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第4章 恋の手ほどきお願いします
第6話〜宣言します!〜
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「そっか。残念だなぁ」
来週から夜勤に戻してもらう事と今月末で退職する旨を伝えると、慎吾さんは視線を床に落とし、苦笑いを浮かべながら頭の後ろを掻いた。
そんな慎吾さんの姿を見て、今までここでお世話になった事が次々と走馬灯のように思い出され、つい感極まってしまう。
「ほんと、……に、すみません」
耐え切れず俯いた視線の先に、くしゃくしゃになった男物のハンカチが差し出された。せっかくの厚意ではあったが汚すのが申し訳なく丁重に断りをいれると、肩を掴まれ無理に目に押し当てられてしまった。
「ほら、これでもう断れない」
「慎吾、……さん」
おどける様にニカッと歯を見せて笑うと、もらい泣きしてしまったのか慎吾さんは指で目頭を摘んだ。
◇◆◇
「シフトは組みなおしておくよ。歩ちゃんの穴埋めは深町と俺でフォローするから」
「はい、宜しくお願いします」
慎吾さんに背中を支えられながら裏口を出た。
小田桐や輝ちゃんとの件もあってか、ここ最近の慎吾さんにはいささか不満や疑問を抱いていたのだが、そんな事も忘れてしまうくらい優しい言葉の数々に癒しを覚える。本当の兄のように慕い、慎吾さんも本当の妹の様に接してくれた。
仕事上がりに飲みに行くとかこれからは簡単に出来ないのだと思うと、ジンと胸が痛んだ。
「――?」
カツンッと革靴の音が聞こえ私はハッとした。『後で迎えに行くから裏口で待ってろよ』と言った小田桐のセリフを思い出したと同時に、目の前には明らかに苛立ちを見せた男が立っているのがわかった。待ってろと言われたのに、話が長引いたせいで逆に小田桐が待たされていたはずだ。仕事を抜け出してわざわざ来たのに待たされたとなればそりゃあ怒るのも無理は無い。――決して頼んだわけでは無いのだが。
カツンカツンと革靴の音と共に小田桐が一気に詰め寄ってきた。
「お、遅くなってごめん!」
何となく危険を察知し、詰め寄ってくる小田桐を両手で押し留めるような格好をする。小田桐がその私の手に一度視線を落とすと背後に立っている慎吾さんに顔を向けた。
「お前、一体何をした?」
「え?」
「なにっ、小田桐??」
慎吾さんと小田桐のバトルは何度も目にしたが、今回は何処か違った。いつもは客と言う立場を余す事無く利用し偉そうな態度で慎吾さんに接していたのだが、何故か今は酷く動揺している様に見えた。慎吾さんの返答次第では掴みかかるんじゃないかと思うほどの勢いが感じられる。
「何言ってんの何もしてないよ。ほら、もう行こ?」
小田桐の胸をぐいぐいと押し、慎吾さんから遠ざけようとした私の手から慎吾さんのハンカチがもぎ取られる。
『あっ』と言う間もなく、それを慎吾さんの胸に叩き返すと小田桐は見得を切った。
「今度コイツを泣かせたら……。――この店、潰すぞ」
「なっ、」
「小田桐! なんてことっ、」
「行くぞ」
私の腕を掴むと引き摺るようにして歩き出した。助手席のドアを開き、無理に中へと押し込まれると乱暴にドアが閉められる。いつもと様子が違う小田桐に私は声をかけることが出来ず、しばらく黙り込んでしまった。
信号が赤に変わり、車が緩やかに停止する。何度も大きな溜息を吐いては舌打ちをし、今、無性にいらついているのだと小田桐はあからさまな態度を見せ付けた。
「……なんであんな事言ったのよ」
今の小田桐に声を掛けるのは相当勇気がいった。慎吾さんに対する失礼極まりない言葉を思い出すと、怒りを通り越して悲しみに変わっていく。『この店、潰すぞ』だなんて、まさに金でモノを言わす権力者の常套句だ。……そりゃあ、小田桐の家は事実お金持ちだし、何かしらの力を使えばコンビニの一つや二つ潰すことなど造作も無い事だろう。
ふと、立ち止まって考えてみれば気付くはずだが、普段の小田桐を見ていると彼の家がお金持ちなのだと言う事すら忘れてしまっていたほど、彼は私達となんらかわり無かった。
容姿端麗な外見とは打って変わって家ではいつもスウェットを愛用し、コンビニでから揚げ弁当とから揚げちゃんを買う事もあれば、ガード下の焼き鳥屋がお気に入りの店だったりもする。私達一般庶民となんら変わりのない生活を送っているように思っていたが、先程の発言を聞いた後ではそれらは“まやかし”に過ぎなかったのかと残念な気持ちで一杯になった。
私の声が届いているはずなのに返事が無い。ここで引き下がるのが悔しくて私は怒鳴られるのを覚悟で、膝に置いた手をぎゅっと握りながら話を続けた。
「単に仕事を辞めるって話をしたら感極まっただけなのに、何を勘違いしたんだか『店を潰してやる』だなんて、……あんたを見損なった」
はぁーっと大きな溜め息を吐くと、小田桐は面倒臭そうに口を開いた。
「……あんなの、嘘に決まってんだろ」
「あんたが言ったら嘘に聞こえない」
私が言えば嘘丸出しだってわかるけど、小田桐なら本当にやりかねないし、実際問題、彼からしてみれば店を潰すなど赤子の手を捻るようなもの。
「何でわざわざ見え透いた嘘吐かなきゃなんねーの。一体、誰が得するってんだよ」
――ああ、確かに。
何だか一本取られた気がする。なんだか悔しい。
「じゃあ、あんたは得があったの!?」
「ああ、あったね」
目の前の信号が青に変わり、また緩やかに車を走らせる。視線はずっと前を向いたままだ。
「少なくとも、あの男をお前から遠ざける事が出来たからな」
「な、何言ってんだか。……ジャッ君も言ってたじゃん、慎吾さんは輝ちゃんが――」
実はそれも違ったみたいだけど……とは言えず、とりあえず小田桐の勝手な勘違いのせいで宮川ファミリーに迷惑を掛けてしまうのでは、と、私は気が気で無かった。
「あいつはお前を気に入っている。ジャックが何を言おうが俺にはわかる」
「だから、それは妹みたいなもんなんだってば!」
「見掛けによらず、あんたって面倒臭い奴だね!」って言いかけたとき、次の小田桐の言葉を聞いてそのセリフは喉の奥に引っ込めた。
「お前に惚れてる俺にしか、……わからない事がある」
遠くを見つめながらポツリと呟いた言葉は、私の心の奥まで染み渡った。
◇◆◇
「んだよ? これ」
「返すよ!」
店で無理矢理渡された茶色い包装紙を突き返す。渋々と言った表情でその袋を手にすると、もう一度念押しされた。
「ほんっとにいらねーの?」
「イランっつってんでしょーがっ!」
アパートの前にゆるやかに停車し、車から降りるためにドアに手を掛ける。ふと、シートの背が何かの重みで少し下がったような気がしたと思ったら、すぐ近くで小田桐の声が聞こえた。
「礼とかなんも無しかよ」
「え? ――あ、送ってくれてありが……」
振り返ると助手席側のダッシュボードに先程の包装紙を入れるためか、片手を私のシートについて小田桐が身を乗り出していた。パタンッと蓋を閉め私に顔を向けた途端、丸くした目がすぐに細められ嫌らしく口の端をクッと上げた。
「なに? もしかしてキスされるとか思ったのか?」
「なっ! なんであんたはっ、……っ、」
逃げようと思えば逃げられるのに、“車”と言う密室の空間で二人きりになった私はどこかで期待していたのだろうか。近づいてくる長い睫毛に見惚れている間にあっさりと口を封じ込まれてしまった。
小鳥が啄ばむ様な軽いキスに恥ずかしさでギュッと目を硬く閉じた。クスッと笑われたことがわかり目を開けると、さっきまでとは全く違う優しい表情をのぞかせていた。
「お前、まだ慣れないのな」
「あ、ああああ当たり前じゃん!」
“かまとと”だとか思われてたらどうしよう。かと言って経験値が足りないもんは誤魔化しようが無い。
正直に答えればそのまま小田桐に抱き締められた。
「かわいいな、芳野」
「う、るさい」
恥ずかしすぎて一気に体温も上昇してきた気がする。
「――もう、俺以外の奴にあんな顔見せんなよ」
「え?」
抱き締める手を解くと距離を取り、いつになく真剣な眼差しを向けられた。目を泳がせている私とは違い、小田桐は堂々と視線を絡めてくる。直前のやりとりからして、きっと甘い言葉が紡ぎだされるのだろうなと思っていたのだが、――現実は違った。
「お前を泣かしていいのは俺だけだ」
「……はぁっ!?」
――それってなんてドS?
まさかのドS宣告によって私は五年三ヶ月ほど寿命が縮んだ気がした。
来週から夜勤に戻してもらう事と今月末で退職する旨を伝えると、慎吾さんは視線を床に落とし、苦笑いを浮かべながら頭の後ろを掻いた。
そんな慎吾さんの姿を見て、今までここでお世話になった事が次々と走馬灯のように思い出され、つい感極まってしまう。
「ほんと、……に、すみません」
耐え切れず俯いた視線の先に、くしゃくしゃになった男物のハンカチが差し出された。せっかくの厚意ではあったが汚すのが申し訳なく丁重に断りをいれると、肩を掴まれ無理に目に押し当てられてしまった。
「ほら、これでもう断れない」
「慎吾、……さん」
おどける様にニカッと歯を見せて笑うと、もらい泣きしてしまったのか慎吾さんは指で目頭を摘んだ。
◇◆◇
「シフトは組みなおしておくよ。歩ちゃんの穴埋めは深町と俺でフォローするから」
「はい、宜しくお願いします」
慎吾さんに背中を支えられながら裏口を出た。
小田桐や輝ちゃんとの件もあってか、ここ最近の慎吾さんにはいささか不満や疑問を抱いていたのだが、そんな事も忘れてしまうくらい優しい言葉の数々に癒しを覚える。本当の兄のように慕い、慎吾さんも本当の妹の様に接してくれた。
仕事上がりに飲みに行くとかこれからは簡単に出来ないのだと思うと、ジンと胸が痛んだ。
「――?」
カツンッと革靴の音が聞こえ私はハッとした。『後で迎えに行くから裏口で待ってろよ』と言った小田桐のセリフを思い出したと同時に、目の前には明らかに苛立ちを見せた男が立っているのがわかった。待ってろと言われたのに、話が長引いたせいで逆に小田桐が待たされていたはずだ。仕事を抜け出してわざわざ来たのに待たされたとなればそりゃあ怒るのも無理は無い。――決して頼んだわけでは無いのだが。
カツンカツンと革靴の音と共に小田桐が一気に詰め寄ってきた。
「お、遅くなってごめん!」
何となく危険を察知し、詰め寄ってくる小田桐を両手で押し留めるような格好をする。小田桐がその私の手に一度視線を落とすと背後に立っている慎吾さんに顔を向けた。
「お前、一体何をした?」
「え?」
「なにっ、小田桐??」
慎吾さんと小田桐のバトルは何度も目にしたが、今回は何処か違った。いつもは客と言う立場を余す事無く利用し偉そうな態度で慎吾さんに接していたのだが、何故か今は酷く動揺している様に見えた。慎吾さんの返答次第では掴みかかるんじゃないかと思うほどの勢いが感じられる。
「何言ってんの何もしてないよ。ほら、もう行こ?」
小田桐の胸をぐいぐいと押し、慎吾さんから遠ざけようとした私の手から慎吾さんのハンカチがもぎ取られる。
『あっ』と言う間もなく、それを慎吾さんの胸に叩き返すと小田桐は見得を切った。
「今度コイツを泣かせたら……。――この店、潰すぞ」
「なっ、」
「小田桐! なんてことっ、」
「行くぞ」
私の腕を掴むと引き摺るようにして歩き出した。助手席のドアを開き、無理に中へと押し込まれると乱暴にドアが閉められる。いつもと様子が違う小田桐に私は声をかけることが出来ず、しばらく黙り込んでしまった。
信号が赤に変わり、車が緩やかに停止する。何度も大きな溜息を吐いては舌打ちをし、今、無性にいらついているのだと小田桐はあからさまな態度を見せ付けた。
「……なんであんな事言ったのよ」
今の小田桐に声を掛けるのは相当勇気がいった。慎吾さんに対する失礼極まりない言葉を思い出すと、怒りを通り越して悲しみに変わっていく。『この店、潰すぞ』だなんて、まさに金でモノを言わす権力者の常套句だ。……そりゃあ、小田桐の家は事実お金持ちだし、何かしらの力を使えばコンビニの一つや二つ潰すことなど造作も無い事だろう。
ふと、立ち止まって考えてみれば気付くはずだが、普段の小田桐を見ていると彼の家がお金持ちなのだと言う事すら忘れてしまっていたほど、彼は私達となんらかわり無かった。
容姿端麗な外見とは打って変わって家ではいつもスウェットを愛用し、コンビニでから揚げ弁当とから揚げちゃんを買う事もあれば、ガード下の焼き鳥屋がお気に入りの店だったりもする。私達一般庶民となんら変わりのない生活を送っているように思っていたが、先程の発言を聞いた後ではそれらは“まやかし”に過ぎなかったのかと残念な気持ちで一杯になった。
私の声が届いているはずなのに返事が無い。ここで引き下がるのが悔しくて私は怒鳴られるのを覚悟で、膝に置いた手をぎゅっと握りながら話を続けた。
「単に仕事を辞めるって話をしたら感極まっただけなのに、何を勘違いしたんだか『店を潰してやる』だなんて、……あんたを見損なった」
はぁーっと大きな溜め息を吐くと、小田桐は面倒臭そうに口を開いた。
「……あんなの、嘘に決まってんだろ」
「あんたが言ったら嘘に聞こえない」
私が言えば嘘丸出しだってわかるけど、小田桐なら本当にやりかねないし、実際問題、彼からしてみれば店を潰すなど赤子の手を捻るようなもの。
「何でわざわざ見え透いた嘘吐かなきゃなんねーの。一体、誰が得するってんだよ」
――ああ、確かに。
何だか一本取られた気がする。なんだか悔しい。
「じゃあ、あんたは得があったの!?」
「ああ、あったね」
目の前の信号が青に変わり、また緩やかに車を走らせる。視線はずっと前を向いたままだ。
「少なくとも、あの男をお前から遠ざける事が出来たからな」
「な、何言ってんだか。……ジャッ君も言ってたじゃん、慎吾さんは輝ちゃんが――」
実はそれも違ったみたいだけど……とは言えず、とりあえず小田桐の勝手な勘違いのせいで宮川ファミリーに迷惑を掛けてしまうのでは、と、私は気が気で無かった。
「あいつはお前を気に入っている。ジャックが何を言おうが俺にはわかる」
「だから、それは妹みたいなもんなんだってば!」
「見掛けによらず、あんたって面倒臭い奴だね!」って言いかけたとき、次の小田桐の言葉を聞いてそのセリフは喉の奥に引っ込めた。
「お前に惚れてる俺にしか、……わからない事がある」
遠くを見つめながらポツリと呟いた言葉は、私の心の奥まで染み渡った。
◇◆◇
「んだよ? これ」
「返すよ!」
店で無理矢理渡された茶色い包装紙を突き返す。渋々と言った表情でその袋を手にすると、もう一度念押しされた。
「ほんっとにいらねーの?」
「イランっつってんでしょーがっ!」
アパートの前にゆるやかに停車し、車から降りるためにドアに手を掛ける。ふと、シートの背が何かの重みで少し下がったような気がしたと思ったら、すぐ近くで小田桐の声が聞こえた。
「礼とかなんも無しかよ」
「え? ――あ、送ってくれてありが……」
振り返ると助手席側のダッシュボードに先程の包装紙を入れるためか、片手を私のシートについて小田桐が身を乗り出していた。パタンッと蓋を閉め私に顔を向けた途端、丸くした目がすぐに細められ嫌らしく口の端をクッと上げた。
「なに? もしかしてキスされるとか思ったのか?」
「なっ! なんであんたはっ、……っ、」
逃げようと思えば逃げられるのに、“車”と言う密室の空間で二人きりになった私はどこかで期待していたのだろうか。近づいてくる長い睫毛に見惚れている間にあっさりと口を封じ込まれてしまった。
小鳥が啄ばむ様な軽いキスに恥ずかしさでギュッと目を硬く閉じた。クスッと笑われたことがわかり目を開けると、さっきまでとは全く違う優しい表情をのぞかせていた。
「お前、まだ慣れないのな」
「あ、ああああ当たり前じゃん!」
“かまとと”だとか思われてたらどうしよう。かと言って経験値が足りないもんは誤魔化しようが無い。
正直に答えればそのまま小田桐に抱き締められた。
「かわいいな、芳野」
「う、るさい」
恥ずかしすぎて一気に体温も上昇してきた気がする。
「――もう、俺以外の奴にあんな顔見せんなよ」
「え?」
抱き締める手を解くと距離を取り、いつになく真剣な眼差しを向けられた。目を泳がせている私とは違い、小田桐は堂々と視線を絡めてくる。直前のやりとりからして、きっと甘い言葉が紡ぎだされるのだろうなと思っていたのだが、――現実は違った。
「お前を泣かしていいのは俺だけだ」
「……はぁっ!?」
――それってなんてドS?
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