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第一章
27.第一歩
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「それじゃあどうしたいか決まったら教えてくれ、ゴードン!」
ガチャッ
「お呼びでしょうか。」
国王様が声をかけるとゴードンさんが扉を開けて現れた。
「しばらくはサラにはカナリーゼとジルをつける。2人に伝えておいてくれ。」
「かしこまりました。」
カナリーゼはリゼさんだよね。ジルって?
「あの~…」
「ジルは私の息子でございます。」
「ゴードンさんの!?」
「はい。親の私が言うことではないかもしれませんが、きっとサラ様のお役に立つでしょう。」
「ジルはゴードンの息子だけあってとても優秀で、信用できる。」
「そうなんですね」
ジルさん…か。どんな人かな?
「それと、いつまでも部屋から出ないのは体によくないだろう。この部屋があるフロアは今、人が入れないようになっている。まだ、ほかの人に見られるのはまずいが、フロアから出なければ部屋の外に出てもいい。」
「本当ですか!」
正直なところ本ばかり読むのは飽きてきたところだ。散歩程度でいいから体を動かしたい。
「では、またなサラ。」
「じゃあね♪」
「はい。お話聞かせてくださりありがとうございました。」
「結論は急がなくていい。よく考えて決めるのだぞ。」
「わかりました。国王様、王妃様、おやすみなさい。」
ガチャッ
2人とゴードンさんが出ていき、ライトさんと私だけになった。
「サラ、今日は疲れただろう?俺ももう戻るからしっかり休めよ」
「はい。……ライト兄様、本当にありがとうございました!」
「!!」
ライトさんには感謝ばかりしている。ありのまま思った言葉を口にするとライトさんは少し驚いているようだ。
「おう!いつでも頼っていいからな!」
「はい!」
「じゃあおやすみ、サラ」
「おやすみなさい。」
ガチャッ
そうやって話し合いは終わった。1人になると一気に力が抜けて、また椅子に座り込む。たくさんのことを一度に聞きすぎたかもしれない。
(話しをまとめよう)
私が産まれる少し前から内戦が起こり、国王様たちは私を逃がすために、たまたまこの国に来ていたお父さんたちに私を預けた。その後も国王様は日本にいたほうがいいと判断してお父さんたちに再び預けたってことだよね?
お父さんが私について話しに来ていたとも言っていたな。国王様も私のこと気にしていてくれたみたいだし、国王様たちはこれから私がどうすることを望んでいるんだろう。
コンコンッ
「はい」
ガチャッ
「失礼致します。サラ…様、お着替えをお持ちしました。」
「あっ!」
そういえばドレスのままだった。さすがに1人では脱げも着れもしないだろう。
「ありがとうございます」
「いえ、お手伝い致します。」
リゼさんのおかげであっという間に着替え終わる。ドレスは窮屈だったから、とても開放感がある。
「明日の朝もお召し物をお持ちします。」
「ありがとうございます。……そういえば、またしばらくお世話になるみたいで、よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
リゼさんは相変わらずの表情で一礼をし、扉に近づいていく。
「おやすみなさいませ。」
「おやすみなさい」
バタンッ
扉が閉まるのを見届けると自然と足がベッドへ向かう。寝転がると昨日と同じようにすぐ眠れた。
ガチャッ
「お呼びでしょうか。」
国王様が声をかけるとゴードンさんが扉を開けて現れた。
「しばらくはサラにはカナリーゼとジルをつける。2人に伝えておいてくれ。」
「かしこまりました。」
カナリーゼはリゼさんだよね。ジルって?
「あの~…」
「ジルは私の息子でございます。」
「ゴードンさんの!?」
「はい。親の私が言うことではないかもしれませんが、きっとサラ様のお役に立つでしょう。」
「ジルはゴードンの息子だけあってとても優秀で、信用できる。」
「そうなんですね」
ジルさん…か。どんな人かな?
「それと、いつまでも部屋から出ないのは体によくないだろう。この部屋があるフロアは今、人が入れないようになっている。まだ、ほかの人に見られるのはまずいが、フロアから出なければ部屋の外に出てもいい。」
「本当ですか!」
正直なところ本ばかり読むのは飽きてきたところだ。散歩程度でいいから体を動かしたい。
「では、またなサラ。」
「じゃあね♪」
「はい。お話聞かせてくださりありがとうございました。」
「結論は急がなくていい。よく考えて決めるのだぞ。」
「わかりました。国王様、王妃様、おやすみなさい。」
ガチャッ
2人とゴードンさんが出ていき、ライトさんと私だけになった。
「サラ、今日は疲れただろう?俺ももう戻るからしっかり休めよ」
「はい。……ライト兄様、本当にありがとうございました!」
「!!」
ライトさんには感謝ばかりしている。ありのまま思った言葉を口にするとライトさんは少し驚いているようだ。
「おう!いつでも頼っていいからな!」
「はい!」
「じゃあおやすみ、サラ」
「おやすみなさい。」
ガチャッ
そうやって話し合いは終わった。1人になると一気に力が抜けて、また椅子に座り込む。たくさんのことを一度に聞きすぎたかもしれない。
(話しをまとめよう)
私が産まれる少し前から内戦が起こり、国王様たちは私を逃がすために、たまたまこの国に来ていたお父さんたちに私を預けた。その後も国王様は日本にいたほうがいいと判断してお父さんたちに再び預けたってことだよね?
お父さんが私について話しに来ていたとも言っていたな。国王様も私のこと気にしていてくれたみたいだし、国王様たちはこれから私がどうすることを望んでいるんだろう。
コンコンッ
「はい」
ガチャッ
「失礼致します。サラ…様、お着替えをお持ちしました。」
「あっ!」
そういえばドレスのままだった。さすがに1人では脱げも着れもしないだろう。
「ありがとうございます」
「いえ、お手伝い致します。」
リゼさんのおかげであっという間に着替え終わる。ドレスは窮屈だったから、とても開放感がある。
「明日の朝もお召し物をお持ちします。」
「ありがとうございます。……そういえば、またしばらくお世話になるみたいで、よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
リゼさんは相変わらずの表情で一礼をし、扉に近づいていく。
「おやすみなさいませ。」
「おやすみなさい」
バタンッ
扉が閉まるのを見届けると自然と足がベッドへ向かう。寝転がると昨日と同じようにすぐ眠れた。
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