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カナデ編
第十一話 幽霊部員
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「ちわー!!」
いきなり扉が勢い良く開かれ驚き動悸がする。び、びっくりした……、どなたかしら。
入って来たのは蒼汰さんと同じくらいの背格好の男性だった。明るい茶色の短髪が似合う、とても元気そうな方。
「直之、入るときはノックしてから入ってよ。水嶌さんが驚いてるじゃないか」
「ん? 水嶌さん?」
驚いて固まっていると蒼汰さんは慌てて紹介をしてくれた。
「あ、ごめんね、水嶌さん。こいつ眞田直之。僕の高校時代の同級生で、イセケンの幽霊部員の一人」
蒼汰さんの同級生……、思い切りマジマジと見詰められています。ど、どうしたら良いのかしら。
「直之、今日はどうしたの? いつも全く来ないくせに」
「えー、今日くらい来るよ! だって可愛い新入生が来てるかもしれないし!」
蒼汰さんと話していた眞田さんはこちらに向き直り、再び上から下から眺めている。居心地が悪いわ……。
「あんまりじろじろ見るな。失礼だろう」
蒼汰さんが注意をしてくれたけれど、それでも眞田さんは見詰めて来る。そしておもむろに近付いて来たかと思うと、顔を近付け「うん」と呟いた。
顔を近付けられ思わず後退ると、眞田さんは笑った。
「ハハ、うんうん、可愛いじゃん! やったな、蒼汰! 新入生!」
眞田さんは蒼汰さんの肩にしがみつき笑いながら言った。
「おーい、直之、奏は正式にはまだ入ってないぞー」
「え!?」
呆れたような顔で一哉さんがそう告げると、あからさまに驚いた顔の眞田さん。何かすいません。
「えー!! そうなの!? やっと佐伯以外の女子が来てくれたかと思ったのに」
佐伯? どなたかしら。もう一人いるとおっしゃっていた方かしら。
話について行けずオロオロしていると蒼汰さんが苦笑しながら説明してくれた。
「ごめんね、水嶌さん。直之が言ってる佐伯も僕らの同級生で、三人高校からの友達なんだ。二人はこのサークル作るときに名前を貸してくれたんだけど、今までずっと女子は佐伯しかいなくてね……」
なるほど、眞田さんはその「佐伯さん」以外の女子メンバーが欲しかったということね。
「だって佐伯はお前のだろ~? つまんないじゃん」
「な、何言ってんだよ! 僕のじゃないし! ただの幼馴染だっていつも言ってるだろ!」
お前の? 佐伯さんは蒼汰さんの彼女なのかしら。蒼汰さんは優しいですものね。彼女がいてもなんらおかしくはないわよね…………。
「幼馴染、良いよなぁ、良い響きだ」
なぜかニヤニヤしながら一哉さんが言う。
「ですよねぇ! 蒼汰だけズルいぞ!」
「何だよ! ズルいって!」
男性たちでやたらと盛り上がっているわ。何だか子供みたいね、と少し可笑しかった。
やいやいと楽しそうなのを邪魔しては申し訳ないし、私は先にお暇しようかしら。
「あの……、私はそろそろ……」
この後バイトもあるし。
声を掛けると盛り上がっていた三人はピタッと止まりこちらを向いた。あわわ、話を遮って申し訳ありません!
「あ、す、すいません! 話の腰を折って!」
どうしたら良いのか分からずオロオロしていると一哉さんが吹き出した。
「いや、別に謝るところじゃないだろ!」
「うん、ごめんね、勝手にこっちだけで盛り上がっちゃって」
「そうそう、蒼汰のことはどうでも良いから、俺とこれからお茶でもしない?」
眞田さんが軽口を叩くと、一哉さんが眞田さんの頭を叩いた。
「お前な、そういうチャラいのやめろ」
「痛っ、真崎さんは関係ないじゃん! ほっといてよ! で、えっと水嶌さんだっけ? お茶しようよ!」
「え、あ、あの……」
「だからお前は!」
一哉さんが眞田さんの襟首を掴み、グイッと引っ張り持ち上げた。
「ちょ、ちょっと真崎さん!」
一哉さんは眞田さんや蒼汰さんよりもだいぶと背が高い。体格も良いため、引っ張られた眞田さんはじたばたとしているが、一哉さんからは逃れられないようだ。
呆然とそれを眺めていると金髪の一哉さんのほうが少しチャラく見えたのが申し訳なくなり思わず謝罪した。
「ごめんなさい!」
「は? 何で奏が謝ってんだ?」
「え、いえ、何でも……」
一哉さんは訳が分からないといった顔。それはそうよね、ごめんなさい。人は見かけで判断してはいけません。
「水嶌さんはこれからバイト?」
蒼汰さんは一哉さんに捕まえられた眞田さんのことを無視し聞いた。
「はい」
「じゃあみんなで洸ちゃんところ行こうか」
「はい?」
え? みんなで洸樹さんのところ? なぜに?
「直之は水嶌さんと喋りたいみたいだし、僕たちもお昼食べに行きたいし、イセケンの次の活動も聞いてもらいたいし! だからみんなで!」
蒼汰さんの瞳が輝いています。一哉さんと眞田さんも唖然としていますね。
えーっと、こういう場合どうしたら良いのかしら……、断るのも変だし、行くしかないのよね……、どの道私はバイトがあるから行かなくてはいけないのだけれど。
「だな、俺らも行くか」
「行く行く~!!」
あ、はい、行きます……。
結局四人で洸樹さんの店まで向かうことになった。一哉さんが研究室の戸締りを終えると皆で歩く。
一哉さんは隣に並ぶと一際背が高く感じた。私が並ぶと頭一つ分以上の背の差がある。
しかも金髪で端正な顔立ち。姿勢も良く堂々としてらっしゃるのでモデルみたいです。
おかげでとても目立ち、すれ違う女性が皆振り返る。隣に並ぶのを恐縮してしまう。
「ん? どうした?」
「え、いえ、何も……」
思わずその横顔に見惚れていたら、一哉さんに気付かれてしまい焦りました。
「ねえねえ、水嶌さんはイセケン入るの!?」
それに気付いてなのか、眞田さんが一哉さんとの間に割り込んで来て話し出した。
「い、いえ、まだ決めていなくて……お試しで、ということで」
「んー、じゃあ、しばらくはイセケンで一緒に活動するんだね?」
「え、あ、はい。そういうことになりますね」
「よし! じゃあ俺も真面目に活動する!」
「はぁあ!? お前、今まで何もしてこなかっただろが!」
眞田さんの台詞に一哉さんが呆れた様子で言った。それに同調するように蒼汰さんも言う。
「そうだよ! 今までほとんど参加してこなかったくせに」
「良いじゃんよ! 今までは今まで! これからはこれから!」
フフンと自慢気な顔でそう宣言する眞田さんが可笑しくて笑ってしまった。
「お、笑ってくれた! よろしくね~! 水嶌さん!」
眞田さんはニッと笑う。フフ、何だか憎めない可愛い笑顔。そう思うと眞田さんが可愛く見えた。クスクス笑っていると、一哉さんと蒼汰さんは呆れたように溜め息を吐いていたが、諦めたのかそんな眞田さんに二人も笑っていた。
そうこう歩いている内に洸樹さんの店に着いた。
蒼汰さんが店の扉を開けて中へと入る。えっと、私はここから入って良いのかしら。まだバイト時間じゃないから良いかしら。そう躊躇っていると後ろから一哉さんに押された。
「早く入れ」
「す、すいません」
カランコロンと扉のベルが鳴ると、中にいた洸樹さんがカウンターから声を上げた。
「いらっしゃい……げっ」
げ? 洸樹さんの顔が見たこともないような顔になっています。どうしたのかしら。
いきなり扉が勢い良く開かれ驚き動悸がする。び、びっくりした……、どなたかしら。
入って来たのは蒼汰さんと同じくらいの背格好の男性だった。明るい茶色の短髪が似合う、とても元気そうな方。
「直之、入るときはノックしてから入ってよ。水嶌さんが驚いてるじゃないか」
「ん? 水嶌さん?」
驚いて固まっていると蒼汰さんは慌てて紹介をしてくれた。
「あ、ごめんね、水嶌さん。こいつ眞田直之。僕の高校時代の同級生で、イセケンの幽霊部員の一人」
蒼汰さんの同級生……、思い切りマジマジと見詰められています。ど、どうしたら良いのかしら。
「直之、今日はどうしたの? いつも全く来ないくせに」
「えー、今日くらい来るよ! だって可愛い新入生が来てるかもしれないし!」
蒼汰さんと話していた眞田さんはこちらに向き直り、再び上から下から眺めている。居心地が悪いわ……。
「あんまりじろじろ見るな。失礼だろう」
蒼汰さんが注意をしてくれたけれど、それでも眞田さんは見詰めて来る。そしておもむろに近付いて来たかと思うと、顔を近付け「うん」と呟いた。
顔を近付けられ思わず後退ると、眞田さんは笑った。
「ハハ、うんうん、可愛いじゃん! やったな、蒼汰! 新入生!」
眞田さんは蒼汰さんの肩にしがみつき笑いながら言った。
「おーい、直之、奏は正式にはまだ入ってないぞー」
「え!?」
呆れたような顔で一哉さんがそう告げると、あからさまに驚いた顔の眞田さん。何かすいません。
「えー!! そうなの!? やっと佐伯以外の女子が来てくれたかと思ったのに」
佐伯? どなたかしら。もう一人いるとおっしゃっていた方かしら。
話について行けずオロオロしていると蒼汰さんが苦笑しながら説明してくれた。
「ごめんね、水嶌さん。直之が言ってる佐伯も僕らの同級生で、三人高校からの友達なんだ。二人はこのサークル作るときに名前を貸してくれたんだけど、今までずっと女子は佐伯しかいなくてね……」
なるほど、眞田さんはその「佐伯さん」以外の女子メンバーが欲しかったということね。
「だって佐伯はお前のだろ~? つまんないじゃん」
「な、何言ってんだよ! 僕のじゃないし! ただの幼馴染だっていつも言ってるだろ!」
お前の? 佐伯さんは蒼汰さんの彼女なのかしら。蒼汰さんは優しいですものね。彼女がいてもなんらおかしくはないわよね…………。
「幼馴染、良いよなぁ、良い響きだ」
なぜかニヤニヤしながら一哉さんが言う。
「ですよねぇ! 蒼汰だけズルいぞ!」
「何だよ! ズルいって!」
男性たちでやたらと盛り上がっているわ。何だか子供みたいね、と少し可笑しかった。
やいやいと楽しそうなのを邪魔しては申し訳ないし、私は先にお暇しようかしら。
「あの……、私はそろそろ……」
この後バイトもあるし。
声を掛けると盛り上がっていた三人はピタッと止まりこちらを向いた。あわわ、話を遮って申し訳ありません!
「あ、す、すいません! 話の腰を折って!」
どうしたら良いのか分からずオロオロしていると一哉さんが吹き出した。
「いや、別に謝るところじゃないだろ!」
「うん、ごめんね、勝手にこっちだけで盛り上がっちゃって」
「そうそう、蒼汰のことはどうでも良いから、俺とこれからお茶でもしない?」
眞田さんが軽口を叩くと、一哉さんが眞田さんの頭を叩いた。
「お前な、そういうチャラいのやめろ」
「痛っ、真崎さんは関係ないじゃん! ほっといてよ! で、えっと水嶌さんだっけ? お茶しようよ!」
「え、あ、あの……」
「だからお前は!」
一哉さんが眞田さんの襟首を掴み、グイッと引っ張り持ち上げた。
「ちょ、ちょっと真崎さん!」
一哉さんは眞田さんや蒼汰さんよりもだいぶと背が高い。体格も良いため、引っ張られた眞田さんはじたばたとしているが、一哉さんからは逃れられないようだ。
呆然とそれを眺めていると金髪の一哉さんのほうが少しチャラく見えたのが申し訳なくなり思わず謝罪した。
「ごめんなさい!」
「は? 何で奏が謝ってんだ?」
「え、いえ、何でも……」
一哉さんは訳が分からないといった顔。それはそうよね、ごめんなさい。人は見かけで判断してはいけません。
「水嶌さんはこれからバイト?」
蒼汰さんは一哉さんに捕まえられた眞田さんのことを無視し聞いた。
「はい」
「じゃあみんなで洸ちゃんところ行こうか」
「はい?」
え? みんなで洸樹さんのところ? なぜに?
「直之は水嶌さんと喋りたいみたいだし、僕たちもお昼食べに行きたいし、イセケンの次の活動も聞いてもらいたいし! だからみんなで!」
蒼汰さんの瞳が輝いています。一哉さんと眞田さんも唖然としていますね。
えーっと、こういう場合どうしたら良いのかしら……、断るのも変だし、行くしかないのよね……、どの道私はバイトがあるから行かなくてはいけないのだけれど。
「だな、俺らも行くか」
「行く行く~!!」
あ、はい、行きます……。
結局四人で洸樹さんの店まで向かうことになった。一哉さんが研究室の戸締りを終えると皆で歩く。
一哉さんは隣に並ぶと一際背が高く感じた。私が並ぶと頭一つ分以上の背の差がある。
しかも金髪で端正な顔立ち。姿勢も良く堂々としてらっしゃるのでモデルみたいです。
おかげでとても目立ち、すれ違う女性が皆振り返る。隣に並ぶのを恐縮してしまう。
「ん? どうした?」
「え、いえ、何も……」
思わずその横顔に見惚れていたら、一哉さんに気付かれてしまい焦りました。
「ねえねえ、水嶌さんはイセケン入るの!?」
それに気付いてなのか、眞田さんが一哉さんとの間に割り込んで来て話し出した。
「い、いえ、まだ決めていなくて……お試しで、ということで」
「んー、じゃあ、しばらくはイセケンで一緒に活動するんだね?」
「え、あ、はい。そういうことになりますね」
「よし! じゃあ俺も真面目に活動する!」
「はぁあ!? お前、今まで何もしてこなかっただろが!」
眞田さんの台詞に一哉さんが呆れた様子で言った。それに同調するように蒼汰さんも言う。
「そうだよ! 今までほとんど参加してこなかったくせに」
「良いじゃんよ! 今までは今まで! これからはこれから!」
フフンと自慢気な顔でそう宣言する眞田さんが可笑しくて笑ってしまった。
「お、笑ってくれた! よろしくね~! 水嶌さん!」
眞田さんはニッと笑う。フフ、何だか憎めない可愛い笑顔。そう思うと眞田さんが可愛く見えた。クスクス笑っていると、一哉さんと蒼汰さんは呆れたように溜め息を吐いていたが、諦めたのかそんな眞田さんに二人も笑っていた。
そうこう歩いている内に洸樹さんの店に着いた。
蒼汰さんが店の扉を開けて中へと入る。えっと、私はここから入って良いのかしら。まだバイト時間じゃないから良いかしら。そう躊躇っていると後ろから一哉さんに押された。
「早く入れ」
「す、すいません」
カランコロンと扉のベルが鳴ると、中にいた洸樹さんがカウンターから声を上げた。
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