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カナデ編
第十六話 四辻怪談
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四辻怪談は作者創作の怪談です。
実際世にある怪談とは無関係です。
********************************
それは昔のことだった。
江戸が終わり明治に入ろうかというとき、その事件は起こった。
ある一人の娘が庄屋の息子と恋に落ちたのだ。
しかしこの男には幼いころから決められた許嫁がいた。許嫁とはお互い好き合っている訳ではなかった。何かにつけ口うるさい許嫁にうんざりし、奉公していた美人の女を好きになり恋をした。
最初は断っていた女だが、何度も口説かれ優しくされるうちにほだされてしまった。
優しく大人しい女に男は夢中になり、毎晩二人で逢瀬を繰り返していた。昼間は他人のふりをして。
しかしある日、とうとう男の結婚が決まった。その晩男と会った女は泣き崩れ、男に訴えた。
「自分と一緒になってくれ」と。
男は頷き、駆け落ちをしようと持ち掛けた。女は涙ながらに喜び、男の言う通りにした。
「明日の丑三つ時にこの四辻で待ち合わそう」
いつも待ち合わせていた四辻。その場で待ち合わせ、駆け落ちを……。
男のこの言葉を信じ、女は夜中に一人屋敷を後にした。
しかし丑三つ時を過ぎようとも男は現れなかった。それどころか……
男の代わりに現れたのは、見知らぬ男たちだった。恐ろしくなった女は逃げようとしたが、捕まり暴行された。草っぱらに打ち捨てられた女は呻きながら男の名を呼んだ。
しかし男は現れなかった。
日が登り、四辻にも賑やかな声が響き渡っていた。息も絶え絶えになった女は草っぱらに打ち捨てられたまま動けず、瞳だけ動かし目をやった。
そこには信じられない光景が広がっていた。
好き合っていると信じていた男が許嫁の女と婚礼衣裳を身に着け、にこやかに歩いているではないか。
女は目を見開くと血の涙を流し呟いた。
「おのれ、許すまじ……この恨み晴らさでおくべきか……」
そう呟いた女は鬼の形相と化し、草っぱらに埋もれたまま息絶えた。
四辻怪談
「それ以来、その四辻には女の霊が出るって言われていてね。丑三つ時にその場を通る男を呪い、黄泉の国に連れて行ってしまうって言われてる」
四辻まで歩いている最中に、結局怪談話が始まってしまっていた。
あまり得意ではない怪談話にビクビクしながら聞いていると、希実夏さんがずっと肩を抱いてくれていた。
「ちょっと蒼汰! 何で結局話しちゃうのよ! 奏ちゃん、怖がってるじゃないのよ!」
「え、あ、ごめん。そんなにめちゃくちゃ怖い話でもないかな、と思ってつい話しちゃった」
ごめんね、と蒼汰さんは謝ってくれる。しかし誰も怖がってはいないので、私が怖がり過ぎなのだろう。希実夏さんが蒼汰さんにやいやいと文句を言ってくれているのがおかしくてクスッと笑った。
それを見た希実夏さんがホッとしたのか、なぜか私の頭を撫でた。
「大丈夫そうで良かったけど、無理しちゃ駄目よ? 嫌なときはちゃんと嫌だと言わないと」
「はい」
希実夏さんは優しいお姉ちゃんみたいだなぁ。一人っ子だったため、こういう優しさが照れくさくもあり嬉しくもあり、何だかそわそわしちゃうわ。
聞き飽きているのか一哉さんは欠伸をしているし、直之さんも怪談話には興味がなさそうでずっときょろきょろとしている。
「なー、もうそろそろ着く? どこなの、その四辻」
直之さんが蒼汰さんに聞いた。一哉さんは欠伸を連発中。一度出ると何度も出ちゃいますよね。昨夜遅くまで起きていたのかしら。
「もう着くよ、ほら見えて来た」
蒼汰さんが指差した方を見ると、閑静な住宅街、静まり返った道路の先に見える四辻。聞いていた通りに十字路になってますね。昔打ち捨てられたという草っぱらはどこのことなんでしょう。知りたくないですが……。
四辻の中心に近付くと、何やらぞわっとした。いやいや、私は霊感などないはずですが! きっと勘違い!
「えっとね、あっちの辺りが例の草っぱらかな」
蒼汰さんが地図を確認しながら、例の女性が打ち捨てられたと言われている草っぱらだった場所を指差した。
ひぃぃ、教えてくれなくても良いです!
し、知りたくなかったです……でも、きっと無念だったのでしょうね……、無意識に合掌をしていました。
それに気付いた全員が同じように合掌を。
「この草っぱらだったと言われている場所の辺りでね、行方不明事件があったりするんだ。黄泉の国に連れて行かれる、っていうのはあながちでたらめでもないんじゃないかな、と僕は思う。だからこそ異世界へ行ったんじゃないか! って思ったのは、この場所がきっかけなんだ」
なるほど、行方不明事件の人たちが異世界に行ったのでは、と思った原因の場所なのね。
「行方不明になった人たちはどこに消えたのか……、それが問題だ」
蒼汰さんの言葉に、直之さんがフムと顎に手をやりながら、さも推理するかのように言った。
それを呆れたように聞いていた一哉さんが直之さんの頭を小突く。
「お前は信じてないくせに何言ってんだ」
「いてっ、暴力反対!」
「どこが暴力だよ」
一哉さんは直之さんの頭を押さえ付けぐりぐりとしている。フフ、楽しそう。
「でも実際行方不明事件は未だに未解決なんだよね。何件かあるんだけど、全て消えた人たちは見付からず、事件の痕跡もないために不可解な謎のままなんだよね」
「この場所に何かありそうでもないのにね~」
希実夏さんがうろうろしながら周りを眺めつつ言った。
確かにただ閑静な住宅街というだけで、特に変わったものがある訳でもない。唯一、石碑のようなものがあるだけか……。
その石碑をジッと見ていると蒼汰さんが説明してくれた。
「この石碑、その怪談の元ネタになった女の人を偲ぶために建てられたらしいよ。でも偲ぶというか、その女性の霊を鎮めるためだろうね」
そう言いながら蒼汰さんは苦笑した。
そうね、きっととても悔しかったはず。
石碑の場所からくるりと周りを見回しても、特になにもない。怪しそうなものも特になかった。
「丑三つ時にここに来たら何かあるかもしれないけど、今は特に何もないよな」
一哉さんがフムと腕を組みながら口にした。う、丑三つ時にここへ来たら……。
「お、俺は丑三つ時なんかにこんなところに来ないから!」
直之さんが慌てて叫んだ。私も同感です! さすがに丑三つ時に来たくはないです!
「お前、信じてないんじゃなかったけ?」
一哉さんがニヤッとしながら直之さんに言った。
「信じてないなら、別に丑三つ時だろうが、何だろうが平気だろ、俺と来るか?」
直之さんの肩をガシッと掴み、一哉さんはからかうように言う。
「そんなこと言って、真崎さんが怖いだけなんじゃないの!?」
言わなければ良いのに、直之さんは一哉さんに言い返し、案の定一哉さんに揚げ足を取られている。
「おー、俺は怖いんだよ、だから直之一緒に来てくれよ」
「えっ!!」
明らかにニヤニヤ顔の一哉さん。
「絶対嘘だろ!! 真崎さんが怖がる訳ない!!」
「いやだって、お前が言ったんだろうが」
完全に遊ばれてますね、直之さん。
「はいはい、馬鹿やってないで、次はどこ行くの?」
希実夏さんが呆れるように言った。
蒼汰さんも苦笑しながら次の場所を告げる。
「次は白皇稲荷神社」
***********************************
※実在する稲荷神社とは無関係です
※カナデ編第一話に扉絵を挿入しました!
実際世にある怪談とは無関係です。
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それは昔のことだった。
江戸が終わり明治に入ろうかというとき、その事件は起こった。
ある一人の娘が庄屋の息子と恋に落ちたのだ。
しかしこの男には幼いころから決められた許嫁がいた。許嫁とはお互い好き合っている訳ではなかった。何かにつけ口うるさい許嫁にうんざりし、奉公していた美人の女を好きになり恋をした。
最初は断っていた女だが、何度も口説かれ優しくされるうちにほだされてしまった。
優しく大人しい女に男は夢中になり、毎晩二人で逢瀬を繰り返していた。昼間は他人のふりをして。
しかしある日、とうとう男の結婚が決まった。その晩男と会った女は泣き崩れ、男に訴えた。
「自分と一緒になってくれ」と。
男は頷き、駆け落ちをしようと持ち掛けた。女は涙ながらに喜び、男の言う通りにした。
「明日の丑三つ時にこの四辻で待ち合わそう」
いつも待ち合わせていた四辻。その場で待ち合わせ、駆け落ちを……。
男のこの言葉を信じ、女は夜中に一人屋敷を後にした。
しかし丑三つ時を過ぎようとも男は現れなかった。それどころか……
男の代わりに現れたのは、見知らぬ男たちだった。恐ろしくなった女は逃げようとしたが、捕まり暴行された。草っぱらに打ち捨てられた女は呻きながら男の名を呼んだ。
しかし男は現れなかった。
日が登り、四辻にも賑やかな声が響き渡っていた。息も絶え絶えになった女は草っぱらに打ち捨てられたまま動けず、瞳だけ動かし目をやった。
そこには信じられない光景が広がっていた。
好き合っていると信じていた男が許嫁の女と婚礼衣裳を身に着け、にこやかに歩いているではないか。
女は目を見開くと血の涙を流し呟いた。
「おのれ、許すまじ……この恨み晴らさでおくべきか……」
そう呟いた女は鬼の形相と化し、草っぱらに埋もれたまま息絶えた。
四辻怪談
「それ以来、その四辻には女の霊が出るって言われていてね。丑三つ時にその場を通る男を呪い、黄泉の国に連れて行ってしまうって言われてる」
四辻まで歩いている最中に、結局怪談話が始まってしまっていた。
あまり得意ではない怪談話にビクビクしながら聞いていると、希実夏さんがずっと肩を抱いてくれていた。
「ちょっと蒼汰! 何で結局話しちゃうのよ! 奏ちゃん、怖がってるじゃないのよ!」
「え、あ、ごめん。そんなにめちゃくちゃ怖い話でもないかな、と思ってつい話しちゃった」
ごめんね、と蒼汰さんは謝ってくれる。しかし誰も怖がってはいないので、私が怖がり過ぎなのだろう。希実夏さんが蒼汰さんにやいやいと文句を言ってくれているのがおかしくてクスッと笑った。
それを見た希実夏さんがホッとしたのか、なぜか私の頭を撫でた。
「大丈夫そうで良かったけど、無理しちゃ駄目よ? 嫌なときはちゃんと嫌だと言わないと」
「はい」
希実夏さんは優しいお姉ちゃんみたいだなぁ。一人っ子だったため、こういう優しさが照れくさくもあり嬉しくもあり、何だかそわそわしちゃうわ。
聞き飽きているのか一哉さんは欠伸をしているし、直之さんも怪談話には興味がなさそうでずっときょろきょろとしている。
「なー、もうそろそろ着く? どこなの、その四辻」
直之さんが蒼汰さんに聞いた。一哉さんは欠伸を連発中。一度出ると何度も出ちゃいますよね。昨夜遅くまで起きていたのかしら。
「もう着くよ、ほら見えて来た」
蒼汰さんが指差した方を見ると、閑静な住宅街、静まり返った道路の先に見える四辻。聞いていた通りに十字路になってますね。昔打ち捨てられたという草っぱらはどこのことなんでしょう。知りたくないですが……。
四辻の中心に近付くと、何やらぞわっとした。いやいや、私は霊感などないはずですが! きっと勘違い!
「えっとね、あっちの辺りが例の草っぱらかな」
蒼汰さんが地図を確認しながら、例の女性が打ち捨てられたと言われている草っぱらだった場所を指差した。
ひぃぃ、教えてくれなくても良いです!
し、知りたくなかったです……でも、きっと無念だったのでしょうね……、無意識に合掌をしていました。
それに気付いた全員が同じように合掌を。
「この草っぱらだったと言われている場所の辺りでね、行方不明事件があったりするんだ。黄泉の国に連れて行かれる、っていうのはあながちでたらめでもないんじゃないかな、と僕は思う。だからこそ異世界へ行ったんじゃないか! って思ったのは、この場所がきっかけなんだ」
なるほど、行方不明事件の人たちが異世界に行ったのでは、と思った原因の場所なのね。
「行方不明になった人たちはどこに消えたのか……、それが問題だ」
蒼汰さんの言葉に、直之さんがフムと顎に手をやりながら、さも推理するかのように言った。
それを呆れたように聞いていた一哉さんが直之さんの頭を小突く。
「お前は信じてないくせに何言ってんだ」
「いてっ、暴力反対!」
「どこが暴力だよ」
一哉さんは直之さんの頭を押さえ付けぐりぐりとしている。フフ、楽しそう。
「でも実際行方不明事件は未だに未解決なんだよね。何件かあるんだけど、全て消えた人たちは見付からず、事件の痕跡もないために不可解な謎のままなんだよね」
「この場所に何かありそうでもないのにね~」
希実夏さんがうろうろしながら周りを眺めつつ言った。
確かにただ閑静な住宅街というだけで、特に変わったものがある訳でもない。唯一、石碑のようなものがあるだけか……。
その石碑をジッと見ていると蒼汰さんが説明してくれた。
「この石碑、その怪談の元ネタになった女の人を偲ぶために建てられたらしいよ。でも偲ぶというか、その女性の霊を鎮めるためだろうね」
そう言いながら蒼汰さんは苦笑した。
そうね、きっととても悔しかったはず。
石碑の場所からくるりと周りを見回しても、特になにもない。怪しそうなものも特になかった。
「丑三つ時にここに来たら何かあるかもしれないけど、今は特に何もないよな」
一哉さんがフムと腕を組みながら口にした。う、丑三つ時にここへ来たら……。
「お、俺は丑三つ時なんかにこんなところに来ないから!」
直之さんが慌てて叫んだ。私も同感です! さすがに丑三つ時に来たくはないです!
「お前、信じてないんじゃなかったけ?」
一哉さんがニヤッとしながら直之さんに言った。
「信じてないなら、別に丑三つ時だろうが、何だろうが平気だろ、俺と来るか?」
直之さんの肩をガシッと掴み、一哉さんはからかうように言う。
「そんなこと言って、真崎さんが怖いだけなんじゃないの!?」
言わなければ良いのに、直之さんは一哉さんに言い返し、案の定一哉さんに揚げ足を取られている。
「おー、俺は怖いんだよ、だから直之一緒に来てくれよ」
「えっ!!」
明らかにニヤニヤ顔の一哉さん。
「絶対嘘だろ!! 真崎さんが怖がる訳ない!!」
「いやだって、お前が言ったんだろうが」
完全に遊ばれてますね、直之さん。
「はいはい、馬鹿やってないで、次はどこ行くの?」
希実夏さんが呆れるように言った。
蒼汰さんも苦笑しながら次の場所を告げる。
「次は白皇稲荷神社」
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※実在する稲荷神社とは無関係です
※カナデ編第一話に扉絵を挿入しました!
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