10 / 111
第2章 空手家、異世界冒険者になる
10.ゴブリンアタック
しおりを挟む
第10話
ゴブリンアタック
ゴブリンは頭が悪いが、悪知恵が働く。
悪知恵が働くが、頭は悪いともいえる。
仕事が終わった。この日は、3人の従業員と経営者こと、おやっさんとおカミさん。
そして、蒼井隼人の6人で、食事をすることになっていた。
シャワーを終えた頃には、テーブルに料理が並べられており、おやっさんは、新しいワインが開けられるので、なんだかウキウキしているようだった。
全員が揃い乾杯で食事会は始まった。
従業員の1人、リコは若い女の子だ。
何やら、獣医になりたいらしく、子供の頃から動物が好きらしい。
他の男二人も同じで、動物が好きらしい。
そう言われると、別段、動物好きでもないオレは、気分が落ち着かなくなってきた。
また、男2人のうち、シンジは「農業は観光になる」とも言っていた。
牛乳からアイスクリーム等を自分で作ったり、体験型観光農業を考えているらしい。
おやっさんも、フムフムと聞いていた。
もう1人の男、レイは黙って聞いているだけで、自分の中の何かを見せることはしなかったが、無いわけでもないのだろう。
『雄弁は銀なり、沈黙は金なり』といった感じだっだ。
楽しい時間は、過ぎるのが早い。
アッという間にお開きとなった。
しかし、皆、明日もここで仕事なのだから、空いた部屋に泊まるようだ。
従業員が泊まることは珍しい事ではなく、仔牛の出産等、徹夜仕事もあるからだ。
おカミさんが、リコを部屋に連れて行ったようだ。
シンジとレイは、もうしばらく飲むようだ。となると、おやっさんも黙ってはいない。
おやっさんが、手にしているワインについて、講釈を始めた。皆、ほどほどに酔が回っているようだった。
しばらくして、オレは、席を立ち、台所で水を飲んだ。
酔を覚ますためだ。
とはいえ、たいして飲んではいないが、ここ最近、ゴブリンが徘徊しているようだし、不覚を取りたくない。
今日中に、宿舎に帰るつもりなのだ。
すると、やけに他の牧場の犬が吠えている事に、皆が違和感を感じた。
次の瞬間、ガシャーン!
ガラスが割れる音がした。
かと思えば、丸太が落ちた音もした。
ゴン、ガタゴト……
なんだ?と言わんばかりに、おやっさんが窓から外を見ると、隣の牧場を無数のゴブリンが襲い、牛達を殺していた。
ゴブリンにとって、牛の図体はデカイ。
とても運ぶことが出来ないが、殺してしまえば、暴れない。
細かく切り刻めば、1人で運べるよう小さくできる。骨などは要らないのだから捨ててしまう。
それを見たおやっさんは、一気に酔が覚めた。
「ゴブリンだッ!」
おやっさんも従業員達も、驚きのあまり理解できなかった。
何故、今、ゴブリンが?
ゴブリンが牛を襲うのは深夜で、今は、まだ日が沈んでから大して時間は経っていないはずだ。
しかも、あんなに大勢で襲ってくるなんて、今まで、精々、5、6匹だったのに。
そう、まだ、深夜ではない。
しかし、ゴブリン達は決めていたのだ、『今日、すべての牛を頂く』と!
すべてなのだから、とても時間が掛かる。
ので、早目に襲撃したのだ。ただ、それだけのことだ。
すべてだから、逃してはイケない。だから、この辺りは見張りを立てて、誰も出入り出来ないようにしているのだ。
そして、ゴブリンどもは、『邪魔な人間も殺しても良い』と決めていた。
次回の空手家は、何故か、隼人は戦わない!
ゴブリンアタック
ゴブリンは頭が悪いが、悪知恵が働く。
悪知恵が働くが、頭は悪いともいえる。
仕事が終わった。この日は、3人の従業員と経営者こと、おやっさんとおカミさん。
そして、蒼井隼人の6人で、食事をすることになっていた。
シャワーを終えた頃には、テーブルに料理が並べられており、おやっさんは、新しいワインが開けられるので、なんだかウキウキしているようだった。
全員が揃い乾杯で食事会は始まった。
従業員の1人、リコは若い女の子だ。
何やら、獣医になりたいらしく、子供の頃から動物が好きらしい。
他の男二人も同じで、動物が好きらしい。
そう言われると、別段、動物好きでもないオレは、気分が落ち着かなくなってきた。
また、男2人のうち、シンジは「農業は観光になる」とも言っていた。
牛乳からアイスクリーム等を自分で作ったり、体験型観光農業を考えているらしい。
おやっさんも、フムフムと聞いていた。
もう1人の男、レイは黙って聞いているだけで、自分の中の何かを見せることはしなかったが、無いわけでもないのだろう。
『雄弁は銀なり、沈黙は金なり』といった感じだっだ。
楽しい時間は、過ぎるのが早い。
アッという間にお開きとなった。
しかし、皆、明日もここで仕事なのだから、空いた部屋に泊まるようだ。
従業員が泊まることは珍しい事ではなく、仔牛の出産等、徹夜仕事もあるからだ。
おカミさんが、リコを部屋に連れて行ったようだ。
シンジとレイは、もうしばらく飲むようだ。となると、おやっさんも黙ってはいない。
おやっさんが、手にしているワインについて、講釈を始めた。皆、ほどほどに酔が回っているようだった。
しばらくして、オレは、席を立ち、台所で水を飲んだ。
酔を覚ますためだ。
とはいえ、たいして飲んではいないが、ここ最近、ゴブリンが徘徊しているようだし、不覚を取りたくない。
今日中に、宿舎に帰るつもりなのだ。
すると、やけに他の牧場の犬が吠えている事に、皆が違和感を感じた。
次の瞬間、ガシャーン!
ガラスが割れる音がした。
かと思えば、丸太が落ちた音もした。
ゴン、ガタゴト……
なんだ?と言わんばかりに、おやっさんが窓から外を見ると、隣の牧場を無数のゴブリンが襲い、牛達を殺していた。
ゴブリンにとって、牛の図体はデカイ。
とても運ぶことが出来ないが、殺してしまえば、暴れない。
細かく切り刻めば、1人で運べるよう小さくできる。骨などは要らないのだから捨ててしまう。
それを見たおやっさんは、一気に酔が覚めた。
「ゴブリンだッ!」
おやっさんも従業員達も、驚きのあまり理解できなかった。
何故、今、ゴブリンが?
ゴブリンが牛を襲うのは深夜で、今は、まだ日が沈んでから大して時間は経っていないはずだ。
しかも、あんなに大勢で襲ってくるなんて、今まで、精々、5、6匹だったのに。
そう、まだ、深夜ではない。
しかし、ゴブリン達は決めていたのだ、『今日、すべての牛を頂く』と!
すべてなのだから、とても時間が掛かる。
ので、早目に襲撃したのだ。ただ、それだけのことだ。
すべてだから、逃してはイケない。だから、この辺りは見張りを立てて、誰も出入り出来ないようにしているのだ。
そして、ゴブリンどもは、『邪魔な人間も殺しても良い』と決めていた。
次回の空手家は、何故か、隼人は戦わない!
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
ゲーム中盤で死ぬ悪役貴族に転生したので、外れスキル【テイム】を駆使して最強を目指してみた
八又ナガト
ファンタジー
名作恋愛アクションRPG『剣と魔法のシンフォニア』
俺はある日突然、ゲームに登場する悪役貴族、レスト・アルビオンとして転生してしまう。
レストはゲーム中盤で主人公たちに倒され、最期は哀れな死に様を遂げることが決まっている悪役だった。
「まさかよりにもよって、死亡フラグしかない悪役キャラに転生するとは……だが、このまま何もできず殺されるのは御免だ!」
レストの持つスキル【テイム】に特別な力が秘められていることを知っていた俺は、その力を使えば死亡フラグを退けられるのではないかと考えた。
それから俺は前世の知識を総動員し、独自の鍛錬法で【テイム】の力を引き出していく。
「こうして着実に力をつけていけば、ゲームで決められた最期は迎えずに済むはず……いや、もしかしたら最強の座だって狙えるんじゃないか?」
狙いは成功し、俺は驚くべき程の速度で力を身に着けていく。
その結果、やがて俺はラスボスをも超える世界最強の力を獲得し、周囲にはなぜかゲームのメインヒロイン達まで集まってきてしまうのだった――
別サイトでも投稿しております。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
何者でもない僕は異世界で冒険者をはじめる
月風レイ
ファンタジー
あらゆることを人より器用にこなす事ができても、何の長所にもなくただ日々を過ごす自分。
周りの友人は世界を羽ばたくスターになるのにも関わらず、自分はただのサラリーマン。
そんな平凡で退屈な日々に、革命が起こる。
それは突如現れた一枚の手紙だった。
その手紙の内容には、『異世界に行きますか?』と書かれていた。
どうせ、誰かの悪ふざけだろうと思い、適当に異世界にでもいけたら良いもんだよと、考えたところ。
突如、異世界の大草原に召喚される。
元の世界にも戻れ、無限の魔力と絶対不死身な体を手に入れた冒険が今始まる。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる