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第1章 俺がたどり着いたこの場所は

第2話 志望動機

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本屋は幸いにもすぐに見つかった。
さっそく地図のコーナーへと向かう。
来たのはいいが、どのマップを見ても俺には見たことのない場所だ。
ここどこだよ。日本じゃねーだろ。

しばらくマップを見て、近くの本も読み漁ってみたがやはり俺の住んでる世界とは違うらしい。
これが異世界ってやつか。
ラノベで異世界ものは読んでたけど、まさか俺が行くことになるとはな。

ここが異世界だってことは分かった。
来たはいいが何すんだ。
俺なんも能力ねーぞ。
それは困るぜ。せっかく異世界に来れたんだから何かしてーよ。

困ってる俺に一枚の案内が目に入った。
「ギルドの後方支援者募集中。男性を積極的に募集してます。」

よし、決めたぜ。
俺はこれに応募する!

俺は本屋で履歴書を購入し、近くの茶店に入る。
履歴書を書いていて経歴とかはそのまま書けばいいんだけど、志望動機が思いつかない。
就活の時も書くの嫌だったわ。
適当に綺麗事書いてさ。それ言ったやつが受かってくんだよな。
いい加減あの制度終われ。

書かねえわけにゃいかないんで、仕方なく案内をもう一度読み返す。
「なになに、パーティは四人で。男女関係なくいるようだな。」

女もいるのか。
志望動機を考えていたはずなのに、頭の中がエッチな妄想でいっぱいになった。
エロいことしてぇ。

こうなったら俺の脳はまともな思考をすることができない。
ろくでもない脳みそであることこの上なし。
もう本音で書いてしまうか。

志望動機:少女の後方支援がしたいです。ひよこが殻を突き破って出てくるように成長させてあげたい。

さすがに本音で全部書くのはやばいときょどった俺は、後半にきれいごとを書いてやった。
これで完璧やろ。
俺は自信満々に履歴書を出した。

結果は果たして…!
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