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本編 リディア編
第五話 王妃教育!? その一
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ディベルゼはリディアが立ち去るのを唖然として見詰めていた。
「はっ! 私としたことが、呆然と見送るなんて…失態だな」
ディベルゼは深い溜め息を吐き、リディアと反対方向へ歩き出した。
「とりあえず殿下に報告するか」
王宮内にあるシェスレイトの執務室の扉を叩いた。
「失礼致します、ディベルゼです」
「入れ」
部屋の中には多くの書類に囲まれたシェスレイトが机に向かっている。そこへさらに追加の書類を持って来たディベルゼは躊躇もなく机の上に置いた。
「今日の分の書類です、お願いしますね」
シェスレイトは溜め息を吐きながら、ディベルゼを睨んだ。
「私を睨んでも仕方ないですよ? 貴方の仕事なんですから」
にっこりと笑いながらディベルゼは言った。
「あぁ、そういえば先程リディア様にお会いしましたよ。もう王宮に入られているのですね」
「ん? リディア?」
「えぇ、貴方の婚約者のリディア様」
「あぁ」
自分の婚約者を忘れていたのかという反応にディベルゼは苦笑した。
「貴方は本当に女性に興味がないのですね」
シェスレイトは再びディベルゼを睨んだが、すぐに書類へ目を落とした。
「役に立たない人間は必要ないだけだ」
「役に立たないって王妃様となられる方ですよ? 必要ない訳ないじゃないですか」
「それは分かっている。私には必要ないだけだ」
やれやれ、とばかりに苦笑したディベルゼは思い出したように話を続けた。
「そういえばリディア様は変わった格好をされていましたよ」
「変わった格好?」
興味が湧いたのかシェスレイトはディベルゼを見た。
「えぇ、庭園を歩く姿をお見かけしたので声を掛けたのですが、下町娘のような服を着てらっしゃいました。髪色でリディア様と分かりましたが、それがなければリディア様だと分からなかったでしょうね」
そう言ってディベルゼは笑った。
「下町娘?」
「えぇ」
「あの娘がそのような格好をしているのは、一度も見たことはないがな」
ふむ、と考えたような素振りのシェスレイトは、やはり興味がないのかすぐに書類仕事へと戻った。
「良いのですか?」
「何がだ?」
「リディア様がそのような服装でおられても。王妃教育で来られたのですよね? 王妃らしからぬ、と申しますか……」
「教師が何とかするだろう」
あまりの興味のなさにリディアに少しばかり同情をしたディベルゼだった。
さて、リディアの王妃教育はというと、王宮へ入った翌日にはすでに始まり、リディアはうんざりしていた。
「王国の歴史、歴代の王について、政治に関する事柄、世論について、他国との歴史、他国語、王妃としての立ち居振る舞い……他にも何か細かく色々あるねぇ」
朝、勉強が始まる前、部屋でマニカ相手に愚痴る。
半分程はすでにリディアが幼い頃から叩き込まれてきたことなので、ほとんど復習といった感じだ。
しかし政治的なことや他国とのやり取り、王国の後ろ暗い事柄など……新たに覚えなければならないことはまだまだあった。
「あぁ、嫌だ……」
「お嬢様……終わる頃に美味しいお茶とお菓子を用意しておりますので!」
マニカは精一杯励ましてくれるが、カナデが拒否反応を示す。
リディア本人なら文句も言わず頑張るんだろうなぁ、と考えながら溜め息を吐いた。
ある日の授業のとき、国の医療体制の話になり、教師と話し合った。
疑問があるとそれを口に出さずにはいられないカナデの悪いところだ。我慢出来ないんだよねぇ。
「この国は自由に医療を受けられないのですよね?」
「そうですね。医療費がとても高いため、国民の大半は医療費が払えず治療を断念するのです」
「そのせいで病にかかったとき、怪我を負ったときの致死率が高いのですよね?」
「そうですね」
医療を受けることが出来れば助かる命がたくさんあるのに、未だ医療体制が整わないこの国では、死に至る病気が山程ある。せっかく良い国王で平和な国なのにもったいない。
「国の医療保険か国営の病院があれば良いのに……」
ぼそっと呟いた言葉を教師が聞き直した。
「医療保険とは?」
「えっと……」
カナデがいた世界のことだ。この世界で通用はするのか……。
「国民がある程度の保険料金を納める代わりに、それを元に国が医療費を七割程負担するんです。それなら国民の払う医療費も安く済みます」
教師はなるほど、と感心した様子だ。
「でも保険料金を納めるのが大変だからと反発があるでしょうし、現実的ではないでしょうけど」
この世界では恐らく無理だろう。誰だって今より多く税を納めたくないものだ。
「貴族が多く負担してくれたらな……」
またぼそっと口から出た。
「それはどうでしょうね。貴族の方々が税金をさらに多くというのは……」
「無理でしょうね」
教師と二人で苦笑した。お互い貴族だ。それこそお互いがよく分かっている。
「国営の病院ならば可能性はあるかもしれませんね」
所詮理想の話だ。結局現実的ではない雑談を終え、本来の授業に戻り、みっちりと二時間程の授業を終えた。
その後ダンスの授業として広間に向かう。
「あぁ、疲れる……」
「お嬢様、口から漏れてます」
マニカに小声で指摘された。
「誰が聞いているか分からないんですから、気を付けて下さい」
「うん……そうなんだけど……はぁあ」
うっかり愚痴も出しちゃいけないなんて疲れる……。
「おい」
後ろから突然声をかけられ、ギクッとして立ち止まる。
まさかさっきのつぷやきを聞かれた!?
恐る恐る振り向くとそこにはルシエス殿下がいた。
あぁ、もしかしてまたやってしまった?
仕方ないので何事もなかったかのように、笑顔を貼り付け、ドレスを持ち上げ膝を折る。
「これはルシエス殿下、ごきげんよう」
ルシエス殿下はスタスタと歩きすぐ目の前まで近付いた。
「お前、リディアだな?」
「え、あ、はい」
一応婚約発表のときに顔を合わせていると思うのですが…。
ルシエス殿下はじろじろと不躾に上から下まで眺めて来た。
何なんだ、こいつは! 失礼な! と、口から出そうになって、慌てて口をつぐんだ。
マニカがハラハラしている。ごめんね。
「あの、何か?」
若干イラッとした顔で言ってしまった。目が合う前に慌てて笑顔に戻す。
「お前、本当にリディアなんだよな?」
ギクッとした。何で!? バレた!? 冷や汗が出る。
鉄壁よ! 鉄壁! 鉄壁の笑顔! マニカも後ろでオロオロしているのが分かる。マニカ落ち着いて!
「リディアですよ、何ですか? じろじろと失礼です、紳士としてあるまじき行為ですよ」
「お前、子供の頃はもっとおどおどしてなかったか?」
じろりと睨まれる。
「子供の頃と今を比べられても困ります。子供の頃より成長するのは当たり前でしょう」
睨み返した。
「ふん、そういうもんかねぇ」
「殿下は全くお変わりになりませんね」
やんちゃ殿下のままっぽい。周りの人たちからは慕われているのかもしれないが、兄殿下と仲が悪いと噂されたり、女性を睨み付けたり、は明らかに子供のすることだろう。
「何だと?」
やはり睨むし。だからそれが……、と溜め息を吐いたら、腕を捕まれた。
「何をなさるんですか!?」
「お前、今からダンスの練習なんだろ?俺が付き合ってやる」
「は?」
何を言っているんだ、この王子は!? どこをどうしたらそんな話になるのよ! 意味分からない!
「お嬢様!」
マニカが後ろから慌てて追いかける。
「引っ張らないで下さい! 痛い!」
歩調も合わせず殿下の歩調で引っ張られ引き摺られそうだし、捕まれた腕は痛いし!
「あ、すまん」
慌ててルシエス殿下は手を離した。
そういうところは素直なんだ。少し可笑しかった。
クスッと笑いルシエス殿下を見た。
しまった、と思ったのか、顔を背け隠した。少しだけ見えた耳は赤く染まっていた。
「ダンスに付き合ってくださるんでしょう? 行きましょう?」
ダンス練習のための広間の扉を開いた。
「はっ! 私としたことが、呆然と見送るなんて…失態だな」
ディベルゼは深い溜め息を吐き、リディアと反対方向へ歩き出した。
「とりあえず殿下に報告するか」
王宮内にあるシェスレイトの執務室の扉を叩いた。
「失礼致します、ディベルゼです」
「入れ」
部屋の中には多くの書類に囲まれたシェスレイトが机に向かっている。そこへさらに追加の書類を持って来たディベルゼは躊躇もなく机の上に置いた。
「今日の分の書類です、お願いしますね」
シェスレイトは溜め息を吐きながら、ディベルゼを睨んだ。
「私を睨んでも仕方ないですよ? 貴方の仕事なんですから」
にっこりと笑いながらディベルゼは言った。
「あぁ、そういえば先程リディア様にお会いしましたよ。もう王宮に入られているのですね」
「ん? リディア?」
「えぇ、貴方の婚約者のリディア様」
「あぁ」
自分の婚約者を忘れていたのかという反応にディベルゼは苦笑した。
「貴方は本当に女性に興味がないのですね」
シェスレイトは再びディベルゼを睨んだが、すぐに書類へ目を落とした。
「役に立たない人間は必要ないだけだ」
「役に立たないって王妃様となられる方ですよ? 必要ない訳ないじゃないですか」
「それは分かっている。私には必要ないだけだ」
やれやれ、とばかりに苦笑したディベルゼは思い出したように話を続けた。
「そういえばリディア様は変わった格好をされていましたよ」
「変わった格好?」
興味が湧いたのかシェスレイトはディベルゼを見た。
「えぇ、庭園を歩く姿をお見かけしたので声を掛けたのですが、下町娘のような服を着てらっしゃいました。髪色でリディア様と分かりましたが、それがなければリディア様だと分からなかったでしょうね」
そう言ってディベルゼは笑った。
「下町娘?」
「えぇ」
「あの娘がそのような格好をしているのは、一度も見たことはないがな」
ふむ、と考えたような素振りのシェスレイトは、やはり興味がないのかすぐに書類仕事へと戻った。
「良いのですか?」
「何がだ?」
「リディア様がそのような服装でおられても。王妃教育で来られたのですよね? 王妃らしからぬ、と申しますか……」
「教師が何とかするだろう」
あまりの興味のなさにリディアに少しばかり同情をしたディベルゼだった。
さて、リディアの王妃教育はというと、王宮へ入った翌日にはすでに始まり、リディアはうんざりしていた。
「王国の歴史、歴代の王について、政治に関する事柄、世論について、他国との歴史、他国語、王妃としての立ち居振る舞い……他にも何か細かく色々あるねぇ」
朝、勉強が始まる前、部屋でマニカ相手に愚痴る。
半分程はすでにリディアが幼い頃から叩き込まれてきたことなので、ほとんど復習といった感じだ。
しかし政治的なことや他国とのやり取り、王国の後ろ暗い事柄など……新たに覚えなければならないことはまだまだあった。
「あぁ、嫌だ……」
「お嬢様……終わる頃に美味しいお茶とお菓子を用意しておりますので!」
マニカは精一杯励ましてくれるが、カナデが拒否反応を示す。
リディア本人なら文句も言わず頑張るんだろうなぁ、と考えながら溜め息を吐いた。
ある日の授業のとき、国の医療体制の話になり、教師と話し合った。
疑問があるとそれを口に出さずにはいられないカナデの悪いところだ。我慢出来ないんだよねぇ。
「この国は自由に医療を受けられないのですよね?」
「そうですね。医療費がとても高いため、国民の大半は医療費が払えず治療を断念するのです」
「そのせいで病にかかったとき、怪我を負ったときの致死率が高いのですよね?」
「そうですね」
医療を受けることが出来れば助かる命がたくさんあるのに、未だ医療体制が整わないこの国では、死に至る病気が山程ある。せっかく良い国王で平和な国なのにもったいない。
「国の医療保険か国営の病院があれば良いのに……」
ぼそっと呟いた言葉を教師が聞き直した。
「医療保険とは?」
「えっと……」
カナデがいた世界のことだ。この世界で通用はするのか……。
「国民がある程度の保険料金を納める代わりに、それを元に国が医療費を七割程負担するんです。それなら国民の払う医療費も安く済みます」
教師はなるほど、と感心した様子だ。
「でも保険料金を納めるのが大変だからと反発があるでしょうし、現実的ではないでしょうけど」
この世界では恐らく無理だろう。誰だって今より多く税を納めたくないものだ。
「貴族が多く負担してくれたらな……」
またぼそっと口から出た。
「それはどうでしょうね。貴族の方々が税金をさらに多くというのは……」
「無理でしょうね」
教師と二人で苦笑した。お互い貴族だ。それこそお互いがよく分かっている。
「国営の病院ならば可能性はあるかもしれませんね」
所詮理想の話だ。結局現実的ではない雑談を終え、本来の授業に戻り、みっちりと二時間程の授業を終えた。
その後ダンスの授業として広間に向かう。
「あぁ、疲れる……」
「お嬢様、口から漏れてます」
マニカに小声で指摘された。
「誰が聞いているか分からないんですから、気を付けて下さい」
「うん……そうなんだけど……はぁあ」
うっかり愚痴も出しちゃいけないなんて疲れる……。
「おい」
後ろから突然声をかけられ、ギクッとして立ち止まる。
まさかさっきのつぷやきを聞かれた!?
恐る恐る振り向くとそこにはルシエス殿下がいた。
あぁ、もしかしてまたやってしまった?
仕方ないので何事もなかったかのように、笑顔を貼り付け、ドレスを持ち上げ膝を折る。
「これはルシエス殿下、ごきげんよう」
ルシエス殿下はスタスタと歩きすぐ目の前まで近付いた。
「お前、リディアだな?」
「え、あ、はい」
一応婚約発表のときに顔を合わせていると思うのですが…。
ルシエス殿下はじろじろと不躾に上から下まで眺めて来た。
何なんだ、こいつは! 失礼な! と、口から出そうになって、慌てて口をつぐんだ。
マニカがハラハラしている。ごめんね。
「あの、何か?」
若干イラッとした顔で言ってしまった。目が合う前に慌てて笑顔に戻す。
「お前、本当にリディアなんだよな?」
ギクッとした。何で!? バレた!? 冷や汗が出る。
鉄壁よ! 鉄壁! 鉄壁の笑顔! マニカも後ろでオロオロしているのが分かる。マニカ落ち着いて!
「リディアですよ、何ですか? じろじろと失礼です、紳士としてあるまじき行為ですよ」
「お前、子供の頃はもっとおどおどしてなかったか?」
じろりと睨まれる。
「子供の頃と今を比べられても困ります。子供の頃より成長するのは当たり前でしょう」
睨み返した。
「ふん、そういうもんかねぇ」
「殿下は全くお変わりになりませんね」
やんちゃ殿下のままっぽい。周りの人たちからは慕われているのかもしれないが、兄殿下と仲が悪いと噂されたり、女性を睨み付けたり、は明らかに子供のすることだろう。
「何だと?」
やはり睨むし。だからそれが……、と溜め息を吐いたら、腕を捕まれた。
「何をなさるんですか!?」
「お前、今からダンスの練習なんだろ?俺が付き合ってやる」
「は?」
何を言っているんだ、この王子は!? どこをどうしたらそんな話になるのよ! 意味分からない!
「お嬢様!」
マニカが後ろから慌てて追いかける。
「引っ張らないで下さい! 痛い!」
歩調も合わせず殿下の歩調で引っ張られ引き摺られそうだし、捕まれた腕は痛いし!
「あ、すまん」
慌ててルシエス殿下は手を離した。
そういうところは素直なんだ。少し可笑しかった。
クスッと笑いルシエス殿下を見た。
しまった、と思ったのか、顔を背け隠した。少しだけ見えた耳は赤く染まっていた。
「ダンスに付き合ってくださるんでしょう? 行きましょう?」
ダンス練習のための広間の扉を開いた。
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