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聖水編
聖女のおしっこでなく、おしっこ聖女! なんですよ
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第1話
聖女のおしっこでなく、おしっこ聖女! なんですよ
とある国のとある時代に、神の祝福を受けた人たちがいました。
その人たちは、聖人や聖女と呼ばれ、人々の悩みを聞き、時には奇跡で救っていたのです。
ある時、右手に神の祝福を受けた聖女:ウワン・ベン・ショーは、右手をかざすと、右手が輝きを放ち、その右手で触れたものには、奇跡が起こったりしました。
手が不自由なものは手が治り、足の不自由なものは足が治りと……
そして、彼女は人々から、“右手の聖女”とよばれていたのです。
また、同じくして、唇に祝福を受けた聖女は、“接吻の聖女”と呼ばれています。
彼女がキスをしたところには、奇跡が起こったのです。
今、この国でベビーラッシュが起こっているのは、実は聖女様が何かをしたのではないかと言う噂が立っています。
聖女には覚えがないと言っていますが、どういうことなのでしょうね?
***
さて、右手の聖女の娘が、今、教会に聖女見習いとして働いているのです。
彼女の名前は、キー・ベン・ショーと言い16歳です。
そろそろ、神の祝福を受ける年齢になります。
「キーは、そろそろ神の祝福を受けるころね」
「身体のどの部位になるんだろうねぇ?」と教会の侍女たちが話しています。
彼女の母は右手に祝福を受けた!
その母である祖母は、髪の毛であった!
しかし、叔母は、胃袋であったため聖女にはならず、教会から世俗へ還俗している!
このように、すべての聖女や聖人が人々のためになる訳でもないようです。
今、現役の聖女様は、“人差し指の聖女”と呼ばれるアンネ・ヒジ・リーと言います。
アンネ様は、水に人差し指を付けると、指が光を放ち、聖水に変えるという奇跡の持ち主なのです。
そして、今日のアンネ様は、教会の執務室で聖水の作成を行っています。
キーは聖女見習いとして、そのお手伝いをしていたところ、この日は参拝者が多く、聖水の作成が間に合いそうにありません。
聖女様は、参拝者の話を聞くことで、お布施を頂く。
奇跡を与え、お布施を頂く。
しかし、聖水を作りながらでは、間に合わなかったのですね。
「キー、次の参拝者が礼拝堂に入る前に、聖水をもう一本、作りますよ。頑張りましょう。エルダ、お水を運んで!」
エルダと言うのは、最近、教会に勤め始めた若い侍女です。
まだ、あたふたしながら勤務しているようですね。
礼拝堂で使う聖水は、花瓶に入れ、聖水を神木の枝葉に付けて、軽く参拝者の頭上高くに振ると、霧のようになり、降り注ぐという訳なのです。
日本の神道でも似たようなことを行っている。あれだ!
「聖女様、参拝者が礼拝堂に入りました。お越しください」
「わかりました。すぐに行きます」と言い、聖女アンネ様は立ち上がりましたが、キーの方を向いて言いました。
「あっ、キー。次の参拝者の助手は貴女にお願いするわ。良いかしら」
「はい。わかりました」
すると、聖女様は頷くと、礼拝堂にかけて行きました。
さて、ここは教会の五階になります。
この国のこの時代には、トイレを1階より高いところに設置する技術がありませんでした。
ですので、各部屋に尿瓶が置かれて、それを侍女が捨てに行きます。
そこで、高貴な方の排せつ物は、他の人に見られないため、あるいは悟られないため、美しい花瓶が用意されています。
「うん、次の礼拝!? あまり時間がないわ。おしっこをしたいのだけれど、尿瓶を……」
“チィィィィーーー”
「はっ、スッキリしたわ」
すると、そこにドアがノックされました。
“コン、コンコン”
「はい」
「聖女様は?」
「あっ、先ほど礼拝堂に行かれましたわ」
「そうなんですか。ちょっとキーさん、お願い。来てください。次の参拝者の……」
「そうですか、それなら私が……」と、部屋を出てしまったキー。
しばらくして、侍女のエルダが戻ってきました。
花瓶に水を入れております。
「あれ、こんなところに花瓶があるわ。重さからして、少し水が入っているわ。出来上がった聖水なんですね。では、こちらの花瓶に移しておきましょうか」
しばらくして、キーが戻り、聖女様も執務室に戻ってきました。
「では、キー。聖水を持って礼拝堂に行きましょう」
「はい、聖女様」
そして、二人は礼拝堂に入っていきました。
次回のおしっこ聖女は、禿げた頭におしっこを塗りたくります。
聖女のおしっこでなく、おしっこ聖女! なんですよ
とある国のとある時代に、神の祝福を受けた人たちがいました。
その人たちは、聖人や聖女と呼ばれ、人々の悩みを聞き、時には奇跡で救っていたのです。
ある時、右手に神の祝福を受けた聖女:ウワン・ベン・ショーは、右手をかざすと、右手が輝きを放ち、その右手で触れたものには、奇跡が起こったりしました。
手が不自由なものは手が治り、足の不自由なものは足が治りと……
そして、彼女は人々から、“右手の聖女”とよばれていたのです。
また、同じくして、唇に祝福を受けた聖女は、“接吻の聖女”と呼ばれています。
彼女がキスをしたところには、奇跡が起こったのです。
今、この国でベビーラッシュが起こっているのは、実は聖女様が何かをしたのではないかと言う噂が立っています。
聖女には覚えがないと言っていますが、どういうことなのでしょうね?
***
さて、右手の聖女の娘が、今、教会に聖女見習いとして働いているのです。
彼女の名前は、キー・ベン・ショーと言い16歳です。
そろそろ、神の祝福を受ける年齢になります。
「キーは、そろそろ神の祝福を受けるころね」
「身体のどの部位になるんだろうねぇ?」と教会の侍女たちが話しています。
彼女の母は右手に祝福を受けた!
その母である祖母は、髪の毛であった!
しかし、叔母は、胃袋であったため聖女にはならず、教会から世俗へ還俗している!
このように、すべての聖女や聖人が人々のためになる訳でもないようです。
今、現役の聖女様は、“人差し指の聖女”と呼ばれるアンネ・ヒジ・リーと言います。
アンネ様は、水に人差し指を付けると、指が光を放ち、聖水に変えるという奇跡の持ち主なのです。
そして、今日のアンネ様は、教会の執務室で聖水の作成を行っています。
キーは聖女見習いとして、そのお手伝いをしていたところ、この日は参拝者が多く、聖水の作成が間に合いそうにありません。
聖女様は、参拝者の話を聞くことで、お布施を頂く。
奇跡を与え、お布施を頂く。
しかし、聖水を作りながらでは、間に合わなかったのですね。
「キー、次の参拝者が礼拝堂に入る前に、聖水をもう一本、作りますよ。頑張りましょう。エルダ、お水を運んで!」
エルダと言うのは、最近、教会に勤め始めた若い侍女です。
まだ、あたふたしながら勤務しているようですね。
礼拝堂で使う聖水は、花瓶に入れ、聖水を神木の枝葉に付けて、軽く参拝者の頭上高くに振ると、霧のようになり、降り注ぐという訳なのです。
日本の神道でも似たようなことを行っている。あれだ!
「聖女様、参拝者が礼拝堂に入りました。お越しください」
「わかりました。すぐに行きます」と言い、聖女アンネ様は立ち上がりましたが、キーの方を向いて言いました。
「あっ、キー。次の参拝者の助手は貴女にお願いするわ。良いかしら」
「はい。わかりました」
すると、聖女様は頷くと、礼拝堂にかけて行きました。
さて、ここは教会の五階になります。
この国のこの時代には、トイレを1階より高いところに設置する技術がありませんでした。
ですので、各部屋に尿瓶が置かれて、それを侍女が捨てに行きます。
そこで、高貴な方の排せつ物は、他の人に見られないため、あるいは悟られないため、美しい花瓶が用意されています。
「うん、次の礼拝!? あまり時間がないわ。おしっこをしたいのだけれど、尿瓶を……」
“チィィィィーーー”
「はっ、スッキリしたわ」
すると、そこにドアがノックされました。
“コン、コンコン”
「はい」
「聖女様は?」
「あっ、先ほど礼拝堂に行かれましたわ」
「そうなんですか。ちょっとキーさん、お願い。来てください。次の参拝者の……」
「そうですか、それなら私が……」と、部屋を出てしまったキー。
しばらくして、侍女のエルダが戻ってきました。
花瓶に水を入れております。
「あれ、こんなところに花瓶があるわ。重さからして、少し水が入っているわ。出来上がった聖水なんですね。では、こちらの花瓶に移しておきましょうか」
しばらくして、キーが戻り、聖女様も執務室に戻ってきました。
「では、キー。聖水を持って礼拝堂に行きましょう」
「はい、聖女様」
そして、二人は礼拝堂に入っていきました。
次回のおしっこ聖女は、禿げた頭におしっこを塗りたくります。
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