25 / 141
第三章 あなたの役に立ちたい
⑨ 水のせいにして温め合おう
しおりを挟む
夕暮れ時、川屋の傍、ナツヒは「ほぼ全裸で」立ちすくんでいた。
こんなところを誰かに見られでもしたら、と考えると非常に寒い。
しばらく裸でユウナギとの掛け合いを回顧していた。
――――自分を引っ張って外に連れてきたユウナギは言った、話を聞いて、と。
「すぐ行くって、どこへ……どうして……。アヅミが何かしたんだな?」
「彼女はまだ何もしてない」
「まだ?」
「でも、彼女は嘘をついてる。……と思う。だから今から彼女を試す」
嘘とは? 試すとは? 途中経過を聞かなければさっぱり意味が掴めない。
しかし確実に危ないことをしようとしている、それは止めなくてはならない。
「待ち合わせの崖上に戻ったら、アヅミは私を川に突き落とす。……かもしれない」
「はぁ? 嘘をついてて試すと突き落とすってなんだよ! そんなの聞いて行かせるわけには」
言い終わる前にユウナギは声を張り上げた。
「彼女が私を消すためにあそこで集合を言いつけたなら、その思惑に乗っからないと尻尾は出さない! だからナツヒ、全部脱いで」
「……はい?」
脈絡のないことを言いだし即、ユウナギはナツヒの衣服を剥がそうとした。
「え? あ、待て。脱がっ……」
手も足も出ず尻もちをついた彼の上にまたがり、彼女は彼を脱がし始める。
「私、泳げないから! 私が落ちてきたら助けて!」
彼女の顔は真剣そのものだ。
「お願い……」
服を掴む手も震えている。ナツヒは返事ができなかった。
「出入口の隣室が衣類置き場になってる。私を助けたらそこで介抱して」
と言いながら立ち上がり、更に
「全面的に信じてるから」
と。
そして彼に燻製肉を1本渡して、また走って行った。
ナツヒにとっては「不覚にも」止めることができず、話を聞くことすらできず、彼女を行かせてしまったのである。
そういったわけでナツヒは自分の失態を恥じながら、軽い罰を受けるような気持ちで下を脱いだ。
実際アヅミのことは、物心ついてから何年も共に励んだ、血を分けた妹なので、それこそ「全面的に」信頼している。
が、彼の知るは10歳までの彼女だ。そこから先の彼女の人生は想像だにしない。文を交わしているのもトバリなのだ。
現に、牢でのユウナギに対するあの度の超えた悪戯は、あんなことを思いつくような奴だったかと、疑念が湧く部分もある。
……など、また考えを巡らせていた時だった。
「ユウナギ」と彼女を呼ぶ声がどこからか、微かに聞こえたのは。
驚き辺りを見回した。少し霧がかかっていて遠くは見えない。室内からかもしれない。
微かだが、低めの声を間違いなく聞いたのだ。
ナツヒは思いきり殴られたような感覚に襲われる。
「思った通りだ。近くに、1年後の自分がいる」
それはどう動いてる? 何を目的としている? 未来の自分と言っても所詮1年後だ、考え方は今と何ら変わらないだろう。
そこまで思考の糸を繋いだ時、さきほどの違和感を思い出した。
ユウナギと話した時。
訳も分からず連れていかれ動転していたので、牢の中で考えていたことを失念してしまった。あれは紛れもなくユウナギだったから。
そのうえ危地にあえて飛び込むような話を聞かされ、そこから平静に戻るのも無理だった。
ついでに突然脱がされたのだし。
でも確かに感じた。説明できない違和感を。
「もしかしたら、あれは1年後の……」
その時だ。背後でドォンと水しぶきの上がる音が響いた。
「!!!?」
バッと振り向いたら小さなしぶきがはらはら舞っている。ビリっと身体中を、ユウナギの言葉が駆け巡る。
“助けて”
“お願い”
“信じてる”
ナツヒの心は彼女のそれが共鳴するように、その名を夢中で叫び、川へ飛び込んだ。
彼女の声が聞こえる、それも何度か名を呼ばれた。
だからすぐに見つけられたのだ。
水底に落ち行く彼女を全速力で捕まえて、片腕でひたすら水を掻く。
顔が水の外に出たら、即その頭を自分の肩に乗せた。すると彼女は水を吐き出した。
無我夢中で岸に乗り上げる。
そして意識を失ったままの彼女を抱え、言われたとおりに衣類庫へ走るのだった。
衣類庫に入室後、入口から死角となる奥に彼女を置き、脈が正常か確かめた。
ひとまず命は取りとめたが、名を幾度呼んでも返事はなく、いつ意識が戻るか分からない。
このびしょ濡れの衣服を着せ替えないと、体温が下がってしまう。
ナツヒは息を吞んだ。
少しのあいだ停止していた。しかし迷っている場合ではない。
まず棚に積まれている布を何枚も用意し、なぜかやたら着こんでいる彼女を全て脱がしたら、布を当てることで水気を払う。
そしてもっと大きな布で全身をぐるぐる巻きにして、何とか役目を果たした。
気付けば自分も裸のままだ。
急いで衣服を見繕って着、それから寝かせておいた彼女を軽く持ち上げ、腰を落とす。
そのあと彼女を思い切り抱きしめたのは、その体温を下げないようにと思ってのことだが、実際は自分も寒気を感じそれを必要としていた。
温もりに安心したのか、そのまま彼も寝入るのだった。
***
窓から差す朝の光にあてられて、ユウナギは目を覚ました。
身体の重さをひどく感じながら起き上がると、そこは木の壁の部屋で、道具倉庫だろうか、縄やら棒やら器やらが煩雑に置かれている。
「……? ここは?」
そこにはただ一人、自分しかいない。立ち上がろうとすると、頭がずきずきと痛んだ。
何が起こって今、自分はここにいるのか。記憶の糸を手繰ると、最後の感覚は痛みだった。
何の痛みかは分からない。その前はあの、彼女の恐ろしい表情、必死にしがみついていた苦しみ、更には通して感じていた死への恐怖。
「そうだ、私、裏切られて……」
思い出せば出すほど、絶望の思いで身震いが止まらない。
確かに自分は川に落ちたのだ。
しかし今、こうして生きている。
「まさか神のご加護が……? それなら」
手を合わせ神に謝意を表し、さらに、こう願う。
「ナツヒを必ず無事に、私の元へ……」
ユウナギはこれからどうするか考えた。
ナツヒを探しに行くのが最優先である、と分かってはいる。
ただ、心は違うところへ向かう。
昨晩、意識が遠のく中で。
意識が遠のいたからこそ余計はっきりと聴こえたのかもしれない。彼女は、「大嫌い」と言った。
それは怒りというよりは、物悲しさを思わせる声だった。
幼い頃自分たちの間で何かあったのだろうか。しかしこちらは彼女のことを本当に知らなかったのだ。
本音を言えば、彼女に会うのは怖くて、できることなら逃げ出したい。
こちらも騙され殺されかけた怒りを、どこへ持っていけばいいのか分からない。
それでももう1度、話がしたい。
このまま死んだふりをして逃げたら後悔する、気がする。
ユウナギは、着ている侍女服のゆとりある裾をそこらの小さな鎌で裂き、動きやすいように結び合わせた。
そして長めの棒を護身用に持ち出し、そこの扉を開けた。
こんなところを誰かに見られでもしたら、と考えると非常に寒い。
しばらく裸でユウナギとの掛け合いを回顧していた。
――――自分を引っ張って外に連れてきたユウナギは言った、話を聞いて、と。
「すぐ行くって、どこへ……どうして……。アヅミが何かしたんだな?」
「彼女はまだ何もしてない」
「まだ?」
「でも、彼女は嘘をついてる。……と思う。だから今から彼女を試す」
嘘とは? 試すとは? 途中経過を聞かなければさっぱり意味が掴めない。
