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最終章 唯一無二
第百四十話 ナザンヴィアへ出発!
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ヒューイとの訓練はやはり相性がいいからか、比較的すんなりといった。
魔法を撃とうが剣を振るおうが、ヒューイは俺の考えていることが分かるのかというほどに、思い通りに動いてくれる。
一心同体とはまさにこのことかと一人で感心をしていた。
「ヒューイは俺の考えてることが分かるのか? いつも思うがままに動いてくれて助かるよ」
『あ? んなもん分かるか! 俺は俺の動きたいように動くだけだ!』
ガクッ。俺の思い通りに動いてくれているわけじゃなかったのか……いやでもお互いが各々自分の動きたいように動いているのにそれが一致するということは、やはり一心同体なのか?
そんなことを考えながらもヒューイとの訓練は順調にこなすことが出来た。
ヴィリーたちとも侵入経路について話し合う。
「少し古い地図だからあてにはならないんだけど……」
そう言いながら出してきた地図はナザンヴィア城の見取り図だった。
確かに聞いていた通り、なにやら複雑に入り組んでいる城の見取り図。継ぎ接ぎだらけ、複雑に入り組んでいる。
隠し通路の箇所に丸印を入れていく。複数あるが例の怪しい術を行っているのではという部屋がどの部屋かがはっきりしない。おそらくここではないか、という箇所にも丸印を入れる。
隠し通路は全部で五ヶ所あるそうだ。そこからこの城内部に見付からずに潜入出来そうな通路となると二ヶ所に絞られた。
「これ、この二ヶ所が駄目だった場合はどうする?」
そう、この二ヶ所が駄目だった場合は……
「正面突破?」
「いや、それは無謀だろう……」
「じゃあどうすんだ!」
皆であれこれ意見を出し合うが、いい解決策は出て来ない。精霊に力を借りたくとも、あの城には近付けないって言われるしな。
「やはり正面突破しかないか……」
「竜がいるから空からは行けるけどね」
「そうか! 空からが可能ならまだ可能性はあるかもしれない」
ヴィリーは頷いた。
「空から行けるなら入り組んだ城だからこそ、死角になっている場所がある。そこなら人目につかずに入り込めるかもしれない」
ヴィリーが指した場所は城の一番高い棟の後ろ。まさに王の謁見が行われる棟の裏だそうだ。
そこには防犯上の理由から窓が一切なく、外が見えなくなっており、その棟のおかげでその背後にある棟も正面からは見えなくなっているそうだ。
「よし、じゃあ隠し通路が駄目な場合はそこからの侵入だな!」
そうやって方針が決まると、ナザンヴィアに向かうための準備を始める。
皆が各々食料や水、魔力回復薬や傷薬などを準備した。
そして出発の日。
俺、フェイ、アンニーナ、ネヴィル、ヴィリーにロドルガさん。六人で向かう。ヴィリーはフェイの竜に、ロドルガさんはネヴィルの竜に乗ることになった。俺はもちろんヒューイと一緒だ。
育成課の皆も、話を聞いたシーナさんやディアン、竜騎士の皆も見送りに来てくれた。
ディアンにも俺の前世の話をし、ついでにシーナさんにもバレて、案の定興味津々の顔をされたのは言うまでもない。
そしてマクイニスさんとビビさんも。
クフィアナ様の姿はなかった。
「クフィアナ様は見送りには来られないそうです。貴方の顔を見るときっとまた行くのを止めてしまうから、と」
「フィー……」
きっと物凄く我慢をしてくれているんだろうな。その気持ちが痛いほど分かるから、見送りがなくとも俺は平気だ。きっと俺も逆の立場なら同じだったろうから。
「では行きます!」
皆、竜に乗り上げた。俺もヒューイに乗る。
「ヒューイ、頼むな」
『あぁ』
「俺たちもカカニアでお前たちを待つ! 気を付けて行け!」
ヤグワル団長が叫んだ。
「皆、気を付けて!!」
ディアンも叫んだ。
アンニーナはディアンに向かって手を振った。
「行ってきます!!」
ヒューイは大きく翼を広げ羽ばたくと、一気に上空まで舞い上がった。
魔法を撃とうが剣を振るおうが、ヒューイは俺の考えていることが分かるのかというほどに、思い通りに動いてくれる。
一心同体とはまさにこのことかと一人で感心をしていた。
「ヒューイは俺の考えてることが分かるのか? いつも思うがままに動いてくれて助かるよ」
『あ? んなもん分かるか! 俺は俺の動きたいように動くだけだ!』
ガクッ。俺の思い通りに動いてくれているわけじゃなかったのか……いやでもお互いが各々自分の動きたいように動いているのにそれが一致するということは、やはり一心同体なのか?
そんなことを考えながらもヒューイとの訓練は順調にこなすことが出来た。
ヴィリーたちとも侵入経路について話し合う。
「少し古い地図だからあてにはならないんだけど……」
そう言いながら出してきた地図はナザンヴィア城の見取り図だった。
確かに聞いていた通り、なにやら複雑に入り組んでいる城の見取り図。継ぎ接ぎだらけ、複雑に入り組んでいる。
隠し通路の箇所に丸印を入れていく。複数あるが例の怪しい術を行っているのではという部屋がどの部屋かがはっきりしない。おそらくここではないか、という箇所にも丸印を入れる。
隠し通路は全部で五ヶ所あるそうだ。そこからこの城内部に見付からずに潜入出来そうな通路となると二ヶ所に絞られた。
「これ、この二ヶ所が駄目だった場合はどうする?」
そう、この二ヶ所が駄目だった場合は……
「正面突破?」
「いや、それは無謀だろう……」
「じゃあどうすんだ!」
皆であれこれ意見を出し合うが、いい解決策は出て来ない。精霊に力を借りたくとも、あの城には近付けないって言われるしな。
「やはり正面突破しかないか……」
「竜がいるから空からは行けるけどね」
「そうか! 空からが可能ならまだ可能性はあるかもしれない」
ヴィリーは頷いた。
「空から行けるなら入り組んだ城だからこそ、死角になっている場所がある。そこなら人目につかずに入り込めるかもしれない」
ヴィリーが指した場所は城の一番高い棟の後ろ。まさに王の謁見が行われる棟の裏だそうだ。
そこには防犯上の理由から窓が一切なく、外が見えなくなっており、その棟のおかげでその背後にある棟も正面からは見えなくなっているそうだ。
「よし、じゃあ隠し通路が駄目な場合はそこからの侵入だな!」
そうやって方針が決まると、ナザンヴィアに向かうための準備を始める。
皆が各々食料や水、魔力回復薬や傷薬などを準備した。
そして出発の日。
俺、フェイ、アンニーナ、ネヴィル、ヴィリーにロドルガさん。六人で向かう。ヴィリーはフェイの竜に、ロドルガさんはネヴィルの竜に乗ることになった。俺はもちろんヒューイと一緒だ。
育成課の皆も、話を聞いたシーナさんやディアン、竜騎士の皆も見送りに来てくれた。
ディアンにも俺の前世の話をし、ついでにシーナさんにもバレて、案の定興味津々の顔をされたのは言うまでもない。
そしてマクイニスさんとビビさんも。
クフィアナ様の姿はなかった。
「クフィアナ様は見送りには来られないそうです。貴方の顔を見るときっとまた行くのを止めてしまうから、と」
「フィー……」
きっと物凄く我慢をしてくれているんだろうな。その気持ちが痛いほど分かるから、見送りがなくとも俺は平気だ。きっと俺も逆の立場なら同じだったろうから。
「では行きます!」
皆、竜に乗り上げた。俺もヒューイに乗る。
「ヒューイ、頼むな」
『あぁ』
「俺たちもカカニアでお前たちを待つ! 気を付けて行け!」
ヤグワル団長が叫んだ。
「皆、気を付けて!!」
ディアンも叫んだ。
アンニーナはディアンに向かって手を振った。
「行ってきます!!」
ヒューイは大きく翼を広げ羽ばたくと、一気に上空まで舞い上がった。
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