61 / 136
本編 リディア編
第六十一話 告白!?
しおりを挟む
ゼロは周りを警戒しながらも優雅に飛ぶ。
以前も通った行路だが、やはり大空をゼロに乗って飛翔するのは気持ちが良い。
『リディア、どうかしたか?』
「え?」
『何やらいつもと雰囲気が違う気がする』
何で皆にバレるんだろうな。苦笑した。私ってバレバレなのかしら。
「ん、あのね、クズフの丘についたらちょっと話がしたい」
『? あぁ、分かった』
ゼロはそれ以上何も聞かず飛び続けた。
クズフの丘が見えてくる。
巨木の根元にセイネアの青い色が見える。
ゼロはセイネアの花が咲く場所を避け、地上に降り立つ。
ゼロの翼の風に煽られ花弁が揺らいだ。
「綺麗だね……」
巨木の側に立つと、周りには遮るものが何もなく見渡す限りの平原が広がっている。
ゼロは何も言わず側にいてくれる。
ラニールさんもそうだったが、皆何故こんなにも優しいのだろうか。
私は幸せ者だな。クスッと笑った。
『リディア?』
「フフ、ゼロ、大好きだよ」
『? 私もだ』
「うん、ありがとう。私ね、ゼロに言っておかないといけないことがある」
ゼロは何も言わず、黙って聞いていた。
何て言ったら良いだろうか。
マニカ以外に初めて自分のことを話す。緊張する。
ゼロは魔獣だから、他の人間とは話せないから、だからゼロに話してもバレる心配はない。
そんな卑怯な心。言ってしまうとゼロの負担になるかもしれないのに……。酷い相棒だね。
でもやはりゼロに何も言わず離れるのは嫌だから……。
「わ、私ね……、その……、リディアじゃないの……」
『? リディアではない? どういう意味だ?』
心臓の音がうるさい。大きく深呼吸をし、ゆっくりと話した。
「私ね、リディアじゃないの。リディア本人と魂だけを入れ替えた別人なの」
『魂だけを入れ替えた?』
「そう」
『では、今の君は誰なんだ?』
「外見はリディアだよ。中の人間はカナデ」
『カナデ?』
「そう、魂だけ入れ替えたカナデという人間……」
リディアの記憶もあるし、徐々にリディアとして馴染んで来てしまっている。だからカナデの記憶もあるが、今は混ざり合ってしまったかのような、不思議な感覚なのだけどね。
『カナデ……』
ゼロは考え込んだように、しばらく無言だった。
『ならばカナデと呼ぶほうが良いか?』
「え? あ、ううん、姿はリディアだし、リディアで良いよ」
『そうか、ならばリディア』
「うん。それでね……、私は次の誕生日にはいなくなる……」
『!? どういうことだ!?』
初めてゼロが激しい口調で聞いて来た。
「誕生日に入れ替わって、次の誕生日までって約束なの」
口に出すと悲しくなってくる。でも泣いてはいけない。ラニールさんがたくさん泣かせてくれた。もう覚悟は決めたのだから。
『そこで入れ替わりを戻したら、君はどうなるんだ!?』
「本来のリディアが戻るよ」
なるべく笑顔でいようと思ったが、どうやら少し悲しい顔になっていたらしい。
ゼロは頭を擦り寄せ、座るように促した。
巨木の根元に腰を下ろすと、ゼロは再び聞いた。
『本来のリディアが戻れば、君は二度と私の前には現れないということか……』
「うん…………」
『もう決まっていることなのだな?』
「うん…………」
『…………分かった』
ゼロは一言そう言った。沈黙が流れ、風の音だけが聞こえる。
『私のことは忘れてしまうのか?』
「え?」
『カナデに戻ると君は私のことを忘れてしまうのか?』
元の世界に、カナデに戻ると……
「きっと忘れない! ううん、絶対忘れないよ!」
ゼロの首に力いっぱいしがみつく。
『私の相棒は君だけだ』
「うん」
本来の「リディア」が戻っても、もうそれは今の「私」ではない。
ゼロは「リディア」を乗せなくなるだろうか。乗せてもらわないと今までのリディアと別人であることがバレてしまうかもしれない。でも私以外には乗せて欲しくない、といった自分勝手な気持ちがこみ上げ、自分自身が嫌になる。
だから「乗せないで」とは言えない。言ってはいけない。
そう自分に言い聞かせた。
力強くゼロを抱き締め、そして離れた。涙が出そうになるが、ぎゅっと目を瞑り深呼吸をし顔を上げた。
「ゼロ、呼び笛を試そうか」
『…………』
勢い良く立ち上がり、ゼロの顔を見下ろしながら出来る限り明るく言った。
『分かった』
そう言うとゼロもゆったりと立ち上がり、巨木の側から離れた。
「私はずっと呼び笛を吹いておくから、ゼロは聞こえるところまで飛んでね。聞こえなくなったら戻って来て」
『あぁ、分かった』
ゼロは翼を大きく広げ羽ばたかせた。その風圧にセイネアの花が揺れている。
大きく羽ばたきながら少し上空まで上がると、私が鳴らした笛の音に反応するように、ゼロは一度こちらを見てから平原を飛んで行く。
どんどんとゼロの姿が小さくなっていく。小さくなって……、見えなくなった。
「ゼロ……」
姿が見えなくなった途端不安になる。
周りを見渡しても誰もいない。草木以外何もない。まるでこの世に一人きりになったかのよう。
一人になった途端こんなに弱くなるとは。自分が信じられなかった。
「ゼロ……ゼロ!! ゼロ!!」
吹いていた笛を口から離し、思わず叫んだ。また涙が零れてしまった。
ラニールさんのところで涙が零れてしまってから、どうも涙腺が壊れてしまったのではないか。
何かにつけてすぐに涙が出てこようとする。涙はもう嫌なのに! 情けない! 私は笑って過ごしたいのよ!
「ゼロ―――!!!」
再び大きく叫ぶと遠目にゼロが見え、物凄い速度で戻って来た。
その勢いのまま速度を落とすためか、上空で何周か旋回し、そして降りて来る。
「ゼロ!!」
駆け寄り抱き付いた。
『すまない、考え事をしていたらいつの間にかかなり離れていた。大丈夫か?』
不安そうな顔だったようで、心配したゼロが聞く。
「うん、大丈夫……、じゃなかった……。ゼロの姿が見えなくなると凄く不安になった。怖かった」
練習をしているのだから仕方がない。そう思っても心は付いて来なかった。
『すまない。私がリディアと離れることは絶対にない。不安になるな』
ゼロは抱き付いていた身体を離し、私の頬をペロリと舐めた。
「フフ、ありがとう」
ゼロの頭を撫で、再びゼロに抱き付いた。
そして耳元でゼロが話し出す。
『飛んでいる間、考え事をしていた。ずっと気になっていたことだ』
「?」
ゼロから身体を離し見詰めた。
『リディアには何かを感じた、と言ったことを覚えているか?』
「何かを感じた?」
『あぁ、君が私に初めて名を与えてくれたとき……』
ゼロを初めて名付けたとき……、そういえば名付けてゼロと会話が出来るようになったとき、そのときにそのようなことを言っていたような……。
『そのことを改めて考えたのだ。何故、そのように感じたのかを……』
以前も通った行路だが、やはり大空をゼロに乗って飛翔するのは気持ちが良い。
『リディア、どうかしたか?』
「え?」
『何やらいつもと雰囲気が違う気がする』
何で皆にバレるんだろうな。苦笑した。私ってバレバレなのかしら。
「ん、あのね、クズフの丘についたらちょっと話がしたい」
『? あぁ、分かった』
ゼロはそれ以上何も聞かず飛び続けた。
クズフの丘が見えてくる。
巨木の根元にセイネアの青い色が見える。
ゼロはセイネアの花が咲く場所を避け、地上に降り立つ。
ゼロの翼の風に煽られ花弁が揺らいだ。
「綺麗だね……」
巨木の側に立つと、周りには遮るものが何もなく見渡す限りの平原が広がっている。
ゼロは何も言わず側にいてくれる。
ラニールさんもそうだったが、皆何故こんなにも優しいのだろうか。
私は幸せ者だな。クスッと笑った。
『リディア?』
「フフ、ゼロ、大好きだよ」
『? 私もだ』
「うん、ありがとう。私ね、ゼロに言っておかないといけないことがある」
ゼロは何も言わず、黙って聞いていた。
何て言ったら良いだろうか。
マニカ以外に初めて自分のことを話す。緊張する。
ゼロは魔獣だから、他の人間とは話せないから、だからゼロに話してもバレる心配はない。
そんな卑怯な心。言ってしまうとゼロの負担になるかもしれないのに……。酷い相棒だね。
でもやはりゼロに何も言わず離れるのは嫌だから……。
「わ、私ね……、その……、リディアじゃないの……」
『? リディアではない? どういう意味だ?』
心臓の音がうるさい。大きく深呼吸をし、ゆっくりと話した。
「私ね、リディアじゃないの。リディア本人と魂だけを入れ替えた別人なの」
『魂だけを入れ替えた?』
「そう」
『では、今の君は誰なんだ?』
「外見はリディアだよ。中の人間はカナデ」
『カナデ?』
「そう、魂だけ入れ替えたカナデという人間……」
リディアの記憶もあるし、徐々にリディアとして馴染んで来てしまっている。だからカナデの記憶もあるが、今は混ざり合ってしまったかのような、不思議な感覚なのだけどね。
『カナデ……』
ゼロは考え込んだように、しばらく無言だった。
『ならばカナデと呼ぶほうが良いか?』
「え? あ、ううん、姿はリディアだし、リディアで良いよ」
『そうか、ならばリディア』
「うん。それでね……、私は次の誕生日にはいなくなる……」
『!? どういうことだ!?』
初めてゼロが激しい口調で聞いて来た。
「誕生日に入れ替わって、次の誕生日までって約束なの」
口に出すと悲しくなってくる。でも泣いてはいけない。ラニールさんがたくさん泣かせてくれた。もう覚悟は決めたのだから。
『そこで入れ替わりを戻したら、君はどうなるんだ!?』
「本来のリディアが戻るよ」
なるべく笑顔でいようと思ったが、どうやら少し悲しい顔になっていたらしい。
ゼロは頭を擦り寄せ、座るように促した。
巨木の根元に腰を下ろすと、ゼロは再び聞いた。
『本来のリディアが戻れば、君は二度と私の前には現れないということか……』
「うん…………」
『もう決まっていることなのだな?』
「うん…………」
『…………分かった』
ゼロは一言そう言った。沈黙が流れ、風の音だけが聞こえる。
『私のことは忘れてしまうのか?』
「え?」
『カナデに戻ると君は私のことを忘れてしまうのか?』
元の世界に、カナデに戻ると……
「きっと忘れない! ううん、絶対忘れないよ!」
ゼロの首に力いっぱいしがみつく。
『私の相棒は君だけだ』
「うん」
本来の「リディア」が戻っても、もうそれは今の「私」ではない。
ゼロは「リディア」を乗せなくなるだろうか。乗せてもらわないと今までのリディアと別人であることがバレてしまうかもしれない。でも私以外には乗せて欲しくない、といった自分勝手な気持ちがこみ上げ、自分自身が嫌になる。
だから「乗せないで」とは言えない。言ってはいけない。
そう自分に言い聞かせた。
力強くゼロを抱き締め、そして離れた。涙が出そうになるが、ぎゅっと目を瞑り深呼吸をし顔を上げた。
「ゼロ、呼び笛を試そうか」
『…………』
勢い良く立ち上がり、ゼロの顔を見下ろしながら出来る限り明るく言った。
『分かった』
そう言うとゼロもゆったりと立ち上がり、巨木の側から離れた。
「私はずっと呼び笛を吹いておくから、ゼロは聞こえるところまで飛んでね。聞こえなくなったら戻って来て」
『あぁ、分かった』
ゼロは翼を大きく広げ羽ばたかせた。その風圧にセイネアの花が揺れている。
大きく羽ばたきながら少し上空まで上がると、私が鳴らした笛の音に反応するように、ゼロは一度こちらを見てから平原を飛んで行く。
どんどんとゼロの姿が小さくなっていく。小さくなって……、見えなくなった。
「ゼロ……」
姿が見えなくなった途端不安になる。
周りを見渡しても誰もいない。草木以外何もない。まるでこの世に一人きりになったかのよう。
一人になった途端こんなに弱くなるとは。自分が信じられなかった。
「ゼロ……ゼロ!! ゼロ!!」
吹いていた笛を口から離し、思わず叫んだ。また涙が零れてしまった。
ラニールさんのところで涙が零れてしまってから、どうも涙腺が壊れてしまったのではないか。
何かにつけてすぐに涙が出てこようとする。涙はもう嫌なのに! 情けない! 私は笑って過ごしたいのよ!
「ゼロ―――!!!」
再び大きく叫ぶと遠目にゼロが見え、物凄い速度で戻って来た。
その勢いのまま速度を落とすためか、上空で何周か旋回し、そして降りて来る。
「ゼロ!!」
駆け寄り抱き付いた。
『すまない、考え事をしていたらいつの間にかかなり離れていた。大丈夫か?』
不安そうな顔だったようで、心配したゼロが聞く。
「うん、大丈夫……、じゃなかった……。ゼロの姿が見えなくなると凄く不安になった。怖かった」
練習をしているのだから仕方がない。そう思っても心は付いて来なかった。
『すまない。私がリディアと離れることは絶対にない。不安になるな』
ゼロは抱き付いていた身体を離し、私の頬をペロリと舐めた。
「フフ、ありがとう」
ゼロの頭を撫で、再びゼロに抱き付いた。
そして耳元でゼロが話し出す。
『飛んでいる間、考え事をしていた。ずっと気になっていたことだ』
「?」
ゼロから身体を離し見詰めた。
『リディアには何かを感じた、と言ったことを覚えているか?』
「何かを感じた?」
『あぁ、君が私に初めて名を与えてくれたとき……』
ゼロを初めて名付けたとき……、そういえば名付けてゼロと会話が出来るようになったとき、そのときにそのようなことを言っていたような……。
『そのことを改めて考えたのだ。何故、そのように感じたのかを……』
0
お気に入りに追加
444
あなたにおすすめの小説
【短編】悪役令嬢と蔑まれた私は史上最高の遺書を書く
とによ
恋愛
婚約破棄され、悪役令嬢と呼ばれ、いじめを受け。
まさに不幸の役満を食らった私――ハンナ・オスカリウスは、自殺することを決意する。
しかし、このままただで死ぬのは嫌だ。なにか私が生きていたという爪痕を残したい。
なら、史上最高に素晴らしい出来の遺書を書いて、自殺してやろう!
そう思った私は全身全霊で遺書を書いて、私の通っている魔法学園へと自殺しに向かった。
しかし、そこで謎の美男子に見つかってしまい、しまいには遺書すら読まれてしまう。
すると彼に
「こんな遺書じゃダメだね」
「こんなものじゃ、誰の記憶にも残らないよ」
と思いっきりダメ出しをされてしまった。
それにショックを受けていると、彼はこう提案してくる。
「君の遺書を最高のものにしてみせる。その代わり、僕の研究を手伝ってほしいんだ」
これは頭のネジが飛んでいる彼について行った結果、彼と共に歴史に名を残してしまう。
そんなお話。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
【完結】仕事のための結婚だと聞きましたが?~貧乏令嬢は次期宰相候補に求められる
仙桜可律
恋愛
「もったいないわね……」それがフローラ・ホトレイク伯爵令嬢の口癖だった。社交界では皆が華やかさを競うなかで、彼女の考え方は異端だった。嘲笑されることも多い。
清貧、質素、堅実なんていうのはまだ良いほうで、陰では貧乏くさい、地味だと言われていることもある。
でも、違う見方をすれば合理的で革新的。
彼女の経済観念に興味を示したのは次期宰相候補として名高いラルフ・バリーヤ侯爵令息。王太子の側近でもある。
「まるで雷に打たれたような」と彼は後に語る。
「フローラ嬢と話すとグラッ(価値観)ときてビーン!ときて(閃き)ゾクゾク湧くんです(政策が)」
「当代随一の頭脳を誇るラルフ様、どうなさったのですか(語彙力どうされたのかしら)もったいない……」
仕事のことしか頭にない冷徹眼鏡と無駄使いをすると体調が悪くなる病気(メイド談)にかかった令嬢の話。
旦那様は転生者!
初瀬 叶
恋愛
「マイラ!お願いだ、俺を助けてくれ!」
いきなり私の部屋に現れた私の夫。フェルナンド・ジョルジュ王太子殿下。
「俺を助けてくれ!でなければ俺は殺される!」
今の今まで放っておいた名ばかりの妻に、今さら何のご用?
それに殺されるって何の話?
大嫌いな夫を助ける義理などないのだけれど、話を聞けば驚く事ばかり。
へ?転生者?何それ?
で、貴方、本当は誰なの?
※相変わらずのゆるふわ設定です
※中世ヨーロッパ風ではありますが作者の頭の中の異世界のお話となります
※R15は保険です
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
【完結】記憶を失くした貴方には、わたし達家族は要らないようです
たろ
恋愛
騎士であった夫が突然川に落ちて死んだと聞かされたラフェ。
お腹には赤ちゃんがいることが分かったばかりなのに。
これからどうやって暮らしていけばいいのか……
子供と二人で何とか頑張って暮らし始めたのに……
そして………
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる