2 / 56
第一章
2.知らない場所
しおりを挟む
目が覚めると見知らぬ場所に寝っ転がっていた。背中から伝わる感触でベッドの上であることが分かった。
(ここどこ?)
体はうまく動かせないが、少しだけ動く首と、目を使って周りの様子を見る。
部屋は今の状態では見渡せないほど広く、今寝ているベッドも生きていたときに、私が使っていたものの3倍はありそうだ。
(天井つきのベッドなんてはじめて見た)
部屋には他に誰もいないようで、心臓の音ばかりが大きく感じられる。見える範囲だけでもここが日本ではないことがわかった。白を基調とした家具はどちらかというと西洋のものに近い気がする。
(これって夢?それにしてはリアルすぎる気が……)
少し時間が経つと完全とまではいかないが体が動くようになってきた。
(体を起こすのはまだ無理でも寝返りをうつくらいなら)
そう思って体を動かそうとしたとき、
ガチャッ
扉の開く音がして目を向けるとメイド服を着た黒髪の女の子が泣きながら部屋に入ってきた。自分の目に布をあてているせいか私がどれだけ見ていても気がつかないようだ。女の子は泣きながら私のほうへ近づいてきて、ベッドの側に置いてあった椅子に座った。
「ミラ様、どうして……」
泣きじゃくっている彼女を見ると、葬式のときに見たみんなを思い出して心が痛くなる。
「わたくしは、もっと、ミラ様のために、」
「あの~」
「え??」
泣いているところ悪いが、今は少しでも情報が欲しい。そう思って声をかけたのだが……
「!!うわぁーーーー!!!!ミラ様が生きかえ、っ、た……」
バタンッ
女の子は大きな声を出すとベッドに倒れ込んできた。心配になっておもわず体が起きた。顔を覗きこんでみてみるとどうやら、気絶しているだけのようだ。
(よかったぁ。でも、ミラ様ってなに!?とりあえず誰か人を呼ばないと)
「誰かー!誰かいませんかーー!!」
寝起きで出せる精一杯の声を出すも、中々誰も来ない。
(もしかして、ここ私とこの子以外人いないんじゃ……)
不安が大きくなってくる私の予想とは反対に、今度は部屋のそとでパタパタと誰かが走って来る音がした。
コンコンッ ガチャッ
「失礼します。おーいさっきの大声リゼだろ?また、迷惑かけたの、か……?」
部屋に入ってきたのはグレイの髪にエメラルド色の瞳の男だった。
(ここどこ?)
体はうまく動かせないが、少しだけ動く首と、目を使って周りの様子を見る。
部屋は今の状態では見渡せないほど広く、今寝ているベッドも生きていたときに、私が使っていたものの3倍はありそうだ。
(天井つきのベッドなんてはじめて見た)
部屋には他に誰もいないようで、心臓の音ばかりが大きく感じられる。見える範囲だけでもここが日本ではないことがわかった。白を基調とした家具はどちらかというと西洋のものに近い気がする。
(これって夢?それにしてはリアルすぎる気が……)
少し時間が経つと完全とまではいかないが体が動くようになってきた。
(体を起こすのはまだ無理でも寝返りをうつくらいなら)
そう思って体を動かそうとしたとき、
ガチャッ
扉の開く音がして目を向けるとメイド服を着た黒髪の女の子が泣きながら部屋に入ってきた。自分の目に布をあてているせいか私がどれだけ見ていても気がつかないようだ。女の子は泣きながら私のほうへ近づいてきて、ベッドの側に置いてあった椅子に座った。
「ミラ様、どうして……」
泣きじゃくっている彼女を見ると、葬式のときに見たみんなを思い出して心が痛くなる。
「わたくしは、もっと、ミラ様のために、」
「あの~」
「え??」
泣いているところ悪いが、今は少しでも情報が欲しい。そう思って声をかけたのだが……
「!!うわぁーーーー!!!!ミラ様が生きかえ、っ、た……」
バタンッ
女の子は大きな声を出すとベッドに倒れ込んできた。心配になっておもわず体が起きた。顔を覗きこんでみてみるとどうやら、気絶しているだけのようだ。
(よかったぁ。でも、ミラ様ってなに!?とりあえず誰か人を呼ばないと)
「誰かー!誰かいませんかーー!!」
寝起きで出せる精一杯の声を出すも、中々誰も来ない。
(もしかして、ここ私とこの子以外人いないんじゃ……)
不安が大きくなってくる私の予想とは反対に、今度は部屋のそとでパタパタと誰かが走って来る音がした。
コンコンッ ガチャッ
「失礼します。おーいさっきの大声リゼだろ?また、迷惑かけたの、か……?」
部屋に入ってきたのはグレイの髪にエメラルド色の瞳の男だった。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
夫を愛することはやめました。
杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。
アブソリュート・ゼロ〜始まりの物語
魑魅魍魎
ファンタジー
0.プロローグ
かつて人々は、魔族と呼ばれる魔法を行使し様々な事象を起こす種族と共に共存、共栄を誇っていた。
空にはドラゴンが飛び交い、魔族との関わりを得てドワーフ族、エルフ族、獣人族と様々な種族が生まれた。
人族もまた魔法を行使する術を身につけ世界は繁栄を続けていくはずだったが…。
ある日を境に人族以外の全ての種族が世界から消える。
昨今、人族は何処より度々現れる魔獣により受ける襲撃に怯える日々。
人々は、魔法によって対抗していた。
時は経ち、遥か昔に人族が魔族と共に世界を繁栄したことなど今は聖書に書かれた物語の一部でしかない。
世界から魔族が消えた日、又、魔族がどこから来てなぜ人族に攻撃を仕掛けるのか現存残っている資料として聖書に記された物語では語られていない。
そして…後に語り継がれる新しい物語は
小さな一つの村から始まる。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
『悪役』のイメージが違うことで起きた悲しい事故
ラララキヲ
ファンタジー
ある男爵が手を出していたメイドが密かに娘を産んでいた。それを知った男爵は平民として生きていた娘を探し出して養子とした。
娘の名前はルーニー。
とても可愛い外見をしていた。
彼女は人を惹き付ける特別な外見をしていたが、特別なのはそれだけではなかった。
彼女は前世の記憶を持っていたのだ。
そして彼女はこの世界が前世で遊んだ乙女ゲームが舞台なのだと気付く。
格好良い攻略対象たちに意地悪な悪役令嬢。
しかしその悪役令嬢がどうもおかしい。何もしてこないどころか性格さえも設定と違うようだ。
乙女ゲームのヒロインであるルーニーは腹を立てた。
“悪役令嬢が悪役をちゃんとしないからゲームのストーリーが進まないじゃない!”と。
怒ったルーニーは悪役令嬢を責める。
そして物語は動き出した…………──
※!!※細かい描写などはありませんが女性が酷い目に遭った展開となるので嫌な方はお気をつけ下さい。
※!!※『子供が絵本のシンデレラ読んでと頼んだらヤバイ方のシンデレラを読まれた』みたいな話です。
◇テンプレ乙女ゲームの世界。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる