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第ニ章 あなたの隣で生きたい
⑥ 運命を変える!
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ユウナギが瞼を開けナツヒの胸から離れてみたら、その場は日没手前だ。辺りを見渡して、中央に帰ってきたことだけは分かった。
だが思考力がついてこず、あっけにとられているふたり。遠くでカラスが鳴いている。
そこに駆け寄ってきた人影。トバリだった。
「ああ良かった。無事に帰ってこられて」
「トバリ兄様……」
彼が、安心しているようであるがそれほど慌ててはいないことで、察する。
「兄様、門限は……」
「なんとか間に合いましたね。それで、魔術師には会えたのですか?」
自分は約束の6日以上の時を過ごしていたはずなのに、と眩暈がした。
そんな様子の彼女に気付いたトバリは、労うため寄り添う。
しかし屋敷に促そうとする彼の手を断って、ユウナギはひとりで戻ろうとするのだった。
「ええ。疲れたから、湯あみをして寝るわ」
普段可愛げのあるユウナギのつれない態度に、多少面食らうトバリ。
だが、初めて外に出て、短い間でも思うところがあったのだろうと、屋敷までの道をただ見守るだけにした。
敷地内に入ってユウナギは、自宅に戻ろうとするナツヒの袖を掴んだ。
「明日からあの邑に行くわ」
「は?」
戻ってきてしまったものは仕方ないと割り切ろうして、今まさに切り替えられそうだったナツヒは意表を突かれた。
「出かけてきたばかりなのに出してもらえるかよ。あそこまで丸1日はかかるぞ」
「朝一で馬車を出せるようにして。あなたならできるでしょ。そして戻ってきたら一緒に叱られて」
彼の予定は考慮されないようだ。
「……行ってどうするんだ」
「運命を変えるの。彼の妻にあの日出かけず、子どもと家にいるよう言いつければいい。本当にあれが今よりも未来の出来事なら、それが可能なはず」
ナツヒがどこからつっこめばいいのやら、と考えているうちにユウナギは、
「そうと決まれば、全然眠くないけど早速寝る! あなたは誰にもバレない様に、今から手配よろしく」
と走って自室に戻ってしまった。
本人の中ではそれでケリが付きそうな予感があって、誰にも止められない状況なのだとナツヒは諦観していた。
明朝まだ暗いうちに、ナツヒの用意した馬車で中央を出た。
邑までは遠いので、また酔って苦しい道中になると前置きされたが、そんなことで怯む子ではない。
御者は王女が乗るとは知らない、ふたりひそひそと話す。
「彼女に出かけないよう説得するってお前は言うけど、2年も先の話だ。そんなの無理だろ」
「事故の日付も分からないし、2年後なんてそこの役人もアテにならないでしょうね」
昨夜は気分が高揚していて気付かなかったが、冷静になった今ユウナギもそう考えるようになった。
ずっと馬車に揺られながら、どうすればいいのかぼんやり思考する。
一晩泊まる邑に着く頃、雨がしとしと降り始めた。
そして朝から馬車での道のりを、また考え事をして乗り切っていたのだが、ふと、あの悲嘆に暮れる男の言葉を思い出した。
「彼は言ったわ。自分のところに来たせいで、と。僕が彼女の人生を短いものにしてしまった、息子も僕のところに生まれてこなければ、と……」
「お前、まさか」
「ふたりが結ばれる運命をなかったことにすれば、命は助かる。子どもの魂も、他の夫婦のところに生まれつくことができるかも」
「何も知らないふたりの仲を、引き裂くのか?」
「死ぬよりはマシよ。残された彼だって、自死を試みるほど憔悴していた。こればかりは強権使ってでも助けなきゃ、私があの未来を視せられた意味がないわ!」
こういう時に彼女の決意が揺るがないのは、子どもの頃から共にいるナツヒには嫌というほど分かる。
そのおせっかいは度が過ぎるとも思うが、彼女は結局この国の王女なのだ。
民の運命をどうとでもできる立場にいるのだし、それを実感するといい、と挑発にも似た思いをナツヒは抱いた。
邑に着いた頃には雨が上がり、雲は捌け、月を見せる。
家に帰ろうと忙しくしている邑人を捕まえ、彼女の家の在りかを聞いた。
邑人は話す。彼女は明日嫁すので、一族で宴を開いている時分だろうと。
「嫁入り? どこへ?」
ユウナギが尋ねると、隣邑の長者の元へという話だ。
ふたりはそこへ向かって走る。
「彼は嫁入り前夜に求婚したって言ってた。その前に、それを振り切って隣邑へ行くよう彼女を説得できれば……」
「説得って、お前は見ず知らずの他人なんだぞ?」
強権はどこ行った? と、ナツヒは心の中でつっこんだ。
騒がしい音が聞こえる屋敷の前に辿り着く。
その隣に建つ小屋の小窓に、夜空を眺める美しい娘をユウナギは見た。
「あの子……宴には混ざらないのかな」
「あ。ユウナギ、あっち」
ナツヒが気付いたのは、そこに息せき切らし走ってきた「彼」である。
彼は想う人の名を、宴の騒ぎにかき消されまいと必死に呼んだ。
綺麗な娘が驚いた様子で、小窓から顔を出す。
それから小窓の前で、彼のたどたどしい独白が始まる。
ふたりは近くの物陰に隠れ、聞き耳を立てた。
彼の話を要約すると、「役人の裕福な家で暮らすことが君の幸せだと自分に言い聞かせてみたが、だめだった。君のいない人生は考えられない」ということだった。
聞いていたよりだいぶ不器用な調子の告白だな、とユウナギは感じた。
「僕は土地も財も、今は何もないけれど、僕のこれからのすべてを君にあげるから。僕の隣で、これからも笑顔を見せてほしい」
そこまで想いを告げられた時、彼女は奥に引っ込んだ。
彼は、この我がまま加減にやはり見限られたか、と項垂れる。
すると、ばたっと音がして、小屋を出た彼女が駆け寄ってきたのだ。彼女は彼に飛びついて言った。
「遅いよ。ずっと待ってたのに」
男は上擦った声で「えっ?」と聞き返す。
「不安だった……あなたのところに逃げていこうか迷ってた。でもあなたに迷惑がかかってしまう……。ずっと前からあなた以外はみえないのに、他の人の妻になって、私はどう生きていけと言うの? それなら死のうかとも思った……」
ひとたび表情を曇らせた彼女は、すぐに笑みを取り戻す。
「嬉しい……私、あなたの隣で生きていけるのね」
彼の顔は紅潮した。これが夢心地というものだ。
彼女の腰に手をまわしてつぶやく。
「……これから家族にも責められて、君まで肩身の狭い思いをすることになるけど……」
「え? もう怖気づいたの?」
「僕は平気だよそんなこと」
「私も平気よそんなこと」
ふたりは微笑み合った。
彼らに気付かれないように、ユウナギは物陰から離れようとする。
ナツヒもユウナギに付いて、その場を離れたこの時、見つけた。
彼女の頬に流れる大粒の涙を。
「ユウナギ……?」
「変えられるわけないよ……。彼女は長く生きられなくても、最後は無念の情を抱えて死にゆくことになっても、その瞬間までは間違いなく幸せだった。きっと赤子もそう。母親に抱きしめられて、愛情を日々感じて過ごしていたんでしょう。……なかったことにはできない」
「…………」
「できないよ!!」
すぐには気の利いた言葉も出てこないナツヒにしがみつき、遠慮なく泣き出したのだった。
そんな彼女をすぐそばに眺めてナツヒは。
ここに来るまで彼女に対して少し、意地の悪い思いを抱いていたかもしれない。それが巡り巡って今、彼女は泣いているのだろうと、後悔のような気持ちを募らせる。
「……お前が未来を視た意味っていうならさ、罪を犯した者には必ずその深さに照らして、償わせる規則を確立する、っていうのはどうだ? 現状じゃ不十分だから、ああいうことが起きたんだし……。俺たち中央の人間なら、今からでもできることがあるはずだ」
精一杯励ましのような慰めのような、慣れない心持ちで物を言ってみたが。まだ離れないユウナギに、ナツヒは困るばかりである。
「さぁ、今夜も早く寝床確保しなきゃなんねえ」
独り言のように言って、ナツヒは彼女を半ば引きずる形で集落をまわった。
雨が上がり、星の瞬きが美しい夜のことだった。
だが思考力がついてこず、あっけにとられているふたり。遠くでカラスが鳴いている。
そこに駆け寄ってきた人影。トバリだった。
「ああ良かった。無事に帰ってこられて」
「トバリ兄様……」
彼が、安心しているようであるがそれほど慌ててはいないことで、察する。
「兄様、門限は……」
「なんとか間に合いましたね。それで、魔術師には会えたのですか?」
自分は約束の6日以上の時を過ごしていたはずなのに、と眩暈がした。
そんな様子の彼女に気付いたトバリは、労うため寄り添う。
しかし屋敷に促そうとする彼の手を断って、ユウナギはひとりで戻ろうとするのだった。
「ええ。疲れたから、湯あみをして寝るわ」
普段可愛げのあるユウナギのつれない態度に、多少面食らうトバリ。
だが、初めて外に出て、短い間でも思うところがあったのだろうと、屋敷までの道をただ見守るだけにした。
敷地内に入ってユウナギは、自宅に戻ろうとするナツヒの袖を掴んだ。
「明日からあの邑に行くわ」
「は?」
戻ってきてしまったものは仕方ないと割り切ろうして、今まさに切り替えられそうだったナツヒは意表を突かれた。
「出かけてきたばかりなのに出してもらえるかよ。あそこまで丸1日はかかるぞ」
「朝一で馬車を出せるようにして。あなたならできるでしょ。そして戻ってきたら一緒に叱られて」
彼の予定は考慮されないようだ。
「……行ってどうするんだ」
「運命を変えるの。彼の妻にあの日出かけず、子どもと家にいるよう言いつければいい。本当にあれが今よりも未来の出来事なら、それが可能なはず」
ナツヒがどこからつっこめばいいのやら、と考えているうちにユウナギは、
「そうと決まれば、全然眠くないけど早速寝る! あなたは誰にもバレない様に、今から手配よろしく」
と走って自室に戻ってしまった。
本人の中ではそれでケリが付きそうな予感があって、誰にも止められない状況なのだとナツヒは諦観していた。
明朝まだ暗いうちに、ナツヒの用意した馬車で中央を出た。
邑までは遠いので、また酔って苦しい道中になると前置きされたが、そんなことで怯む子ではない。
御者は王女が乗るとは知らない、ふたりひそひそと話す。
「彼女に出かけないよう説得するってお前は言うけど、2年も先の話だ。そんなの無理だろ」
「事故の日付も分からないし、2年後なんてそこの役人もアテにならないでしょうね」
昨夜は気分が高揚していて気付かなかったが、冷静になった今ユウナギもそう考えるようになった。
ずっと馬車に揺られながら、どうすればいいのかぼんやり思考する。
一晩泊まる邑に着く頃、雨がしとしと降り始めた。
そして朝から馬車での道のりを、また考え事をして乗り切っていたのだが、ふと、あの悲嘆に暮れる男の言葉を思い出した。
「彼は言ったわ。自分のところに来たせいで、と。僕が彼女の人生を短いものにしてしまった、息子も僕のところに生まれてこなければ、と……」
「お前、まさか」
「ふたりが結ばれる運命をなかったことにすれば、命は助かる。子どもの魂も、他の夫婦のところに生まれつくことができるかも」
「何も知らないふたりの仲を、引き裂くのか?」
「死ぬよりはマシよ。残された彼だって、自死を試みるほど憔悴していた。こればかりは強権使ってでも助けなきゃ、私があの未来を視せられた意味がないわ!」
こういう時に彼女の決意が揺るがないのは、子どもの頃から共にいるナツヒには嫌というほど分かる。
そのおせっかいは度が過ぎるとも思うが、彼女は結局この国の王女なのだ。
民の運命をどうとでもできる立場にいるのだし、それを実感するといい、と挑発にも似た思いをナツヒは抱いた。
邑に着いた頃には雨が上がり、雲は捌け、月を見せる。
家に帰ろうと忙しくしている邑人を捕まえ、彼女の家の在りかを聞いた。
邑人は話す。彼女は明日嫁すので、一族で宴を開いている時分だろうと。
「嫁入り? どこへ?」
ユウナギが尋ねると、隣邑の長者の元へという話だ。
ふたりはそこへ向かって走る。
「彼は嫁入り前夜に求婚したって言ってた。その前に、それを振り切って隣邑へ行くよう彼女を説得できれば……」
「説得って、お前は見ず知らずの他人なんだぞ?」
強権はどこ行った? と、ナツヒは心の中でつっこんだ。
騒がしい音が聞こえる屋敷の前に辿り着く。
その隣に建つ小屋の小窓に、夜空を眺める美しい娘をユウナギは見た。
「あの子……宴には混ざらないのかな」
「あ。ユウナギ、あっち」
ナツヒが気付いたのは、そこに息せき切らし走ってきた「彼」である。
彼は想う人の名を、宴の騒ぎにかき消されまいと必死に呼んだ。
綺麗な娘が驚いた様子で、小窓から顔を出す。
それから小窓の前で、彼のたどたどしい独白が始まる。
ふたりは近くの物陰に隠れ、聞き耳を立てた。
彼の話を要約すると、「役人の裕福な家で暮らすことが君の幸せだと自分に言い聞かせてみたが、だめだった。君のいない人生は考えられない」ということだった。
聞いていたよりだいぶ不器用な調子の告白だな、とユウナギは感じた。
「僕は土地も財も、今は何もないけれど、僕のこれからのすべてを君にあげるから。僕の隣で、これからも笑顔を見せてほしい」
そこまで想いを告げられた時、彼女は奥に引っ込んだ。
彼は、この我がまま加減にやはり見限られたか、と項垂れる。
すると、ばたっと音がして、小屋を出た彼女が駆け寄ってきたのだ。彼女は彼に飛びついて言った。
「遅いよ。ずっと待ってたのに」
男は上擦った声で「えっ?」と聞き返す。
「不安だった……あなたのところに逃げていこうか迷ってた。でもあなたに迷惑がかかってしまう……。ずっと前からあなた以外はみえないのに、他の人の妻になって、私はどう生きていけと言うの? それなら死のうかとも思った……」
ひとたび表情を曇らせた彼女は、すぐに笑みを取り戻す。
「嬉しい……私、あなたの隣で生きていけるのね」
彼の顔は紅潮した。これが夢心地というものだ。
彼女の腰に手をまわしてつぶやく。
「……これから家族にも責められて、君まで肩身の狭い思いをすることになるけど……」
「え? もう怖気づいたの?」
「僕は平気だよそんなこと」
「私も平気よそんなこと」
ふたりは微笑み合った。
彼らに気付かれないように、ユウナギは物陰から離れようとする。
ナツヒもユウナギに付いて、その場を離れたこの時、見つけた。
彼女の頬に流れる大粒の涙を。
「ユウナギ……?」
「変えられるわけないよ……。彼女は長く生きられなくても、最後は無念の情を抱えて死にゆくことになっても、その瞬間までは間違いなく幸せだった。きっと赤子もそう。母親に抱きしめられて、愛情を日々感じて過ごしていたんでしょう。……なかったことにはできない」
「…………」
「できないよ!!」
すぐには気の利いた言葉も出てこないナツヒにしがみつき、遠慮なく泣き出したのだった。
そんな彼女をすぐそばに眺めてナツヒは。
ここに来るまで彼女に対して少し、意地の悪い思いを抱いていたかもしれない。それが巡り巡って今、彼女は泣いているのだろうと、後悔のような気持ちを募らせる。
「……お前が未来を視た意味っていうならさ、罪を犯した者には必ずその深さに照らして、償わせる規則を確立する、っていうのはどうだ? 現状じゃ不十分だから、ああいうことが起きたんだし……。俺たち中央の人間なら、今からでもできることがあるはずだ」
精一杯励ましのような慰めのような、慣れない心持ちで物を言ってみたが。まだ離れないユウナギに、ナツヒは困るばかりである。
「さぁ、今夜も早く寝床確保しなきゃなんねえ」
独り言のように言って、ナツヒは彼女を半ば引きずる形で集落をまわった。
雨が上がり、星の瞬きが美しい夜のことだった。
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