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第13話 ランチデート?
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「ルシアさん……ですよね?」
思い切り抱き付き、むふむふと匂いを嗅いでいたら、素敵なお声が耳に響く。あぁ、素敵な声、良い匂い…………はっ!! ヤバい! 意識があらぬ方向へぶっ飛んでいたわ! いつまでも抱き付いていたら変態じゃないのよ!!
恐る恐る顔を上げると、目の前には心配そうに見下ろすシュリフス殿下のお顔がぁぁぁあああ!!!! ちょっとタレ目がさらにタレ目に!! 心配そうなお顔が可愛いぃぃぃ!! 好きぃぃいい!!
「ルシアさん?」
思わずもう一度思い切り匂いを嗅ごうとしたところに声を掛けられ我に返る。
「あぁぁあ!! 申し訳ございません!!」
慌てて離れようとすると、シュリフス殿下は私の背中に添えた手の力を再び込めた。
ぐいっと抑えられ、身体は少し離れたのだがいまだにシュリフス殿下の腕の中。ぐふぅ、もう死んでもいいです。思わず拝みそうになってしまった。
「いきなり動いては危ないですよ、私こそ失礼しました。お怪我はありませんか?」
少し頬を赤らめ照れたような顔をしたシュリフス殿下は、私がしっかりと立っていることを確認すると、背中から手を離した。
可愛いわぁぁぁ、紳士だわぁぁぁ、最高ですぅぅ。
「本当に申し訳ございません、私は大丈夫です。シュリフス殿下こそ、お怪我をされておりませんか?」
「私は大丈夫ですよ、ひ弱そうに見えても男ですからね」
そう言ってニコリと笑ったシュリフス殿下。あぁぁあ、素敵!
「それにしてもそんなに急がれてどうかされたんですか?」
「え!? あ、いえ、ちょっと逃げ……いえ! なにもないです! アイリーン様とランチをする予定だっただけで……あ、お昼どうしよう」
そういえばランチをする予定だったのに、カフェテラスから出て来ちゃったし、ランチどうしようかしら……。
「アイリーン嬢とランチされないのですか?」
「あ、いえ、その、セルディ殿下が来られたので遠慮してきました」
アハハ、と笑って誤魔化そうとしたら、シュリフス殿下は少し驚いたような顔をしたかと思うと、ふんわりと笑った。あぁあ、素敵。
「それでは私とランチをしてくだいませんか?」
「え?」
「私もこれからランチをしようと思っていたのですが、一緒に食べる相手がおらず寂しかったのですよ」
えぇぇえ!! シュリフス殿下にランチに誘われた!? え!? 良いの!? そんなデートみたいなことして良いの!?
いや、違う。デートではない。冷静になれ。ただお優しいシュリフス殿下は一人寂しい可哀想な私を気遣ってくれただけよ。期待してどうするのよ。お馬鹿さん!
「あぁ、教師が生徒と食事をするなんて駄目ですかね……」
しゅんとし、申し訳なさそうな顔になるシュリフス殿下。
「ご一緒します!!!!」
あ、言っちゃった。
ま、まあ大丈夫でしょ! 教師と生徒……なんだか怪しい響きに聞こえるのは私の脳内が喪女だから! うん、仕方ない!
「シュリフス殿下はどこでランチをされる予定だったのですか?」
そこへ一緒に同行させてもらおう! と、ウキウキになっていると、クスッと笑ったシュリフス殿下が人差し指を私の口に触れるか触れないかの距離に突き出した。
「!!」
「殿下はやめてくださいね。ここでは教師です」
シュリフス殿下の手にキスしそうな勢いの自分の口を必死に抑え、シュリフス殿下を見ると、いたずらっ子のように笑っている。ぐはぁ、なんて可愛いのよ!! たまらーん!! イケオジの破壊力にしんどい……。
「シュリフス先生……」
「はい」
フフ、と笑ったシュリフス殿下は可愛い笑顔で頷いた。だ、誰か助けて……鼻血が出そう……。
あががが、と壊れ気味な私をエスコートしながら、シュリフス殿下は学園内にある食堂で、持ち歩けるサンドウィッチを購入してくると、アイリーンと待ち合わせしたのとは別のカフェテラスに連れて行ってくれた。
アイリーンと待ち合わせしたカフェテラスとは違い、その場に食堂が併設されていないため、こちらのカフェテラスは休憩所程度の規模しかない。そのため人も全くおらず、シュリフス殿下と二人きりだ。
こ、これは、緊張する……。こんな幸せで良いのかしら……。なにか起こりそうで怖いけど……。
シュリフス殿下は椅子までエスコートしてくれ、私が座ると向かいの椅子に座った。
「ここの食堂で作られているサンドウィッチはとても美味しいんですよ。どうぞ召し上がってみてください」
そう言ってにこやかに私の分も目の前に置いてくれる。
「ありがとうございます」
紙袋に入れられたサンドウィッチは、袋を開けた瞬間からとても良い匂いが漂ってきた。
焼かれたパンの香ばしい匂いに、なにやらタレの匂いか、とても食欲をそそる香りが漂う。
シュリフス殿下はにこにこしながら私を見詰める。
いやん、緊張するから見詰めないでー!!
サンドウィッチを袋から取り出すと、タレがたっぷり絡められた肉と新鮮な野菜が挟まれていて、とても美味しそうだ。
こ、これ、かぶりつく姿を見られたくなーい!
「あ、あの、そんなに見詰められていると緊張してしまいます。先生も食べてください」
「あぁ! これは失礼! 私もいただきますね」
そう言ってシュリフス殿下も袋から取り出すと、豪快にかぶりついた。私が気にしないようにわざと豪快にかぶりついてくれてるんだろうなぁ。だって、きっと普段はお上品にお食事されているんでしょうしね。私だって普段ならばナイフとフォークでお上品なのよ。貴族ですからね。一応。
でもせっかくシュリフス殿下がおススメしてくれたサンドウィッチ! 食べないとでしょ!
あーん、と大きく口を開けかぶりついた。
肉汁とタレとがじゅわっと口に広がり、シャキシャキした野菜も相まって……
「美味しいぃぃ!!」
「フフ、でしょう?」
にこにこと嬉しそうなシュリフス殿下がこちらをガン見。
ぎゃぁぁあ! 見られてた!!
思い切り抱き付き、むふむふと匂いを嗅いでいたら、素敵なお声が耳に響く。あぁ、素敵な声、良い匂い…………はっ!! ヤバい! 意識があらぬ方向へぶっ飛んでいたわ! いつまでも抱き付いていたら変態じゃないのよ!!
恐る恐る顔を上げると、目の前には心配そうに見下ろすシュリフス殿下のお顔がぁぁぁあああ!!!! ちょっとタレ目がさらにタレ目に!! 心配そうなお顔が可愛いぃぃぃ!! 好きぃぃいい!!
「ルシアさん?」
思わずもう一度思い切り匂いを嗅ごうとしたところに声を掛けられ我に返る。
「あぁぁあ!! 申し訳ございません!!」
慌てて離れようとすると、シュリフス殿下は私の背中に添えた手の力を再び込めた。
ぐいっと抑えられ、身体は少し離れたのだがいまだにシュリフス殿下の腕の中。ぐふぅ、もう死んでもいいです。思わず拝みそうになってしまった。
「いきなり動いては危ないですよ、私こそ失礼しました。お怪我はありませんか?」
少し頬を赤らめ照れたような顔をしたシュリフス殿下は、私がしっかりと立っていることを確認すると、背中から手を離した。
可愛いわぁぁぁ、紳士だわぁぁぁ、最高ですぅぅ。
「本当に申し訳ございません、私は大丈夫です。シュリフス殿下こそ、お怪我をされておりませんか?」
「私は大丈夫ですよ、ひ弱そうに見えても男ですからね」
そう言ってニコリと笑ったシュリフス殿下。あぁぁあ、素敵!
「それにしてもそんなに急がれてどうかされたんですか?」
「え!? あ、いえ、ちょっと逃げ……いえ! なにもないです! アイリーン様とランチをする予定だっただけで……あ、お昼どうしよう」
そういえばランチをする予定だったのに、カフェテラスから出て来ちゃったし、ランチどうしようかしら……。
「アイリーン嬢とランチされないのですか?」
「あ、いえ、その、セルディ殿下が来られたので遠慮してきました」
アハハ、と笑って誤魔化そうとしたら、シュリフス殿下は少し驚いたような顔をしたかと思うと、ふんわりと笑った。あぁあ、素敵。
「それでは私とランチをしてくだいませんか?」
「え?」
「私もこれからランチをしようと思っていたのですが、一緒に食べる相手がおらず寂しかったのですよ」
えぇぇえ!! シュリフス殿下にランチに誘われた!? え!? 良いの!? そんなデートみたいなことして良いの!?
いや、違う。デートではない。冷静になれ。ただお優しいシュリフス殿下は一人寂しい可哀想な私を気遣ってくれただけよ。期待してどうするのよ。お馬鹿さん!
「あぁ、教師が生徒と食事をするなんて駄目ですかね……」
しゅんとし、申し訳なさそうな顔になるシュリフス殿下。
「ご一緒します!!!!」
あ、言っちゃった。
ま、まあ大丈夫でしょ! 教師と生徒……なんだか怪しい響きに聞こえるのは私の脳内が喪女だから! うん、仕方ない!
「シュリフス殿下はどこでランチをされる予定だったのですか?」
そこへ一緒に同行させてもらおう! と、ウキウキになっていると、クスッと笑ったシュリフス殿下が人差し指を私の口に触れるか触れないかの距離に突き出した。
「!!」
「殿下はやめてくださいね。ここでは教師です」
シュリフス殿下の手にキスしそうな勢いの自分の口を必死に抑え、シュリフス殿下を見ると、いたずらっ子のように笑っている。ぐはぁ、なんて可愛いのよ!! たまらーん!! イケオジの破壊力にしんどい……。
「シュリフス先生……」
「はい」
フフ、と笑ったシュリフス殿下は可愛い笑顔で頷いた。だ、誰か助けて……鼻血が出そう……。
あががが、と壊れ気味な私をエスコートしながら、シュリフス殿下は学園内にある食堂で、持ち歩けるサンドウィッチを購入してくると、アイリーンと待ち合わせしたのとは別のカフェテラスに連れて行ってくれた。
アイリーンと待ち合わせしたカフェテラスとは違い、その場に食堂が併設されていないため、こちらのカフェテラスは休憩所程度の規模しかない。そのため人も全くおらず、シュリフス殿下と二人きりだ。
こ、これは、緊張する……。こんな幸せで良いのかしら……。なにか起こりそうで怖いけど……。
シュリフス殿下は椅子までエスコートしてくれ、私が座ると向かいの椅子に座った。
「ここの食堂で作られているサンドウィッチはとても美味しいんですよ。どうぞ召し上がってみてください」
そう言ってにこやかに私の分も目の前に置いてくれる。
「ありがとうございます」
紙袋に入れられたサンドウィッチは、袋を開けた瞬間からとても良い匂いが漂ってきた。
焼かれたパンの香ばしい匂いに、なにやらタレの匂いか、とても食欲をそそる香りが漂う。
シュリフス殿下はにこにこしながら私を見詰める。
いやん、緊張するから見詰めないでー!!
サンドウィッチを袋から取り出すと、タレがたっぷり絡められた肉と新鮮な野菜が挟まれていて、とても美味しそうだ。
こ、これ、かぶりつく姿を見られたくなーい!
「あ、あの、そんなに見詰められていると緊張してしまいます。先生も食べてください」
「あぁ! これは失礼! 私もいただきますね」
そう言ってシュリフス殿下も袋から取り出すと、豪快にかぶりついた。私が気にしないようにわざと豪快にかぶりついてくれてるんだろうなぁ。だって、きっと普段はお上品にお食事されているんでしょうしね。私だって普段ならばナイフとフォークでお上品なのよ。貴族ですからね。一応。
でもせっかくシュリフス殿下がおススメしてくれたサンドウィッチ! 食べないとでしょ!
あーん、と大きく口を開けかぶりついた。
肉汁とタレとがじゅわっと口に広がり、シャキシャキした野菜も相まって……
「美味しいぃぃ!!」
「フフ、でしょう?」
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ぎゃぁぁあ! 見られてた!!
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