王女(妹)の番外編

ルア

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カツオミは今なんて言った?サラが、死んだ?

「どういうことだ……?」

自分の口から出たとは思えないほどの細い声。混乱する頭から自然と伝わって出てきた言葉だ。

「買い物の帰りにトラックとぶつかって即死だったようで、私たちが病院に着いた頃にはもう……。!!ライトくん大丈夫かい!?」
「……」

余程ひどい顔をしていたのだろう、とても焦った様子で駆け寄ってくる。

(大丈夫か?大丈夫なわけないだろ。俺は今一人の妹が死んだと聞かされたんだぞ。)

カツオミに心の中で八つ当たりをしてしまう。彼だって本当の娘のように思って育ててきたサラを亡くして辛いはずなのに。

「すぐに誰か呼ぼう!」
「いい。」
「しかし!」
「今は、独りになりたい。」
「……わかった。」

肩に置かれた手が離れていく。

「私も葬式や諸々の準備や手続きがあるため、あまり長居はできない。サンドラたちには私から直接伝えに行こう、今二人は……いやゴードンさんに聞こう。」
「そうしてくれ」
「では、また来る。本当にすまなかった。」
(カツオミはなにも悪くないだろう…)

声が出なかった。疲れ果ててしまったのかショックが大きすぎたのか動く気力が全く湧かない。

ーーーーーー

数時間のときが経った。頭の中を整理したが、まだ理解が追いついてない。もうサラに会えないなんて、そんなこと考えたことはなかった。いつか、会える日が来ると信じていたのに。

「こんなことなら、もっと早くに会いに行くんだったな」
(たとえサラを困らせてでも)

今日はさすがに休むことにしよう。騎士団の訓練は俺がいなくてもなんとかなるだろうが、ゴードンに事情を話しておくか。
さて、彼はどこにいるだろうか。通信機器のボタンを押せばすぐに来てくれるが、なんだか歩きたくなって長い廊下を一歩一歩進み始める。
いつの間にか目の前に白い扉が見える。ここはミラのフロアの扉の前だろう。どうやら、自然と足を運んでいたようだ。

(最近毎日通ってたからな)

ギィィィー

ゆっくりと扉が開かれる。すると、丁度探していたゴードンが少し慌てた様子で出てきた。

「ライト様!」
「ゴードン丁度良かった。お前に用があったんだ。」
「!!顔色がよろしくないようですが」
「ああ、そのことについても説明しよう。それより、珍しいなお前が慌てるなんて」
「!!そうでした。私も今ライト様をお呼びしに行くところでした。」
「……なにがあった。」

なぜ、ミラのフロアから慌てて出てきた。もう、なにも考えたくはない。

「ミラ様の意識が…」
(やめてくれ、もう、やめてくれっ……)

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