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第一章

2.知らない場所

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目が覚めると見知らぬ場所に寝っ転がっていた。背中から伝わる感触でベッドの上であることが分かった。

(ここどこ?)

体はうまく動かせないが、少しだけ動く首と、目を使って周りの様子を見る。
部屋は今の状態では見渡せないほど広く、今寝ているベッドも生きていたときに、私が使っていたものの3倍はありそうだ。

(天井つきのベッドなんてはじめて見た)

部屋には他に誰もいないようで、心臓の音ばかりが大きく感じられる。見える範囲だけでもここが日本ではないことがわかった。白を基調とした家具はどちらかというと西洋のものに近い気がする。

(これって夢?それにしてはリアルすぎる気が……)

少し時間が経つと完全とまではいかないが体が動くようになってきた。

(体を起こすのはまだ無理でも寝返りをうつくらいなら)

そう思って体を動かそうとしたとき、
ガチャッ
扉の開く音がして目を向けるとメイド服を着た黒髪の女の子が泣きながら部屋に入ってきた。自分の目に布をあてているせいか私がどれだけ見ていても気がつかないようだ。女の子は泣きながら私のほうへ近づいてきて、ベッドの側に置いてあった椅子に座った。

「ミラ様、どうして……」

泣きじゃくっている彼女を見ると、葬式のときに見たみんなを思い出して心が痛くなる。

「わたくしは、もっと、ミラ様のために、」
「あの~」
「え??」

泣いているところ悪いが、今は少しでも情報が欲しい。そう思って声をかけたのだが……

「!!うわぁーーーー!!!!ミラ様が生きかえ、っ、た……」

バタンッ
女の子は大きな声を出すとベッドに倒れ込んできた。心配になっておもわず体が起きた。顔を覗きこんでみてみるとどうやら、気絶しているだけのようだ。

(よかったぁ。でも、ミラ様ってなに!?とりあえず誰か人を呼ばないと)

「誰かー!誰かいませんかーー!!」

寝起きで出せる精一杯の声を出すも、中々誰も来ない。

(もしかして、ここ私とこの子以外人いないんじゃ……)

不安が大きくなってくる私の予想とは反対に、今度は部屋のそとでパタパタと誰かが走って来る音がした。
コンコンッ  ガチャッ

「失礼します。おーいさっきの大声リゼだろ?また、迷惑かけたの、か……?」

部屋に入ってきたのはグレイの髪にエメラルド色の瞳の男だった。
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