるひと時ね。
「やはりアルフレッドの側近らが止めさせようと舞台袖に行こうとして、封鎖口で俺の家来らと小競り合いになっていたらしい」
エルネスト様のところに小さな遣いが、そう連絡を寄越したようだ。
「おかげさまで、最後まで即興劇をジャマされずに済みました」
「なら、早いところ逃げよう」
「はいっ!」
彼が私の手を取り、私は興奮の中で立ち上がる。そしてふたり顔を見合わせ、笑いながら走りゆくのだった。
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