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聖水編
禿げ頭におしっこを塗りたくれ!
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第2話
禿げ頭におしっこを塗りたくれ!
キーと聖女アンネ様は礼拝堂に入りました。
そこには、一組の家族三人が座っております。
父親と母親、そして娘の三人です。
両親は、見たところ、美男美女の夫婦です。
しかし、大変かわいそうなことに、娘さんは重度のアトピー性皮膚炎なのでしょうか、顔が赤く腫れております。
家族三人が立ち上がり、帽子を取り一礼をしました。
すると、美男の父親が帽子を取ると、頭頂は光沢の輝きを放ち、それがキーの目の前で光り輝いております。
目が点になってしまったキーです。
「落ち着いて! 気を落ち着かせて!」と自分に言い聞かせております。
その間に聖女様は、両親と話をしております。
「はい、聖女様、聖水のおかげで、娘の皮膚炎が少しマシになっております。それまでは、どんな薬を使っても治らず、痒さで掻きむしっていたのですが、掻かずに済むようになりました」
「それは、良かったです」
「では、今月も聖水を」
「はい、わかりました。では、キー、聖水の用意を」
「えっ、あ、はい」
キーは慌てて、花瓶を開け、御神木を用意しました。
御神木に聖水を含ませています。
「神のご祝福を!」と聖女様が仰ると、
「「「神のご祝福を」」」と三人が復唱しておりました。
そのようなことを数回繰り返すと、御神木に付けた聖水を頭上から振りかける儀式が行われます。
これは、聖女自らでなく助手が行い、その間、聖女は祈りを続けます。
ということは、キーの出番ですね。
「では、聖水の儀式を行います」とキーが言うと、三人は手を合わせて、軽くうつむいております。
「うぐふぅ」
だ、だめ、お父ちゃんのぽっかり頭が目の前に、迫ってくるよッ。
ズン!
笑いたいのを堪え、聖女見習いのキーは聖水を振りかけております。
『なんか、この聖水、いつもと違うわね???」と娘。
『ちょっと、おトイレ臭いわ』と母親。
『なんか、変な気分になってきたぞ』と父親が思い、チラッとキーの方を覗き見した時に、アクシデントが起こりました。
笑いをこらえるキーと父親の目が合ってしまい、キーが慌ててしまし……
「やばい」
“すてん!”
そして、
“べちゃぁーん”
「ヤダ、御神木がッ」
そうなのです!
御神木が禿げた部分に頭に張り付き、そして、父親の顔には『いつもと違うご聖水』が流れております。
「大丈夫ですか!」と、聖女様も慌てております。
「あ、は、はい、ダ、ダイジョーブです」と、なんか父親の様子がおかしいですね。
なんだか、表情が『ほんのり』しております。
『御神木が、禿げた地肌に張り付いて取れないわ。どうしよう。これじゃドイツ軍のヘルメットキャノンじゃないの』
バリッ!
「は、剥がれましたか。み、巫女様」と、ほんのり風味の父親は、キーのことを巫女様と言いました。
父親はハンカチで顔と頭を吹いておりますが、頭頂を撫ぜるように吹いている姿に、また吹き出しそうになるキーでした。
さて、肝心の娘さんには、1か月分の聖水をお高そうな便(べん)でなく、瓶(びん)に詰めて渡しました。
これで、高額なお布施を頂くことが出来ました。めでたし、めでたし。
家族の帰り道では!
「お母さん、この聖水。なんだか濁っているよ」
「えっ、聖水が濁っているですって。まさか」
「濁っている? どれみせて」と父親が瓶を開けて、覗いてみました。
クラっと!
「お父さん」
「あなた、どうしたの?」
「いや、なんだか、急にフラッとして。いや、びっくりしたよ」と父親が言うので、母親が瓶を覗いてみました。
「うん、なんかトイレ臭いような」
「私、その聖水を顔に塗るの、イヤだわ」
そのよう会話がなされていた時、父親は、少し鼓動も早くなり、そして、ほんのすこ~し頬が熱くなりつつあるのを感じておりました。
ぐぬぬ!
『あぁ、もっと、臭いたいが妻と娘の前だからな。
しかし、帰宅したら娘の手元に渡ってしまう。この聖水、私のものにしたい。
あるいはもう一本あれば、いやお布施の額を考えるとだな……いや、そもそも、教会に行くこともなく』
と、父は教会に行く機会はなく、あきらめるしかないところでしたが、
おお、神さまは、父を見捨てませんでした!
敬虔なる信者の父親こと、ズール・ケムールを見捨てるわけがありませんでした。
そして、翌日、奇跡が起きたのです。
「あなた、その頭はどうしたの?」
「お父さん、それは?」
「これは、一体?」
そうなのです。
ズールの頭頂部には、十数年ぶりに髪の毛が生えていたのです。
それも、数本だとか、うぶ毛ではありません。
シッカリとした毛が生えています。
「これは(驚) 今は、たかが2センチぐらいだけれど、一週間経てば!?」
ーーいやまてよ! これを聖女様に報告という理由で教会にいけるのでは!
しかし、ズールの頭に毛が生える等、このあとの出来事を考えると、とてもとても小さいことでした。
次回の聖女は、インポも絶倫
禿げ頭におしっこを塗りたくれ!
キーと聖女アンネ様は礼拝堂に入りました。
そこには、一組の家族三人が座っております。
父親と母親、そして娘の三人です。
両親は、見たところ、美男美女の夫婦です。
しかし、大変かわいそうなことに、娘さんは重度のアトピー性皮膚炎なのでしょうか、顔が赤く腫れております。
家族三人が立ち上がり、帽子を取り一礼をしました。
すると、美男の父親が帽子を取ると、頭頂は光沢の輝きを放ち、それがキーの目の前で光り輝いております。
目が点になってしまったキーです。
「落ち着いて! 気を落ち着かせて!」と自分に言い聞かせております。
その間に聖女様は、両親と話をしております。
「はい、聖女様、聖水のおかげで、娘の皮膚炎が少しマシになっております。それまでは、どんな薬を使っても治らず、痒さで掻きむしっていたのですが、掻かずに済むようになりました」
「それは、良かったです」
「では、今月も聖水を」
「はい、わかりました。では、キー、聖水の用意を」
「えっ、あ、はい」
キーは慌てて、花瓶を開け、御神木を用意しました。
御神木に聖水を含ませています。
「神のご祝福を!」と聖女様が仰ると、
「「「神のご祝福を」」」と三人が復唱しておりました。
そのようなことを数回繰り返すと、御神木に付けた聖水を頭上から振りかける儀式が行われます。
これは、聖女自らでなく助手が行い、その間、聖女は祈りを続けます。
ということは、キーの出番ですね。
「では、聖水の儀式を行います」とキーが言うと、三人は手を合わせて、軽くうつむいております。
「うぐふぅ」
だ、だめ、お父ちゃんのぽっかり頭が目の前に、迫ってくるよッ。
ズン!
笑いたいのを堪え、聖女見習いのキーは聖水を振りかけております。
『なんか、この聖水、いつもと違うわね???」と娘。
『ちょっと、おトイレ臭いわ』と母親。
『なんか、変な気分になってきたぞ』と父親が思い、チラッとキーの方を覗き見した時に、アクシデントが起こりました。
笑いをこらえるキーと父親の目が合ってしまい、キーが慌ててしまし……
「やばい」
“すてん!”
そして、
“べちゃぁーん”
「ヤダ、御神木がッ」
そうなのです!
御神木が禿げた部分に頭に張り付き、そして、父親の顔には『いつもと違うご聖水』が流れております。
「大丈夫ですか!」と、聖女様も慌てております。
「あ、は、はい、ダ、ダイジョーブです」と、なんか父親の様子がおかしいですね。
なんだか、表情が『ほんのり』しております。
『御神木が、禿げた地肌に張り付いて取れないわ。どうしよう。これじゃドイツ軍のヘルメットキャノンじゃないの』
バリッ!
「は、剥がれましたか。み、巫女様」と、ほんのり風味の父親は、キーのことを巫女様と言いました。
父親はハンカチで顔と頭を吹いておりますが、頭頂を撫ぜるように吹いている姿に、また吹き出しそうになるキーでした。
さて、肝心の娘さんには、1か月分の聖水をお高そうな便(べん)でなく、瓶(びん)に詰めて渡しました。
これで、高額なお布施を頂くことが出来ました。めでたし、めでたし。
家族の帰り道では!
「お母さん、この聖水。なんだか濁っているよ」
「えっ、聖水が濁っているですって。まさか」
「濁っている? どれみせて」と父親が瓶を開けて、覗いてみました。
クラっと!
「お父さん」
「あなた、どうしたの?」
「いや、なんだか、急にフラッとして。いや、びっくりしたよ」と父親が言うので、母親が瓶を覗いてみました。
「うん、なんかトイレ臭いような」
「私、その聖水を顔に塗るの、イヤだわ」
そのよう会話がなされていた時、父親は、少し鼓動も早くなり、そして、ほんのすこ~し頬が熱くなりつつあるのを感じておりました。
ぐぬぬ!
『あぁ、もっと、臭いたいが妻と娘の前だからな。
しかし、帰宅したら娘の手元に渡ってしまう。この聖水、私のものにしたい。
あるいはもう一本あれば、いやお布施の額を考えるとだな……いや、そもそも、教会に行くこともなく』
と、父は教会に行く機会はなく、あきらめるしかないところでしたが、
おお、神さまは、父を見捨てませんでした!
敬虔なる信者の父親こと、ズール・ケムールを見捨てるわけがありませんでした。
そして、翌日、奇跡が起きたのです。
「あなた、その頭はどうしたの?」
「お父さん、それは?」
「これは、一体?」
そうなのです。
ズールの頭頂部には、十数年ぶりに髪の毛が生えていたのです。
それも、数本だとか、うぶ毛ではありません。
シッカリとした毛が生えています。
「これは(驚) 今は、たかが2センチぐらいだけれど、一週間経てば!?」
ーーいやまてよ! これを聖女様に報告という理由で教会にいけるのでは!
しかし、ズールの頭に毛が生える等、このあとの出来事を考えると、とてもとても小さいことでした。
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