“おしっこ聖女”の下着は金貨一枚です

去勢王子編

囚われの王子様

第十五話
　囚われの王子様


　そうですわね。

　この国が異民族と戦争をしたのが、五年ほど前でしょうか？

　異民族が国境を超えて侵入してきたことがありました。

　すぐに、撃退出来たのですが、追い返しただけでなく、異民族を攻め立て、王子と側近を捉えて来たのです。

　人質ですね。

　ですが、もう人質は要りません。
　何故なら、その異民族の国家は、昨年、滅んだのですから……

　不要となった王子は？

　はい、“去勢”されました。

「国を復活させる」とか、反抗されては、うちが困りますからね。

　去勢されて、三年経ち、すっかり、気力も体力も無くなりましたので、市井に出しても大丈夫なのか？
　ということで、教会で様子見をすることになりましたよ。


　そして、この日は、ナイナイ王子と元側近のトレイターが来る日です。


　国の石炭車が、数台ほど、この教会にやって来ました。
　侍女たちは、ひそひそと話しております。

　ある者は、「異民族って、何教徒なの？」
　すると、「さあ？　バーべキュベレー教徒ではなさそうね」
　
　すると、石炭車から、白いドレスを着たお姫様が降りてきました。
　銀髪に白いドレスの美しいお姫様です。

　侍女たちからは、嘆息が漏れます。
「うわ、キー、スゴいわ。すごい綺麗わ」
「うん、うちの帝国のお姫様なのかな？」

　すると、役人から説明がありました。
「こちらは、チンムール帝国のナイナイ王子とトレイタ様であります」

「「えっ」」
「まるで、ポセイダル」

　そして、ここにはカタゲハとチャービンがいます。
「カタゲハさん、また、おかずが増えましたね」
「おい！」


　次回の聖女は、チンムール帝国について、お話しします。