しかし確実に危ないことをしようとしている、それは止めなくてはならない。
「待ち合わせの崖上に戻ったら、アヅミは私を川に突き落とす。……かもしれない」
「はぁ? 嘘をついてて試すと突き落とすってなんだよ! そんなの聞いて行かせるわけには」
言い終わる前にユウナギは声を張り上げた。
「彼女が私を消すためにあそこで集合を言いつけたなら、その思惑に乗っからないと尻尾は出さない! だからナツヒ、全部脱いで」
「……はい?」
脈絡のないことを言いだし即、ユウナギはナツヒの衣服を剥がそうとした。
「え? あ、待て。脱がっ……」
手も足も出ず尻もちをついた彼の上にまたがり、彼女は彼を脱がし始める。
「私、泳げないから! 私が落ちてきたら助けて!」
彼女の顔は真剣そのものだ。
「お願い……」
服を掴む手も震えている。ナツヒは返事ができなかった。
「出入口の隣室が衣類置き場になってる。私を助けたらそこで介抱して」
と言いながら立ち上がり、更に
「全面的に信じてるから」
と。
そして彼に燻製肉を1本渡して、また走って行った。
ナツヒにとっては「不覚にも」止めることができず、話を聞くことすらできず、彼女を行かせてしまったのである。
そういったわけでナツヒは自分の失態を恥じながら、軽い罰を受けるような気持ちで下を脱いだ。
実際アヅミのことは、物心ついてから何年も共に励んだ、血を分けた妹なので、それこそ「全面的に」信頼している。
が、彼の知るは10歳までの彼女だ。そこから先の彼女の人生は想像だにしない。文を交わしているのもトバリなのだ。
現に、牢でのユウナギに対するあの度の超えた悪戯は、あんなことを思いつくような奴だったかと、疑念が湧く部分もある。
……など、また考えを巡らせていた時だった。
「ユウナギ」と彼女を呼ぶ声がどこからか、微かに聞こえたのは。
驚き辺りを見回した。少し霧がかかっていて遠くは見えない。室内からかもしれない。
微かだが、低めの声を間違いなく聞いたのだ。
ナツヒは思いきり殴られたような感覚に襲われる。
「思った通りだ。近くに、1年後の自分がいる」
それはどう動いてる? 何を目的としている? 未来の自分と言っても所詮1年後だ、考え方は今と何ら変わらないだろう。
そこまで思考の糸を繋いだ時、さきほどの違和感を思い出した。
ユウナギと話した時。
訳も分からず連れていかれ動転していたので、牢の中で考えていたことを失念してしまった。あれは紛れもなくユウナギだったから。
そのうえ危地にあえて飛び込むような話を聞かされ、そこから平静に戻るのも無理だった。
ついでに突然脱がされたのだし。
でも確かに感じた。説明できない違和感を。
「もしかしたら、あれは1年後の……」
その時だ。背後でドォンと水しぶきの上がる音が響いた。
「!!!?」
バッと振り向いたら小さなしぶきがはらはら舞っている。ビリっと身体中を、ユウナギの言葉が駆け巡る。
“助けて”
“お願い”
“信じてる”
ナツヒの心は彼女のそれが共鳴するように、その名を夢中で叫び、川へ飛び込んだ。
彼女の声が聞こえる、それも何度か名を呼ばれた。
だからすぐに見つけられたのだ。
水底に落ち行く彼女を全速力で捕まえて、片腕でひたすら水を掻く。
顔が水の外に出たら、即その頭を自分の肩に乗せた。すると彼女は水を吐き出した。
無我夢中で岸に乗り上げる。
そして意識を失ったままの彼女を抱え、言われたとおりに衣類庫へ走るのだった。
衣類庫に入室後、入口から死角となる奥に彼女を置き、脈が正常か確かめた。
ひとまず命は取りとめたが、名を幾度呼んでも返事はなく、いつ意識が戻るか分からない。
このびしょ濡れの衣服を着せ替えないと、体温が下がってしまう。
ナツヒは息を吞んだ。
少しのあいだ停止していた。しかし迷っている場合ではない。
まず棚に積まれている布を何枚も用意し、なぜかやたら着こんでいる彼女を全て脱がしたら、布を当てることで水気を払う。
そしてもっと大きな布で全身をぐるぐる巻きにして、何とか役目を果たした。
気付けば自分も裸のままだ。
急いで衣服を見繕って着、それから寝かせておいた彼女を軽く持ち上げ、腰を落とす。
そのあと彼女を思い切り抱きしめたのは、その体温を下げないようにと思ってのことだが、実際は自分も寒気を感じそれを必要としていた。
温もりに安心したのか、そのまま彼も寝入るのだった。
***
窓から差す朝の光にあてられて、ユウナギは目を覚ました。
身体の重さをひどく感じながら起き上がると、そこは木の壁の部屋で、道具倉庫だろうか、縄やら棒やら器やらが煩雑に置かれている。
「……? ここは?」
そこにはただ一人、自分しかいない。立ち上がろうとすると、頭がずきずきと痛んだ。
何が起こって今、自分はここにいるのか。記憶の糸を手繰ると、最後の感覚は痛みだった。
何の痛みかは分からない。その前はあの、彼女の恐ろしい表情、必死にしがみついていた苦しみ、更には通して感じていた死への恐怖。
「そうだ、私、裏切られて……」
思い出せば出すほど、絶望の思いで身震いが止まらない。
確かに自分は川に落ちたのだ。
しかし今、こうして生きている。
「まさか神のご加護が……? それなら」
手を合わせ神に謝意を表し、さらに、こう願う。
「ナツヒを必ず無事に、私の元へ……」
ユウナギはこれからどうするか考えた。
ナツヒを探しに行くのが最優先である、と分かってはいる。
ただ、心は違うところへ向かう。
昨晩、意識が遠のく中で。
意識が遠のいたからこそ余計はっきりと聴こえたのかもしれない。彼女は、「大嫌い」と言った。
それは怒りというよりは、物悲しさを思わせる声だった。
幼い頃自分たちの間で何かあったのだろうか。しかしこちらは彼女のことを本当に知らなかったのだ。
本音を言えば、彼女に会うのは怖くて、できることなら逃げ出したい。
こちらも騙され殺されかけた怒りを、どこへ持っていけばいいのか分からない。
それでももう1度、話がしたい。
このまま死んだふりをして逃げたら後悔する、気がする。
ユウナギは、着ている侍女服のゆとりある裾をそこらの小さな鎌で裂き、動きやすいように結び合わせた。
そして長めの棒を護身用に持ち出し、そこの扉を開けた。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
【R15】お金で買われてほどかれて~社長と事務員のじれ甘婚約~【完結】
双真満月
恋愛
都雪生(みやこ ゆきな)の父が抱えた借金を肩代わり――
そんな救世主・広宮美土里(ひろみや みどり)が出した条件は、雪生との婚約だった。
お香の老舗の一人息子、美土里はどうやら両親にせっつかれ、偽りの婚約者として雪生に目をつけたらしい。
弟の氷雨(ひさめ)を守るため、条件を受け入れ、美土里が出すマッサージ店『プロタゴニスタ』で働くことになった雪生。
働いて約一年。
雪生には、人には言えぬ淫靡な夢を見ることがあった。それは、美土里と交わる夢。
意識をすることはあれど仕事をこなし、スタッフたちと接する内に、マッサージに興味も出てきたある日――
施術を教えてもらうという名目で、美土里と一夜を共にしてしまう。
好きなのか嫌いなのか、はっきりわからないまま、偽りの立場に苦しむ雪生だったが……。
※エブリスタにも掲載中
2022/01/29 完結しました!
ニンジャマスター・ダイヤ
竹井ゴールド
キャラ文芸
沖縄県の手塚島で育った母子家庭の手塚大也は実母の死によって、東京の遠縁の大鳥家に引き取られる事となった。
大鳥家は大鳥コンツェルンの創業一族で、裏では日本を陰から守る政府機関・大鳥忍軍を率いる忍者一族だった。
沖縄県の手塚島で忍者の修行をして育った大也は東京に出て、忍者の争いに否応なく巻き込まれるのだった。
雇われ側妃は邪魔者のいなくなった後宮で高らかに笑う
ちゃっぷ
キャラ文芸
多少嫁ぎ遅れてはいるものの、宰相をしている父親のもとで平和に暮らしていた女性。
煌(ファン)国の皇帝は大変な女好きで、政治は宰相と皇弟に丸投げして後宮に入り浸り、お気に入りの側妃/上級妃たちに囲まれて過ごしていたが……彼女には関係ないこと。
そう思っていたのに父親から「皇帝に上級妃を排除したいと相談された。お前に後宮に入って邪魔者を排除してもらいたい」と頼まれる。
彼女は『上級妃を排除した後の後宮を自分にくれること』を条件に、雇われ側妃として後宮に入る。
そして、皇帝から自分を楽しませる女/遊姫(ヨウチェン)という名を与えられる。
しかし突然上級妃として後宮に入る遊姫のことを上級妃たちが良く思うはずもなく、彼女に幼稚な嫌がらせをしてきた。
自分を害する人間が大嫌いで、やられたらやり返す主義の遊姫は……必ず邪魔者を惨めに、後宮から追放することを決意する。
時戻りのカノン
臣桜
恋愛
将来有望なピアニストだった花音は、世界的なコンクールを前にして事故に遭い、ピアニストとしての人生を諦めてしまった。地元で平凡な会社員として働いていた彼女は、事故からすれ違ってしまった祖母をも喪ってしまう。後悔にさいなまれる花音のもとに、祖母からの手紙が届く。手紙には、自宅にある練習室室Cのピアノを弾けば、女の子の霊が力を貸してくれるかもしれないとあった。やり直したいと思った花音は、トラウマを克服してピアノを弾き過去に戻る。やり直しの人生で秀真という男性に会い、恋をするが――。
※ 表紙はニジジャーニーで生成しました
【12/29にて公開終了】愛するつもりなぞないんでしょうから
真朱
恋愛
この国の姫は公爵令息と婚約していたが、隣国との和睦のため、一転して隣国の王子の許へ嫁ぐことになった。余計ないざこざを防ぐべく、姫の元婚約者の公爵令息は王命でさくっと婚姻させられることになり、その相手として白羽の矢が立ったのは辺境伯家の二女・ディアナだった。「可憐な姫の後が、脳筋な辺境伯んとこの娘って、公爵令息かわいそうに…。これはあれでしょ?『お前を愛するつもりはない!』ってやつでしょ?」
期待も遠慮も捨ててる新妻ディアナと、好青年の仮面をひっ剥がされていく旦那様ラキルスの、『明日はどっちだ』な夫婦のお話。
※なんちゃって異世界です。なんでもあり、ご都合主義をご容赦ください。
※新婚夫婦のお話ですが色っぽさゼロです。Rは物騒な方です。
※ざまあのお話ではありません。軽い読み物とご理解いただけると幸いです。
※コミカライズにより12/29にて公開を終了させていただきます。
“代わりに結婚しておいて”…と姉が手紙を残して家出しました。初夜もですか?!
みみぢあん
恋愛
ビオレータの姉は、子供の頃からソールズ伯爵クロードと婚約していた。
結婚直前に姉は、妹のビオレータに“結婚しておいて”と手紙を残して逃げ出した。
妹のビオレータは、家族と姉の婚約者クロードのために、姉が帰ってくるまでの身代わりとなることにした。
…初夜になっても姉は戻らず… ビオレータは姉の夫となったクロードを寝室で待つうちに……?!
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる