109 / 247
第3章《試験》編
第106話 遠い日の記憶
しおりを挟む
リラーナが真面目な顔で真っ直ぐダラスさんの顔を見た。
「なんだ?」
ダラスさんはそれに反応するでもなく、いつも通りに食事を続ける。
リラーナは私を見た。あ、これは……あのことを言うつもり? じっと私の目を見詰めた後、頷いて見せダラスさんに向き直った。
「父さん、私、旅に出たい」
そうはっきりと言葉にした。ダラスさんはその言葉を聞き、動揺するでもなく静かに食事をする手を止めた。そしてリラーナを真っ直ぐに見る。
「ルーサとずっと話をしていたの。いつか二人で店を出そうって。そのためにはもっと色々勉強しないとね、とも話してた。だから……私は、私とルーサはガルヴィオに行ってみたいの。ガルヴィオは物づくりに長けた国だと聞いた。だからどんな魔導具があるのか見てみたい。もっと世界の魔導具を見てみたいの」
真剣な表情で訴えるリラーナ。ダラスさんは一言も発することなく静かに聞いていた。
「国家魔石精製師の資格を取得出来たら、一緒に旅をしようと話していたんです」
私も真っ直ぐにダラスさんを見詰める。
「まだ結果も出ていないのに、気が早いことだな」
「ルーサは絶対受かってるわよ!」
ダラスさんが苦笑しているが、リラーナは身を乗り出し訴える。う、うん、まあ気が早いけど、でも絶対受かる自信がある。
「必ず合格してみせます。師匠が私の魔石を認めてくれたんじゃないですか」
今まで自信がないことのほうが多かった。でも今日ダラスさんに認めてもらえた。それは私の自信に繋がった。
「フッ。確かにそうだな。ルーサももう立派に一人の魔石精製師だ。リラーナ、お前もな。もう二人とも子供じゃないんだ。好きにしろ」
「「!!」」
リラーナと二人で顔を見合わせた。そして二人で手を取り合い喜び合う。
「ありがとう、父さん!!」
「あぁ」
二人できゃっきゃと喜んでいたら、リラーナがふと我に返った。
「あ、でも父さん、一人で生活は大丈夫?」
リラーナが少し聞きにくそうにおずおずと聞いた。
「そんなものなんとでもなる」
呆れたように小さく溜め息を吐きながらダラスさんが吐き捨てるように言った。
その後はリラーナと食事の後片付けをしながら、今後の話をウキウキしながら相談し合った。ディノとイーザンが共に行ってくれることも話すと喜んでいた。
リラーナは旅の準備というものが今まで全くないので、一からレインさんに相談しつつ準備をしておく、だからいつでも出発出来るわよ、と意気込んでいた。
そしてリラーナと二人、話しながら部屋へ戻ろうとしたとき、ダラスさんに呼び止められる。
「ルーサ、試験の発表後、話がある。時間をあけておいてくれ。リラーナも一緒に聞け」
「? は、はい」
リラーナと二人、顔を見合わせ、もう一度ダラスさんを見たが、ダラスさんはそれ以上特になにを言うでもなく。自身も部屋へと戻って行った。疑問に思いつつもリラーナとも部屋の前で別れ自室に戻る。
なんの話なんだろうか。リラーナも一緒に? 全く予想がつかない。
「明後日には分かるんだろうが、今考えても無駄だ」
ルギニアスに冷静に突っ込まれる。
「ハハ……そうだね」
疲れ切った身体を休めるために、早々にベッドへ横たわる。ルギニアスは私の頭の横にゴロンと横たわり、早々に寝息を立てていた。
フフ、ルギニアスの眠っている姿は初めてね。野営のときは私が眠るまでの間、ずっとルギニアスは起きていた。目が覚めたときもすでにルギニアスは起きていた。眠っていないのかと思ったほどだ。だから眠っている姿を見るのはなんだか新鮮だ。
服のなかから紫の魔石を取り出し見詰める。月明りが差し込む部屋は明るく、紫の魔石はキラキラと輝いている。明るい紫となった魔石の中心部分は、以前は濃い紫のような黒いような色で渦巻いていた。しかし今は中心部分が白く輝くような煌めきの魔石となっている。
ルギニアスが封じられていたから暗い色だったのかしら。今はもう何も封印されていないから明るい色になった?
不思議な魔石。おそらく魔石精製師が精製した魔石ではない。魔王が封印されていたということは、聖女が持っていた魔石ということ? 聖女の魔石をなぜ前世のお母さんが持っていたのか。そしてそれをなぜ私が持って生まれてきたのか……。
ルギニアスは前世のお母さんと会話をしていた。だから聞いたことのある声だった。懐かしい声だった。
「!!」
ハッとし、ルギニアスを見る。
「ねえ、もしかして前世の私が死ぬとき、必死に声を掛けてくれていたのはルギニアス?」
眠るルギニアスの小さな背中に向けて、小さく聞いた。ルギニアスがそれに答えることはなかったが……そうか……あの、『サクラ』が車に轢かれたとき、必死に誰かが呼ぶ声が聞こえた。懐かしい声だった。
あのときには分からなかったけど……あれはお母さんが生きていたときに聞いたルギニアスの声だったんだ……。だから懐かしかった……。
「そっか……あのときからずっと私の傍にいてくれたのね……ありがとう」
小さなルギニアスの背中にそっと触れ、そのまま私は眠りに就いた。
むくりと起き上がったルギニアスはぶわっと風を巻き上げながら元の姿に戻った。長い髪がふわりと揺らぐ。ベッドに腰かけるとギシッと音を立てて沈んだ。
片手をベッドの端に付き、振り返りルーサを見た。ルーサの頬に手を伸ばし、そっと触れる。寝息を立て穏やかに眠るその姿にホッとする自分がいることに驚く。
『フフ、あなたにもあの子の可愛さが分かるでしょう?』
『ふん、知るか』
『フフフ』
『おかあさぁん、誰かいるの?』
『あら、サクラ眠れないの?』
『ううん、トイレに起きただけ』
『そう、ならもうお休みなさい』
『はーい』
今も思い出すあいつの言葉。
『ルギニアス、あの子をお願いね……』
遠い日の記憶がいつまでも呪いの言葉のように絡みつく。
そんなものに従う義理はない。そう思いながらも自由になった今、ルーサを見捨てて離れようとしない自分の感情が分からずに苛立つ。
「アイシャ……」
遥か遠い日の記憶……忘れたくとも忘れられない記憶。その記憶に縛られていることに、ルギニアスは深く溜め息を吐くのだった。
「なんだ?」
ダラスさんはそれに反応するでもなく、いつも通りに食事を続ける。
リラーナは私を見た。あ、これは……あのことを言うつもり? じっと私の目を見詰めた後、頷いて見せダラスさんに向き直った。
「父さん、私、旅に出たい」
そうはっきりと言葉にした。ダラスさんはその言葉を聞き、動揺するでもなく静かに食事をする手を止めた。そしてリラーナを真っ直ぐに見る。
「ルーサとずっと話をしていたの。いつか二人で店を出そうって。そのためにはもっと色々勉強しないとね、とも話してた。だから……私は、私とルーサはガルヴィオに行ってみたいの。ガルヴィオは物づくりに長けた国だと聞いた。だからどんな魔導具があるのか見てみたい。もっと世界の魔導具を見てみたいの」
真剣な表情で訴えるリラーナ。ダラスさんは一言も発することなく静かに聞いていた。
「国家魔石精製師の資格を取得出来たら、一緒に旅をしようと話していたんです」
私も真っ直ぐにダラスさんを見詰める。
「まだ結果も出ていないのに、気が早いことだな」
「ルーサは絶対受かってるわよ!」
ダラスさんが苦笑しているが、リラーナは身を乗り出し訴える。う、うん、まあ気が早いけど、でも絶対受かる自信がある。
「必ず合格してみせます。師匠が私の魔石を認めてくれたんじゃないですか」
今まで自信がないことのほうが多かった。でも今日ダラスさんに認めてもらえた。それは私の自信に繋がった。
「フッ。確かにそうだな。ルーサももう立派に一人の魔石精製師だ。リラーナ、お前もな。もう二人とも子供じゃないんだ。好きにしろ」
「「!!」」
リラーナと二人で顔を見合わせた。そして二人で手を取り合い喜び合う。
「ありがとう、父さん!!」
「あぁ」
二人できゃっきゃと喜んでいたら、リラーナがふと我に返った。
「あ、でも父さん、一人で生活は大丈夫?」
リラーナが少し聞きにくそうにおずおずと聞いた。
「そんなものなんとでもなる」
呆れたように小さく溜め息を吐きながらダラスさんが吐き捨てるように言った。
その後はリラーナと食事の後片付けをしながら、今後の話をウキウキしながら相談し合った。ディノとイーザンが共に行ってくれることも話すと喜んでいた。
リラーナは旅の準備というものが今まで全くないので、一からレインさんに相談しつつ準備をしておく、だからいつでも出発出来るわよ、と意気込んでいた。
そしてリラーナと二人、話しながら部屋へ戻ろうとしたとき、ダラスさんに呼び止められる。
「ルーサ、試験の発表後、話がある。時間をあけておいてくれ。リラーナも一緒に聞け」
「? は、はい」
リラーナと二人、顔を見合わせ、もう一度ダラスさんを見たが、ダラスさんはそれ以上特になにを言うでもなく。自身も部屋へと戻って行った。疑問に思いつつもリラーナとも部屋の前で別れ自室に戻る。
なんの話なんだろうか。リラーナも一緒に? 全く予想がつかない。
「明後日には分かるんだろうが、今考えても無駄だ」
ルギニアスに冷静に突っ込まれる。
「ハハ……そうだね」
疲れ切った身体を休めるために、早々にベッドへ横たわる。ルギニアスは私の頭の横にゴロンと横たわり、早々に寝息を立てていた。
フフ、ルギニアスの眠っている姿は初めてね。野営のときは私が眠るまでの間、ずっとルギニアスは起きていた。目が覚めたときもすでにルギニアスは起きていた。眠っていないのかと思ったほどだ。だから眠っている姿を見るのはなんだか新鮮だ。
服のなかから紫の魔石を取り出し見詰める。月明りが差し込む部屋は明るく、紫の魔石はキラキラと輝いている。明るい紫となった魔石の中心部分は、以前は濃い紫のような黒いような色で渦巻いていた。しかし今は中心部分が白く輝くような煌めきの魔石となっている。
ルギニアスが封じられていたから暗い色だったのかしら。今はもう何も封印されていないから明るい色になった?
不思議な魔石。おそらく魔石精製師が精製した魔石ではない。魔王が封印されていたということは、聖女が持っていた魔石ということ? 聖女の魔石をなぜ前世のお母さんが持っていたのか。そしてそれをなぜ私が持って生まれてきたのか……。
ルギニアスは前世のお母さんと会話をしていた。だから聞いたことのある声だった。懐かしい声だった。
「!!」
ハッとし、ルギニアスを見る。
「ねえ、もしかして前世の私が死ぬとき、必死に声を掛けてくれていたのはルギニアス?」
眠るルギニアスの小さな背中に向けて、小さく聞いた。ルギニアスがそれに答えることはなかったが……そうか……あの、『サクラ』が車に轢かれたとき、必死に誰かが呼ぶ声が聞こえた。懐かしい声だった。
あのときには分からなかったけど……あれはお母さんが生きていたときに聞いたルギニアスの声だったんだ……。だから懐かしかった……。
「そっか……あのときからずっと私の傍にいてくれたのね……ありがとう」
小さなルギニアスの背中にそっと触れ、そのまま私は眠りに就いた。
むくりと起き上がったルギニアスはぶわっと風を巻き上げながら元の姿に戻った。長い髪がふわりと揺らぐ。ベッドに腰かけるとギシッと音を立てて沈んだ。
片手をベッドの端に付き、振り返りルーサを見た。ルーサの頬に手を伸ばし、そっと触れる。寝息を立て穏やかに眠るその姿にホッとする自分がいることに驚く。
『フフ、あなたにもあの子の可愛さが分かるでしょう?』
『ふん、知るか』
『フフフ』
『おかあさぁん、誰かいるの?』
『あら、サクラ眠れないの?』
『ううん、トイレに起きただけ』
『そう、ならもうお休みなさい』
『はーい』
今も思い出すあいつの言葉。
『ルギニアス、あの子をお願いね……』
遠い日の記憶がいつまでも呪いの言葉のように絡みつく。
そんなものに従う義理はない。そう思いながらも自由になった今、ルーサを見捨てて離れようとしない自分の感情が分からずに苛立つ。
「アイシャ……」
遥か遠い日の記憶……忘れたくとも忘れられない記憶。その記憶に縛られていることに、ルギニアスは深く溜め息を吐くのだった。
1
お気に入りに追加
275
あなたにおすすめの小説

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。

番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる